カテゴリ: UFO

CSのヒストリーチャンネルでいま、「プロジェクト・ブルーブック」(seazon1)という連続ドラマを放送している。

いうまでもなく「ブルーブック」というのはかつて実在した米空軍のUFO調査機関で、今回はその科学コンサルタントとして調査に関与した科学者アレン・ハイネックを実名で登場させるという奇策を用いて「UFOにまつわるミステリー」というテイのドラマにしたものである。

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アメリカではそこそこ評判になったらしく、UFOファンとしては是非観ておきたい。もっともオレの家ではヒストリーチャンネルは映らないので、U-NEXTのお試し無料視聴期間を利用して第6話まで観たところである。なので、とりあえずここまでの感想を書いてみることにした。

で、このドラマの売りは、実在したブルーブックとかハイネックを登場させるのもそうであるが、本当にあった事件――たとえば「ゴーマン・ドッグファイト事件」だとか「フラッドウッズ・モンスター事件」とかいったものをドラマ中に潜り込ませて、なんとなくノンフィクション感を醸し出しているところでアル。

ただ、ここは注意が必要で、ドラマでは「いつ・どこでどんな出来事が起こったか」という事件のあらましは事実(とされること)に寄せて作ってあるのだが、それ以外はほとんどフィクション盛り放題である。だからUFOファンであれば「この辺から事実離れて暴走し始めてますなー」みたいなコトは分かるンだが、そういうUFOリテラシーのない人はあたかも全部ホントにあったことのように勘違いする恐れがないではない。

ただそういう早合点する人のことを無視すれば、これは基本的にミステリードラマなので話はいくら面白くしたってイイのである。実際、「ハイネックにつきまとうナゾの男」であるとか「奥さんに接近してくるソ連の女スパイ」だとか、およそウソ八百丸出しの伏線がいろいろあって、そういうところがワクワク感につながるのである。1950年代が舞台ということなので登場人物タバコぷかぷか吸ってるし、ストーリーとあいまったダークな映像も実にあじわいがあってよろしい。聞けば製作はロバート・ゼメキスだそうで、なるほどと納得する。

俳優陣もなかなか良い。ハイネック役のエイダン・ギレンゆーのはこれまでワル役を得意としてきた人のようだが、今回は渋いインテリ中年っつー感じでなかなか格好よい。コンビ役の大尉を演じるマイケル・マラーキーも単細胞の軍人を好演。あと、空軍の大将役でニール・マクドノーっつー役者が端役で出てくるのだが(ググって調べたw)このオッサンがいかにも腹黒そうな陰謀野郎風で気に入った。

ただまぁ、ひと言いわせてもらうと、ドラマの世界なりにリアリティは欲しいよネという感じもないではない。

たとえば、主人公のハイネックは空軍のクイン大佐なる人物とコンビを組んであっちこっち行くンだが、しかしこれだと「ブルーブック」いうのはたった二人でやってる超零細プロジェクトみたいな感じにならんか。実際の「ブルーブック」は何人ぐらいで動かしてたのかは知らんが、たとえば出張旅費の精算をする係員だって要るンではないのか。

あと、出てくる事件が相当に換骨奪胎されているという話は上にも書いたが、これが時系列的には全然違う順番で出てきたりするので、そこそこ囓った人間の側からからみるとフィラデルフィア実験的な「時空間のねじれ」が発生しているようで何となく落ち着きが悪いという感じもアル。

だがドラマとしてはこの先どうなっていくのかとゆーアトラクティブな要素満載ということもあるし、UFOファンとしてはよくぞこういうの作ってくれましたなーという思いは強い。

U-NEXTの1ヶ月の無料視聴期間が切れたあとどうするかを考えねばならンのだが、ひとつには継続契約をする手がある。もうひとつは、米国で出ているシーズン1のブルーレイ・ディスクを買う手もある(日本版は売っていないようなので)。

