自作PCの構成を代えたときはメモしておくならわしなので記録。

昨年末にケースファンの換装をしたばかりのAntec SOLOであったが、結局新しいPCケースに買い換えてしまった。こないだファン換装したのは結局完全なムダになってしまったが、まぁしょうがない。ちなみにこれ↓がもう10年以上使ってきた旧機SOLOである。近々粗大ゴミとして捨てにいこうとおもつているが、ともあれ長いあいだお疲れ様でした。
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それで新しく買ったのがコレ。「Define R5」である。
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既に製造中止になって久しい旧製品ということもあってか、安い時には1万チョイで買えた製品に1万7000円を投じるハメになつてしまつたが、いろいろググった結果、静音PCケースとしては今なおソコソコの評価を得ているというので何となく買うてしまつたのだった。というのもいろいろと検索した結果、最近のケースは総じて鉄板がペラペラであるらしく剛性面で不安があったのだが、これはまだ重量10キロ超あってそこらへん安心感がある。あれやこれや考えた末のセレクションであった。

本日さっそく中身の移植をしてみたのであるが、フロントのUSB3.0端子が異様に固いことを除けば今のところ静音性能含めてなかなか気に入っている。

なお、今回のケース入れ替えにあたっては、付属のケースファン(フロント140mm×1、リア140mm×1)がいずれも3ピンでPWM制御できないヤツだったんで取っ払ってしまい、PWM対応のサイズ「KAZE FLEX 140 SQUARE PWM 1200rpm KF1425FD12S-P」をフロントに2基、リアに1基つけてみた。当面はこれで文句なかろう。

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今年が良い年になりますように。あけおめことよろ。

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我が家では例年、NHKの大河ドラマをちゃんと観ていなかった。というか、最初一、二回観ても「なんかパッとしねーなー」といって視聴を止めてしまうというのが常であった。

が、本年の「鎌倉殿の13人」はコレ、最後までちゃんと完走した。思うに、いつもの大河ドラマというのは予定調和というか何となく知ってることを「おさらい」するような感じが否めず(あるいは渋沢栄一みたいによく知らん人の場合もあるけれども「なんだ戦闘シーンねえのか。まぁ商人だししょうがねえな」といって止めたりする)けっきょく「もうええわ」となってしまったのだった。

然るに今回のヤツは、まぁ源平合戦のあたりの話はけっこうメジャーだけれども後半の北条氏支配に絡むいろんな話は(40年以上前の大河ドラマ「草燃える」では採り上げたようだけれども)オレもよく知らんかったし、そういう意味ではとても新鮮だったのだ。

と同時に、今回のはやはり三谷幸喜の脚本が良かったのだろう。

観てた人はご存じであろうが、このドラマの中ではバタバタと人が死んでいく。しかもその多くは謀殺である。殺伐としている。フツーに描いたら陰々滅々。視聴者としても「なんでそんな簡単に殺すワケ?」とかいってなかなか感情移入できないところだろう。が、三谷はそこんところを巧妙に脚色している。

とりわけ主人公の北条義時は、この作中においては最初は気のいいノンキな兄ちゃんとして描かれていたのだが、身内に源頼朝を抱え込んじまったもんだから行きがかり上、いろいろ非情な決断もせにゃならんくなってくる。しまいにゃ都合の悪い人間を陥れねばならなくなる。一ミリまた一ミリという感じで極悪非道の悪人に変身していくわけで、我々もそんなに違和感なく極悪非道ぶりに納得し、さらなる暴走を期待して画面に見入ったのだった。

が、オレが考えるにモノホンの北条義時というのはたぶんこんなんじゃなかった。もともと「スキあらば殺す!」みたいな男で、それがたまたまうまくいってのし上がったンでないか。というか、そもそもこの時代の東国武士なんてものはスゲー殺伐としていて、義時だけじゃなくて誰だって「スキあらば殺す!」の人たちだったのではないか。

当時の常識はおそらく今の我々とは全然違っていた。だからそのまんまのストーリーをリアルに描いたら現代人には理解共感不能。だからそこを展開の妙でうまいことアジャストしてみせたのが三谷幸喜だったという話なのだろう。

考えてみれば日本の文化だとか日本人のモノの考え方なんてものはスゲー大きな変化をしてきたハズである。これは余談であるが、オレなんかも昔は「日本文化論」みたいな話が好きだったンだが、だんだんと「そんな大昔から連綿と続いてる日本文化なんてものはねえんじゃねえか?」と思うようになった。

たとえば「日本文化は集団主義的だ」みたいな話があって、まぁそういう風に見えないことはないんだが、社会心理学者の故山岸俊男氏の一連の著作読んだりしたら、実は日本人は集団主義が好きなわけじゃなくて勝手な行動すると周囲からよってたかって虐められる仕組みができてるからしょうがなく集団に従ってるンだ、みたいなことが書いてあった。

じっさい、昔はサラリーマンがおんなじ職場の連中でいく慰安旅行などというイベントがあり、みんな不思議に思うこともなく参加していたのであるが、今はそんなものはない(たぶん)。それどころか職場の連中で酒飲みにいくなんてのも今ではほとんどなくなっているのではないか。当たり前と思われてた意識や行動も環境が変われば過去の遺習になってしまうのである。終身雇用もこれからは決して当たり前ではないようだし、少なくとも会社における集団主義というのは確実に掘り崩されていく。

ちょっと話が脱線したけれども、そういう意味でいえば、この大河ドラマというのも徐々に変わっていかざるを得まい。たとえばであるが、おそらくこれからの日本人は「忠臣蔵」に感動するというようなこともなくなり、大河ドラマではスゲーやりにくくなる。なんとなれば「それってテロじゃん!」という今風のひと言で忠臣蔵の美学は一蹴されてしまうからである。

むろん、そこに第二・第三の三谷幸喜が出てくれば話は違う。「あぁ、そういうことなら分かるワ」といって若い世代とかも頷くような忠臣蔵。それはそれで観てみたいような気もする。

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本日は朝イチで佐野ラーメンを食いにいく。今回もついつい足は日向屋に向かってしまう。いつもながら旨い。
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テレビ用PC(Silver Stone  microATX SST-GD06B)の吸気ファンを換装したので備忘録。

旧ファンは以下の通り(いずれも12センチ。3PIN)
Silverstone  RL4ZS1202512LIW-3M 12V 0.26A(×2)
GELID Solutions Silent 12  12V  0.08A 1000RPM

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新しいファン3ツはいずれもこないだデスクPCに入れたのと同じ「サイズ SU1225FD12M-RHP」(12センチ。4PIN)。これでPWM運用して静音化を図る狙い。



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毎年秋の文学フリマ東京開催にあわせて発行されてきた国内屈指の超常同人誌「UFO手帖」が今年もつつがなく完成し、11月20日に東京流通センターで開催された文フリにてめでたく頒布と相成った。小生はたまさかこの雑誌に原稿を書かせていただいている利害関係者の一人であるわけだが、それ故に近々始まるであろう通販に向けて若干の宣伝にもなればよからうということで、以下、今回は僭越ながらその内容を説明させていただくことにした。

昨年刊行の前号ではなんと都合200頁に達するという大増ページで斯界を驚嘆させた「UFO手帖」だが、今号「7.0」もそのボリュームは実に192頁! いったいどういうことなんだよ何をそんなに書くことがあるんだよという皆さんの疑問も尤もであろう。さて、それでは今回の特集はいったい何かという話になるわけだが、そのタイトルはなんと「フォーティアンでいこう!」。要するに「チャールズ・フォート」がテーマなのだった。

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もっとも、「なんと」とか言っても話が見えない人がいるかもしらんので簡単に説明しておくと、チャールズ・ホイ・フォート(1874-1932年)というのは古今東西の奇現象を図書館とかに行って集めてまわったアメリカの奇人である。

たとえばであるが、空からいきなり魚やカエルみたいなものが大量に降り注いでくる「ファフロツキーズ」(Fafrotskies)という現象に注目したり、あるいは皆さんよく知っている「テレポーテーション」という言葉を編み出したり、人体自然発火現象について調べたりした人物だといえばその傑物ぶりは何となくお分かりいただけるだろう(もちろん今でいうUFOのような現象についても情報を集めてまわっている)。

そんな伝説的な人物だけに、やがては彼の名にちなんでこの手の奇現象を調べる好事家を指す「フォーティアン」などという言葉まで出来てしまったぐらいで――ちなみに今回の特集タイトルはここから来ている――さらには英国では『フォーティアン・タイムズ』などという超常専門誌が出来たほどである。要するに彼は奇現象界のレジェンドともいうべき人物なのだった。

