不世出の奇人、水木しげるが死んだ。

当然の如く、今朝の天声人語もそのことを取り上げている。水木の創作世界の背景には悲惨な戦争体験があったということを書いており、まぁそんなもんだろうなと思う。悪くはない。

ただ、最後にこんなことを書いている。

享年93。砂かけ婆に手を引かれて、戦友のもとへ向かっているか。

ここに激しい違和感を感じた。というのは、「砂かけ婆」みたいな妖怪は、「戦友」たちがいる冥界(なのかどうかは知らんが)とは全然関係ないところにいるンではないか。端的にいえば、妖怪と霊魂は基本的に「所属先」が違っているのではないか。何で「砂かけ婆」に手を引かれて逝かなければならんのか。

いや、オレは水木をちゃんと読んでいないので、ひょっとしたら水木独特の世界観では妖怪と霊界の間には交渉があるのかもしらんが、一般的にはやっぱりそこはキチンと説明が欲しいところであり、コラムを都合よくまとめるためにこういう何となく丸め込むような締めをもってきてはいかんだろう。