というわけで、一部の熱い要望(笑)を受けて増刷した私家版『マゴニアへのパスポート』ですが、夏コミ「Spファイル友の会」での頒布に続きまして、今回通販を開始することにしました。

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1冊2200円(送料込。前払い)。A5判・398ページ。こちらに申し込みページを置いておきますので、メールフォームにご記入の上、申し込み下さい。

なお、申し込みページにも書いておりますが、今回のバージョンは本の内側のとじ込み部分(いわゆる「ノド」の部分)が狭くなってしまったため、若干開きづらい&読みづらいかもしれません。その辺はご理解のうえ、申し込んでいただければ幸いです。

売り切れの際はご容赦ください。

このあいだ増刷した私家版『マゴニアへのパスポート』であるが、夏コミ3日目の本日13日、「Spファイル友の会」さんトコで若干部を頒布して頂いた(ちなみにこの友の会では今秋に「UFO手帖」第2号という同人誌を刊行予定だと聞いておる。UFOファンの皆さんにおかれましては乞うご期待)。

で、今回持ちこんだ分は結果的にいえば全部ハケたようである。余るかなーと思っていたのだが、案外であった。お買上げ頂いた方にはこの場を借りて御礼申し上げます。

通販のほうであるが、今んところは今月20日前後に告知の予定である。@2000円ちょっと予定。

ツイッター(@macht0412)のほうでもつぶやこうと思っているので、いましばらくお待ちください。

きのうユング『空飛ぶ円盤』についてちょっと触れたところであるが、改めてパラパラめくってみるとなかなか面白い。

むろん、ご承知のようにユングというのは曼荼羅がどうだ錬金術がどうだというペダンティックな話が次々に出てくるので、そのへんは適当に読み飛ばしながら、ということになってしまうけれど。

ちなみに前回チラッと触れた「空飛ぶ円盤というものは物理現象と心的現象のはざまにある<共時的現象=シンクロニシティ>ではないのか」という主張であるが、実際にはこんな風に書いてある(松代洋一訳)。


UFOは実際に物質的な現象であり、未知の性状をもった存在なのである。おそらく宇宙からやってきて、かなり以前から人類に姿をさらしながら、それ以上これといった関係を地球や人類とはもっていない。しかし、最近に至って、人間が空を見上げるようなとき、一方では宇宙旅行の空想から、他方では、いわば、いたく脅かされている地上の生活のために、無意識内容がこの不可解な空中の現象に投影され、当の現象の一向にあずかり知らないような意味を帯びることになった。第二次世界大戦以後、とくに頻繁に現れているようだが、それは共時的現象、つまり、意味上の一致であると考えられる。


うーん、いいですねー。

あと、この本のなかでは「絵画におけるUFO」という章があって、画家のイマジネーションの中にもUFO的なものは忍び込んでいるのだ的なことが書いてある。これはこれでまたワケのわからん話がいろいろ出てくるのだが、それはともかく、ここではそんな作品の一つとして、E・ヤコビー「火の種播き」という作品に分析が加えられておる。これが何故かとても印象に残る作品なのである。

ちなみに『空飛ぶ円盤』にはモノクロ写真しか載っていないのであるが、検索をかけたところカラー・バージョンの画像を発見したので、ここではそれを貼っておく。カラーでみると、なおインパクトがあるなあ。

El sembrador de fuego
 THE FIRE SEEDER, ERHARD JACOBY, 1954


【注】ちなみに画像の載っていたサイトというのはスペイン語だったので例によってグーグル翻訳のお世話になったら、何だか人権団体の主張みたいなことが書いてあった。この絵は単なるカットとして使われただけのようであった



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ブログというのは随時更新し続けなければ誰も見にこないという話があるので、先月末であったか、一週間ほどガンバって続けて書いてみたら若干訪問者が増えた。