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Voices Of Wonder
2019-01-14

ご承知のようにアメリカと日本ではブルーレイのリージョンコードが同じであり、国コードの設定さえされてなければアメリカ版でも日本で観られるハズである(よく知らんのだが日本で発売されてないBlu-rayであれば、国コードなんて設定してないのではないか?)。

もっともその場合も問題はある。オレは英語のリスニングはテッテ的にダメなのである。米国のBlu-rayに日本語字幕がついてるワケはない。英語字幕がついてたら、それを読みながら観るという手はあるかもしらんが、これもオレの英語力では厳しい。今後の課題である。


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たまたまNHKダークサイドミステリーのサイトに迷い込んだところ、次のようなアナウンスがあった。  

「ダークサイドミステリー」は、日本のアニメーション文化に多大な影響を受けて制作している番組であり、今回の京都アニメーションで起きた事件は、大変悲しく悔しく無念でなりません。
 
お亡くなりになられた方々とご家族に心から哀悼の意を表すとともに、
負傷なされた方々の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

    2019年7月19日
    「ダークサイドミステリー」制作スタッフ一同


京アニへの連帯を表明するのはたいへん結構なことだとは思うが、この理屈はいまひとつよくわからンかった。「バビル2世」みたいなことであろうか?

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ひきつづき今回『プロフェシー』を再読して疑問に思ったこと。

たいした話ではないけれどもTwitter自粛中(笑)なのでココに書くワケだが、彼のポイントプレザント「冥界めぐり」にほぼ同伴したといってもよい地元の記者にメアリー・ハイアーという人物がいる。

キールの記述を信じるのであれば、という話になるが、彼女はこの間、相当にクリティカルな体験をキールとともにしている。たとえばシルバーブリッジの崩落を暗示するような夢をみたのはまさに彼女だったのだし、奇っ怪な飛行物体をキールとともに目撃したこともある。

ただここでチト気になるのだが、彼女が死んだのは1970年であり、一方キールがこの本を刊行したのは確か1975年であった。つまり彼女はこの『The Mothman Prophecies』を読むことは「できなかった」。そこに書かれたことについては「死人に口なし」で、仮に文句があっても抗弁できなかったことになる。

もちろんキールが彼女が生きていた時点でモスマン事件についていろいろと発言していたこともあったであろうから、彼女が完全なツンボ桟敷におかれていたと断定することはできないのではあるが、さて、この5年のズレをどう考えるか。

なんとなく胡散臭い感じもする。が、その辺も含めてキールの「味」といえないこともない。それが厄介でもあり、面白いところでもある。




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ここンとこTwitterは自粛して「そのぶんブログでも書きましょか」的なノリでムリヤリ毎日何かしら書き続けているンだが、昨日ジョン・キールの話を書いた流れで今回も関連ネタ。

本日は日本語版Wikipediaの「ジョン・A・キール」にはどんなことが書いてあるンだろうなーと思ってのぞいてみたンだが、この記事中の「モスマンの黙示」の項目には何だかヘンなことが書いてあった。

というのは、この項目を読む限り「キールったらいろいろ捏造しやがって!悪ィ奴やなァ」的な話になっておるのだが、その論拠としてここで論及されている「スケプティカル・インクワイアラー」の記事を検索してザッと目を通してみたら、むしろこれは「イロイロと怪しい話を仕組んだ黒幕はグレイ・バーカーですた」的な話ではないのか。

つーか、そもそもこのWikipediaの記述によれば、この「スケプティカル・インクワイアラー」の記事はシャーウッドとグレイ・バーカーが共同で書いたような話になっておるンだが、バーカーはこの時点(2002年)では死んでおるでしょうが。いや確かにキールがアヤシイことを書き飛ばしているのは認めるが、これはちょっと違うだろうコレ書いたヤツは欺瞞の使者(Ⓒジャック・ヴァレ)認定。

