パオロ・マッツァリーノさんが「反社会学講座ブログ」で良いことを書いていたので紹介しておこう。

先に芥川賞をとった田中慎弥さんが、受賞会見で無愛想まるだしの応答をして時の人になってしまった(オマケに本まで爆発的に売れはじめてしまったらしいが)アノ件について、である。「私と純文学」というエントリー

 田中さんといえば、受賞後のぶっきらぼうなインタビューで有名になりました。私は田中さんの作品は読んだことありませんが、たぶん、変人なんだろうなと思います。それでいいんです。純文学作家は、人をイラつかせるような変人でないとダメなんです。

 受賞後のマスコミ報道を見てると、田中さんを、じつはいい人なのだという方向へ持っていこうとしてる印象を受けました。母親からいい話を引き出そうとしてたりね。田中さんご本人は、それ望んでるのかな。なぜマスコミのみなさんは、変人を変人のまま讃えてくれないんですかね。賞をもらうのはいい人でなきゃいけないんですか。むしろ、芥川賞は変人賞なんだ、変人を讃える賞なんだと認識を変えたほうがいい。

100%同意である。純文学なんてものは、世の中の常識とか良識をひっくりかえしてナンボ、である。揉み手しながら世間様のご機嫌取るようじゃお話にならないのである。むしろ「勝者」とかエスタブリッシュメントを震撼させるぐらいないと純文学に意味はないのである。

もっとも、あの変態小説「家畜人ヤプー」の作者は判事だったんじゃ?みたいな話もあるし、みた目は品行方正で真面目そうな紳士なんだが、文章書かせりゃ反社会性まるだし、みたいな作家もそれはそれで面白い。