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*今号の表紙は、従ってこの「ファフロツキーズ」に引っかけて天空から落下してくるフォートを描いているワケである。本誌専属アーティスト・久保田まみ画伯渾身の力作である


ただし、実はこれまでこの人物についてのまとまった紹介というのは日本ではあんまりなかった。そんな超常現象界のVIPであるというのに彼の本というのは我が国では全然翻訳されてこなかったのである。たとえばこれはかなり有名な話だが、1980年代には国書刊行会という出版社から、超常現象研究家である南山宏氏の翻訳でこの人の主著『呪われた者の書 The Book of the Damned』が刊行される計画があった。ところがいつまでたっても出版されない。それから30年有余年たっても、なお日の目をみていない。数年前になって突然「どうやら刊行の見通しがたったようだ!」みたいな怪情報がネットに広まったこともあった。でも、やっぱり出ない。

なんでそんなことになっているのか。

以下はオレの勝手な推測だが、彼が書いた英語の文章というのは一般的な文法を無視したようなハチャメチャな文体である(ように思える)。じっさいのところ、全然翻訳が出ないのでオレもヤケクソになり、「じゃあ自分で訳したるわ!」といって原著をめくってみたことがある。しかし、もう何十年も前に受験英語を勉強しただけの英語力しかないオレには全く歯が立たず、その野望は最初の数頁でついえた(その挫折の記録はココw=なおフォートの本の著作権は既に切れているのでヤル気がある人は勝手に翻訳して公開することが可能である)。

つまり、要するにあまりに奇っ怪な文章なので、名翻訳家として知られた南山氏をもってしても「う~ん、こりゃちょっとうまくイカンわ」ということで翻訳作業が頓挫してしまっているのではなかろうか。そこで国書刊行会の中の人が「そんなこたぁないわい! ナニ失礼なこと言うてんねん!」というのであれば、ハイわかりましたごめんなさいと土下座して謝りますので代わりにすぐ作業を開始して下さい。

あるいは真相はそんなことではなくて、超常現象のナゾが明らかになると不都合があるディープ・ステートないしはメン・イン・ブラック方面から「出版したらタダじゃすまんからな!」とかいって横ヤリが入っているのかもしらんが、そういう話だったのならば国書刊行会は脅しに屈することなく出版人の誇りにかけて引き続き出版計画を進めて下さい(要するに何でもいいから早く刊行してください笑)。

話がずいぶんと横道にそれてしまった。ともかく彼の本というのは現時点で日本語では読めない。断片的に「フォートはああ言ってる、こう言ってる」という情報はあってもなかなかよくわからん。隔靴掻痒の状態が続いていたのである。

しかし。
そんな奇現象界のレジェンドをこのまま放置しといていいのか――おそらくはこんな問題意識から今回「UFO手帖」の人々が立ち上がった。フォートはどういう人物でどんなことを考えてたのか、ちゃんと紹介してやろうじゃないか。そういう話である。

というわけで、この特集では同人の皆さんがそれぞれのアプローチでフォートにかかわる論考を執筆している。とりわけオレが驚愕したのは「UFO手帖」の名物編集長・秋月朗芳氏の恐るべき執念である。本号にもその辺のことは書いてあるけれども、編集長は今回、フォートの主著を片っ端からゴリゴリと機械翻訳にかけたらしい。すごい力業である。先に述べたようにフォートの文章は悪文であり機械翻訳でもなかなか手に負えないと思うのだが、ともかく編集長はそうやって強引にフォートの読解を推し進めた。ブルドーザーで密林に突っ込んでいくような蛮勇を振るったのである。なんと素晴らしいことだろう!

かくて本号では、フォートの著作やその人生、後世の小説や映画に与えた影響などが多角的に論じられている。そうやって見えてくるフォートの神髄とは何なのかというのはこの同人誌を買って読んでいただくしかないのであるが、ひとつだけ言っとくと、オレが読みながら考えたのは「フォートというのは我々のような陰キャ系オカルトファンにとっては一つのロールモデルなんじゃねえか」ということだった。

日常生活は適当にほっといて調査作業に精を出す。ひたすら奇現象を愛でる。異界へのとば口に立ってセンス・オブ・ワンダーを噛みしめる。「こんな不思議なことがあったようだゼ」といってネタを放り出す(しかもこんな勝手な活動ができたのは親戚から思わぬ遺産が転がり込んだから、というのもイイ)。他方、「フォーティアン協会」なんてものができて神輿に乗せられそうになると「オレには関係ない」といって逃げる。まさに理想……ま、皆さんにとってはどうでもいい話ではあった(笑)。

とまれ我々はいま、超常界にそびえ立つチャールズ・フォートという孤峰の下へと辿り着いた。これから山頂を目指していく者たちにとって、おそらく今回の「UFO手帖」は格好のガイドとなってくれるに違いない。



さて、特集以外にも今号にはいろいろ満載である。ずいぶんと話が長くなってしまったので(老人性の挙動)以下は簡単に。

UFOにまつわる音楽・漫画・アニメ・映画などを紹介するのは既に「UFO手帖」の定番企画となっているが、今号では「UFOとUFO本」なる企画も始まった。ここでは今年刊行された『イラストで見るUFOの歴史』『UFOs 政府の軍・政府関係者たちの証言録』がレビューされている(いずれも良書)。ひとつ気がかりなのは、次号で「めぼしい本が出なかったので今年は休載です」という事態が起きないかということである。出版社の中の人たちの頑張りに期待したい。

それから、期せずして過去のUFO事件を振り返る論考が目立ったのも今号の特徴であったかもしれない。

たとえばイタリアの寒村でオバハンが宇宙人(?)に花束とストッキングを奪われた「チェンニーナ事件」の真相に迫ろうというレポートがある。他方、例の「ケネス・アーノルド事件」について「巷間伝えられてる話はウソが多いから」ということで電子顕微鏡でアラを指摘して回るような論考もある。

かつて日本のコンタクティ松村雄亮が宇宙人(?)と一緒に入った伝説の喫茶店を探して現地付近を探査したレポート、なんてのもある。実際にはその建物はもうなくなっていたのだが、辺りをウロウロしていた報告者が「あ、やべっ、オレって傍目からすりゃ完全な不審者だわ」といってうろたえる場面(意訳)がスコブル秀逸だった。おめでとう比嘉光太郎君、後ろ指さされることを自覚しつつUFO研究に一身を投じるべく一線を越えてしまった今、君は一人前のUFO者だッ!(われながら何を言ってるのかw)

もう疲れたので、あとは買って読んで下さい。UFO手帖7.0のTwitterアカウントあたりをチェックしていれば、そのうち通販のお知らせがアナウンスされるでしょう。最後にもひとつだけ言っとくと、ここ数号で新しい書き手が続々登場してきたので、この同人誌はまだまだ大丈夫だと思います。ひきつづきご贔屓に。(おわり)


【追記】

このチャールズ・フォートは、「チェッカー checkers」というボードゲームにヒントを得て「スーパーチェッカーズ supercheckers」なるゲームを作った人物でもあるという。これは関連の書物などにもしばしば出てくる話なのだが、この「スーパーチェッカーズ」についての情報というのはググってみてもなかなかヒットしない。

かろうじてこの件に触れた昔の新聞記事(Pittsburgh Press, February 20, 1931)を載せてるサイトは見つけたのだが、そもそもオレはチェッカーとは何なのか全然知らんので、読んでもどういうものか皆目わからんかった。ただ、この記事を読むと、フォートは自作のこのゲームでベンジャミン・デ・カセレスやティファニー・セイヤーといった連中と「おれナポレオン」「おれはシーザーだかんな」とかいって楽しく遊んでいたようである。心温まるエエ話である😅

というわけで、ボードゲームにお詳しい人で「スーパーチェッカーズ」の詳細をご存じの方がいたらゼヒ情報お知らせください。m(_ _)m

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 これはしばしば見かけるフォートの写真であるが、この手前に見える何だかよくわからんものが「スーパーチェッカーズ」のボードなのだそうだ

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自作PCをいじった際は備忘録として何やったか書いておく「お約束」なので、今回はそのメモ。

PCケースはAntecがかつて静音ケースとして販売していた「SOLO」をいまだに使っていて、記憶は定かでないがもう10年以上手許にあるのではないか。で、そのデスクトップPCが何だかよく分からんけれども最近うるさくなってきたような気がした。ケースファンがそろそろヘタってきたのかもしれないなァということで、今回ファンをかえてみようと思い立った。