何度も言うようにオレは英語不如意でかつ例によって今晩も酔っ払っているので何だかワケ分からん状態なのではアるが、そのうちちゃんと読んでブログのネタにしてみよっかなー、みたいな。


【追記1】
そうだ、そういえば映画「プロフェシー」の関係者含めて一連のモスマン事例に絡んだ人々は「ツタンカーメンの呪い」的に大量死しておるという話をローレン・コールマン辺りが広めているらしい。ひょっとしたらASIOSさんあたりがその辺すでにDebunkしていたような気がせんでもないが、そのあたり仮に手つかずであったら将来ブログのネタにしようかなどとメモライズ。

【追記2】
本件のキーパーソンの一人であるウッドロウ・デレンバーガーはイロイロ騒動があったあおりで離婚してしまいましたお可哀想にという話を某UFO手帖編集長に教えてもらった記憶があるが、今回「プロフェシー」を読んでたら、そのあとコンタクティーつながりで美人の奥さんと再婚したとゆー話が書いてあり、なんだ全然オイシイじゃんと思つた。



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最近、伝説的ユーフォロジストであるジョン・キールの『プロフェシー』を読み返しているのだが、だいぶ内容を忘れていた――というかほとんど忘れていた――こともあって(笑)いろいろと「発見」があった。

そもそもキールの文章というのはウソかマコトかハッキリしないような話をさらりと書くあたりに妙味があるワケだが、とりわけそんな観点から見るとなかなかに興味深いくだりがいろいろとあった。以下二点。

プロフェシー (ヴィレッジブックス)

ジョン・A. キール
ソニーマガジンズ
2002-09



1、ウェストバージニア州という土地

まずは、この本の舞台となっている「ウェストバージニア州」という土地に関して、である。

UFOファンには広く知られているように、この土地ではこれまでいろいろ奇妙な事件が起きてきた。本書がメインテーマとして取りあげている1966ー67年の「モスマン」騒動というのも当然その一つであるが、たとえば「3メートルの宇宙人」が出現したとされる1952年のフラットウッズ・モンスター事件なんていうのもまた名高い事件である。

*余談ながらこれは英語では10-foot-tall monsterみたいな表現が一般的であるようで、ちょうど10フィートというゴロの良さが知名度アップという面ではかなり有効だったのではないかと思う。と同時に、これはメートル表記でいっても「3メートル」となるので大変区切りがよろしい。これが仮に「身長3.5メートル」だったら我が国でもずいぶんと訴求力が削がれたのではないか*

まぁそんなことはどうでも良いので話を元に戻すと、こういう歴史があるが故に、我々UFOファンは「ウェストバージニア州というのは何だかそういう因縁のある土地柄なのではないか」というイメージを抱きがちである。で、この点に関してキールは追い打ちをかけるように、すかさず次のようなことを言うのである。



ウェストヴァージニアについて、インディアンたちは何か知っていたにちがいない。なにしろ彼らはこの土地を避けていたのだから。ヨーロッパ人がガラス玉や火酒や火薬を持ってやってくる以前、インディアン諸部族は北米大陸中に広がって、分割支配していた。(中略)それなのに地図上でただ一か所だけ、"無人地帯"と記された場所があるのだ。それがウェストヴァージニアなのである。(83p)


つまり、この辺りは昔から何だか薄気味悪い場所だったのでネイティブインディアンたちも敬遠していた土地なんだよ、ということを彼は言っている。何だかマユツバのような気もするのだが、ともかくそうやって読者をさりげなく誘導していくのがキール一流のストーリーテリングである。

ついでに、「そもそもウェストバージニア州というのはどういう土地としてイメージされているのか」というのはオレも全然知らんかったので今回改めてググってみたら、こんなことを書いているサイトがあった。



ウェストバージニア州はアメリカ国内では悪名が高いことで知られており、なかでも貧困ランキングでは毎年ワースト5に入るほどの常連です。また、世帯平均年収においてもアーカンソー州やミシシッピ州など南部の州と同様に全米で最低ランクと言われています。