増えたけれどもサボってしばらく放置したら、また元にもどって閑散としはじめた。なるほどそういうことなのだなあと改めて思った。

ま、そんなことはどうでも良いのだった。今回はカール・グスタフ・ユングの著書「空飛ぶ円盤」について。

空飛ぶ円盤 (ちくま学芸文庫)
C.G. ユング
筑摩書房
1993-05



よく知られているように、ユングはUFO問題にとても関心をもっておった。そこで最晩年に書いたのがこの本なのだが、極めて単純にいってしまうと「空飛ぶ円盤が物理的な実体としてある可能性は否定できないわけだが、ある種の心的現象として理解することもできるよネ。オレはそういった心的現象としての円盤を論じてみるワ」という本なのであった。

もちろんユングはお得意の「シンクロニシティ」――因果関係で結ばれているわけではないけれども「意味はある」偶然、という禅問答的な概念である――も持ち出していて、つまりUFO現象においては外的事象と人間の精神がどっかでリンクしている可能性も示唆している。なかなか深いものがある。

だが今回は、ユングのUFO論を論じようというワケではないのだった。この本の注釈などをみると、ユングはけっこういろんなUFO本を読んでいることがわかる。なので、今回はそういう本を列記して「ユングも好きだなあ」というのを実感してもらおうと思ったのだった。

しかし、ここに出てくるキーホーの本なんかは有名なので翻訳されてンだろうなあと思ったら、出てないみたい。「未知なるUFO」という本しか訳されてないようだ(ググってみると原題は「Aliens From Space」とのこと)。意外である。


■Edward J. Ruppelt「The Report On Unidentified Flying Objects」(1956)

未確認飛行物体に関する報告
エドワード J. ルッペルト
開成出版
2002-03-30

 
■Dobnald Keyhoe「Flyng Saucers from Outerspace」(1953)

■Dobnald Keyhoe「The Flyng Saucer Conspiracy」(1957)

■Aime Michel「The Truth about Flyng Saucers」(1957)

■Harold T. Wilkins「Flying Saucers on the Attack」(1954)

■Edgar Sievers「Flying Saucer über Südafrika」(1955)

■Gerald Heard「Is Another World Watching? The Riddle of the Flying Saucers」(1950)

■Orfeo M. Angelucci 「The Secret of the Saucers」(1955)
 


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以前数十部刷って好事家の方々に販売したジャック・ヴァレ『マゴニアへのパスポート』であるが、今回、若干増刷してみた。

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前回は「何冊注文しても一冊あたりの価格は固定」という、つまり少部数印刷に優しいOnebooksという業者さんにお願いしたのだが、今回は一部あたりの印刷費を下げる狙いで、いつもより冊数多めでポプルスという業者さんに注文してみた。

今回はポプルスさんの「ソフト書籍」というフォーマットで頼んでみた。カバー、帯つき。なんだかそれらしくみえる。中身については変えてないが、唯一、サブタイトル部分を原著初版に忠実に「フォークロアから空飛ぶ円盤へ」としてみた。

このポプルス版がOnebooks版と違っているのは、薄い紙が選べなかったので、厚く・重く・堅くなった点である(確かOnbooks版は70K、ポプルス版は90K)。郵便局のクリックポストで発送するには厚さ3センチ以下でないといけないのだが、かなりギリギリである。大丈夫だろうか。

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帯のついてないほうがOnebooksバージョン。こっちもカバー付き。
ちなみにポプルスのほうのカバーは、高さが本体部より若干長い規格になってるのでこういう感じになる


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厚さの比較。上がOnebooksバージョン。下がポプルスバージョン。かなり印象が違う



入稿原稿のレイアウトは以前と変えてないのだが、紙が厚く(そして幾分か固く)なる分、ページを綴じ込む「ノド」の部分がやや窮屈になった。まぁそのあたりは重厚感(笑)とトレードオフみたいなところか。

とまれ、400頁ほどもある厚い本なので、この「薄い紙を選べるか・否か」は、意外と見た目や手触りに大きな影響を及ぼすことがわかった。もし今後さらに増刷するようなことがあれば(たぶん無いだろうがw)そのへんも考慮してみたいものである。

そのうち通販フォームみたいなのを作って販売&広宣流布活動を始めたいと思っているが、リアルライフのほうがバタバタ気味なので、ちょっと時間がかかるかもしれない。関心のある方はいましばらくお待ちいただければ。


