今年もプロ野球開幕である。

いまのところのセリーグは、巨大戦力を擁する巨人の一人勝ち的状況のようであるが、野球をチラチラみていると何か釈然としない思いが胸中に浮かび上がってくるのである。つまり、いわゆる「ジャンパイヤ問題」である。

ずっと昔、巨人の王は「選球眼が良い打者」ということになっていて、だから王が自信満々で見逃した球はどんなにど真ん中でもボールに判定される、という伝説があった。これを俗に「王ボール」という。

まぁその真偽はともかく、ここで言いたいのは、「やっぱプロ野球の審判は巨人びいきだよなー」という体感的事実は、昔からそうやってファンの間で語り継がれていた、ということである。で、後年、この問題にかんして巨人びいきのアンパイヤ=ジャンパイヤ、なる造語が生まれたという次第。で、時は移れど、どうもこの傾向は今も続いているんではないか。

唐突ではあるが、オレとしては、最近話題の「STAP細胞問題」と「ジャンパイヤ問題」が頭の中でだぶってくるのである。

そりゃ、巨人は戦力的には他を圧倒している。たぶん強いんだろう。しかし仮に連中が、「それはそれとして、俺たちのチームは絶対負けるワケにはいかないので、保険として審判を抱き込んでおくことにスッカ」と考えらどうなるか? そうするともう何も怖いものはナイ。圧倒的な強さで優勝することになります。

しかし、そうやってズルをして得た優勝というのは価値があるのか? いや、たぶん実力だけでやっても優勝できたんだろうが、ズルをした時点で本来その優勝は「認められません」というのが真っ当な考え方であろう。ズルが発覚したら優勝はナシである。

そう、小保方さんの論文がイイカゲンだったというのは、この「ジャンパイヤの採用」に相当するのである。仮にジャンパイアがいなくても優勝=STAP細胞ハッケン、ということになったかもしれぬ。でも、ズルしたからもうアンタはここから出ていってください、そういう話になる。もはやSTAP細胞があろうがなかろうがそれは変わらない。そういう状況なのである(が、この辺のリクツが天声人語子には全然わからないらしい。その辺は前回のエントリーで書いたとおり)。

「インチキしても勝ちにいくというのはやっぱダメだなんだよなあ」という意味で、プロ野球関係者なども今回のSTAP問題をわがこととして考えていただきたい。が、そんなことを考えているのはオレだけであって、まぁ当事者たちはそんなことは露ほども考えていないであろう(笑)。