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えーと、伝説のUFO愛好家団体「Spファイル友の会」によるUFO同人誌「UFO手帖」の第二号がいよいよ世に出るところとなった。この11月23日、文学フリマ東京にて頒布されたところであるが、「ペンパル募集」こと秋月朗芳編集長によれば近々通販も予定しているということなので、好事家の皆様におかれましては今しばらくお待ちください。

さて、今回の「UFO手帖」であるが、表紙からして実にアトラクティブであるし、中身はといえば総計170頁に及ぶ大作であって実に読み応えがある。

特集は 「カタチ」から入るUFO で、編集長自らその大部分をまとめておるのだが、なかなかに深い。

ある時期まで、UFOというのは円盤であり円いものというのが常識であった。ユング流にいえば円というのは精神の全一性を象徴するものであって、つまり円盤というのはどこかありうべき「夢=理想」と骨絡みだったンだが、やがてはそんなお花畑の虚妄性も次第に明らかになってくる。そういうところにノシてきたのは、リベットで鉄材をつないだような無骨な三角形UFOであって、それって何か時代思潮みたいなものを映してんじゃねーか・・・というのは、今回の編集長の論考を読んでオレが勝手に思ったことであるのだが、ともかくそういう喚起力をもつ企画である。

そのほか、各同人がそれぞれお得意の切り口で健筆をふるっておられるので、円盤方面にご興味のある方には必ずや益あるものと思う。一つだけ言っておくと、今回初参加された古参研究家、有江富夫さんが書いておる1947-75年の国内UFO文献の目録は地味ながら資料的価値の高い労作だと思う。

ちなみにオレも今回、特集の中の原稿として「冷蔵庫型UFO」、連載企画「この円盤がすごい!」で「リヴァリーノ事件」、以上の2本を書かせていただいておる。

冷蔵庫型UFOというのは、ジャック・ヴァレが「コンフロンテーションズ」の中でブラジル取材に基いて報告している一連の事件で、狩猟中の住民を追い回しては殺人光線を浴びせたと伝えられている凶悪UFOのハナシである。リヴァリーノ事件も1962年にブラジルで起きたとされるもので、息子が見守る中、球体の発する煙のようなものの中でオヤジが消失してしまったという事件である(前夜に不審者が家の中に出現し、「殺してやる」とか捨て台詞を残して去っていったという奇妙な伏線もあって、そそられる事件である)。

ということで、今回はステマならぬ露骨な宣伝になってしまったが、購入希望の方はSpファイル友の会のサイトだとかツイッターのアカを定期的にのぞかれるのが良いと思います。






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先に出版された『UFO事件クロニクル』という本にほんのちょっぴり原稿を書かせて頂いた。その縁で、この本については時折いろいろググって評判など確かめておるのだが、その内容にかんして某UFO現象学者(という表現を使う人は限られているのですぐ誰かわかってしまうのだがw)がご自身のネットコラムで異論を唱えておられた。

問題となっておるのは、UFO研究の大先達といわれるアレン・ハイネックについての記述である。

曰く、この本には「若き日のハイネックは自然科学を好む一方でオカルトに魅了され」とあるけれども、彼はオカルト書やSFはほとんど読んだことがなかった、これはそっち系の好きなジャック・ヴァレの経歴と混同しておるのではないか――といったご指摘である。

で、アレ?と思った。以前ジェフリー・クリパルの『Authors of the Impossible』という本を読んだ時(いや実は拾い読みなのだスマン)、ジャック・ヴァレがハイネックと話していて、互いにオカルト好きであることが判明して意気投合――みたいな記述があったように記憶していたからだ。で、改めてそのページを開くと、ネタ元はジャック・ヴァレが自分の日記を本にした『Forbidden Science』であることがわかった。

日頃ヴァレ好きとか言っておきながら、こっちもいつも拾い読みしかしておらず、メンゴメンゴというところであるが、ともあれ手元にあるので該当ページを開いてみる。すると、227~228ページの「1966年11月13日、シカゴ」という項にこの話が出ている。

以下、お粗末な拙訳で申し訳ないけれども、そこに書いてある二人のやりとりを掲載してみよう。


ヴァレ あなたは天文学者になろうと心を決める前には、超常現象を研究していたのですね?