このケースは前面に吸気ファン92or90mmが2ッ、後面に排気ファンが120mmひとつという設計になっている。あと、現在のオレの運用でいうとCPUクーラー用のファンに120mmをつけて前面から後面に向けて空気を流している。ということでこの合計4つのファンを全部換えることにした。

とりあえずSOLOのファン換装をした先人の試みをネットでググってみる。そうすると前面の空気流入口にあるパンチングメタルみたいな部分は切り取ったほうが空気の流れがよくなってヨロシイと複数の人が書いていた。なので普通のニッパーでパチパチ切り取ってしまった。そのあと、切り口でケガをするのも馬鹿らしいので100均で買った金工用ヤスリでバリを取った。

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新しくとりつけるファンは以下の通り。期せずして全部サイズのファンだが、比較的安くて静音寄りということで選んだ。

吸気用ファン(2ツ)
■サイズ  KAZE FLEX 92 SLIM PWM 2500rpm KF9215FD25-P

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排気用&PCクーラー用ファン
■サイズ SU1225FD12M-RHP

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それから吸気用ファンにつけるホコリ侵入防止用フィルターも2つ買った。もともとのSOLOには先ほどのパンチングメタルみたいな部材に穴あきのプラ板みたいなのがハマるようになっていて「これがホコリ取りです!」と主張しているのだが、あまり効果はない。ファン換装の先人たちも「そんなもの外しちまって防塵フィルターつけろや!」というので従ってみたのだった。

■親和産業 防塵フィルター92mm角ファンモータ用 RoHS指令対応 プラスチック製 SS-DFF-P90

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これをどうするのかというと、まずは金属部の向こう側にある吸気用ファンと一緒にベース部をネジこんで固定し、そこにフィルターと上ぶたみたいのをパッチンとはめる仕組みである。取り付けプロセスは以下の写真のような流れとなる。

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背面の排気用とPCクーラー用の120mmも同様に取り付ける。これで作業終了である。
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ちなみにこれまで使ってたファンはどんなのかというと以下の写真の通り。CPUクーラー用のは最初からついてたヤツだが、あとのはいったいどこから出てきたのかよくわからないような怪しいファンばっかである(笑。
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左上:排気用120mm サイズ SA1225FDB12L
右上:CPUクーラー用120mm サイズ ED122512H-PD
左下:吸気用100mm サイズ SY1025SL12L(注:若干デカいが何故か装着できていた)
右下:吸気用90mm X-FAN RDL9025S

ちなみに今回換装した新しいファンは全部4ピンのPWMファン、つまりマザーボードが温度状況をみて適宜回転数を変えてくれる「可変回転数型」なのだが、これまで使ってたのは
CPUクーラー用の120mmを除いてそんな機能を有していない3ピンのショボいヤツであった。

いま使ってるマザボはTUF H370-PRO GAMINGというヤツだが、当然ながらファン用電源コネクタは全部4ピンになっている。というわけで今後はBIOSのこの
PWM機能を使えるワケで、じっさい起動してみるとだいぶ静かになったような気がする。ボロボロのSOLOであるが、これでもう少しは延命できそうである。

【追記】

そういえばテレビ用に組んだPC(Silver Stone  microATX SST-GD06B)もだいぶほったらかしだなぁ、ファンがホコリで窒息しとりゃせんかと少し気になり、この機会に筐体を開けてみた。このケースは吸気用に120mmファン三つがついててそれぞれアクセスが面倒なのであるが、いちおうチェックしたところ、意外にファン周りのホコリはほとんどついてなかった。いちおうキレイにしてまた封入。


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ちょっと体重が増えてきたこともあり9月からジョギングを始め、ほぼ二か月で都合100キロほど走ってきたのであるが、こないだ左膝の内側に痛みを覚えた。そのあと膝用サポーターつけて二度ほどこわごわ走って様子を見ていたのであるが、10日ほどたっても違和感が消えない。しょうがないので整形外科に行ってみたところ、レントゲンを撮られて「変形性膝関節症ステージ1」と診断された。

要するに膝の軟骨組織がスレてしまって痛みが出るということらしく、体重の負荷だとかO脚による骨の歪みといったものが遠因になるという。そのあたり心当たりナシとしない(苦笑)。そういえば、これまでにも階段下りてるときなんかに一瞬痛みが走るようなこともあったような気がするンだが、そういう時はいつのまにか元に戻ってしまったのでさほど気に掛けることもなかったのだ。南無三。

され、それではオレはこれからどうすれば良いのかというと、軟骨組織は基本再生されないので周囲の筋肉を増強して可動部を保護するぐらいしかとりあえず手はないという。ジョギングも気分転換できて大変爽快であったが「走るのはあまり良くないヨ」と医者も言うし、これも当面休止せざるを得ないだろう・・・。とりあえず痛み止めの飲み薬と貼り薬をもらってきたのであるが、なんだか改めて
老化
という事実を突きつけられたようで肩ガックリである。

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ということで違和感が消え、かつ腿周りの筋力増強が進んできたら(最低1か月ぐらいと勝手に踏んでいるンだが)またジョギング再開したいのだがどうなるか。そういやオレはかつてお遍路にいったことがあって十七番井戸寺まで打ったのであるが、引退したら最後まで歩き通そうという小さな夢があったのだった。これもちょっと暗雲漂ってしまって「ダメかもしらん」と思うと些か悲しい。

ちなみに、この病気についてしばしググって情報収集したところでは、軟骨組織を再生する療法は現在鋭意研究中だとかいう話で、自由診療では一部実用化されてたりするようなんだが、そんなものに100マンとか払える金持ちではない。その手の再生医療が保険適用される日が来ればイイとはおもうがそれはいつになるか。意外と何十年先になるかもしらんのでその頃にはオレも死んでいる可能性があるのだった。しょうがない当面は大腿四頭筋の強化一択。


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本日10月3日から、また今年もノーベル賞各賞の発表が始まるのだという。いわゆるノーベル賞ウィークの始まりである。

そんなタイミングにあわせて天声人語もノーベル賞ネタをぶっ込んできた。一読、とても良いことを言っていると思った。

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要するに日本のメディアは毎年やたら「日本人受賞者」にこだわり、誰か受賞したら「日本の誉れ!」とばかりに大騒ぎするけれども実はココには欺瞞がある。たとえば日本生まれなんだけれども日本の研究環境があまりにショボいので仕事のしやすいアメリカに渡ってそのまま米国籍を取ってしまった人なんかも勝手に日本人扱いして「日本人の受賞××人目(米国籍取得者も含む)」とかワケのわからん報道をするのがデフォルトなのだった。

けさの天声人語は要するに「そういうことでいいんですかネ?」ということを書いている。ということはおそらくこれからの朝日新聞は「日本人の受賞××人目(米国籍取得者も含む)」みたいなコスい表現はやめて、日本国籍もっている人限定で「日本人ノーベル受賞者」をカウントしていくことにしたのだろう。ヨカッタヨカッタ(仮に違ってたらまた批判させてもらいますわw)



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松閣オルタ先生から恵投いただいた『増補新装版 オカルト・クロニクル』(二見書房)を読みおえた。

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この方面に興味がある方なら先刻ご承知であろうが、松閣オルタ先生というのは「オカルト・クロニクル」というサイトで長年健筆を振るってこられた在野のオカルト研究家で、心霊現象からUFO事件、さらには未解決の猟奇事件にいたるまで古今東西の奇譚について山のような資料を渉猟かつ取材してその真相を探究している快男児である。

UFOファンである小生も何年前だったかは忘れたがたまさかそのサイトを発見してから快刀乱麻を断つが如き推理とその軽妙で「くすぐり」に満ちた文章をずっと愛でてきたのであるが、果たしてその宝玉の如き作品群は有能なる編集者の目にとまるところとなったのであろう、2018年にはこのサイトから幾つかの論考をピックアップした書籍「オカルト・クロニクル」が洋泉社より刊行されて洛陽の紙価を高らしめたのだった。

実はそのご、同書は思わぬ出来事に巻き込まれる。版元の洋泉社はその後つぶれ、同書はあえなく絶版となってしまったのである。が、おそらくは全国20万人のオカルトファンのカムバックコールが澎湃と高まったが故であろうと思うのだが、このたび同書は加筆された新版としてめでたく復活を果たしたのだった。

というわけで今回、なんか知らんが松閣先生から送っていただいた二見書房版を早速拝読したのであるが、小生も年々ボケが進んでいるようで洋泉社版の細部は忘却しており、今回あたかも初読のようにしてこの本を読めたのは実に喜ぶべきことであった(泣

