最近なんとなく思ったこと。

琴欧洲が「注文相撲」をしたということで評判を一気におとしたらしい。で、某A新聞の投書欄をみていたら「高位の力士がそういうことをしないように規制せよ」みたいなことを言ってる人がいた。バカだなーと思った。

高い地位にある力士がそういうことをしてこなかったのは「誇り」とか「モラル」とか、あるいは「美意識」のゆえであって、別に「禁止されてるから」ではないのだ。もちろん注文相撲をする自由はある。あるけど、やったら「卑怯」とか「コスイ」とか言われる。それだけは嫌だとおもって、そういうことはしない。できるけどやらない。それが相撲の世界ではないのか。そういうことがわからない人間が出てきたとき、「禁止する」とか言い出したら、もうすでにその人間のロジックに巻き込まれてしまっているのだ。

あぁ、わかんないヤツもいるんだなヤレヤレ、ということでいいのではないか。

どうも最近、その手の「白黒ハッキリさせようや」的な雰囲気が世の中に満ち満ちてきているような気がするのだ。ルールをハッキリきめて、グレーゾーンの存在は許さないというのは、ま、正論といやあそうなんだがネ、年をとってきたせいもあるのか、「そればっかじゃ息苦しくネ?」とオレは思う。

早い話、オレなんかもいつも苦汁を飲まされてる「成果主義」(笑)みたいなものがあって、「はいアンタ10ポイント獲得ね。あ、そっちのあんたはポイントなしか。減点だネ」みたいな世界が広がりつつある。ますます世の中世知辛くなってるし、ビジネスの世界はまぁしょうがねーのかな、とガックリ肩を落とすわけだが、しかし相撲の世界までそういう話になっていいのか。

別にゴリゴリの保守主義者でもなんでもないんだが、しかし外国人には全然わかんないという「忠臣蔵」にかんして、「いややっぱりアリャ犯罪だから」のひと言で済ましてシンパシー全然感じない、みたいな人間ばっかりになったら日本はすでに日本ではなく、そんな国ではもうオシマイのような気がするのである。引かれものの小唄、とわらわば笑え。