ハイネック 秘教に関する本を読むのに、ものすげー時間使っちゃったよね。もちろん仲間たちにはそんなことは言わなかった。気が狂ったと思われただろうからね。でも学生時代のボクは、薔薇十字団やヘルメス哲学について書いてある、ありとあらゆる本を読んでたってワケ。

ヴァレ 告白しておいたほうが良さそうだから言いますが、僕もそういう研究を数年間やっていました。最近まで薔薇十字団の組織に参加までしていたんですよ。

ハイネック どこの?

ヴァレ AMORC(Ancient Mystical Order Rosae Crucis)ですよ。サンホセに本部のある。

ハイネック 君も知っての通り、薔薇十字団を名乗る人々には幾つかの系統というものがあるよネ。秘教についての書き手もいろいろいるケド、若い時のボクにとってとりわけ印象に残ったのはマックス・ハインデル(注:20世紀初めの米国で薔薇十字団の一派を興したヒト)だった。ま、それもマンリー・ホール(注:前述ハインデルの弟子。出版事業でも当てる)の本に行き着くまでの間だったけどネ。最後にはいよいよルドルフ・シュタイナー(注:20世紀初期に活躍した神秘思想家。人智学を提唱)までいった。ボクの考えでは、こうした人々の中で一番「深い」のはシュタイナーだよ。


うむ。「薔薇十字団はオカルトではない」とか、あるいは「ヴァレはウソをついて自分の日記で話を捏造した」とかいうとまた別の話であるが、とりあえず結論はハッキリしとるんではないか。ハイネックは「オカルト大好き」だった。



Authors of the Impossible: The Paranormal and the Sacred
Jeffrey J. Kripal
University of Chicago Press
2010-05-30


Forbidden Science: Journals 1957-1969
Jacques Vallee
North Atlantic Books
1993-01-12



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私家版としてつくったジャック・ヴァレ『マゴニアへのパスポート』が完売した(というか購入申し込みが予定件数に達した、というのが正確なところだが)。

印刷会社を替えたりして若干体裁は変わったりしてるが、これまでにあわせて約100冊を世に送り出したことになる。

いまさらUFO現象ではなかろうという世の風潮もあるし、50年近く前の本を「ニュー・ウェーブの原点だ!」などと持ち上げても仕方あるまいという気はするけれども、ま、「証文の出し遅れ」であってもいちおう証文を出しておくことは無意味ではあるまい。「一粒の麦、地に落ちて死なずば」と聖書も言っておる。

*なお、いま気がついたのだが、手垢がついてたりカバーが若干折れてたりして使用感はあるけれども、手元保存用に2冊残しているので、「どうしても欲しい」という方にはこのヘタった本1冊を販売する手もないではない。応相談。
  ↓   ↓   ↓   ↓
*と言っておりましたら、その最後の1冊も売れてしまいました。ホントに完売(2017/10/13)
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この間、畏友magonia00さんに教えてもらったのだが、UFO事件の中でも渋い味わいのあることで知られる「ジェリー・アーウィン事件」をテーマとした本が、斯界の雄・アノマリスト・ブックスから出たようだ。

これはジャック・ヴァレの『マゴニアへのパスポート』でも取り上げられているのだが、小生の知る限りでは本邦ではあんまりメジャーな扱いをされてこなかった事件である。以下、ヴァレに拠って概略を紹介してみよう。


1959年2月28日、休暇を終えた上等兵のジェリー・アーウィンは、車でテキサス州エルパソにあるフォートブリスの兵舎に向かっていた。その途中――ハッキリとは書いてないが、夜間であったらしい――彼はユタ州のシダー・シティを超えた辺りで、輝く物体が空を横切って飛んでいくのを目撃する。山の尾根に消えた物体に、飛行機事故ではないかと考えた彼は、車の中に「飛行機の墜落があったかもしれないので調べに行きます」とメモを置いて現場を目指した。

その90分後、そのメモ書きを見た保安官たちが組織した捜索隊により、彼は記憶を失って倒れているところを発見された。入院した彼はその後、いったんは軍務に復帰したのだったが、キャンプ内で、そして3月15日にはエルパソの街中で気を失う体験を繰り返している。この3月15日に運び込まれた病院では、夜中に目を覚まして「生存者はいたのか?」と周囲に尋ねたという(つまり、意識が混濁して2月の体験を思い出していたということらしい)。

