振り返りみれば、前回クルマを換えたのは2012年の年末のことであったが、その時買ったワーゲンのゴルフ6の車検の時期が今年また回ってくるということもあり、急遽クルマを買い換えることにした。

前回ゴルフ6を買った時にも書いたのだが、オレの好みは「小ぶりだけれどそこはかとなく上質感を漂わせるクルマ」というものである。ゴルフ6はそういう意味ではなかなか良かったのであるが、外車特有の要因というヤツで割高なハイオクガソリンを入れないとならんし、やはり外車特有の故障のリスクというのもつきまとう(そして故障した際の修理費はバカ高い)。今回車検を通すと2年後には下取り価格ゼロという事態も想定せねばなるまいし、そろそろ買い換えるタイミングではないかと考えた。

むろん、この7年間で日本のマトモなクルマは横幅がドンドン広がってしまい、横幅1.7mに収まる5ナンバー車にこだわると選択肢は事実上皆無。3ナンバーではあっても、そこはいささかなりともコンパクトであるとか使いやすさというものを意識したクルマを選ぼうということでいろいろと考えた結果、候補に残ったのはスバルの「インプレッサスポーツ」とトヨタの「カローラツーリング」であった。

で、最終的に選んだのはインプレッサスポーツ。カローラのほうも試乗はしてきたのだが、如何せん後部座席がかなり狭い。膝の前は、まぁ拳2個入るかどうかぐらいの余裕はあったけれども、頭の上は拳一個も入らない感じである。後席に乗り込む時もずいぶん屈まねばならない。

運動性能ではカローラ>インプレッサのような気もするが、オレもジジイなのでそんなには飛ばさない。燃費は明らかにカローラが勝っているけれども、サンデードライバーなのでそんなに長距離を走るわけではなくこれはオレ的には致命的ではない。衝突防止だとか前車追尾といったハイテク性能についていえば両者ほぼ互角。しかるに居住性に限っていえばインプレッサが圧勝。インプレッサスポーツはちょうど年次改良でこれからD型に切り替わる端境期なのだが、「どうせジジイがノロノロ転がすクルマなんだから良かろうよ」ということで、D型を予約するかたちでこないだ注文をしてきた。

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あと細かいことをいうと、今秋からカローラは「ディスプレイオーディオ」と称するシステムをデフォルトの装備にした。これは「カローラ全クラスに液晶ディスプレイを標準で装備するけれども、原則としてそこにはスマホのカーナビアプリを映し出して使ってくださいネ」というシステムである。つまり「これまでフツーのクルマについていたようなカーナビのことはいったん忘れて下さい。代わりにスマホをクルマにつなげるようにするのでそっちの機能を使ってくださいネ」という話である。

もちろん従来型のカーナビ的なパーツもオプションとして付加することは可能で、それを使うこともできる。だがこれはもちろん別料金である。さらにいうと、デフォルトではフルセグのテレビを映す機能もない。テレビをみるのにもオプションの追加が必要である。

もっとも、そのぶんデフォルトのシステムは安く上がっているのだろう。「カーナビはスマホのアプリでOKだし、テレビなんか観ない」という人にとっては合理的とも言える。従来型のカーナビは道路データの更新とかもなかなかできないけれども、こうやってスマホのアプリを使えばデータの更新は時々刻々やってくれる。たしかに長期的にはこういう方向にクルマは変わっていくだろうなーとは思う。

ただしかし、こういうトヨタの「決断」はオレ的にはいささか時期尚早だと思った。

なぜかというと、このシステムを機能させるには常にクルマにスマホを持って乗り込むことが前提となる。「スマホを忘れたらどうするか」という問題がまずある。ついでにいうと、スマホを常時つないで給電している状態を考えると、たぶんこれはスマホの電池に負担がかかる。寿命は明らかに縮むことだろう。であれば、少なくともクルマに通信機能をもたせるためにはケータイ用のSIMをビルトインして使うようなシステムを用意すべきではなかったか(もちろん「自分のスマホに入れた音楽をクルマでも聞きたい」という連中には今のシステムでも問題はないのかもしらんが、そこはいろんな考えの人間がいるだろう)。

もひとつ言うと、現状ではこの「ディスプレイオーディオ」では、走行中にナビやテレビの操作はできない仕組みになっているらしい。もちろん運転者が走行中にテレビとかを見たり操作をしたりするのは道交法違反となるので、「そういうことを幇助するようなかたちになるのはマズい」ということなのだろう、ちょっと前までは走行中に「テレビが映る」よう配線に手を加えて納車してくれていたディーラーとかも最近は「それできません」と言い始めているようである。そういう延長線上でトヨタもこういう仕掛けを考えてきたのであろう。

だが、たとえ走行中でも同乗者であればカーナビを弄るのは何ら問題ない。だからこそカーナビを走行中に操作可能にするDIYは別に違法行為でもなくフツーに行われているのである。というような事もあるので、オレ的には「なんだ自己責任で工作することも妨害するのかよ! とんだパターナリズムじぇねーか。じゃあいいわ、オレはカーナビつけたスバル買って自分でテレビ映るようにカーナビ弄ることにするからYO」という思いも如何ほどかはあった。実際スバルのディーラーもそういう配線加工はやってくれないようなので、納車後に自分でやるしかないと考えている(もちろん町の自動車工場とかに頼む手もあるけどネ)。ま、そういうDIYの道ぐらいは最低限残しておいて頂きたいという話である。

ということで、どうでも良い話を若干アツクなって語ってしまったのであるが、納車は時期的には11月末以降になるようだ。改めて思い出したが、「納車を待つ時間」というのはなんとなくワクワクしていいものである。