どこで聞いた話だったか、いわゆる文化人と呼ばれる人種が食い扶持を稼ぐ有力な手段として「講演」があるのだそうだ。

印税なんかを考えてみても、この出版不況、何万部も刷ってもらえるのはなかなか難しいが、そこそこ知名度がある人でも、そうさなぁ、やっぱり真面目に1冊書くなら、数ヶ月単位でみっちり頑張らんといかんのではないか。だが、そこへいくと講演はオイシイという。著名作家なんかだと百万円単位、という数字が小生のアタマの片隅には残っている。

たまたまkouen.comというウェブサイトを見かけたのだが、ここに「この人に頼むならウン万円」みたいな情報が書いてある。多くは「要相談」とゆーきわめて日本的なボカシ方をしておるのだが、え、こんなよくわからん人が講演1回20マンとか取るのかよ、という衝撃の事実が掲載されておったりする。

果たしてそれで客は呼べるのか、という疑問もきざすのであるが、しかし、総じていえば講演というものへのニーズ、そこそこあるのかな、とも思う。本なんかだと読むのかったるいし、よくワカランことも多いけれども、講演なら、まぁ何となく分かる(ような気がする)。なんか「カルチャーしたゼ」的な気分にも浸れるし。ということなのか? 馬鹿らしいような気もするが、しかしそうやってカネが環流する仕組みがいまだ成り立っていること自体、実は現代日本のフトコロの深さを示すのかなとも思うきょうこのごろ。