ウェストバージニア州では州民の4人にひとりは肥満体質とされており、全米で最も喫煙者が多い州としても知られています。さらに、他州では通じない独特な英語や単語が日常的に使われており、ウェストバージニア州の人たちはアメリカ国内で無教養な白人に対する侮辱的な言葉である「Hillbilly」と言われることもあります。

ウェストバージニア州はバージニア州から独立した背景があり、アメリカでは東部のカントリーサイドと揶揄されることがあります。貧困で不健康な白人が多いイメージから侮辱的な見方をされてしまいがちですが、自然に溢れ人々の優しさが残る古き良きアメリカの姿が残っていることが特徴です。(サイト「公務員総研」より)


うむ、最後にちょっぴりフォローしているとはいえ、ずいぶん盛大にディスっておるなァというのが正直な感想である。アメリカの東部のほうだというので何となくハイソな感じの土地なのかと考えていたら全然違ってて、お上品な方々はあんまり住んでいないようだ。東京でいうなら足立区や葛飾区、江戸川区みたいなイメージか。

だがしかし、オレなんかは「いーじゃん、気取ってなくて」と敢えて擁護したいところもあり、なおかつそういう怪異の地ということであるならば尚更に魅力があるンではないかとも言いたい。

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2、怪異の場としての「学校」

この本ではモスマンにまつわるストーリーに限らず、1966-67年頃に一帯で起きた奇妙な出来事も広く紹介されている。とりわけウッドロウ・デレンバーガーという人物がいつもニヤニヤ笑いをしている「インドリッド・コールド」という「宇宙人」とコンタクトした話は有名で、この件についてはかなり詳しく書いてある。が、そういう耳目を引くストーリー以外にも「おや?」と思う記述はあるワケで、それはたとえば以下に引用するような事例だ。


一九六六年三月、ある美人の主婦(本人の匿名希望により、ここではケリー夫人としておく)がポイントプレザントの学校付近に車を停めて子供たちを待っていると、信じられないような代物が低空に浮かんでいるのが目に入った。きらきら輝く金属的な円盤形物体で、校庭の真上に停まっている。縁の部分にドアみたいな割れ目が開いていて、その外に人が立っていた。戸口に立っているのではなく、その物体の外の空中に立っているのだ! 体に密着して銀色のコスチュームをまとい、これまた銀色の非常に長い髪を垂らしている。(66p)


これはモスマンとは違う、ごくフツーの人間とみまがうような宇宙人(?)の出現譚であるが、おそらくはこの事例なども踏まえて、彼は別のところでこんなことも書いている。



学校の周辺には異常なほど多くの目撃例やいわゆるフォーティアン現象(論理的・科学的説明のつかぬ全事象をさす。超常現象研究の草分け、チャールズ・フォートの名にちなむ)が集中しているように見え、また目撃者中で最大の割合を占めるのは、七歳から一八歳までの学童や学生だからである。(220p)


偶然ではあるけれども、「UFOはしばしば学校周辺で目撃される」というテーゼは、オレがこの前たまたま買った「Schoolyard UFO Encounters」という本の主題にもなっている。

「学校の怪談」ではないけれども、子供たちが集団で行動している場には何故か「怪異」が引き寄せられてしまうのではないか。そんな連想が働く。むろんUFOの集団目撃といった事例であれば集団ヒステリー的な心的メカニズムで説明がつくケースも多いのかもしれないが、こういうキールの指摘には何となくザワザワっとした感情が掻きたてられるのも確かだ。

ちなみにキールが記しているこのケリー夫人(仮)の体験談は上記の「Schoolyard UFO Encounters」でも取りあげられている。逆にいうと、この本の著者のプレストン・デネットさんも、キールを読んでてその辺りに気づかされたのではないか、と想像したりする。何げない片言隻句からさまざまなイメージが膨らんでいく。こういうところがキールの真骨頂である。

