そうそう、「記憶とはなにか」とゆーハナシで思い出したが、「教えて!goo」をみていたら、『天声人語脳トレ版』(天声人語を1分間読んでから何も見ずに元の文章を書き起こしてみる、というヤツ)をやってるんだが全然うまくいかない、これは老化現象なのでしょうか、という書き込みがあった。

「歳を取ると覚えが悪くなってくるのは仕方ない、そんなに気にするな」みたいな回答がベストアンサーになってて、つまり投書の主にとっては問題は解決しているので外野があれこれ言う筋合いではないのかもしれぬ。が、しかし思わず嘆息してしまったぞ。それはまったくの取り越し苦労というものではないだろーか。

うまく暗記できないのはたぶんアナタのせいではない。それはもともとの天声人語が論理的な文章でないから、素直にアタマに入ってこない、だから思い出せない、ただそれだけのことではないのか。

文章が「Aである。だからB」という構成になっていたとして、AとBが矛盾していたら、アタマのほうは混乱してしまうだろう。「腑に落ちない」のである。「思い出せない」のも仕方ないのだ。

天声人語の「どこがどう論理的でないか」というのは過去のエントリーでいろいろ触れているので今更例を挙げないけれども、天声人語の出来の悪さではなく、自分のアタマのほうに問題があるのではないか、という心配をさせてしまうという点、朝日新聞は実に罪作りである。