再び陸軍病院に入った彼は、4月になって退院した翌日、何故かは自分でもわからなかったものの、強い衝動にかられて「現場」のシーダー・シティに向かった。半ば無意識的に登っていった丘で、彼は事件の際に失った上着を発見する。ボタンの穴には、紙切れがきつく巻き付けられた鉛筆が差し込んであったという。だが彼は、何故かそれを取って焼いてしまった。彼が正気に戻ったのはその後だった。

ちなみにAPRO(全米空中現象調査委員会)のジェームズ・ロレンゼンは、その時点でフォートブリスに戻った彼に取材をしている。彼はその後も入退院を繰り返した。夏になると彼は軍務を放棄し、行方不明になってしまった。


何だかあんまり詳しいことが書いてないので隔靴掻痒だし、突然失踪してしまうという結末が唐突で奇妙な感じがするのだが、とりあえずこの事件、先のジェームズ・ロレンゼンがAPROの「フライング・ソーサー」誌28号(1962年11月)に「アーウィン上等兵はどこにいるのか?」と題して記事を書いているらしい。

今回の本は、おそらくそんな古い事件ではあるけれども、面白い話だし、ここは一つ改めて調べてみましよかという仕事なのであろう。ちなみにこの本で序文を書いているというヴァレは、『マゴニア』ではどうやらこれをヒル夫妻事件に先立つアブダクション事件だったのではないかと見ているフシがある。今回の本は、果たしてそのあたりをどのように論じているのか。

そのへんはUFO洋書マニアのmagonia00さんに報告していただければ一番良いのだが(笑)、ともかく1950年1960年代のUFO事件は、なんかこう、イマジネーションの広がるものがあってしみじみと感じいってしまう。いつの日か読んでみたい――と思わんでもない一冊。


【2018/02/23追記】
なお、最初に書いたときは「ゲリー・アーウィン」としたのだが、YouTUBEで著者インタビュー聴いて発音を確認したら(もちろん意味はわからんかったw)「ジェリー・アーウィン」と言っていた。なので、タイトル含めて「ジェリー」に変えました。よろしく。

あと、事件の日は「2月28日」となってるが、現地の新聞等は総じて「2月20日」と報じてるようで、28日と言い張ってるのはロレンゼンさんだけらしい。それをヴァレが引用している、ということですね。

【さらなる追記】
その後、どうにかこうにか読み終えました。そのあたりに関するエントリーはこの辺とかこの辺



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私家版『マゴニアへのパスポート』の通販を開始してからほぼ一週間。30冊ちょっと用意していたのだが、これまでに半分ほど売れた。素人の作った本でもあり、客観的にみればけっこう高いのにありがたいものである。完売も夢ではない。

とまれ、北は北海道から南は大分まで、お求めをいただいた全国のUFOファンの方々には改めて御礼を申し上げます。念のため、申込みフォームへのリンクを再掲。


【追記】おかげさまで売り切れました。購入いただいた方々には改めて御礼申し上げます(2017年9月20日)

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というわけで、一部の熱い要望(笑)を受けて増刷した私家版『マゴニアへのパスポート』ですが、夏コミ「Spファイル友の会」での頒布に続きまして、今回通販を開始することにしました。

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1冊2200円(送料込。前払い)。A5判・398ページ。こちらに申し込みページを置いておきますので、メールフォームにご記入の上、申し込み下さい。

なお、申し込みページにも書いておりますが、今回のバージョンは本の内側のとじ込み部分(いわゆる「ノド」の部分)が狭くなってしまったため、若干開きづらい&読みづらいかもしれません。その辺はご理解のうえ、申し込んでいただければ幸いです。

売り切れの際はご容赦ください。


【注】ツイッターをやっておられる方でしたら「申し込み」は住所(送付先)・氏名・連絡先など記入したダイレクトメッセージを飛ばしていただいても結構です。当方は「 @macht0412  」で運営中です。


【追記】おかげさまで売り切れました。お買い上げ頂いた方には改めて御礼申し上げます(2017年9月20日)



