ツイッター上での佐々木俊尚氏の発言をめぐってちょっとした議論が巻き起こっているらしい。

発端は野田新首相の誕生にあたっての一連のツイートで、それを俺なりに要約すると、どうせそのうち野田さんもいろんな人から叩かれることになるんだろう、しかし政治が悪いとかいって誰かに責任を押しつけて事足れりみたいなパターンがここんとこ多すぎないか、そういう当事者意識のない人たちって困るよね、ないものねだりはもうやめてくれよ、そういう連中はもうオレ相手にしないからネ、みたいな発言が展開されたのだが、そしたらこれに反発する人が出てきたというハナシだ。トゥギャったサイトもあるので、正確なところはこちらを見てほしい(→「当事者性vsないものねだり論者」という新しい対立軸 2011/08/29

で、思ったのだが、もちろん世の中には確かに「叩かれるべき人」がいるような気はするのだが、一方では「××が悪い」って言ったきり思考停止してしまって、自ら状況を背負う覚悟なんてものはさらさら無い、そういう人は、言われてみりゃあ実際ケッコー多いような気がするのだった(この辺、自戒を込めて、ではあるンだが)。

つまりだな、極論だけれどもホントーに「政治がどうしようもなく悪い」のであれば、自分で政治活動始めるしかないのでないか。いや、そりゃ現実的じゃない、ドン・キホーテだよネ、って話にはなるんだろうが、それほど政治に絶望しているんなら、そしてとりわけ民主主義国に生きる俺たちであればそうするのがホントはスジなのだ。そんなこともせずに文句ばっかりつけてる連中ってどうなのよ、って話なのナ。

で、唐突だが、ここで思い出すのが、俺の好きな黒澤の「七人の侍」なのであった。「誰かのせい」にすることはできない。であれば、自分たちで立ち上がるしかないのだ。そのことにようやく気づいた百姓たちが、侍を雇って野伏せりを撃退するという、例の話である。

もっとも皆さんご存じのように、いったん撃退に成功してしまえば百姓たちも侍を邪険に扱ってハイサヨウナラ、みたいな変わり身をみせるワケで、この百姓たちの「小ずるさ」を描ききったことによってこの映画は名作たり得たと思うのであるが、まぁそれはそれでまた別の話。他人任せで万策尽きたと思ったら「じゃ自分たちで何とかする」というのが人間にとってのキホンのキであって、だから俺もあの映画にいたく感動したのであった。

もっともそういうコトバはブーメランのように俺の方に戻ってきて、「おまいさんは何の社会的影響力もないこんなブログで偉そうなことを言ってるばかりで、いったい何を成し遂げたっていうんだい?」という声が心の中に聞こえてきたりもするワケだ。名の知れたブロガーとかであれば「いやぁこれは言論戦ですよ」とか格好もつけられるんだろうけどね、ここんとこは結局虚空に向かって吠えるだけ、という自己満足で終わってしまいがちな弱小ブログ永遠の課題ではある(笑)。いやぁチラ裏でしたな。

p.s.
そういえば「七人の侍」もしばらく観てないな、ブルーレイになってんのかしら、といろいろググってみたところ、確かにブルーレイ版も売っていた。アマゾンジャパンをみると3651円。で、米アマゾンでは米国版$35.99。このところの円高もあるし、どんなレートで計算されるかわからんが仮に78円/ドルとしたら約2800円。国内版よりかなり安いじゃん。日本語字幕のつかない洋画であれば「ちょっと…」と二の足を踏んでしまうところだが、もともと日本映画ならばオリジナル音声で聞けばよいのだし。ということで、勢い余って「ゴジラ」のブルーレイ$19.99と一緒にポチってしまった。送料込み計$61.55。仮に78円/ドルだと4800円。けっこう安いのではないか。どれぐらいかかるのかわからんが、到着を待つとしよう。