この春、小1になった子供に新しい自転車を買ってやったところ、「一緒にサイクリングしよッ!」と盛んにせがまれるようになった。しばらくママチャリでおつきあいしてきたのだが、あまりに重い自転車のため10キロも走ると青息吐息。当方、運動不足の中年だということもあるのだが。

同じ走るなら、ここはやっぱり颯爽と走りたい。一念発起して新しいチャリを買うことにした。そこでググったところ、ママチャリとかシティサイクルの上に相当する車種として「クロスバイク」なるものがある、と知った。20キロ級のママチャリに比べて、重さは10キロ前後。走りは別格、とある。ダイエットにも良いかもしれない。物欲は騒ぐ。

さらに調査。とりあえず引っかかったのは「まともなのは10万ぐらいする」「盗難の危険性も高いし、メカもデリケートなので室内保管推奨」ということ。

迷うところである。そもそも、そんな金はあるのか? それに都内の3LDKに親子4人で住んでいて、まだ下の子の部屋さえ用意できていない状態。玄関に縦置きという策もあるようだが、玄関もきわめて手狭。室内にチャリを置く場所など確保できる筈もナシ。

買うとすればマンションの屋根つき駐輪場一択。が、ママチャリに比べると精密機械ともいうべきクロスバイク。早晩サビが出て劣化するのは必至だし、何より高額なものは盗まれる危険が極めて大きい。

そこで良いもの発見。ツウに言わせると「なんちゃってクロス」ということになるのだろうが、「サイクルベースあさひ」なる自転車チェーン店の自社ブランドで、プレシジョン・スポーツA、愛称プレスポ(34、800円)というクロスバイク。まぁそこそこ走れると評判らしい。フレームはアルミ。24段変速。グレードは低いとはいえ、自転車パーツの雄・シマノの部品なども使っている。これは良さげだ。

prespo.jpeg
 【写真はプレスポ】

この値段なら、耐用年数そこそこでもあきらめがつくし、そこそこ強力なカギをつけ、駐輪場の柱にでも括りつけておけば(通称「地球ロック」というらしい)敢えて盗もうという輩もそうはおるまい。プアマンズ・クロス万歳!

※ちなみに以下、司馬遼風にしばし余談。自転車ドロは、悪戯半分のクソガキとプロ集団に大別されるとのこと。クソガキは乗り捨て目的での犯行が多く、犯行用ツールも大したものはもっていないため、ツーロック作戦などそこそこの対策をとれば回避できる。犯罪者集団は高価なチャリを軽トラw等に積み込むような本格派で、強力なツールをもってはいるが、そもそも安めのチャリは相手にしないとの由。


ということで、プレスポ購入を決定。この日曜日に近くの「あさひ」に行って注文してきた。

ここまでの経緯からいって、ママチャリの延長線上での使用となるから、前かご&泥よけも追加。そのぶん重くなってママチャリ化するのだが、そこは割り切る。カギはブースターロック&簡易多関節ロックtateの二本立て。2ちゃんなど見ると、いずれも犯罪者にとっては壊すのに比較的手間がかかるロックとされている。

それから、ママチャリの英式バルブとは違って、この手の自転車は空気を入れるバルブに仏式バルブなるものを採用しており、対応したフロアポンプ(3000円ぐらい)を買わねばならん。さらにサイクルメイトなる盗難補償他もろもろのサービスに加入して2700円。ここまでで5万ちょっとの支払いが確定したのだった。

しかし! 実際にはまだまだ出費が必要である。

ママチャリに比べてタイヤが華奢ということなのだろうか、クロスは段差乗り上げなどでパンクする可能性が相対的に高いらしい。ゆえに予備のチューブやら携帯用工具、携帯ポンプを常時携行するのがキホンと先達は説く。この関係でプラス5000円ぐらい。

ライトもママチャリのダイナモ式と違って外付けのLEDライトを装着する。となるとプラス3000円。手入れもそこそこすべきだろう。と思えば、保守用オイルやらクリーナーといったケミカル類で3000円。

※再び余談。ママチャリといえばライト、カゴ、スタンド、泥よけなんて標準装備だし、段差乗り越えてパンクしたなんて話も聞いたことない。しかも安全性とか何とかグチャグチャ言い出さなければ、とりあえず1万円で入手も可。「走り」をキッパリ捨て去った瞬間、これだけのユーティリティを獲得できるのだと思えば、ある意味ママチャリは現代文化の粋ともいうべきツールであろう。


ここいらの追加注文分はネット通販を考えているのだが、ともあれ、さらに1万ちょっと出費する必要があるようだ。ヘルメットやグローブも買え、とかツウはいろいろ言うのだろうが、今回はとりあえずそこまで手が回らない。

こうやって右往左往しつつ始まるクロスバイク体験。自転車屋は「納車は1週間か10日先」と言っていた。