ちなみに今回の新装版のコンテンツは前著とマルマル同じというワケではなく、そのご明らかになった新情報を踏まえての加筆がされていたり、新ネタやムック本に掲載された他の論考も収録されているので、前の本を持ってる人も買って損はない。

それで、本の内容はここでオレがいちいち紹介せずとも読んで笑っていただくのが一番良いので改めて触れないが一つだけ言っておきたいことがあって、それは何かというとこの松閣先生は基本的に文体がふざけているので見過ごしがちだけれども実はけっこう深いことを論じていたりするということである。

たとえばこの本の中では国内でおきた謎の失踪事件が二つほど取り上げられているんだが、そうしたくだりで松閣先生は民俗学者の小松和彦氏なんかを引用しつつ昔の人間には「異界に連れ去られた、天狗に連れ去られた」みたいな説明でこういう悲しむべき事件を腹におさめ、諦め、あるいは不承不承ではあれ納得する知恵みたいなものがあったけれども現代人はそうはいかんのよなあみたいな話をして慨嘆しておる(なおこれはオレ流に意訳した表現で実際にこういうコトバ遣いをしているワケではない悪しからず)。

さて、その上で松閣先生が失踪事件について持ち出す仮説はたとえば「北朝鮮工作員による拉致」説だったりするのだが、残念ながらと言うべきか、読む側からすると他のオカルトっぽい解釈なんかではなくこういう身も蓋もないこの仮説が一番すんなりと腹落ちしちゃったりするのだった。世知辛い話ではあるが、要するにオカルトは現代においてはなかなか生きづらい。なんだか寂しい。そういう時代批評になっている。

そういうわけでコレは単に読み捨ててオシマイの本ではない。再読三読に耐える本なのである。ちなみにまえがきには続編刊行のプランもあるようなことが書いてあった。従ってこの新装版はゼヒ多くの人に買ってもらって、第二弾刊行を後押ししていただかねばならない。(おわり)


【追記】そうだ、あと一つ気になったことがあって、それは松閣先生はこの本の中で時々ブラックなジョークをとばして我々読者を笑かしてくれるンだがそのつど「冗談だが」みたいな言い訳を付している。こういう風に書かないと怒って抗議してくるバカがいるからだと思うが、そんなバカは放っといてエクスキューズなしにしたほうが洒落ててエエと思うた


















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家人に「欠けた瀬戸物直せない?」と言われたので、ネット通販で「金継ぎセット」を買って修理をしてみた。それはそれでイイのだが、10日程前だったか作業中左手の薬指に液体状の漆をつけてしまい、バカなことにそれをしばらく放置してしまったのである。

それで付着部は何だかキズみたいに若干盛り上がってきたのだが、それが今週に入って突然赤くなり、かつ腫れ、かゆくなってきたのだった。しょうがないので昨日病院にいって副腎皮質ホルモンの塗り薬(クロベタゾール。いわゆるステロイド)、それからかゆみ止めのデザレックス錠をもらってきた。

さっそく薬を塗り、かつ飲み始めたのだが、まだあんまり効果がない。ちなみにこの「かぶれ」は漆に直接触れていない体の他の部所にも出てくるようで、左手指・右手指、腕、脚にもポツポツが出てきた。とりわけ左右の手指はかゆく、夜もよく寝られない。

教訓は「うるし恐るべし」(身辺雑記なのでオチはない)

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 写真はステロイドを左手の薬指に塗ったところ。他の部位も若干赤くなって若干腫れている点に注意



追記:尚その後の話であるが、オレの場合は腫れ始めてちょうど七日目で手指のかゆみが薄れはじめ、症状的にはヤマを越えた。ネットで検索すると「漆かぶれは治るまで2週間ぐらいかかる」という記述が多かったが、確かにそんな感じかもしれないと思った

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スパムメールのたぐいはよく届くのだが、今回のはちょっと面白かったので晒す。

要するに「所得税を延滞しているので払え」とテイのスパムメールで、国税庁が「払わんと差し押さえする」と言ってきたことになっている。

オレはいちおうまだ会社勤めをしているので給与所得は源泉徴収されており、あとは若干の配当収入があるがこれも源泉で引かれているので、こういうスパムはコンマ3秒でウソとわかる。

が、一般大衆の感覚としては国税庁というのは「取るべきところからは取らず、取りやすいところからガッパリカネを取っていく悪いヤツ」なので、一瞬「こういうよくわからん請求をしてくることもあるんではないか」と騙されてしまう人もいるのだろう。そういう国民の心理を熟知しているという点では、今回こういうスパムを作ったヤツはなかなかよく分かっていると思う。

ただし「」などという中華フォントの文字みたいなのを使っている時点でまだまだ修行が足りないし、おそらく作業中に謝って入れてしまった「客勛」などというナゾの単語をそのまま残していたりするのも杜撰である。行中に意味のない「半角空白」が挟まっているのもダメである(ついでに添削してやると、「税法のきめるところにより」という言い回しはこの種の文書だと違和感があるので「税法の定めるところにより」のほうが宜しい)。

結論として中華の人はまだまだ雑だ。ちゃんと推敲するように。





以下原文


e-Taxをご利用いただきありがとうございます。

あなたの所得(または延滞金(法律により計算した客勛 について、これまで自主的に納付されるよう催促してきま したが、まだ納付されておりません。
もし最終期限までに 納付がないときは、税法のきめるところにより、不動産、自 動車などの登記登録財産や給料、売掛金などの值権など の差押処分に着手致します。
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納付期限: 2022/8/28
最終期限: 2022/8/28 (支払期日の延長不可)

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今日は夏の高校野球の決勝戦。

そういうこともあってか、今朝の天声人語も高校野球ネタである。その内容をひと言でいうと、戦時中には高校野球も勇ましい「戦争」のアナロジーで語られ、高校球児が「戦士」扱いされたこともあったんだがそういうのってイヤだよね、平和な時代の高校野球ってイイよね――という話である。

まぁそりゃそうかもしらんけれども、しかしオレなどに言わせると、そういう不条理な軍隊式というのは今の高校野球にも根強く残っているのではないか。

例の「丸刈り」強制というのは一部に見直しの動きもあるようだが、まだまだその影響は強く残っている。

それから高校球児が真夏の炎天下で試合するのもいつのまにか「季節の風物詩」扱いされているンだが、野外に出ているだけで生命の危険が生じるようになった現代日本において2時間も試合させられたらコリャ罰ゲーム、というか虐待ではないのか。ここはひとつ、京セラドームに場所を移して「夏の京セラ大会」と改称すれば京セラから広告費用も引っ張れるだろうし、例年「死のロード」で苦しむ阪神の救済にもなり、一石三鳥である。

本当に軍隊式がイヤだというなら、今すぐやるべきことはたんとある。その辺に踏み込むことなく自社の事業を讃仰するだけでは、高校野球を軍国主義の宣伝に使った戦前の朝日新聞と何等かわらない。(おわり)







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今朝の「天声人語」について一言。

今回の内閣改造では悪名高き衆院議員・杉田水脈が総務大臣政務官に就任したのだが、今日のはこの問題に触れている。

杉田というのはゲイやレズビアンは「生産性」がないとかいってヒトをモノ扱いしたのが問題視され、結果その文章を載せた「新潮45」が廃刊になってしまうという大惨事をもたらした希代のワルである。要するに自民党の国粋主義勢力を代表する人物の一人で、こないだ亡くなった安倍晋三の「ひいき」で無理矢理比例名簿に横入りしてきて当選してしまったことでも有名だ。

ということで、今回のは「こういうクソ右翼を総務大臣政務官などに就けてはいけません」という趣旨の話であり、オレもその主張自体には全く異論はない。異論はないンだが、今回は文章作法上とても見逃せない表現があったので指摘しておくことにした。

それは、最後の文章に出てくる「それにしても」という一文である。

これはオレの年来の持論なのだが、コラムのたぐいで最後に「それにしても」とかいって流れをぶった切って話をまとめに入るのは愚の骨頂である。ちゃんとそれまでの文章の流れを踏まえて自然と着地するのがコラムの絶対条件であり、「それにしても」などと言い出すのはその努力を放棄したことのあかしである。

いやこれはコラムには限らず、たとえば「それにつけてもカネの欲しさよ」という文句はいかなる短歌のケツにつけても収まりが良い、などとしばしば言われるワケだが、つまりそういう汎用性のある言葉というのは逆にいえば創造性や独創性をテッテ的にスポイルし、凡庸なものを作り出してしまうのである。

いちおう朝日新聞の目玉コラムということになっているのだから、こういう基本ぐらいはちゃんとしていただきたい。(おわり)