【7月31日追記】

通販に先立ちまして、今年の夏コミで「Spファイル友の会」さんのご厚意により若干部を頒布させて頂けることになりました。→ 8/13(日)東W-11a
ご興味のある方は「UFO手帖 創刊号」ともどもよろしくお願いいたします。

*通販のほうはプライベートでちょっとバタバタしているので8月下旬になっちゃうかもですが、受付を始めましたら当ブログならびにツイッター@machat0412 にて告知しますのでご希望の方は今しばらくお待ち下さい。


毎日何かしら書いてみようかしらと思っているが、もうネタ切れで無理のようである。

しょうがないので、とりあえず今日は、こないだ書いた1991年の「PRE★STAGE―UFO特集第7弾 UFOサミット2」から切り出した出演者の画像を貼ってお茶を濁すことにしよう。

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*今回ザッと番組をみて思ったのは、池田貴族のたたずまいってなかなかイイじゃん、ということであった。早逝されたが、惜しい人をなくしてしまったものである。
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ここんとこ毎日続けてエントリーを書いたらいつもより少しカウンターが回った。

なるほど「継続は力なり」というのはこういうことなのだな。ということで、本日も短いけれども、ちょっと。久々の「天声人語」ネタである。

今日の「天声人語」はトランプ大統領を批判しておる。それはそれでいい。だが、以下の下りが気に入らん。
(トランプ大統領は)メディアへの攻撃も健在で、CNNになぞらえた男性を殴りつける動画を自ら投稿した。かと思えば、「安倍昭恵夫人は英語が話せず、ハローも言えない」と、他国のファーストレディーへの礼を失した発言も飛び出す

何が気に入らんかというと、安倍昭恵が英語が話せず、ハローも言えなかったとして、その事実を示すことは「礼を失している」ことになる、と決めつけている点である。

ファーストレディは英語がしゃべれんと恥なのか。じゃあカミさんが英語がしゃべれん政治家は、そのことを恥じなければならないのか。そんなことはあるまい。

この天声人語からは、「英語帝国主義」に完全に屈服し、そのことに何のギモンももたない植民地人のさもしい根性を感じた。


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郡純氏の『異星人遭遇事件百科』は、おそらく筆者が「ボクのかんがえた、さいきょうのUFO事件」を事実の如く書いてしまったところに生まれた奇書ではなかったか。前回はそういうことを書いた。

その関連で、「実はこれも似たケースではなかったか」とオレが睨んでいる案件がある。以下、いささか遠回りになるけれども、その話をしてみたい。

匿名掲示板の2ちゃんねるのオカルト板に、かつて「ハードなUFO議論モトム 2」というスレがあった。そこを舞台に―――オレはリアルタイムで立ち会ったわけではないけれども、具体的にいうと2002年、エンジェル・パスというハンドルネームで盛んに書き込みをしている人物がいたのだという。

そのログを読むと、このエンジェル・パス氏は相当にUFOに詳しい人物のようであるし、言ってることもかなりマトモである。自らについては「大学卒業後、某雑誌社に就職」したとか言っている。ただ、それが本当かどうかはもちろんわからない。

さて、そんな人物が、このスレッドでとつぜん奇妙な話を語り出す。曰く――


かつて或る県の公益財団法人が、UFOを調査・研究するチームを組織していたことがあり、自分はそれに参画していた。

これはオウム事件を受け、青少年がああいうのにはまらんようにエセ科学を解析して啓蒙しようという狙いで立ち上げられたもので、その調査は若手科学者を中心に3年ほど続けられた。

だが、財団には公的資金が入っていたため自治体の議員からクレームが入り、研究は頓挫してしまう。公的な記録は失われた。しかし、個人的なデータは生き残っている。2年後をメドに研究内容を本にして出したいと思っている。


まあ、おおむねこのような内容で、地下鉄オウム事件の1995年以降、つまり90年代後半にこういう活動があったということを主張しているのである。で、このログには、具体的な未解明事件の一例なども語られている(簡単にいうと、夜間、県道沿いの森に車を停めていたアベックがパンケーキ型の飛行物体に追われ、逃げていく途中で取り締まり中の警官に遭遇、難を逃れた――といった感じのものである)。

