さて、以前このブログで中村省三『宇宙人大図鑑』のネタ本となったとおぼしき Patrick Huyghe『The Field Guide to Extraterrestrials』について書いたことがあるが、今回はこのネタ本には掲載されていたものの『宇宙人大図鑑』では採用されなかった事例をひとつご紹介しよう。イラストが衝撃的だったので。

名称未設定



1972年8月28日
アルゼンチン・ブエノスアイレス州バイアブランカ
目撃者:エドゥアルド・フェルナンド・デデウ Eduardo Fernando Dedeu

午前3時、自動車の修理工である目撃者は、古いクルマで家に向かっていたが、ラジオのアンテナの調子がおかしかったので直そうとクルマを止めた。その時になって、彼は道ばたにヒッチハイカーがいるのに気づき、乗せてやった。デデウは彼と話をしようとしたが、その男は意味不敬の音を発するだけだったので諦めた。

その奇妙なヒッチハイカーの身長は6フィートよりちょっと高く、帽子のようなものをかぶり、また襟を立てたコートを着ていた。その男は頭部を別にすれば普通の人間のようにみえた。その頭部はイースター島の石像のそれのようだったのだ。彼のアゴは、ほとんど胸の中程にまで届こうかというぐらい長かった。

15マイルほど行ったところで、クルマは突然止まり、ライトも消えてしまった。デデウはその時、前方の道路上にひっくり返った大きなバスのようなもの――それは光っていた――があるのを見た。彼がもっとよく見ようと止まったクルマから出ていったところ、その「バス」はUFOだということが分かった。その物体は実際は地面の上を移動していて、窓からは白い光、真下には緑の光が見えた。

デデウが振り返ってクルマに戻ってくると、例のヒッチハイカーはいなくなっていた。助手席のドアは開いており、ハンドルは取り外されて床に落ちていた。それから物体が去って行くと、クルマは正常に動くようになった。デデウはそのヒッチハイカーがいないかと辺りをグルッと回ってみたが、彼は見つからなかった。近くにいた夜間警備員はのちに、その辺りに不思議な光が滞空していたことを証言した。

これと同様の「長いアゴ」をもつヒューマノイドは、UFOと関連するかたちでそれ以降7ヶ月間にわたってアルゼンチンで目撃された。また最近では1994年9月にも米国で目撃されている。

【ソース】
ジェーン・トーマス「宇宙から来たヒッチハイカー」=『フライング・ソーサー・レビュー』18,no.6(1972年11-12月)23-24p
「宇宙から来たヒッチハイカー 詳報」=『フライング・ソーサー・レビュー ケース・ヒストリーズ』補遺14(1973年4月)iiip


冷静に考えると「異常にアゴが長い男がヒッチハイクをしていた話」であって、必ずしもこの男とUFOに関係があったとは言えない。

しかし、掲載されているイラストを見ると、顔の長さは1.5フィート、つまり約45センチほどもあったようだ。日本人男性の顔の長さというのは、「日本人頭部寸法データベース2001」なるサイトをみると約23センチ。つまりこのアゴ男の顔の長さは、なんと通常人の2倍もあったことになる!

ちなみに、顔の長さで知られるあのタレントの「なすび」でも、ググってみると顔の大きさは30センチで、アゴ男はこれをも軽々と上回る。となると伝説の巨人プロレスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントはどうだったか知りたいところだが、残念ながら調べてみてもこの情報は得られなかった。


ともかく、このアゴ男の顔のデカさはおそらくギネス級。となると、そうそう偶然が重なるとも思われず、直後に出現したUFOとコイツの間にはなんらかの関係アリと考えたくなる気持ちも分からんではない(参考までにギネスのサイトをチェックしてみたが、ザッとみたところ「世界で一番顔の長い男」という項目は見当たらなかった)。

この事件の名称が業界的にどういうことになっているかは知らんが、オレ的には「モアイ男事件」でいいと思う。続報を待ちたい(と無理な注文をして終わる)。