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IMG_7232       旅先でふらりと入ったお店である。何の変哲もないラーメン屋という感じで、「食べログ」とかみると「行列店バンザイ」のひとなのか、この店けっこう貶してる人がいたりするが意外と美味しかったぞ
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 ホセと会話するジャック・ヴァレ(「Trinity」より)

ジャック・ヴァレはこれまで――例の「ロズウェル事件」なども含め――いわゆるUFOの墜落・回収事例というものに懐疑的な見方を取ってきた。「米政府はハードウェアとしてのUFOなど手に入れてなどいない。そして米政府はいまだUFOの真実に迫り得ていない」。彼がこれまで展開してきた主張はそのようなものだったとオレは理解している。そんな経緯を踏まえてみると、本書『Trinity』で彼は或る種の「宗旨替え」をしてしまったようにも見える。

「サンアントニオ事件」というのはウソ偽りのない墜落・回収事例であり、米軍は1945年の時点で実際にUFOの機体回収を行っていた。いや、ひょっとしたら米当局は「搭乗者」の身柄を押さえた可能性すらある――彼が本書で示唆しているのはそのようなことである。すると、これは年来のヴァレの主張と矛盾するのではないか? 「米政府は何も分かっちゃいない」という主張を頷きながら読んできたヴァレの愛読者からすれば、これはいささか当惑せざるを得ない事態である。米軍がUFOを――そして「搭乗者」をも――回収していたのだとすれば、そのテクノロジーや起源といったものについて、かなりの情報を手にしたと考えるのが自然ではないか。おそらくはそのような疑問を抱くであろう読者に向けて、ヴァレは本書ではこう述べている。



テクノロジーの世界におけるあらゆるサインは、最初の原爆が爆発した1か月後、サンアントニオで「アボカド」が発見されて以降に行われたリバース・エンジニアリング計画が失敗したことを指し示している。


つまり、UFO由来のハイテク技術など全く実用化されていない現状をみれば、その解析作業からは最終的に何の成果も得られなかったと考えるほかない、という見立てである。まぁそういう理屈ならばヴァレの従来の主張と矛盾せずに済む。済むけれども、そんなUFOの回収事件がホントにあったとしたら、その後の米当局のUFO調査プロジェクトが――たとえばコンドン委員会のようなものだ――あんなにグダグダ迷走することはなかったんじゃねーかという疑問も浮かぶ。ドラマになぞらえて言えば、伏線が張られたまま、ほったらかしになっているような感じである。

こうして見てくると、オレなどはここに、老境に入ったヴァレの「焦り」を感じてしまったりするのだ。

――UFO研究に身を投じて70年。しかし、その正体はいまだ判然としていない。「自分が生きているうちにもはや進展はないのだろうか」。そう思っていたところで出会ったのが「サンアントニオ事件」。調べてみればこの事件、何と人類初の原爆実験があった場所・時代ときびすを接するようにして起こっているではないか。ここには重大な意味があったに違いない!

・・・・・・とまぁ、そんな感じでヴァレはこの事件の真贋についてついつい「甘い」評点を下してしまったように思われる。本書の表題が人類初の原爆実験「トリニティ」から取られたのにはそんな事情があるワケだが、ともあれヴァレは「この事件は原爆実験と深いつながりをもっている」という仮説の下、サンアントニオ事件に独自の意味づけをしようと些か強引な試みを本書で繰り広げているのである。

     *    *    *    *

いや、何だかずいぶんとヴァレについて否定的なことを言ってしまったようだ。いや、ただ、それでもなおヴァレは「終わった人」ではないとオレは思っている。何となれば、一見したところ奇矯にも思えるロジックを駆使し、独自の世界を構築していくのはヴァレの真骨頂とするところであり、その片鱗は本書でも一瞬のきらめきを見せているからなのだ。では彼は本書でどんな思索を繰り広げているのか。以下、なかなかにスリリングなその内容を見ていきたい。

あらかじめ結論めいたことを言っておくならば、この「サンアントニオ事件」というのは何者かが「トリニティ実験」へのリアクションとして起こしたものである、というのがヴァレの基本的スタンスである。言うまでもないが、このトリニティ実験というのは、第2次大戦終結の最後の切り札として原爆開発に取り組んでいた米国政府が、1945年7月16日にニューメキシコ州で行った人類初の核実験である。サンアントニオ事件が、このトリニティサイトからわずか40キロしか離れてしない場所で起きたこと。それがまずは両者の密接な関係を示唆しているとヴァレは言う。

さらにヴァレは、「アボカド形」と評されたUFOの形状もこのトリニティ実験と関わりがあるのでは、と言い出す。どういうことかというと、このトリニティ実験においてはプルトニウムを用いた原爆が用いられたのであるが、「ガジェット」と命名されたその寸詰まりの形状はサンアントニオ事件のUFOによく似ている、というのである。さらにこの実験では、万一爆発が失敗した場合に猛毒のプルトニウムが散乱するのを防ぐため、当初は「ジャンボ」と呼ばれた巨大な鋼鉄容器の中で原爆を爆発させる予定だったのであるが、現場近くに運び込まれた「ジャンボ」の形状もまたUFOに酷似していた(実際にはこの「ジャンボ」はトリニティ実験では使用されずに終わっているのだが)。

要するにヴァレは、UFOのヌシである「何者か」は人間が準備している核実験のことをよ~く観察していて、「これはアンタらの核実験に対するアンサーだから」といった意味合いで同形のUFOをわざわざ飛ばしてみせたのではないか、という意味のことを言っているのである。なんだかよく分からないがスゴイ発想である。

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 「Trinity」より


なお、ここでついでに言っておくけれども、本書でヴァレは、流れをぶった切るようにして伝説的UFO事件であるところのソコロ事件(1964年)とヴァレンソール事件(1965年)についても詳細に論じている。どういうことかというと、ここでも彼は多分UFOの形状というものを意識している。つまり、信憑性の高い(と彼が考えている)この2ツの事件で目撃されたUFOもやっぱりサンアントニオ事件のソレと似てるじゃん、ということを言いたいのであろう。

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 「Trinity」より

以上をまとめてみると、ヴァレの考えは以下のようなものだ――人類が核兵器を手にしてしまったことに対して、連中はおそらく「警告」のために何らかのリアクションをせねばなるまいと考えた。そこで彼らは

①トリニティサイトにほど近い場所で
②トリニティ実験からカッキリ1か月後の「8月16日」という日を選び
③「これはトリニティ実験への応答なのだ」と理解してもらえるよう敢えて「ジャンボ」と同形のUFOを送り込んできた

――という話なのである。

ちなみに「UFOが第2次大戦後に数多く目撃されるようになったのは核兵器による人類の自滅を警告するためだ」というのは、それこそコンタクティーの皆さんはじめ多くのUFO関係者が唱えてきた陳腐な説ではある。ヴァレが最終的にそっち寄りのことを言い始めたのは若干残念なような気もするが、とにかくそういう文脈で話は進んでいく。


ただし、「空から飛んできて墜落した物体が米軍に回収された」となれば、これは「宇宙からやってきたと考えるほかあるまい」というのが普通の発想なのだろうが、彼がそこで自説を撤回することなくキチンと踏みとどまっている点には注意したい。読む前は「なんだヴァレも遂にET仮説に堕してしまったのか?!」という疑念を抱いていたのだが、それは「冤罪」であった。彼はこの期に及んでなお「UFOは外宇宙から飛来した」といういわゆる「ET仮説」には疑義を呈しているのである(偉いぞヴァレ!) たとえば本書には以下のようなことが書いてある。



我々はUFO現象を考える際に大きな誤りを犯してきたものと私は考えている。第一の大きな誤りというのは――UFOが実在するとしての話だが――別の可能性を排した上で「この現象は他の惑星から宇宙を越えてきたエイリアンに起因しているに違いない」と仮定したことである。




ユーフォロジストたちが今も提唱している安直な説明――つまり「どこか向こう」にある仮説上の惑星から都合よくやってきた訪問者がおり、彼らはたまたま我々のようなヒューマノイドで、我々の吸う空気を呼吸しているというものだ――は70年間にわたって存続しつづけている。もちろん、それですべての説明はつく。(中略)しかし、それを科学ということはできない。



無論、UFOを飛ばしているのがいわゆる「宇宙人」ではないとすれば、一体それは何者なのかという問いは残ってしまう。本書でも彼は明確な答えを提示し得ていない。ただし、彼のイメージの中では、「サイキック」に関わるレベルで人類に影響を及ぼそうとしている未知の存在の姿が確かに見えているようでもある。本書のいたるところでヴァレは、次のような自問自答を繰り返している。




UFOというものが、人間が今の知識や社会の発展レベルでは決してリバース・エンジニアリングができないようデザインされたものだったとしたら? 彼らのターゲットは違うレベルにあったとしたら? つまり、それが象徴的なレベルのもので、生命と我々との関係にかかわるものであったら? サイキックのレベルにおけるもので、宇宙と我々との関係にかかわるものであったら? 彼らはそこに存在論的な警告を込めていたのだとしたら?




