達者な文章を筆写することで、アナタの国語能力アップを――という触れ込みで朝日新聞が売り出している「天声人語書き写しノート」に、3月から新バージョンの「天声人語書き写しノート 美文字版」というのができるのだそうだ。けさの新聞で宣伝しておった。
要するに、「天声人語の書き取りをするとペン字上達の効果もありますヨ」というワケで、「日ペンの美子ちゃん」のシマを荒そうという狙いであろう。が、なんか「付加機能をてんこ盛りにすれば商品力がアップするんではないか」という発想自体が実に古くさい。仏壇兼用の神棚、みたいな。誰か知らんが、企画を作った人間の発想力が疑われる。それはそれとして、紙面では青山浩之・横浜国立大准教授という先生が出てきてインタビューに答え、「これいいですヨ」という宣伝塔の仕事をしておられる。こんなことを言っている。
なんか腑に落ちないぞ。
「多くの文字を書くと良い」みたいなことを言ってるが、だったら603字とかじゃなくて、大長編小説の『大菩薩峠』とかがよいのではないか。天声人語は「深い内容が平易に書かれ、文章もすばらしい」とかいってるけれども、これもどうだろう。「毒にもクスリにもならない思いつきをクサイ表現でチャチャッとまとめた鼻持ちならない文章の典型」みたいに思っているオレみたいな人間も多いのではないか。
この先生は「美文字研究家」なのだそうだが、文章の書き方については別に専門家でも何でもないだろう。ペン文字上達法を語っていただく分には何の問題もないが、だからといってそのために天声人語を持ち出してくる必要は全然ない。オファーがあったからって、こんな風に妙な褒め方をするのは如何なものか。
要するに、「天声人語の書き取りをするとペン字上達の効果もありますヨ」というワケで、「日ペンの美子ちゃん」のシマを荒そうという狙いであろう。が、なんか「付加機能をてんこ盛りにすれば商品力がアップするんではないか」という発想自体が実に古くさい。仏壇兼用の神棚、みたいな。誰か知らんが、企画を作った人間の発想力が疑われる。それはそれとして、紙面では青山浩之・横浜国立大准教授という先生が出てきてインタビューに答え、「これいいですヨ」という宣伝塔の仕事をしておられる。こんなことを言っている。
天声人語書き写しは、603字と多くの文字を書くのが特徴です。深い内容が平易に書かれ、文章もすばらしい。それを題材に質の高い文字を習得すれば、読む人にプラスアルファを届けることもできるのです。
なんか腑に落ちないぞ。
「多くの文字を書くと良い」みたいなことを言ってるが、だったら603字とかじゃなくて、大長編小説の『大菩薩峠』とかがよいのではないか。天声人語は「深い内容が平易に書かれ、文章もすばらしい」とかいってるけれども、これもどうだろう。「毒にもクスリにもならない思いつきをクサイ表現でチャチャッとまとめた鼻持ちならない文章の典型」みたいに思っているオレみたいな人間も多いのではないか。
この先生は「美文字研究家」なのだそうだが、文章の書き方については別に専門家でも何でもないだろう。ペン文字上達法を語っていただく分には何の問題もないが、だからといってそのために天声人語を持ち出してくる必要は全然ない。オファーがあったからって、こんな風に妙な褒め方をするのは如何なものか。
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