今朝の天声人語は、話題の小保方STAP問題を取り上げていた。

皆さんとっくにご承知だろうが、「画期的研究できました!」とかいって鳴り物入りで登場した若手女性研究者が、その論文でずいぶん杜撰なことをしていた事実を暴かれ、「じゃあそのSTAP細胞ってのもインチキじゃね?」という疑惑が持ち上がっている、そういうスキャンダルである。

で、昨日の調査報告というのは、この論文というのはちゃんと科学のセカイのお約束にのっとって書かれていたかどーか調べるものだったんだが、何かよそからもってきた「本文には関係ありません」的な写真を載せちゃったりしてて、これはダメですネと烙印を押されてしまった。これが現状ですね。

さて、以下が本日の天声人語。

所属する理化学研究所はきのう、研究に不正行為、それも捏造があったと調査報告を公表した。懲戒委をつくって、処分を検討するそうだ▼ただ、 核心はなお藪の中にある。小保方さんは「このままでは、あたかもSTAP細胞の発見自体が捏造であると誤解されかねず、到底容認でき ません」と反論している▼細胞が本当に存在するのなら話は違ってこよう。重要な謎を残しつつ、理研側に、この騒動を、はた迷惑な独り芝居として葬りたい思 いが透けていないか。

うーん、よくわからンのは「細胞が本当に存在するのなら話は違ってこよう」というくだりだ。

いまひとつ文意がワカランが、たぶんこれは「研究の手続きは全然ダメだったんだが、実際にSTAP細胞を作れるんだったら、いまわかってるインチキはまぁ水に流して結果オーライってことになるよね? だから理研はそこんとこもハッキリさせてよ」ということを言ってるのではないか。

だとすれば、これはまたトンチンカンな議論である。

今回の理研の調査はあくまでも「研究のプロセスで何か瑕疵があったかどうか」というものだった。で、その結果はクロ。もちろん科学のセカイのルールからいえば、「じゃあSTAP細胞の研究自体みとめられないよ」ということになる。

もちろん「STAP細胞がリアルに存在するかどうか」というのは、論理的にいえばこれとは全く別の問題である。「論文の正しい書き方は知らなかったが、すげー結果出しちまったヨ」ということはありうる。だが、「細胞が本当に存在するのなら話は違ってこよう」とゆーことにはならない。仮に存在しても「こういうイイカゲンな論文を出した時点で、アンタは研究者失格。どっかいってください」という現時点の結論は不動であろう。たぶん「話は違ってこない」。

たぶん天声人語子はこんなことを考えたのではないか――オレも「世紀の大発見だ!」とかいって騒いじまったクチだが、どうやらその論拠となるべき論文は杜撰であったらしいゾ。恥をかいちまったゾどうしてくれるんだ理研サンよ。いや、待てよ。ここんとこ小保方叩きの方向でやってきたが、「いや実はSTAP細胞はできていた!」って事になったらまたまた風向きが変わっちまうンジャマイカ。うむ、ここは早いトコ理研に最終結論出してもらわにゃオレもコラムが書けないゾ、オイ早く結論だせよオマイラ」

こういう思考回路が働いたとすれば、「細胞が本当に存在するのなら話は違ってこよう」という何かよくわからん一句がココに挿入されている理由も納得できる。結局、この天声人語子は科学というセカイのルールとかいったものには何の関心もなく、「叩けばいいのか擁護すりゃいいのかワカランから早く結論だけ教えろヤ」といった自分の都合だけしか考えていない人物なのだろう。