その物体が単に物理的な乗り物というより、一種の情報物理学(これは今日生まれつつある科学である)の産物であったとしたら? それは物理的なものでありつつ、同時に――より良い言葉がないのでこう言うのだが――「サイキック」なものでもあるとしたら? 人類初の大規模かつ歴史的な原子力の解放があってから1か月後、古代からの伝統ある場所にテレパシーを使う奇妙な生きものを配置して、それはなにをしていたのか?




それは我々が原子力を発見したことに対する直接的な返答だったのか? 希望に満ちた対話の始まりだったのか? それともメッセージだったのか? それは、我々が今後生き残っていくためのささやかな可能性を受け取れるよう、外部にいるアクターが求めていた反応――つまり我々の精神を強制的に開放し、我々の傲慢を取り除き、人間とは違うものの意識に耳を傾ける機会を設けることで或る種の反応を引き起こすべくパッケージされたものだったのか?



なんだか禅問答のようではあるが、このあたりの言い回しは、実はヴァレが「コントロール・システム」というような奇っ怪な議論を打ち出した頃と殆ど変わっていないのである。それから次に引用するのはなかなかに衝撃的なくだりなのだが、ここを読むと、「サンアントニオ事件」のUFOというのは「彼ら」が人間にメッセージを伝えるため意図的に墜落させたものではないか、といったことまでヴァレは言っている。実に悪魔的な仮説である。




もし連中がアルファケンタウリなどから来ているのではなかったとしたら? もし連中の乗り物が墜落するよう意図されていたとしたら? それが贈り物だったとしたら? あるいは何らかのシグナルだったら? あるいは警告だったとしたら? 戦略的な対話に向けての希望を託した第一歩だったら? それが我々がいま用いている基本的な語義の通りの「宇宙船」ではなかったとしたら? 連中がその搭乗員の生死など気にかけていないとしたら?


そう、彼が想定しているような知的存在が本当にいて、1945年の夏にUFOの墜落というかたちでメッセージを送っていたのだとすれば、「彼ら」はいまの地球をみて何を考えているのだろう。オレはついついそんなことも想像してしまいたくなるのだった。

     *    *    *    *

さて、まとめである。

縷々述べてきたように、私見ではあるが、この「サンアントニオ事件」が正真正銘のリアルなUFO墜落・回収事件だったのかは疑問である。だが、ヴァレがこの事件に或る意味「賭けた」心境は分かるような気がする。そして、そこから先は例によってヴァレ一流の思弁的な議論となる。「UFOを飛ばしている者たちは何処から来ているのか」という問題についてのヴァレの考えは俗に「多次元間仮説」というよく分からない言葉で説明されてきたのだが、本書でもそこは全く五里霧中のままであった。しかし、それでもなお読み進めていくうちに、目前にはやはり夢幻の中に遊ぶような魅惑的なヴァレの世界が広がっていく。

おそらく本書はヴァレにとって最後の著作ということになるのでは、という予感がある。長年よく頑張っていただきました――全巻を読み終えた今、オレの心中にはそんな言葉が自然と浮かんでくるのである。(おわり)


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UFOファンであればご存じの方も多いと思うのだが、ジャック・ヴァレは「UFO問題の背後では米政府が暗躍している」という、一種の「陰謀論」を唱えてきた人物としても有名だ。もっともそれは、矢追UFOスペシャルで散々聞かされた「米政府はひそかに宇宙人と接触して密約を結び、人間の拉致を黙認する代わりにハイテク技術の供与を受けている」といったおどろおどろしいものではない。

オレの理解によれば、ヴァレの陰謀論というのは以下の如きものである。




米政府はUFO問題が何やらとてつもなく重要であることは察しているので、その核心に一般大衆が接近することは何としても阻止しようと必死であり、これまでもニセ情報を流すなどのディスインフォメーション作戦を展開してきた(もっとも連中は未だにUFOの正体をつきとめるには至っていないのであるが)。

ただ連中もなかなか侮れぬところがあって、大衆のUFO現象への関心を隠れミノにして、コッソリ秘密兵器を開発するようなあくどいこともやってきた。要するに、実験のため開発中の最新鋭機を飛ばしても一般市民は「おおUFOが飛んでる!」とかゆうて勝手に勘違いしてくれる。コリャ都合が良いワイ使えるワイという話である。




確かにUFOがしばしば出没するとされてきた例の「エリア51」は実際には新型航空機などを開発する拠点であったというし――そのあたりはアニー・ジェイコブセン『エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実』(2012、太田出版)に詳しい――その限りでは「米政府はUFO問題に絡む陰謀を張りめぐらせてきた」という彼のテーゼもあながちデタラメとはいえない。

してみると、このサンアントニオ事件に関して「米当局がどう立ち回ったのか」というのは当然ヴァレの大きな関心事ということになる。オレなどからすれば今ひとつ証拠が脆弱なこの事件ではあるが、ヴァレはここで「いやいやいや実際に当局は何だか怪しい動きしてたじゃん!」ということを言い募る。そうした当局の暗躍こそが事件がホントにあったことの証拠になるじゃないか、ということでもあるのだろう。以下では本書からその辺にまつわる話を紹介してみたい。


まず第一に興味深いのは、墜落現場のあたりではどうやら何者かが今なお現場の「改変」作業にいそしんでいるらしいというエピソードである。

本書によれば、そのUFOの墜落地点の周りにはずっと植物が生えず、長さ30フィートの楕円形のエリアがぽっかりと空いていたらしい。この手の逸話はUFOの着陸事件とかにはよくあることだ。つまり現場には墜落に伴う何らかの物理・化学的影響があったことを示唆しているワケでそれはそれで面白いポイントなのだが、今回問題になるのはソコではない。その後に起きたことである。

調査に取り組んでいたパオラによれば、2010年代も半ばになって、突然その楕円形エリアを覆うかたちで奇妙な植物が生え出てきたのだという。触るとチクチクし、アレルギー反応を起こす厄介な毒性植物で、それはのちの調査で「nightshade」と「cocklebur」であることが判明している。つまりこの毒性植物には二種類があったということだ。

ちなみに「nightshade」というのは和名でいう「イヌホオズキ」に相当するものらしい。「イヌホオズキ」で検索してみると、これはナス科の一年草で、高さは通常は20~30cm、大きくなれば90cmほどにもなる。また「cocklebur」はキク科の一年草である「オナモミは、丈は20センチから1メートル程度だという。

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 イヌホオズキ(左)と「オナモミ」

こうした毒性植物は、ヴァレ自身、2018年に初めてその現場に行った際に確認している。周辺には全く見当たらない毒性植物がその場所にだけ密生しているということは、つまりそれは誰かによって植えられたのであろうとヴァレは考える。「この場所に近づくな」。おそらくはそういう意図がある。そして、普通に考えればそんなことをするのは墜落があったことを知っているもの――つまり軍なり何なりである。もちろんヴァレ自身も言っているように、そんなものを植えれば「ここが現場です」ということをご丁寧に教えるに等しい。なんだか馬鹿馬鹿しいような気もする。だが、UFOにまつわる話にはそういう馬鹿馬鹿しさがつきものなのも一面の真理である。

さらにその翌年。ヴァレが再び現場を訪問した時には、前回から地勢に変化があった。つまり、一帯で土木工事が行われた形跡があったのだという。それは一帯の洪水対策のため近くに堰堤を築く工事か何かだったようで、墜落地点の周囲もだいぶ整地されていたというようなことが書いてある。

【注】ここで念のため言っておくのだが、実はオレはこの辺りを読んでいて「オヤッ?」と思った。というのはこの現場というのはニューメキシコ州の乾燥した荒野の真ん中のはずである。ここいらにも峡谷もあるようなことは書いてあるが、そもそも「洪水」なんてものが起きる土地なのか? 納得がいかない感じはあるが、ニューメキシコの気候風土を改めて調べるのも面倒臭い。しょうがないのでここは話を先に進めたい


この再訪時には、前年に確認した「毒性植物の生えた楕円形」の部分も一部が表土を剥がされており、そこからは植物の姿が消えていた。要するにかなり地形が変わっていたのである。ヴァレは「あわよくば穴でも掘ってUFOの破片でも見つけてやろうと思ったが、表土は土中深くに埋まってしまったので諦めた」というようなことも書いている。要するにヴァレは、「何者かが自分たちの調査を監視し妨害している」というところに話を落とし込もうとしている。

