この前、福島市の「UFOふるさと館」に行った帰り、福島第一原発のすぐ西側をタテに通過する国道6号線をクルマで走ってみた。

ご承知のように、この一帯は帰宅困難区域となっているが、車外に出ないという条件付きで(バイクを除けば)一般車両も通行が可能である。東日本大震災と原発事故があった時は関東の「安全地帯」にいて(むろん原発の動向次第では関東も住めなくなっていたという話はある)何もできなかったオレだが、ずっとどこかで、やっぱりこの原発周辺のことは気になっていた。

どんな風になっているのか、野次馬っぽくて大変申し訳ないけれども、この機会に、通りすがりでもいいから行ってみようと思ったのだった。

北側から入ると、帰宅困難区域となる双葉町の入り口のところに、警備員みたいな人が立っていた。そこから先はもう全く人の気配とかないし、ロードサイドの店舗の入り口部分なんかも入れないように道路側に柵が設置してある。ゴーストタウン、といってしまうとナンだが、ああ、こんなことになっちまったんだなぁと寂しいきもちになる。

とりわけ大熊町と富岡町の境の辺だったのだが、けっこう家が道路沿いに立ち並んでる住宅街があって、でもやはり道路側には柵があって、もうそこには誰も住んでいないのだった。見たところはどうということもなさそうなのに。商店やガソリンスタンドも並んでて、ここにも暮らしがあったのに。グーグルマップとかでも、たしかにそういう風景は見られるんだが、やっぱりこれは現実なのだった。なんかため息が出た。

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富岡町に入り、磐越道に抜けられるところで右折して国道を離れたンだが、実はあとで聞くと、この曲がり角からそう遠くない富岡の夜ノ森というところに桜の名所があって、この日、地元の人たちが戻ってきて(特別に入るのが許されて)観桜会みたいのが行われていたんだそうだ・・・


なお、このドライブにはDoseRAE2という放射線測定器を持っていった。ダッシュボードの上にこの測定器を置き、フロントガラスの風景と一緒にビデオで撮影する、という試みをしてみたのである。主なポイントのデータはグーグルマップに落としてみたので、ここにリンクを貼っておこう。

ただし、この測定器は、正確なデータを取るには定期的に必要だという「校正」というのをずっとやっていないし、そもそも一定時間、同じ場所において動作が安定しないとちゃんとした数値は出ないという話である。あと、ここにはマイクロシーベルトという単位が出てくるが、この測定器はいわゆる空間線量を測る機械ではないらしいので、そこんとこも注意が必要である。あくまで参考値としてみてほしい。