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このあいだ増刷した私家版『マゴニアへのパスポート』であるが、夏コミ3日目の本日13日、「Spファイル友の会」さんトコで若干部を頒布して頂いた(ちなみにこの友の会では今秋に「UFO手帖」第2号という同人誌を刊行予定だと聞いておる。UFOファンの皆さんにおかれましては乞うご期待)。

で、今回持ちこんだ分は結果的にいえば全部ハケたようである。余るかなーと思っていたのだが、案外であった。お買上げ頂いた方にはこの場を借りて御礼申し上げます。

通販のほうであるが、今んところは今月20日前後に告知の予定である。@2000円ちょっと予定。

ツイッター(@macht0412)のほうでもつぶやこうと思っているので、いましばらくお待ちください。

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以前数十部刷って好事家の方々に販売したジャック・ヴァレ『マゴニアへのパスポート』であるが、今回、若干増刷してみた。

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前回は「何冊注文しても一冊あたりの価格は固定」という、つまり少部数印刷に優しいOnebooksという業者さんにお願いしたのだが、今回は一部あたりの印刷費を下げる狙いで、いつもより冊数多めでポプルスという業者さんに注文してみた。

今回はポプルスさんの「ソフト書籍」というフォーマットで頼んでみた。カバー、帯つき。なんだかそれらしくみえる。中身については変えてないが、唯一、サブタイトル部分を原著初版に忠実に「フォークロアから空飛ぶ円盤へ」としてみた。

このポプルス版がOnebooks版と違っているのは、薄い紙が選べなかったので、厚く・重く・堅くなった点である(確かOnbooks版は70K、ポプルス版は90K)。郵便局のクリックポストで発送するには厚さ3センチ以下でないといけないのだが、かなりギリギリである。大丈夫だろうか。

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帯のついてないほうがOnebooksバージョン。こっちもカバー付き。
ちなみにポプルスのほうのカバーは、高さが本体部より若干長い規格になってるのでこういう感じになる


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厚さの比較。上がOnebooksバージョン。下がポプルスバージョン。かなり印象が違う



入稿原稿のレイアウトは以前と変えてないのだが、紙が厚く(そして幾分か固く)なる分、ページを綴じ込む「ノド」の部分がやや窮屈になった。まぁそのあたりは重厚感(笑)とトレードオフみたいなところか。

とまれ、400頁ほどもある厚い本なので、この「薄い紙を選べるか・否か」は、意外と見た目や手触りに大きな影響を及ぼすことがわかった。もし今後さらに増刷するようなことがあれば(たぶん無いだろうがw)そのへんも考慮してみたいものである。

そのうち通販フォームみたいなのを作って販売&広宣流布活動を始めたいと思っているが、リアルライフのほうがバタバタ気味なので、ちょっと時間がかかるかもしれない。関心のある方はいましばらくお待ちいただければ。


【7月31日追記】

通販に先立ちまして、今年の夏コミで「Spファイル友の会」さんのご厚意により若干部を頒布させて頂けることになりました。→ 8/13(日)東W-11a
ご興味のある方は「UFO手帖 創刊号」ともどもよろしくお願いいたします。

*通販のほうはプライベートでちょっとバタバタしているので8月下旬になっちゃうかもですが、受付を始めましたら当ブログならびにツイッター@machat0412 にて告知しますのでご希望の方は今しばらくお待ち下さい。


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ネタもないのでまたまた既視感のあるネタで恐縮なのだが、このあいだ放送された「幻解!超常ファイル」の新作「UFOと人類、禁断の秘密&危ない!こっくりさん」で、とっても面白いシーンがあった。

ゲストのUFO研究家、小山田浩史さんが、「イーグル・リヴァー事件」には古くからの妖精譚に似た要素を見てとることができる、というジャック・ヴァレの見方を紹介したところで、進行役の栗山千明嬢が「それは本当に体験したことなのか、それとも幻覚なのか、というのはちょっと気になります」という風にツッコミを入れた場面である。

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この番組の基本的なフォーマットは、栗山嬢が一人二役をこなし、いわゆる黒クリ(黒い栗山)が「こんな不思議な現象があります」とおどろおどろしく語った後で、いわゆる白クリ(白い栗山)が出てきて「いや、それって科学的に解明可能ですよ」と種明かしをする、というものである。