だがしかし、もちろん彼が言っていたようなUFO研究報告の本が出版されることはなかった。あれはいったいナンだったのか、という謎をUFOファンの間に残したまま、このエンジェル・パス氏は闇に消えていったのである。

さて、それでは我々はこの案件をどう考えるべきか。

確かにログをたどるとエンジェル・パス氏の一連の書き込みは総じていえば説得力がある。真剣にいろいろと事件を調べていた風もある。となると、なんかこういう組織的なUFO研究がホントにあったのかもしれないなーと一瞬考えたくなってしまう。だが、オレとしてはこんな「UFO研究が行われた」という話はおよそありえんだろうと思っている。

そもそもの始まりは、オウム事件のようなことが起きないよう青少年に科学的な啓蒙をするのが狙いだった、という。だが、その啓蒙のためにわざわざ「UFOは虚妄である」ことを論証する、というのはフツーの感覚ではありえない。

考えてもみてください。

米国ではかつて「UFOの正体は何なんだ!ちゃんと突き止めろや」という国民の突き上げなどもあって、政府肝いりで設置されたコンドン委員会というものが1966年から68年にかけて、科学者たちを集めてこの問題の解明を試みたことがあった。いま手元に資料がないのでナンだが、費やされた予算は確か50万ドルぐらいだったハズで、仮に数十万ドルということであれば当時の邦貨で1億円規模ということにもなろう(言うまでもなく当時の1億円というのは今の何倍かの価値があったであろう)。

だが、最終的にはこんな一大プロジェクトをもってしてもUFOの何たるかは解明できなかった(そもそもスタッフがやる気がなかったンだよ、というような批判はとりあえず却下シマスw)。

コンドン委員会ですらこの体たらくである。その財団法人とやらがどれほどの予算をかけたのかは知らんが、そんなものをそこら辺のヒマな若手学者が片手間で「解明」できると考えるほうがおかしいのである(その辺のことはUFOに詳しいエンジェル・パス氏であれば、当然知っているはずである)。

だいたい啓蒙活動というからには、いやしくも公的な団体であるのだから、そんなチャレンジングなことをやっておる余裕はなく、もっと確実に成果のあがるプロジェクトを企画せねばなるまい。当時そんなものがあったかどうかは知らんが、「水からの伝言」バスタープロジェクトあたりで手を打つのがオトナの良識というものではあるまいか。

それに議員がアレコレいうより前、予算を組む時点で評議員とかいろいろいるハズなんだから「こりゃ無理スジだろう」という話にもなるだろう。おそらく企画立案者は「あんた熱あるんじゃないの?」といって自宅休養を促されたハズである。

けっきょくのところこのエンジェル・パス氏も、郡純氏と同様、UFO大好き人間として「ボクのかんがえた、さいきょうのUFO事件」――というか、この場合は「ボクのかんがえた、さいきょうのUFO調査チーム」を妄想し、そこに勇躍参加する自らの勇姿を想像することで、もって我が身の無聊を慰めていたということなのではなかろうか。

いや、ここでさらに大胆な「推理」をしてしまえば、この郡純氏とエンジェル・パス氏は実は同一人物であった、という可能性すら考えられないではない!!

なんか、「浮世絵師として一瞬江戸にその姿を現した東洲斎写楽の正体は実は葛飾北斎であった」みたいな破天荒な話になってくるけれども、虚心坦懐に考えれば、その妄想の出現パターンは両者でほとんど同じなんじゃねーかという気がしないでもないので仕方がない、いやこれは冗談じゃなく。

『異星人遭遇事件百科』で脚光を浴びたが、全然証拠を出せないんで「こいつインチキじゃん」といってその世界から放逐された郡純氏が、かつての栄華の日々忘れがたく、匿名掲示板が舞台というのはいささか寂しいけれどもそれっぽい燃料を投下すればまたチヤホヤしてくれるんじゃねーか、ということで再びこういう仕掛けを作った……うーん、何か我ながら出来過ぎのような気がするが、「現実は小説より奇なり」などともいうからな。