というわけでキールの文章には、噛みしめれば噛みしめるほど味が出てくるスルメのようなところがある。もう死んじゃったけれども、UFOファンとしてはちゃんと読んでいきたい作家の一人であることには間違いない。




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全然読めないのにも関わらず時々英語のUFO関連本を衝動的に買ってしまう。今日届いたのはこの本。

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題して「Unexplained Mysteries of the 20th Century」。



何だかよくわからんが、著者は英国のフォーティアンとおぼしきボード夫妻(全然知らんけど)であるらしい。こないだジェローム・クラークの「Unexplained!」について検索かけてたら、たまたまAmazonでこの本をレコメンドされてしまい、確かに1990年刊行の本でかなり古いけれどもレビューでイッパイ★がついていたし、かつ今も新刊で出ているということはそんなヘンな本でもなかろう(いや十分変だとは思うが)ということでミズテンで頼んでしまった。

パラパラッとめくっただけだが、UFOとか人体発火とかビッグフットとかそのあたりを幅広く紹介しているようであり、たぶん黒沼健的な本であろうと推察ス。

後ろのほうに各国の事例紹介ページみたいなのがあって、日本の項目をみたらよくわからん事例にまじって北海道・萬念寺の「毛が伸びるお菊人形」が「Okiku-chan doll」として紹介されており、和んだ(笑)。


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*ちなみにこの写真でいうと萬念寺ケースの3ツ上には毎日新聞が何故か紙面に載せてしまったため「信憑性アリ!」という誤解を与えてしまった「藤代バイパス車両失踪事件」の話も出ており、なかなかに興味深い。秋田の落涙するマリア像なんてのも見えますナ
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ずっと前に「ジャック・ヴァレの本に出てくる怪しい研究者たち」(笑)を紹介するエントリーをこのブログでも何本か書いたのであったが、久々にそちら関係の話を。

ヴァレの本の中にチラチラ出てくる人物として、脳科学者のマイケル・パーシンガーと作家のポール・デヴルーという人たちがいる。この二人はだいたいセットで論じられているのだが、どうしてそういうことになるかというと、このお二人、そもそもUFO体験というのは地球の地殻関係から生じる電磁気が原因であって、それが発光現象を生じさせれば「UFO出現」ということになるし、それが脳に幻覚をもたらせば「アブダクションだ」ということになるわけヨ――みたいな議論を展開していた。お互い特段の関係はなかったようだが、この二人、期せずして似たような主張をしていたということであるらしい。

うーん、じゃあウチにある強力ネオジウム磁石をこめかみ辺りに押しつけると何か見えてくるんかい、などとついついツッコミを入れたくなるのであったが、そもそも「UFOは宇宙から来ているわけではない」説のジャック・ヴァレとしては、こういう議論も有力なオルタナティブとせざるを得ない。その意味では避けて通ることのできない人物ということになる。

だがしかし、「UFOイコール宇宙船」という思慮を欠く主張ばかりが大手を振ってまかり通ってきた日本であるからして、こういうマイナー系の人(?)はわが国のUFOシーンではほとんどガン無視状態だったようで、著作なんかも訳されていない――いや、もすこし正確に言うと、パーシンガーについていえば超心理学系ではそこそこ知られた論客だったハズなので本ぐらい出てて然るべき人ではあるのだが。

というわけでオレもお二人の言説は全く精査できていないのであるが、たまたま最近本棚の奥から引っ張り出したジェローム・クラークの『Unexplained!』(1999年の版であった)にこの二人をまとめて紹介している頁があった。2頁にも満たない記述ではあったが、ま、少しは勉強になった。このへんにかんして興味のあるかたも国内には5、6人はいるだろうから、以下、その骨子を訳出してみることにした。

いつも冷静なクラークだけに、相当にテキビシイことを書いております。特にデヴルー。「ちょっと何いってるかわかんない」状態でクラクラするが、それだけについつい彼の本をAmazonとかAbebooksで探したくなるオレがいる。