である以上、白クリがゲストの話を聞くこのシーンでは、「UFO事件というのは妖精譚にも似たところがあって、そうした話は昔から連綿と語り継がれてきたのだよ」という説明に対して、「でも、それって幻覚でしょ?」と念押しする流れは、とりあえずの「お約束」とは言える。

ただ、ジャック・ヴァレ自身がそこんところをどう考えているかというと、「UFO現象というのはレーダーとか着陸痕といった一種の物証があるンで、リアルな物理現象の側面はあるよね。でも、体験者の話を聞くと何だか夢物語みたいな感じがするから、幻視みたいな心理的現象の要素もあるだろうし、もうひとつ言っとくと、場合によってはサイキック現象めいた部分もあるンですよ」といった塩梅で、実はとても曖昧な(あるいはアブナイ)ことを言っているのだった。

つまり、「白か黒か」と踏み絵を迫る白クリの質問というのは、実はヴァレ流のUFO理論からいうと、相当にデリケートな部分に踏み込むものであった。この番組のフォーマットでいうと、「幻覚なんでしょうね」と断言してしまうのが一番収まりが良い。良いけれども、ヴァレの本来の考え方には反してしまう。

ヴァレを踏まえて「うーん、物理的な現象という一面もあるし、場合によってはサイキック現象だったのかもしれませんねー」みたいなことを言い出すと、NHK的にはとってもマズイことになってしまう(これは余談であるが、今回の番組でヴァレのことが深掘りされなかったのは、たぶんその辺に理由があったのだろう→【6月18日追記】なお、そのご某所から聞き及んだのだが、実はサンフランシスコにいるヴァレへの取材も試みたんだが連絡が取れなんだ、という話もあるらしい。念のため付記しておきます)。

で、オレは一瞬、ヴァレのこともよくわかっている小山田さんがトンデモない事を口走るんじゃねーかと不安にかられた(のと同時に期待したw)のだが、たぶんそこは制作スタッフと周到な摺り合わせがあったのだろう、返答は実に巧妙であった。どういう発言だったのか、以下に引用してみよう。


それは本当にあったことなのか、というんじゃなくて…何かがあったとして、本当にあったのか、あるいは幻覚・妄想であったとしても、(大事なのは)本人がそれをどう思ったか。「本人にとっての意味」っていうんですかね。

例えば日本だと、昔から妖怪、天狗、河童といったものに会ったという人がたくさんいて、そういう言い伝えがいろんなところに残っている。「じゃあ鬼は本当にいたのか・いないのか」とか「河童は実在しましたか」という話から始まるんじゃなくて、昔の人たちにとっては天使であるとか悪魔であるとか、あるいは妖精であるとか、そういったものに出会ったというふうに納得すれば、それでいったんは理解はできる。

科学技術等が進んできて、「そういったものはいないんじゃないか」という風になってきた我々にとって、丁度手頃で、そこにあったのが宇宙人…。


いかがだろう。

「ある」「ない」という議論はさておき、不思議なものと出会ったという体験をしてきた人々は昔からいて、それは少なくとも当人にとっては真実の体験である。昔はそこで出会ったものを河童だとか天狗だとか言ってきたわけだけれども、現代人の認識の枠組みとか語彙でそれを言い表せば「宇宙人」ということになる。人間というのはそういうものなのだ――オレ流に言い換えれば、小山田さんはおおむねこういうことを主張したのだった。

これを受けて聡明なる栗山嬢はこう答える。「宇宙人や宇宙船を考えることによって、人間自身を考えることにもなるんだなあって驚きました」

これは実によく考えられた、うまい着地であった。「人間というのは奇妙なものを見てしまう不思議な存在なんだなあ」という当面の結論はNHK的にも許容範囲内であるし、じっさい円盤にかんする重要なポイントである。この場合、着地点としてはとりあえずベストといえよう。「もうちょっとアブナイ方向に踏み込みたいなあ」と思う人は、そこでジャック・ヴァレを読めばいいのである(笑)。

ともあれ、UFOに対する文化現象派的なアプローチがこのようにして天下のNHKの番組で紹介されたというのは画期的なことであった。「UFO≒宇宙船」というテーゼに大きな疑問符をつきつけたということだけでも、これは日本のUFOシーンにとって「歴史的事件」であった(…のかな?)。