ま、このお二方が別人であってもいい。いずれにせよ、こうやって我が国のUFOシーンを撹乱していったという点からすれば、彼らはジャック・ヴァレ言うところの「欺瞞の使者」であったという風に言わざるを得ない。

「いやそんなことはない、オレはあくまでも本当のことを言っているのだ」ということであったなら、今からでも遅くないので表に出てきていただきたい。あるいは、そのへんの事情を知っている人がいたら「いや、あれの真相は…」とかいって本当のことを語ってほしい。日本じゅうのUFOマニアはきっと、そんな展開をいまだに待ち続けているハズだ。(おわり)








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さて、この郡純氏の著書『異星人遭遇事件百科』ならびにテレビ番組における話法でひとつの特徴となっているのは、「UFOの本場・アメリカでの研究によれば・・・」といったスタイルによる立論である。

もちろんそこで登場する研究団体、たとえば「プロジェクトIIA」などというものは実在しないので(笑)実際には説得力はないのだが、よくよく考えてみればこうした議論のスタイルは、日本におけるUFO言説においてごく当たり前に用いられてきたものである。

何故なら、およそ日本においてUFOにかかわる重大事件として語られてきたものは、「アーノルド事件」にせよ「ロズウェル事件」にせよ「ヒル夫妻事件」にせよ、多くが米国発である。もちろんわが国にも「介良事件」「甲府事件」といったものはあるけれども、質的にも量的にも彼の国に見劣りすることは否めない。

有り体に言ってしまえば、日本のユーフォロジーというのはアメリカさんの「後追い」に終始してきた面が非常に強い。

いや、これはオレ自身の反省でもあって、再三「ジャック・ヴァレはこんなことを言っている」などと書き散らかしているこのブログ自体が「舶来」をありがたがる「植民地根性」にどっぷり漬かっていると言えなくもない。

例えば「昔ながらの妖精譚・奇譚と現代のUFO現象は同根である」といったヴァレのテーゼにしたところで、それをそのまま日本に適用できるかどうかは疑問である。例えばここで「妖精」のかわりに例えば「天狗」を代入すればいいのかといえば、それもかなり微妙だ。

そういう意味では天に唾する感はある。あるンだけど、とりあえず自分を棚に上げて言わせてもらえば、日本のユーフォロジーは事例研究から何から、その多くをアメリカに頼ってきた(もちろんヨーロッパとか南米とかでもいろいろ起きているんだが、UFO情報ということでいうとやはりアメリカ経由というのが質・量ともに圧倒的であったから)。

しかるに、そうそう刮目すべき事件が起きるわけではない我が国にあって「なんか起きねえかなぁ」という切実な思いは、日本でUFOにかかわってきた人たちに共通してあったものと推察される。

いささか話が遠回りになったけれども、「アメリカの情報」を頼りにするほかなかった郡氏も実は内心忸怩たるものがあり、どこかで不全感を抱いてきたのではないか。さらに想像をたくましくすれば、おそらく彼はこんな風に考えたハズなのだ。

――ああ、めぼしい事件が起きないんだよなあ、日本って。悔しいなあ。なんかこの国で起きりゃ、このオレ様が縦横に活躍してやるのになあ…

そんな思いを抱いていた彼の胸中に、ある妄想が兆す。

――いろいろ聞くところによれば、この地球には「レティクル座」とかいろんなところから異星人が来ているらしいぞ。となると、連中は日本にも来てるハズだなんだよな。あ、そうだ、じゃあそういう筋書きで「二次創作」してみたらどうだ! この日本を舞台に異星人たちが相争っている。そんなストーリーはどうだ? いや、こいつはなかなか面白いぞ!