【注】このあたりを読んたオレは「仮に治水目的の土木工事があったのなら、公的セクターに事業主体だとか工事内容について記録した書類とかあるはずだろ? まずはその辺を調べろよ」と思ったのだが、高齢のヴァレにそんなことを言うのは無理難題かもしらん。なので、ここもこれ以上は突っこまずに話を先に進めたいw

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  墜落現場で毒性のある植物を前にするホセ(2018年)



さて、「監視し妨害する何者か」の影は、また別のところにも現れている。パオラ・ハリスが、ホセ・パディージャの姪のサブリナをつかまえて取材をした話は前回紹介したが、この時にも奇妙なことがあった。

2020年10月、ハリスはサブリナにまずは電話をかけて話を聞いたのだが、そのとき「いずれお会いして直接話をうかがいたい」とサブリナに告げた。ところが同年12月になって再び電話をかけたところ、サブリナはひどく驚いていた。何故かといえば一回目の電話で話をした次の日、男の声で電話がかかってきて「パオラはそっちには行けなくなった。我々が面倒をみることにするよ」とサブリナに告げていたのだという。パオラという名前も出てきたので、「知り合いが代理で電話をかけてきたのかなと思った」というのだが、むろんパオラに心当たりはない。

要するに、盗聴でもしたのか、前日に二人が電話で話した内容を知っている何者かが一種のいたずら電話をかけてきたのである。普通に考えれば、そんなことができるのは国家安全保障局か巨大IT企業か、といったところだろう。まぁこの話が本当なら、ヴァレならずとも闇からこちらをうかがっている「巨悪」の存在を想定したくなるというものだ。

であれば、米当局が関心を抱き、民間人が首を突っこむことを良しとしない奇っ怪な事件が本当に起きていたのかもしらん・・・・・・と思うかどうかは、まぁ人によるのだろう。とまれ、ここまで紹介してきたような話を踏まえて、さてヴァレは、最終的にこの事件の全体像をどんな構図の中でとらえているのか。ここで伝説のユーフォロジストの見解を聞きたくなるのは人情というものである(いやオレだけかもしらんけどw)。というわけで、次回はその辺の総まとめを。(つづく

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さて、この「サンアントニオ事件」の主要目撃者であるホセ・パディージャ、レミー・バカの証言は本当に信用するに足るのか? 正直言えば、これはかなりツッコミどころが多いような気がする。一般論ではあるが、お互い全く無関係な人々の間で同様な証言が得られたのであれば、その事件の信憑性は高くなる。しかし、小さい頃の2人は兄弟同様につきあっていたようなのである。そこはナンボか割り引いて考えねばならんだろう。

確かに本書でヴァレやパオラ・ハリスは、この目撃者たちは決して「でっち上げ」をするような人間ではないと言っている。とりあえずその言葉は信用してみたい。だが、だからといって彼らの語ったような事件が本当に起こったのかはどうかは分からないのである。たとえば、近しい関係にある複数の人間が一種の妄想を共有するという奇っ怪な現象は実際にあって、精神医学方面には「感応精神病」(フォリアドゥ)という概念もあるらしい。この事件は感応精神病めいたメカニズムの産物で、彼らが過去に見聞きしたUFO絡みの知識を無意識的に総動員して「作り上げてしまったもの」だった――そんな可能性だってあるんではないか。

考えてみれば、彼らの証言には「これまでUFOについて巷間語られてきたエピソード」がチラチラ見え隠れする。

彼らが入手したという「折りたたんでもすぐ元の形に戻ってしまう形状記憶合金みたいなホイル」というのは、やはりUFOが墜落したという触れ込みで有名なロズウェル事件のストーリーにも出てくる。あと、関係者のところにやってきた軍部の連中が「何か墜落してたと思うけど、それって気象観測気球だからネ」みたいな「言い訳」をするのもロズウェル事件のそれを踏襲している。ついでにもう一つ言っとくと、2人が拾った「エンジェル・ヘア」というのも、前回触れたようにUFOの世界では有名な小道具である。ホセたちが自らの体験を語り出したのは2000年代初頭。当然ながらその時点でこうした情報は広く知れ渡っていたのである。

もちろん、UFOマニアの中には「ロズウェルで見つかった形状記憶合金がサンアントニオでも見つかったンか! そりゃ偶然とは思えん!実際にUFOが墜落した動かぬ証拠や!」とかいって喜んじゃう素直な人もいるだろうが、ロズウェル事件の信憑性が地に落ちた今――とオレは思っているんだが――そういう理屈はいささかツライ。「どっかで聞きかじった話を素材として作り上げたストーリーじゃネ?」という疑念が膨らむ。

ちなみにヴァレは、そういう疑念に反駁して「いや、2人は証言の中で自分の見たものをUFOとか円盤とか言わずにアボカド形だった言うとるやん。それが彼らの体験がオリジナルだった証拠や」みたいなことを主張しているが、さて、そのような主張にどこまで説得力があるだろう?

じゃあ、他にこの事件についての証言者は他にいないのかというと、これを直接体験した人は基本的にはみんな亡くなっている。現場で墜落物体を目撃したホセの父親ファウスティーノと警官のアポダカがそうだし、「ブラケット」が床下に埋まっている小屋でエイリアン(?)と遭遇した羊飼いももういない。ただ、実はホセたちの主張を補強するような証言をしている人間がいないこともない。なのでここからはしばし、そんな人物たちを紹介してみたい。

まず、ホセの姪で「私も奇妙な金属を見たのよ!」という女性がいる。本書の後半ではその女性――サブリナへのインタビューが記録されている。

このサブリナというのは、本書の記述によれば1953年3月27日生まれ。事情は定かでないが、生後2か月でホセの父親ファウスティーノ(つまりサブリナから見るとお祖父さんである)に引き取られたようで、彼女はカリフォルニアの高校に入るまでサンアントニオで祖父母と一緒に暮らしていたらしい。ちなみにホセは1954年に家を出ているようなので、サブリナからみたホセは、物心ついた頃にはもういなくなっていた「遠くのオジサン」といった感じになるのだろう。

ここで念のため本書にサブリナが登場するにいたる経緯を確認しておきたいのだが、パオラ・ハリスがホセとレミーに接触して調査を始めたのは2010年だった。ところが、レミー・バカは2013年に亡くなってしまった。だからパオラ・ハリスはレミーに面と向かって話を聞けたけれども、2017年にヴァレとパオラ・ハリスが共同調査を始めた時点では、重要目撃者はホセ・パディージャただ一人になっていたわけだ。

ここからは推測だが、「他に誰か証言してくれる人はいないですか?」とかいって聞いてみたら、「そういや姪のサブリナは何か覚えてるんじゃね?」という話になったのではないか。かくてパオラは、2020年になってサブリナに接触する。彼女はそこでおおむねこのようなことを語っている。

・1960年頃(つまりサブリナが7歳前後だった頃)、彼女は墜落現場に1人で行ってみたことがある。辺りの灌木類は全部焼け焦げていた
・お祖父さんから形状記憶効果をもつ細長い金属ホイル2枚、ファイバー状のエンジェル・ヘアを見せられたことがある
・ホイルは夏でも触るとヒンヤリした。エンジェル・ヘアは暗いところで光り、触ると針で刺したように肌がピリピリした
・ホセおじさんから「ピラミッド型をしたクッキーぐらいの大きさの金属」をもらった。でも子供たちに渡して遊ばせていたら無くしてしまった(なんだよ無くすなよw

要するにホセの父親のファウスティーノも若干の「遺留物」を手元に置いており、孫娘に時折見せていたというのである。ただ、先に触れたように、これも「身内の証言」である以上、信憑性という点ではやはり若干割り引いて聞かねばなるまい。ヴァレたちは「証言者3人になったぞ!」といって喜んでおるが、「それほどのものかよ?」という気がせんでもない。

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 写真は左からハリス、ホセ、サブリナ(「トリニティ」より)

そもそもこういったサブリナの証言にはよくわからないところがある。たとえば彼女は「ピラミッド型の金属をホセからもらった」と言っているわけだが、ホセの話にそんなものは出てこない(オレがうっかり読み落としてたら別だけど)。また彼女も「金属ホイルは風車の修理のために使ってしまった」という話をしていて、それはそれでイイのだが、彼女の話では修理したのは「ホセの家の風車」ということになっており、前回触れた「自分ちの風車を直した」というレミーの証言と矛盾する。加えてサブリナは「風車はホセとその友だちが修理したのを覚えている」というのだが、ホセとレミーはそれぞれ1954、55年に郷里を離れており、1953年生まれの彼女が物心ついた頃には2人はサンアントニオにはいなかったハズなのである。オレの英語力不足のせいなのかもしらんが、なんだか時系列がグチャグチャになってるような気がする。ひょっとしたら彼女は「人から聞いたこと」を自らが体験したように錯覚しているのでないか? なんか信用ならん気がするンである。