 
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Michael Persinger(1945-2018)=左=とPaul Devereux(1945-)


 アースライト仮説とテクトニクス・ストレス仮説

マイケル・パーシンガーとポール・デヴルーという二人の理論家は、地球物理学に基づいてアノマリー現象を説明しようという仮説をそれぞれ別個に編み出した。テクトニクス・ストレス仮説(略称TST)と呼ばれるパーシンガーの理論は、地殻内の歪み場が電磁電荷を生み出し、それがさらに光体を発生させたり幻覚を見せたりするというもので、その幻覚というのはエイリアンやその宇宙船、あるいは何らかの生物などといったポップカルチャーのイメージに源泉があるのだとする。この仮説の変種ともいうべきものが、デヴルーの「アースライト」概念である。

デブルーのアプローチがパーシンガーのそれと違っているのは、UFOの出現をもたらすモノとして、「圧電効果」ではなく「トリボルミネセンス」(注:鉱物の結晶などが摩擦することで光を生じる現象)をより有力な候補として挙げているところである。パーシンガーが、UFOのように見える光というのは地殻の運動があった場所から何百マイルも離れたところで観察されることがありうるとしているのに対し、デヴルーは一般論としてそのような効果が生じるのは断層線のすぐ近くに限られるとしている。

だが、総じてデヴルーの説というのは(パーシンガーに比較して)より過激な仮説となっている。彼の考えでは、アースライトというのは知性を有しており、目撃者の思考を「読み取る」ことができる可能性すらある。彼はこの仮想上のエネルギーについて「電磁気がよく知られていない形態で現れたもの・・・完全に未知の秩序に依ってたつもの・・・秘匿された力」などと語っており、そのエネルギーを社会に変革をもたらす「ニュー・エイジ」的なビジョンと関連づけている。デヴルーによれば、アースライトの研究には「人類社会の新たな時代をまるごと作り出すようなポテンシャルがある」「それは人類進化の上で重大な意義をもつもの、数多くの問題を前にした我々現代人を悩ませている(社会の)断片化を癒やす助けになってくれるかもしれないもの」だという。

パーシンガーの仮説は科学論文として刊行されたが、批判を浴びた。実証性という面ではその論拠は脆弱だったし、批判者たちは、パーシンガーは或る未解明のもの――すなわちUFOを別の未知のもので説明しようとしている、と言い立てた。彼らは、UFOや「モンスター」の目撃は地層の活動が活発でない場所で起きているとも主張した。クリス・ルトコフスキやグレッグ・ロングといった懐疑論者たちにしてみれば、TST効果やアースライトなどというものは、パーシンガーとデヴルーが示唆している途方もないモノを持ち出さずとも、球電、地震光、ウィルオウィスプ(注:鬼火の意)といった既知の自然現象として考えれば十分ということになる。

デヴルーのUFOを説明しようとする試みについて、ロングはこう記している。「<アースライト>についての様々な報告を注意深く研究してみれば、その光体のかたちは様々なものとして記録されている。そのことをデヴルーは理解していないのではないか。それだけではない。目撃報告によれば、そうした物体の形状は明らかに人工物だし、その動きは知性によってコントロールされたものであり、何らかの目的をもっているのは明らかだ。であれば、こうした物体をテクノロジーの産物である機械以外のものと考えることはできない。こうした事例で、エネルギーの塊だとかボールだとかの出現を示唆するものは全くない」。ルトコフスキはこう言っている。「光が一種の電磁気現象だという仮説を支持する状況証拠や観察結果もあることはあるが、そのようなエネルギーが本当に存在するのかどうかを実証的に判断するためには、さらなる研究が必要である」