かくて彼の脳裏には、異星人が跋扈している「あらまほしき」日本のイメージが膨らみ、あり得たかもしれない衝撃的な事件の数々がまざまざと浮かび上がる。結果、その妄想の世界は一冊の本に結実する。それこそが天下の奇書『異星人遭遇事件百科』。

その空想の世界においては、彼は異星人のたくらみを見抜き、警鐘乱打を打ち鳴らす正義の「異星人アナリスト」である。もはや彼は、アメリカさんの後をついて回るしかない哀しきUFO研究者などではない。かくて、虚構の中に生きる喜びを知った彼は、テレビにまで出て自らの生み出した世界を現実のものであるかのように語り出す。「小説」だったら何の問題もなかったんだろうが、彼としてはそれを「事実」として語ることの誘惑に勝てなかった。そういうことではなかったのかと思う。



加えて、彼の心理を(強引に)もう一歩深読みすることも可能だ。

彼の示す「異星人の勢力分布図」は、様々な異星人が日本を幾つかのブロックに分割して「縄張り」を分け合っているというものであるが、「なんか似たようなのをどっかで見たなあ」とお感じの方もいらっしゃるのではないか。そう、先の大戦後、米国など戦勝国の間で一時期検討されていたという「日本分割統治計画」の地図である。

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 写真左は郡氏の「異星人勢力分布図」、右は「連合軍分割統治地図」

最終的にはアメリカの進駐軍が日本全土を支配することになったけれども、その前段階で、米ソ英中が地域ごとに日本を統治したらどうだろうかという計画があった。その際の各国の幻のテリトリーを示すのがこの地図である。で、彼の「異星人分割地図」は、この「連合軍分割統治地図」にヒントを得て生み出されたものではなかったか、というのがオレの仮説である。

またまた勝手に郡氏の内心を想像してみる。

先にも述べたように、彼は「日本人である自分が一から十までアメリカさんが仕立てた舞台の上で踊らざるを得ない」状況に釈然としない思いを抱いていた。ある意味、日本は「占領」されている。しかしそれが何とも気にくわない。日本人は日本人のユーフォロジーを立ち上げて、この「占領状態」から脱しないとダメなんだ。そのためには「日本が占領されてる」状態をみんなに突きつけないといけない。

そんな潜在意識が「異星人分割地図」を書きだす段になって顔を出してしまった。どこかで見た覚えのある「連合軍分割統治地図」をなぞるようにして、彼は自らの地図を描いてしまう。意識したかどうかはともかく、その地図は「主体性を失った日本への苛立ち」を彼なりに表現するものだったのだ。

………とまぁ、今回も勝手な「推理」を並べ立ててしまった。ただ、先にもちょっと触れたように、ドラスティックな事件が起きない日本において「ボクのかんがえた、さいきょうのUFO事件」を妄想してしまいたくなる心性というのは、この国に生きるUFO愛好家たちがいかほどか共有してきたものではなかったか。

次回はその辺にかかわるおはなしをしてみたい。(つづく)
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さて、YOUTUBEでみかけた郡純氏出演のテレビ番組「PRE★STAGE」というのはコレである(消えてたらゴメンなさい)。



「UFO特集第7弾 UFOサミット2」と銘打っており、調べてみると1991年9月30日(月)の深夜0:55~4:30――厳密にいうと実際には10月1日未明ということになるが――にテレビ朝日で放送されたものらしい。

今見ると、のちに「スーパー公務員」としてテレビドラマのモデルにもなり、UFOネタ抜きでメジャー化してしまった高野誠鮮氏、今は亡きコンノケンイチ氏や池田貴族氏、おなじみの秋山眞人氏等々、いろんな人が出ていて懐かしい。

小学館ワンダーライフ編集長の志波秀宇という人も登場していて、オレは全然知らん人であったが、たまたまこないだ買ってきた洋泉社の「怪奇秘宝 山の怪談編 」というムックに当時を回顧して語るインタビュー記事が載っており、なんだかシンクロニシティを感じた。あと、司会はNHKから独立した千田正穂氏。アシスタントは滝本尚美嬢とTARAKOという面々である。

閑話休題。この時期はちょうど例の『最新異星人遭遇事件百科』が出版された直後ということだったせいか、ワンコーナーを任された郡氏は、この本のネタを使いながらUFOについて一席ブっている。以下、そのくだりを採録してみよう。

