ヴァレの本を読んでいて遭遇する「何者なンだこの人」シリーズであるが、今回はヨースト・メールー(1903-1976 Joost Meerloo。英語読みだとジューストかもしらぬ)を取り上げてみよう。
「そんなの出てきたか?」という方もおられようが、この人物、『コンフロンテーションズ』11章の、本筋とはあんまり関係ないところでチラッと出てくる、いってみれば通行人的な役回りの人である。が、わが国では全然知られていない人物のようだったのでチト気にかかって調べてみた次第。
例によって英語版のWikipediaに当たってみると、この人、もともとオランダの精神科医。1942年にナチス・ドイツ占領下のオランダからイギリスに脱出したのち、46年にはアメリカに渡航。以後、本などもいろいろ執筆したようで、洗脳をテーマとした『Rape of the Mind』という本で有名らしい。
閑話休題。ヴァレはこの『コンフロンテーションズ』11章で、いわゆるUFOにまつわる「ミッシング・タイム」事例を題材に一席ブっておる。つまり、催眠術師たちが体験者をつかまえては退行催眠とかおっぱじめて「あんなことがあった、こんなことがあった」と言い募るのは如何なものか、お前ら被験者を誘導して話を盛ってんじゃねーか、と批判をしているのだった。
そういう流れの中で、ヴァレはこのメールーさんの『隠されたコミュニオン Hidden Communion 』という本を引用しているのだった。どういうことかというと、ここでメールーさんは「心理療法をしてるとセラピストとクライアントの間には非言語的なコミュニケーションが生じるのだけれども、実はそういう場面で、当事者が全く意識していないのに識域下でESP使ってコミュニケートするってことがあるんだよね」(大意)ということを言っているらしい。
つまり、催眠術師の皆さんは「別に誘導尋問なんてしてねーよ」というかもしらんが、テレパシーを通じてクライアントに「こういう話だったんだよネ?」と証言を強要することもありうるんじゃねーか、オレは認めんからナ、とヴァレは怒っているのだった。
まぁそんな理屈もちださなくても「こっそり誘導してる」でイイんじゃねーか、ESPなんて持ち出すとかえって説得力を欠くのではないかと思わんではない。しかしここで、どうやらESP現象を肯定しているらしい精神医学者のメールーさんをどうしても持ち出したくなってしまったあたりが好漢ヴァレのヴァレたる所以である。
というワケで、隠れキャラともいうべきヨースト・メールーではあるけれども、この際、ヴァレファンの皆様にはゼヒその名を記憶の片隅にとどめ置いていただきたい(笑)。

Joost Abraham Maurits Meerloo
「そんなの出てきたか?」という方もおられようが、この人物、『コンフロンテーションズ』11章の、本筋とはあんまり関係ないところでチラッと出てくる、いってみれば通行人的な役回りの人である。が、わが国では全然知られていない人物のようだったのでチト気にかかって調べてみた次第。
例によって英語版のWikipediaに当たってみると、この人、もともとオランダの精神科医。1942年にナチス・ドイツ占領下のオランダからイギリスに脱出したのち、46年にはアメリカに渡航。以後、本などもいろいろ執筆したようで、洗脳をテーマとした『Rape of the Mind』という本で有名らしい。
閑話休題。ヴァレはこの『コンフロンテーションズ』11章で、いわゆるUFOにまつわる「ミッシング・タイム」事例を題材に一席ブっておる。つまり、催眠術師たちが体験者をつかまえては退行催眠とかおっぱじめて「あんなことがあった、こんなことがあった」と言い募るのは如何なものか、お前ら被験者を誘導して話を盛ってんじゃねーか、と批判をしているのだった。
そういう流れの中で、ヴァレはこのメールーさんの『隠されたコミュニオン Hidden Communion 』という本を引用しているのだった。どういうことかというと、ここでメールーさんは「心理療法をしてるとセラピストとクライアントの間には非言語的なコミュニケーションが生じるのだけれども、実はそういう場面で、当事者が全く意識していないのに識域下でESP使ってコミュニケートするってことがあるんだよね」(大意)ということを言っているらしい。
つまり、催眠術師の皆さんは「別に誘導尋問なんてしてねーよ」というかもしらんが、テレパシーを通じてクライアントに「こういう話だったんだよネ?」と証言を強要することもありうるんじゃねーか、オレは認めんからナ、とヴァレは怒っているのだった。
まぁそんな理屈もちださなくても「こっそり誘導してる」でイイんじゃねーか、ESPなんて持ち出すとかえって説得力を欠くのではないかと思わんではない。しかしここで、どうやらESP現象を肯定しているらしい精神医学者のメールーさんをどうしても持ち出したくなってしまったあたりが好漢ヴァレのヴァレたる所以である。
というワケで、隠れキャラともいうべきヨースト・メールーではあるけれども、この際、ヴァレファンの皆様にはゼヒその名を記憶の片隅にとどめ置いていただきたい(笑)。

Joost Abraham Maurits Meerloo
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