さて、朝日新聞の慰安婦報道「誤報」問題である。

これは、朝日新聞が「戦中の日本は植民地にしていた朝鮮で、そこいらを歩いている女性をいきなり拉致し、片っ端から従軍慰安婦にしておった」という詐話師の証言をホントと信じ込んで大々的に報道してしまったことであるとか、あるいはそもそも慰安婦と全然関係ないのに「女子挺身隊=慰安婦」みたいな記事を書いてしまったことなどにつき、先に自ら検証報道をして、いちおう関連記事の取り消しこそしたんだが、一方で「当時はそう書いても仕方のない状況があった」みたいな言い訳をしたものだから「ちゃんと謝ってねーじゃネーか!」といっていろんなところから叩かれている、そういう問題である。

ま、慰安婦=強制連行+性奴隷コンボみたいな理解に立って日本を糾弾している国連の「クマラスワミ報告」とかはこういう報道に強い影響を受けたようであるし、オレなども朝日はちゃんと「間違ってました、すいません」と言っておいたほうがいいと思う。

もちろん、これはオレも常々言っていることであるが「戦場の慰安婦制度なんてものはどこの国でもやってたことだから、オマエラ一切批判すんじゃねー」とか言い出すと、「テメーラ、酷い戦争おっぱじめたワルのクセに開き直るんじゃねー」とかいって逆に袋叩きにされるのが世界のジョーシキなので、その辺は物の言い方に気をつけないといけない(ようである。たぶん)。

それはともかく、その関連のニュースなのだが、池上彰が朝日にもっていたコラム「新聞ななめ読み」で、「やっぱちゃんと謝罪したほうがヨクネ?」的な原稿を書いたところ「それは載せられません」と掲載拒否をされ、結果、「じゃあもう下ります」という話になっているらしい。週刊文春のスクープのようだ。

残念である。

というのは、このコラム「新聞ななめ読み」はしばしば朝日新聞の記事も俎上にあげて批判をしており、つまり朝日新聞の連中は「オレラは批判は批判として受け止めるから。それくらい度量が広いから」と余裕をかましていたのである。もちろんこういうのを「単なるガス抜き」として批判することもできるんだが、オレなんか、やはり「腐っても鯛」で、こういうところはスゲエなとマジで思っていたのだ。だってほかの新聞だと、そもそも「自社の記事を含めて批判させるコーナー」なんてものは作れない。一切自社批判禁止、というのがジョーシキである。

であるからして、たとえば以前書いたエントリー「池上彰の天声人語批判」などでも「朝日新聞も偉いところがあるなぁと常々思っている」と褒めておいた。

ところが今回の一件では、どうやら「この問題は批判せんといとね」と言い出したらしい。よほど痛いところをつかれたのかもしれないが、これはダメである。唯一(?)の美点さえも捨ててしまったのであろうか朝日新聞。そこは何とか守ってほしい一線だ。

【9月3日夜 追記】

などといっていたら、朝日新聞は、明日4日朝刊でいったんボツった
「新聞ななめ読み」を掲載します、と言い出したようだ。ウム、君子は豹変スという。それはそれで大変ヨロシイ。やっぱオレがブログに書いたンで流石に反省したか(と分裂病的妄想を炸裂させるオレw