パーシンガーは近年、UFOアブダクションの体験を「大脳側頭葉に電磁場が与えた影響が引き金となって生まれた幻覚」として説明しようと試みている。そこでパーシンガーが編み出した実験方法というのは、かぶった人間の大脳側頭葉に電磁波を浴びせることのできる「神のヘルメット」を用いたものである。たしかに多種多様な幻覚が生じた。しかしそれはパーシンガーの主張とは相反するもので、アブダクティーたちが報告したイメージと似たものはほとんど無かった。批判者たちはこう指摘している――被験者たちはアイソレーション・チェンバー(注:外部から隔絶された空間)に入れられたのだが、彼らの体験した幻覚というのは、これまで長いこと行われてきた感覚遮断実験で記録されてきた幻覚と良く似たものであった、と。言い換えれば、その幻覚というのはパーシンガーが考えた「ビジョンを生成する電磁気場」とは全く関係がなかった可能性がある。

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何となくUFOファンめいたフリをしているオレであるが、実際には面白いUFOネタが次々と出現した時代を振り返って懐かしがっているだけでリアルタイムの世界のUFOシーンがどうなっているのかはよく知らん。ま、世界的にコレが衰退しつつあるジャンルであるということぐらいは知っているけれども(笑)。

もっとも、世界にはそれでもまだまだ頑張っている方がいらっしゃるようだ。

例の「トカナ」の記事で知ったのであるが、この9月にバルセロナで「The Ufology World Congress」とゆー催しが行われるらしい。なるほどそんなイベントあるンかーと思って公式サイトにいってみると、どうやら今年で3回目。けっこう国際的な催しのようで、ニック・ポープとかハイメ・マウサンとかよく耳にする研究者に加えて、今回は物理学者にして未来科学評論家とでもいうべき活動でも知られるカク・ミチオも来るとのこと。ワークショップなんかも諸々あるようだ。参加者ほとんど知らんけども orz

まぁこのあたりに日本人研究者が乱入してくれると面白いンだけれども、「イーグルリバー事件のオキュパントのズボンの横のラインは赤じゃねえよ白色なんだよ!」とかいって威張っている人がUFO研究家を名乗ってるこの国なので、そんなのはムリな注文か。

「ムー」あたりが取材してくれれば御の字という感じだが、よく考えるとオレは「ムー」が嫌いでずっと読まないことにしているので、載っても仕方ないのだった(笑)。




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死の海

後藤 宏行
洋泉社
2019-08-07


「オカルトめいた話も語り伝えられている不可解な事件・事故」というのはなかなか興味深いジャンルであって、最近でいえばさまざまな不思議現象・事件を扱って話題になった松閣オルタ著『オカルト・クロニクル』なんかでもこういうジャンルは一つの柱になっていた。

そのような事故の一つとして名高いのが1955年に三重県・津市で起きた「中河原海岸水難事故」である。

そもそもこれはどういう話かといえば、津市の中学校が夏のある日、海岸で水泳の授業をやっていた。ところがそのとき、女子生徒ばかり100人ほどが突然溺れ、36人が亡くなった。異常な潮流が原因とか何とか言われているようなのだが、最終的にはそのあたりはハッキリしていない。ただ、その時溺れかけた或る女生徒が「海中に突如出現した防空頭巾・モンペ姿の女性たちに脚を引っ張られた」という証言をした(というか、そう報じられた)。――終戦10年後、戦時下に非業の死を遂げた人々の怨霊がこの大惨事と関係あるんではないか。以来、この事故はそんな言説とともに語られてきた。そういう話である。

いや、先に「名高い」と書いたけれどもオレなどは何となく薄ボンヤリと聞いた記憶があるような・ないような――といった程度の認識しかなかったワケだが、一昨年9月に放送されたNHKの「幻解!超常ファイル22 戦慄の心霊現象 追究スペシャル」でこの事故が取り上げられた。これを観ていたオレは「なかなか興味深いじゃねーか」と思い、だからこそこの件を調べた新刊刊行との報に「あぁアレか、じゃあ買わんといかんなー」といってさっそく注文をしたという次第なのだった。