さて、本書を読む限りではもう一人、このほかにも「傍証」となる証言をしている人物がいる。彼はビル・ブロフィといって、「陸軍にいたオヤジが墜落事件に関わった」ということを主張しているらしい。この話も説明するとけっこう長くなってしまうのだが、乗りかかった船なので触れておこう。

レミー・バカとホセ・パディージャは、実は2011年に自分たちの体験を記した「Born on the Edge of Ground Zero」という本を自費出版で出している。まぁパオラ・ルイスか誰かが手引きをして出版したのだろうと思うのだが、ともかくこの本が出た後、このビル・ブロフィなる人物はアマゾンのサイトにレビューを書き込んだ。

このレビューは今も消されてはいないので本日(すなわち2022年6月22日)時点でも読むことができるのだが、そこには「自分の父親は当時、ニューメキシコ州アラモゴードの第231陸軍航空隊でB29爆撃団のメンバーだったのだが、1945年8月15-17日にこの宇宙船の回収にあたったという話を語っていた」ということが書かれている(で、このオヤジはたぶんもう死んでるのだろう)。

果たしてヴァレたちがこのブロフィ氏にちゃんと取材をしたのかどうかは例によってハッキリしないのだが、ともあれこのアマゾン・レビューが端緒となってさらなる情報が明らかになったということなのだろう、「Trinity」の中にはこのアマゾン・レビューの記述を補うような情報も書いてある。

それによると、彼の父親はビル・ブロフィ・シニアという人物であったのだが、彼の証言によれば、当時現場近くを訓練飛行していたB29の乗員が――ちなみに本の中では「B49」となっているが誤植と思われる――例の無線タワーのところから煙が上がっているのを目撃したのだという。飛行機の墜落事件があったものと考えた上官の命令で、ブロフィ・シニアは現場へと向かう。そこで彼は墜落した物体を確認し、さらに近くに馬に乗った「二人のインディアンの少年」を目撃したのだという(その回収作業はほどなく別の人物に引き継がれたことになっている)。

このブロフィ・ジュニアの証言が本当であれば、相当に面白いことになってくる。だが、残念ながら本書ではその辺が十分検証されていない。言いっ放しで終わっている。うーん、例のロズウェル事件なども、いったん話が盛り上がってきたら、よくわからん有象無象がワラワラ湧いてきて「オレも見た!」とかあること・ないこと言って大混乱を巻き起こしたのだった。このブロフィ・ジュニアの言葉もたやすく信用することはできんような気がするのだ。

というわけで、ホセとレミー以外の証言というところにまで視野を広げてみても、決め手となるような材料は出てこない。懐疑的なウォッチャーをして「おお、こりゃ確かにあった出来事と考えざるを得ない!」と言わしめるようなブツは結局全然なかったのである。百戦錬磨のユーフォロジストとして名高いジャック・ヴァレではあるけれども、本件に関してはいささか詰めが「甘い」。流石に彼も老いてしまったのかな・・・そんな感慨もないではないのだ正直いえば。

だが、しかし。ヴァレは時折、この事件が根も葉もないだったとしたらちょっと説明しにくいようなエピソードも繰り出してきて、我々を幻惑するのだった。それはあたかも老練なボクサーならではのクリンチワークのようでもある。あらかじめ言っておくと、それはいわゆる「陰謀論」めいた話にもつながっていくワケだが、次回はそのあたりの「小ネタ」を紹介しよう。(つづく


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前回までのところで、少年たちがUFOから取り外してきたという触れ込みの「ブラケット」は、必ずしも墜落事件の真相に迫る物証とは言えないことがうすうす分かってきた。ただ、墜落現場の周辺で彼らが拾ったマテリアルとしては、このほかにも「金属ホイル」や「エンジェル・ヘア」といったものがあった。これらは長い年月の間に失われてしまい、実地に調べることはもはや不可能なのだが、関係者はこうした奇妙な物体について何を語っているのか。そこンところを押さえておくのも意味のないことではあるまい。

ホセとレミーが墜落現場付近に日参していたことは先に述べたが、その間、レミーは金属ホイルのような物体を拾っている。彼によればその大きさは4×15インチほど。「クシャクシャに丸めてもすぐに元の形に戻ってしまった」というから、今で言う形状記憶合金のようなものだったのだろう。

それがその後どうなったかというと、しばらくして、レミーの家の井戸に取り付けた風車――つまりは風力揚水ポンプの動力として使っていた風車のようだ――が壊れてしまった。調べてみるとその駆動部のケーブルが切れていた。父親に「何とかならんか?」と言われたレミーは、ふと思いついてこのホイルを持ち出し、ケーブルをつなぐためにこのホイルでグルグル巻きにしてみた。結果的にその修理はうまくいった。風車は以前と変わらず動き始めたのだった――。

・・・・・・とまぁ、そういう後日談が記されているワケなのだが、この本の中では、その井戸と風車の「それから」については書かれていない。「そういう証言があるんだったら、井戸のところ徹底的に調査すりゃホイル出てくるかも!」と思うのだが、そんなことをした形跡はない。要するにこの風車はそのあと放置され、やがて朽ち果ててしまったのではないか。とすれば、これ以上のことは分からない。

ついでに言っておくと、この井戸はレミー家のものではなく、ファウスティーノ家――つまりホセの家の地所にあったものだとする記述も一部にある。「いったいどっちなんだよ?」と思うワケだが、この件についてはレミーが父親と交わしたやりとりが比較的詳しく記されているので、おそらくはレミー家の井戸ということで良いのだろう。本書を読んでて、「この本ってちゃんと編集者のチェック入ってないんじゃないの?」と思うことはたびたびある(苦笑)。

        *    *    *

それから「エンジェル・ヘア」と呼ばれた物体も少年たちは手にしていた。こちらの物体も、やはり現場付近に散らばっていたのを彼らが拾ったものなのだが、それは「銀色の撚り線」「クリスマスツリーの飾りもの」「クモの巣」「断熱材」といった言い方で描写されている。要するに今でいう光ファイバー、あるいはコットンないしはグラスウールみたいなものが塊状になったヤツということなのだろう。ちなみにホセは「マッチの火で燃やそうとしたが燃えなかった」という証言もしている。このエンジェル・ヘアについては少年たちもかなりの量を拾ったらしいのだが、その多くは「クリスマス飾りに丁度いい」ということで近所の人に配ってしまったらしい。そして、今では全く残っていないというのは金属ホイルと同様である。

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  ネットで拾ってきた「エンジェル・ヘア」のイメージ写真(本文とは関係ありません)

【注】なお、UFOファンであれば先刻ご承知であろうが、UFOの出現にともなってクモの巣状の物体がフワフワと降ってくる現象は過去しばしば報告されており、この物体を業界では「エンジェル・ヘア」と呼んでいる。その辺を知ってか知らずか、この事件の関係者たちもナゾの物体についてこの呼称を用いているようだ。もっとも、ふつう「エンジェル・ヘア」はゼラチン状だったり、あるいは落ちてくるとほどなく昇華して消えてしまうと言われているので、そこのところはこの事件における物体とは違うもののようである


このほか、現場近くで墜落事件と関係のありそうな「鋼材」が見つかったという話もある。ホセの証言によれば、1956年頃に「ホセのイトコ」が、たまたま墜落現場の南西約4マイル地点で、長さ3フィートのI字型鋼材を発見したことがあるのだという。ただホセは1956年の時点では故郷を離れていたはずで、つまりこれはおそらく後になって「イトコ」から聞いた話かと思われる。そのせいなのか、このエピソードについての証言というのは細部がハッキリしない。ついでに言っておくと「ホセのイトコ」は拾った鋼材をスクラップに売り払ってしまったという話になっている。従ってこのブツについても追跡は不可能である。

というわけで、事件にまつわる「物証」として現存しているのは、けっきょく怪しげなブラケットだけなのだった。こうなると残る手がかりはやはり「証言」や「状況証拠」しかない。その辺はいったいどうなのだろう。ホセとレミーの言うことを我々は信用していいのか? 他に傍証となるようなことを語っている人はいないのか? 次回はその辺のことを考えてみたい。(つづく

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