これまで述べてきたように、実は地雷的な部分もいろいろとあったハズで、今回の番組を作るについてはいろいろ苦労もあったのではないか。それだけに、改めて今回の番組にかかわった関係者の方々を褒めてあげたい、と思うのだった。

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というわけで、楽しみにしていた「幻解!超常ファイル~UFOと人類、禁断の秘密&危ない!こっくりさん」は昨10日夜にNHKBSプレミアムにてつつがなく放送された。

ゲストの横山茂雄、小山田浩史の両先生がおおむね期待していた線でお話をしてくれたので小生も満足を覚えたところであるが、ジャック・ヴァレについては約1分間(いちおう測ってみたw)話題になった程度ということもあってか、当ブログのカウンタはその後も黙して回らず(笑。ちなみに増えてる分はほとんどオレが定期巡回している効果と考えてよろしい)
→6月18日追記:そのご、ツイッターとかでリンク貼って頂いたせいか若干カウンターが回ったよ~。一日数十ってレベルだけどさw


うーん、ジャック・ヴァレの再評価というのは、ま、やっぱり、そう簡単なものじゃないネ(微苦笑)。

ではあるけれども、小山田先生がヴァレについて語ってくれたのは大変ありがたいことであった。その箇所を以下に採録しておこう。

ちなみにどういう文脈であるかというと、宇宙人と出会ったオッサンが、ジョグに入れた水をあげたかわりに「パンケーキ」をもらったという「イーグルリヴァー事件」について触れた部分である。



(イーグルリヴァー事件の)何年か後に、ジャック・ヴァレというUFO研究家が「これは笑い話やインチキのようなお話に思えるけれども、実はヨーロッパでは、妖精が人間と食べ物を交換するということは、昔からよくある、言い伝えに沢山でてくるお話なんだ」と。

妖精は人間の世界にやってくると、人間の世界のものをいろいろ欲しがるみたいなんですけど、特に水を欲しがる。

(イーグルリヴァー事件のパンケーキの)成分分析の結果としては、小麦粉とかのほかにソバガラとかも入っていたというんですね。ソバはご承知のように痩せた土地によく育つものです。妖精の伝説の中では、妖精というのはソバとかしか育たない痩せた土地で、そういったものからクッキーを作ったりして食べてるんだという話もあって。

それとこの話はよく一致するんじゃないか……という風にジャック・ヴァレという研究者は指摘したんです。


そう、まさにそういうことなんですね。良かった良かった。

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これがヴァレに触れた場面。
ちなみに小山田さんのお顔を勝手に出すとひょっとしたらまずいのかなーと思いまして(全国に流れたので別にまずくないとは思うが)ご本人の了解も得ずに勝手に載せるのはやめておこうということで、お顔にはあえてボカシを入れさせて頂いております m(_ _)m




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NHKの「幻解!超常ファイル」はUFOをはじめとする超常現象を冷静なスタンスで取り上げている番組で好感をもっているのだが、この10日に放送される新作では、どうやらジャック・ヴァレの仕事などにも触れながら民俗学ないしは文化人類学的なUFOへのアプローチを紹介するらしい。

伝説の名著『何かが空を飛んでいる』でこうした方面のUFO研究に光を当てた稲生平太郎氏、在野の民俗UFO研究家・小山田浩史氏も登場されるというので、実に楽しみである。

およそ日本のテレビ番組では前例のなかった切り口でもあり、この方面に関心のある方は必見・必録といえよう(とはいいながら、サイトの宣伝文を読むとヴァレの「ヴァ」の字も書いてないので、本当にそういう放送になるのかどうか若干心配だがw)。

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ちなみに、ひょっとしたら放送後に「ジャック・ヴァレというのは何者なんだ?」「主著は読めないのか?」といってググった人たちが『マゴニアへのパスポート』を知り、「おお邦訳しとる人がいるのかー」「読めないのか?」といった声が盛り上がってくる可能性もないではないので、勝手連的エヴァンジェリストとしては事態の推移を生暖かく見守りたいところでアル。



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そろそろ定年が見えてきたこともあり、死ぬ前にやっておくべきことをちゃんと考え始めないといけないのである。ま、どうせ大したことはできないのだが、本ブログのメインコンテンツである趣味のUFO(笑)関係でいうとひとつ懸案があるので、半ばチラ裏的ブログであるココに、忘れないように書いておく。

