さて、ジョン・キールの『プロフェシーズ』で彼とほぼ二人三脚で活躍する新聞記者メアリー・ハイアーであるが、今もなお何となく気にかかっているのは、一連の騒動とリンクするかたちで起こったシルバーブリッジ崩落について、彼女がそれを予知するかのような夢を見ていた――というエピソードである。

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メアリー・ハイアー。検索するといろいろと写真がみつかる。これなどはわりかし若い時のらしい。「ベストショット」的な一枚であるやうだ


「ある種の怪異は特定の人物が招き寄せるものである」といった概念は、とりわけ「ポルターガイスト現象の陰に少女アリ」といった定説とともに流布しているワケであるが、なんというか、そういう「能力者」として彼女を考えることはできないのだろうか?

そもそも事の始まりから終わりまでを地元でずっと見続けてきたのは彼女である。キールの語るストーリーをたどっていくと、奇妙な物体の目撃、メン・イン・ブラックとの度重なる対面等々、様々な怪奇現象は、或る意味では彼女を中心に展開していったような気がしてくる。

むろん1970年に亡くなった時に彼女は54歳だったというから、モスマン事件の頃は50歳ぐらいのオバハンで、「ポルターガイスト×少女」類型とは全然違うンだけれど。彼女になんかそういう霊媒体質的なエピソードが残っていれば面白い。調べてはいないが、きっとあるんじゃないか、とすら思う(妄想全開)。

*なお、キールと生前交友があったらしいDoug Skinnerという人が運営している「JOHN KEEL」というサイトがあるので、ついでにリンクを貼っておこう