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     写真は熱っぽくエイリアンについて語る郡氏


いまお話があったように、特に1989年の春以後、日本では、いわゆるアブダクションケース、異星人による日本人の誘拐事件が頻発している、急増の傾向にあるということが言えるわけです。これは一つの、プロジェクトIIAという団体が調べた情報でまとめたものなんですけど。

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各地に頻発している事件、それ自体が地区ごとによって来ている異星人、アブダクトする異星人の種類が異なるという、そこまで限定されてきている。

例えば北海道ですと「琴座」、本州ですと「てんびん座」「レティクル座」。この「レティクル座」というのは二つありますけども、これはいま現在、地球に来ている宇宙人の種族の中でも、最もマジョリティというか、支配種族だと一般には説明されている種族です。「レティクル座」というのは南半球でしか見れない、日本では一部でしか見えない星座なんですけど、ゼータⅠ、ゼータⅡという出身母星から来ているという、極めて具体的な情報がもたらされています。

九州がその(レティクル座の)地区に入ってますが、例えば宮崎ではですね、24歳のOLと29歳の会社員のカップルが、日南海岸という海岸があるんですが、青島という熱帯植物の生えている島がありますが、その手前で、ドライブ中、夜に4時間のミッシングタイム、いわゆる「空白の時間」を体験した。そういう事件が起きています。

これは逆行催眠という、催眠のテクニックによって、UFOへの拉致体験が明らかになったのですが、いろいろな説が科学者・医学者から出てるわけですね。

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一つは「出生外傷説」というのがあります。これは催眠によって思い出された体験、それは実は自分が誕生した時の苦痛を追体験しているにすぎないという、そういう説です。それによればUFOは母体の子宮、それから胎児型の宇宙人は――彼女は「会った」と主張してるわけですね――胎児型の異星人は自らの胎児時代の反映だ、と。それからUFO内部での生体検査、彼女が受けたそれは分娩室での医学的な処置だ、と。すべて結びつけて考える見解です。

これは非常に説得力が一見あるんですけど、産道を抜け出てきた体験というのは、実は彼女の場合はありえないんですね。これは半ば冗談みたいな話ですけど、彼女は帝王切開で生まれた。したがって「暗いトンネルを通ってUFOに吸い込まれた」という説は、全くこの事実を説明できない。

それから、時間がないので少し省略しますが、「特異心理反映説」。これは彼女が事件当時、一緒にアブダクトされたカップル、恋人との間で、非常に感情にもつれがあった、と。そういう心理が、ある種の幻影を生み出したという説ですね。しかしこの説もですね、同時に男性もアブダクト、拉致されている。男性は全く正常である。じゃあ男性の見たものは何だったのか。説明ができない。

それから「作話」。これも同じですね。つまり逆行催眠という催眠下に於いて、医者に気に入られるような話をでっち上げた。こういう心理はしばしばあり得るのですが、その妄想体験を語ったに過ぎないという説です。しかし、一緒にアブダクトされた男性は、催眠をかけらずに独自にその事実を思い出している。したがって、作話説も否定されることになると思います。

このようなアブダクションケースというのが頻発しているワケですけど、アブダクティーというのは、ここに掲げましたように「3つの心得」とあります。

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(アブダクティーというのは)実際にUFOの中に拉致された人間を指すわけですね。これは或るアメリカのUFO研究団体が、すでに向こうではもう「3つの心得」という具体的なマニュアルまで出てるんですね。日本ではまだおとぎ話の世界ですが。

一つ一つ説明しますと、まず「作戦を練らない」。これは言ってみれば、地球人をゴリラにたとえて、「ゴリラの生態調査に来てるのが宇宙人である」というのがだいたいアメリカの常識的な通説としてあるわけですね。「ゴリラが作戦を立てたところで何になるのか、ナンセンスだ」という考え方からこういうことになっています。