趣味で翻訳したジャック・ヴァレの『マゴニアへのパスポート』を、いわゆる「翻訳権の10年留保」によって印刷・頒布した件は当ブログでも過去に記してきたところである。

が、同様にして、全然邦訳がされないのに業を煮やして勝手に翻訳したヴァレのテキストというのはまだまだ手元にあって、具体的にいえばそれは『見えない大学 The Invisible College』『ディメンションズ Dimensions』『コンフロンテーションズ Confrontations』『欺瞞の使者 Messengers of Deception』といったあたりである(ついでに言っとくと、英文をスラスラ読んでその場で理解する能力がないので、やむなくこれらの本も杉田玄白よろしく手探りで訳読してきたのであって、翻訳テキストというのはその副産物である)。

ただそれらはいずれも原著が1970年以後に刊行されたものなので「翻訳権の10年留保」の対象にならず、つまり、勝手に翻訳・公開することはできない。ヴァレが死んで50年だったか経過したら著作権も消失して勝手に本にすることができるようになるわけだが、当然その頃にはオレも死んでいるのだった。

しかし、である。よくよく考えてみれば、私的に翻訳したテキストをノートに書き出したりプリントしたりしている限りでは原著作権者の権利を侵害していることにはなるはずもない。ということは、こういうヴァレのテキストなども、1冊だけ印刷業者さんに刷ってもらって自分の手元に置いておく限りでは何のお咎めもないだろう。

というワケで、こういうテキストを「世界に一冊だけの本」として印刷してもらう。「何の意味があるのか」と言われたら、たぶん何の意味もない。一人で眺めて、読み返して、ニヤニヤして自己満足するだけのことであろう。ただ、よくよく考えると、人間が生きている意味なんてものも、実はあるのかないのかよくわからんし、結局人生は自己満足できりゃあいいのだと考えれば、そういう無駄なプロジェクト(笑)を楽しむというのもアリではないか。

手元にあるテキストはかなり粗っぽいものなので、本の体裁にするんだったらちゃんと翻訳を見直したりしないとならずそれなりの手間にはなるけれども、その辺も含めて老後の楽しみとするテはあるぞと考える今日このごろ。

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ヴァレの本。ちなみにうしろに見える『リヴェレーションズ Revelations』という本はいちおう『人はなぜエイリアン神話を求めるのか』というクソダっサい書名で邦訳されてるので、翻訳で省かれた部分だけしか訳してはいない。なので「世界に1冊だけの本」プロジェクトの対象外となる)







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先ほどツイッターのほうにも書いたのだが、オレは定期的に「ジャック・ヴァレ」を検索して何か情報がないか巡回することにしており、その結果、本日は刮目すべきサイトをふたつも発見した。

ひとつはSF評論家にしてUFO研究家でもあり、なおかつ「ヴァレを日本で最もよく知る男」でもある礒部剛喜さんが書評サイト「シミルボン」で連載している「UFO現象学への招待」の新しいエッセイで、今回登場したのはなんとヴァレの主著『見えない大学』である! 礒部さんがこれまでこのシミルボンで紹介されてこられたのはいずれも英語本で、英語力不如意の身としては全然読んだことがないものばっかりだったワケだが(その中にヴァレの刊行日記があったりするけど通読はしておらんのだ)、この『見えない大学』はオレも努力して何とか通読したヤツで、それだけにとても嬉しい(当ブログで取り上げたこともあるのだッと、ちょっと威張るw)。中身も素晴らしい! ぜひ皆さんも礒部さんが傾ける蘊蓄を楽しんでいただきたい。

もうひとつはフリーライター&書評家の朝宮運河さんのブログで、こちらでは小生も参加させていただいた超常・UFO同人誌「UFO手帖」創刊号の紹介をしておられる。こちらもやはりヴァレ愛(?)を感じさせる内容であり、「UFO手帖」の出来を褒めて頂いておる。小生が翻訳した私家版『マゴニアへのパスポート』の増刷をご所望のようでもあり、いつか何とかしたいなあと思わんでもないのだが、さて、その辺はどうなることやら。
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宗教学者のジェフリー・クリパルが、その著書『Authors of the Impossible』で一章を割き、UFO研究家のジャック・ヴァレ論を展開していることは当ブログでも再三書いてきたところである。おおむね読み終わったのでボチボチ内容紹介でもしていこうかと思ってはいるのだが、しかし、ちょっと逡巡しちゃったりしてなかなか進まぬのである。