で、ここであらかじめ結論だけ言ってしまうと、これはとても良い本であった。

先にNHKの「幻解!超常ファイル」について触れたけれども、実はその際、番組に現地で調査をしているルポライターとして登場していたのが著者の後藤宏行氏である(実際に録画を見直してみたら確かに出演していた。恰幅の良いおじさんである)。

処女作ということで、本書にはこの後藤氏の来歴などもチラチラ書かれているンだが、それによると著者はこの事故の舞台である津市に住んでいるようで、一方、怪奇現象みたいなものにはもともと興味があってライターとして活動していた時期があった。そんな因縁コレアリで、地元のこの事故については昔からチラチラ取材をしていた経緯があるらしい。

そんな過去の記事をみたNHKの番組スタッフがいて「幻解!超常ファイル」の放送へと至り、さらには今回の出版へという流れがあったみたいなのだが、そういう意味では著者は本件については最適のリサーチャーということになるのであろう。

内容的にも説得力がある。ネタバレになるのでハッキリは書かないが、いわゆるオカルト的な解釈を本書は「粉砕」している。加えて、事故が地域社会に及ぼしたインパクトを深掘りしており、そのオカルト的解釈の出現を社会・歴史的文脈から読み解く試みをしている。

たまさかUFOファンであるオレは「UFO研究には証言や物理的データを押さえるだけじゃダメで、事件の解明にはその文化・社会的背景も必要だ」という考えを持っているのだが(→このあたりを参照されたい)、著者が取っているアプローチはまさにそういうものである。

ちなみに著者はかつて国会議員の秘書をやっていた経歴があるらしい(余談ながら新進党→自由党→民主党というキャリアで三重県の政治家というと、たぶんこれは故・中井洽だろう)。これはオレの偏見かもしらんが、政治家秘書というのはクソリアリズムの世界に生きている。オカルト的なモノに興味関心を抱きつつ、しかし一方では夢も希望もないハードボイルドなクソリアリズムを熟知している。そんなキャリアが本作にとっては実に良い方向に出たのだと思う。

途中で哲学者とかの言葉をエピグラム風に挿入したりするのはあんまり効果的でないので止めたほうがイイ、とか若干思うところはある。けれども本筋はたいへん結構かと思う。

この手の怪奇系寄りの話題となると「売らんかな」でいろいろ「盛ってしまう」のが従来のメディアの大いなる欠点である(著者自身もさりげなくその辺りを批判している)。地方在住ともなるとなかなか難しいのかもしれないが、こういうトーンで「次作」を読んでみたい気がする。

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よくわからない英語のUFO本を買ってしまう悪癖はなかなか収まらず、またこんなのをAmazonに注文してしまったのだった。

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「Schoolyard UFO Encounters」。

要するに、エイリアンは意図的に子供たちのいっぱいいる「学校」という場所に好き好んで姿をみせているのではないか――という何だかよくわからないテーゼに基づいて記された本であるらしく、パラ見してみると古今の「校庭目撃事例」が「1頁に1件」みたいなかんじで紹介されている。

もともとオレのスキなエイリアン事例のひとつに学校の近くに妖精めいた変な人物が出没して多くの子供たちに目撃された「スタダム・コモン事件」(1966年)というのがあり、「学校とUFO」という取り合わせには何となく惹かれるものがあった。そんなこともあったんで何となく買ったのであるが、ただこれはアメリカで出版されたこの本ということもあってか、目次を見る限りではイギリスの事例であるスタダム・コモン事件には触れていないようなのだった。残念。

いや、実は今回はそんなことを言いたいのではないのだった。パラパラめくって最後のページにまでいったところ、こんなことが印刷されていたので、ちと驚いてしまったのである。↓

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「Printed in Japan」!?

「オンデマンドで日本でプリントした本」っていうことなのか? いや確かにこの本、洋書には珍しく、注文したらすぐ届いた。知らんところでデジタル・パブリッシングは着々と進歩しているってことなのか?

ナゾの一冊。







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