小生がいま住んでいるのは東京東部なのだが、周知のように首都圏では30年以内に70%以上の確率でM7以上の直下型地震が起きると言われている。

それでもって、郷里は長野県中部なのだが、ここには直下を糸魚川-静岡構造線断層帯というのが走っていて、地震調査研究推進本部によると、M8クラスの地震が30年内に14%、50年内に20%、100年以内で40%の確率で起きるという。なんか西暦800年頃にこれぐらいの地震があって、1000年周期で次のが予想されるということ。全国の活断層をみても、これほど高確率のところは珍しく、ま、いつ来てもおかしくない危険地帯ってこった。

もう何だかなぁ、東京はいかにも、だけれども、信州の田舎でそれホントかよ、どうすりゃいいのよ、って話だ。

人間の社会には、まぁある程度の期間「父祖の知恵」みたいなものが伝承されていって、「この場所は津波にきをつけろ」とか、そこそこ役に立つ話が伝えられていくという風に思われているわけだが、それも1000年単位ともなると無理で(というか、もはやひとつ所に一族が定住している、って時代でもないわけだが)、「ここ、1000年ごとに地震来るんだよね」とか聞かされても全くリアリティ感じられなくなっちまうのである。

考えてみれば、三十三回忌で弔い上げ、みたいなのがいい例で、故人のことを見知っている人間だって33年たてば全くいなくなっちまう、っていう現実が背景にあるわけでしょ? その時点で、故人は社会的にも完全に死んじまう、って話であって。人間は実に忘れっぽい。

そういうわけで、何か「地震必至!」とかいわれてもピンとこないのであるけれども、幸いにして、というべきか科学の知見というものもあるのだから、粛々として有事に備える、そういう姿勢が大事なのだろうなと思う。