どういうことかというと、例えば、クリパルはヴァレを評するのに再三「gnostic」という言葉を使っているのだが、これがなかなか厄介だったりする。

この「グノスティック」というのは、一つにはキリスト教の異端の一つとしての「グノーシス派」を形容する言葉であったりするわけだが、一方ではもうちょっと広義の、グノーシス派的な思想・世界観を総称して「グノスティック」という言い方をすることもあるらしい。

さらにいえば、辞書なんかみると、さらにもうひとつ広い意味ということになるんだろうか、「霊的な知恵」とか「霊知」みたいな言葉が当てられていたりもする。この辺になってくると、必ずしも「グノーシス派の思想」とは言い難い「一般的な言葉」みたいなところまで降りてきてしまってるんではないか。知らんけど。

そもそもグノーシス派なんてものはよくわからんのである。というか、もともとキリスト教のオーソドクスさえわかっておらん。再三出てくる「Gnostic」というのはその場面場面でどういう含意で使われているのか、なんて考え出すと、もう迷路状態なのである。

ただまぁ、あんまりその辺にこだわらないでもいいのかもしらん、とも思ってはおるのだ。

クリパルがこの本でどんなことを言っているのかを思い切り簡単に言ってしまうと、そもそもヴァレは科学者なんだけれども、同時に神秘的なモノへの感受性・関心というのも併せ持っている人物であって、つまりそういう微妙な境界線上に位置しているというところに彼の真骨頂がある、というようなことを言っている。

UFOというのはレーダーと同時に目視されたり、あるいは着陸痕を残すなど、物理的現象としての側面があるわけだが、同時にいかにも奇っ怪で悪夢としか思えないような話も付き物である(アブダクションなどを想起されたい)。つまり物質世界のものなのか心霊的な存在なのかよくわからんようなところがある。そういうジャンルであるからこそ、彼のそういう立ち位置というのはスゲエ有効になってくるんじゃねえか、みたいなことをクリパルは言っているワケなのだ。

ただ、そういうサイキック方面への感受性が敏感だといっても、四角四面の教義でがんじがらめのカトリックなんかとはちょいと違う、彼の場合はもう少しプリミティブな霊的感性というかスピリティアリティへの志向があって、その辺を言葉で言い表すなら「グノスティック」がピッタリということになっているのです、ぐらいの理解でも悪かぁないとは思う。「グノスティック=霊知の」みたいなレベルの解釈で通していっても辻褄が合わんことはない。

そういえば、オレのモットーは「英語の本は8割方理解できればヨシとする」というものであった。いろいろ言い訳を書いた今回のエントリーであったが、余裕ができたらクリパルのヴァレ論についてはゼヒ書評(?)を書き残しておきたいものだと思っておる。









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去る11月23日、「文学フリマ東京」に参加したUFO同人誌界の雄「Spファイル友の会」のご厚意でブースに私家版『マゴニアへのパスポート』を置かせて頂けることになり、慌てて作った第2版を持ち込みました。

実費相当とはいいながら価格的にはちと高いこともあり、どうかと思っていたのですが、意外なことに今回持ち込んだ分はおかげさまで完売ということに相成りました。「友の会」の今回の新刊であるところの「UFO手帖」創刊号ともどもお買上げ頂いた方には深く御礼を申し上げます。

*ちなみに「UFO手帖」創刊号ではジャック・ヴァレ特集をしている関係もあり、小生も寄稿をしております。とても良い本なので未入手のUFOファンの皆様におかれましては通販が始まったら是非ご購入されんことをオススメいたします。

さて、この『マゴニアへのパスポート』第2版ですが、追加で若干部刷ってみました。こちらのほうにメールフォームを置いておきますので、購入ご希望の方はご覧ください。仕様はA5判・398ページ。初版に散見された誤植を訂正した上で末尾に訳者あとがきをつけ、表紙の装丁を若干変えました。

売り切れの場合はご容赦ください。

【追記】
ただいま12月5日午後10時ですが、おかげさまで完売いたしました。購入頂いた方々には大変ありがとうございました。

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