二番目の「恐れない」。これも同じ考え方によるものです。ゴリラが動物学者によって捕獲される。パニックに陥る。傷つくのはどちらか。という問題ですね。

それから「抵抗しない」。これも二番目と似ていますが、こういう項目が出てきたのは、外国では非常に抵抗するケースが多いんですね。例えば1975年でしたか、起きたチャールズ・ムーディーという事件では、砂漠の中で宇宙人に囲まれた、と。一発パンチを食らわせて、相手が倒れてしまったという滑稽な事件さえ起きているんですね。結局彼がどうなったかと言えば、UFOの中に拉致されて実験されて、記憶を抹消されている。結果的には何もわからなかった。それなら初めから抵抗しない、という考え方です。

ただ、私が調べた限りでは、日本人のアブダクティーというの割と抵抗しない。皆無と言ってもよい。割とニヤニヤしちゃうというのが多くて、状況追随型というか。それが結果的にはいいほうに出てると思います。

それはこれは一番最後になりますが、いわゆる宇宙人の死体写真と言われるものですね。これは1990年の8月15日に千葉の片貝という、銚子から南に40キロあまりでしょうか、下がったところにある海岸で発見されたとされているものですね(引用者注:著書では16日とある。言い間違いか)。人形説が強いということは一応お断りしておきたいと思います。

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*引用者注:これは番組の画像から切り出したものだが、著書のほうにもおんなじのが載っている。ただ、ページまたがりで画質もやっぱり酷いので大した違いはないと言い添えておく


その上でこの特色をみると、身長は頭からつま先まで約1.2メートル。ご覧になればわかるように頭が異常に大きいですね。肥大した頭部。丸い目。穴だけの鼻、穴だけの口。ここはちょっと焼けただれていてわからないんですが、指は4本あったという情報もあります。これはまだ確認されていません。そういう特徴を備えている。これはいわゆる「グレイッシュ」という宇宙種族の特色そのものであるわけですね。

グレイッシュというのは大きく二つに分けられるんですが、一つはレテュキュラン。これは先ほど申し上げたレティクル座から来ているとされる宇宙種族です。身長は約1.3メートル。非常に頭が大きい。いわゆる胎児の体型をしている。目が大きくて丸い。穴だけの鼻、口。そして耳は耳たぶがない。穴だけ。指は4本。水かきがついている。先は鉤爪と。そこまで特定されてるわけですね。

もう一つはリゲリアンというのがいまして。オリオン座のβ星から来ている。これは目がアーモンド型で、耳まで少し切れ込んでいる。それを除けば、このリゲリアン、レティキュランは同じ特徴を有しているとされています。気になるのは、これが何故千葉の片貝海岸で発見されたかということなんですね。ともうしますのは、この前日の8月15日に沖合数キロ先で発行物体が墜落している、と。それは貨物船によって目撃されているという事実があるわけです。それと関係があるのかないのか。いずれにせよ非常に興味のある事例かと思われます。


いかがでしょう。口からデマカセでここまで語ってしまうというのはスゲエ才能ではなかろうか。本のほうにも、こういうことが縷々書いてあるんだが、書くんじゃなくて口でこういうデタラメを平気で語るというのはたぶん難しいことだと思う。ナマの郡氏がしゃべってる画像をみて「おぉ!」と思ってしまった所以である(尤も、質疑タイムにはいって池田貴族氏あたりからスルドイ質問を浴びせられたときには、なんかちょっと言いよどむ的な感じもないではなく、なかなか人を欺くというのは難しいものでアル)。

それはそれとして、彼はこの中で、本当にあった(とされている)チャールズ・ムーディー事件なんかにも触れている(彼の創作じゃないという証拠に英語のサイトなどにも書いてある。一例はこのあたり)。「レティクル座の方から異星人が来ている」みたいな話も(オレに言わせればナンセンスだが)言い募っている人達はホントにいるし、話の中に出てくる「出生外傷説」というのも業界的には確かに存在する。

つまり、これは前回も書いたけれども、それが示唆しているのは、明らかに彼はUFO問題についての「素人」ではないということである。よくわかってる人が怪しい話を創作している。そういう匂いがプンプンする。

いったいこれはどういうことなんだろう。その辺に関するオレの「推理」(笑)は次回書いてみたいと思う。(つづく)


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