「大宅壮一文庫索引総目録」に載っていた「宇宙人、空飛ぶ円盤(UFO)」という項目を眺めての感想文パート2である。

さて、これはある意味予想通りで意外感は無いんだが、女性雑誌も円盤記事ではけっこう健闘していた。量的にもけっこう多いのだが、その特徴をひとつ挙げるとすると、女性誌は「私は宇宙人に胎児を奪われた」「宇宙人にレイプされた」みたいなセックス系の話にとーっても食いつきがヨイ。こんなのがあった。

『決定的写真を入手、人間は宇宙人と猿の混血だ』(「微笑」1976年9月11日号)

『未知の体験告白 私は宇宙人に妊娠テストされた!!』(「女性自身」1978年1月12日/19日合併号)

『驚愕! UFOが君の肉体をねらっている 私は宇宙人にレイプされた』(「女性セブン」1979年2月8日号)

『「私はUFOに連れ去られて宇宙人にレイプされた! 」アメリカ・サウスカロライナ州のリン・キャノンさん(21)』(「女性自身」1982年8月19日)


記憶が定かでないのだが、の手の話がアメリカでブレークしたのは1980年頃だったような気がする。だとすると、連中は間髪入れずにこういうネタに反応したことになる。女性誌が円盤を取り上げるのは基本「エログロ的猟奇趣味」からだというのがオレの仮説なのだが、そもそも「宇宙人に性的なことをされた、と言い出すのは精神的に不安定な立場にある寡婦が多い」みたいな、ある意味フェミニズムの方が激昂しそうな説もあるらしく、女性誌とこういう記事の親和度はもともと高いのかもしれん。なお、ここで言い添えておくが、この目録中で他に宇宙セックス系の話を載せてる雑誌は無かった。

ただし。 意外にというべきか、これで節目節目の事件を押さえてたりもするから、女性誌はあなどれンのである。

有名な「仁頃事件」については、「プレイボーイ」誌が手抜かりなく記事にしていたことを前回のエントリーで紹介したが、この事件のことは「女性自身」も1974年5月25日号『私は宇宙人に3度招待された! 月と木星に行ってきたと語る藤原由浩さん(28才)の体験は』で書いている。

それから、「女性自身」1974年7月18日号の

『私は宇宙人に誘拐され調べられた! アメリカ南部パスカグーラのチャーリー・ヒクソン氏の驚異の体験』

が取り上げているのは、今では世界的な古典的ケースとされる「パスカグーラ事件」(73年10月)である。これなんかは、なかなか先見の明があったと言ってよい。

もひとつ、「女性セブン」1976年3月3日号には

『現地ルポ「宇宙人に肩をたたかれた!」「車を引っ張られた!」と目撃者が続出!』


というのがある。ハッキリとは書いてないが、この「宇宙人に肩をたたかれた」というのは、たぶん国内の事件としては超メジャーな「甲府事件」(75年2月)のことであろう。これは推測になるが、その直前の「アサヒ芸能」1976年2月5日号が

『UFO接触事件詳報 宇宙人に肩をたたかれ腰を抜かした少年たち』

という記事を書いてるので、たぶんこれを読んだスタッフが「面白ェ!」といって甲府に急行したのではないか。まぁ事情はどうあれ、現地に行って取材したのはエライ。

日頃のオレは、「有名人の誰と誰がくっついた」だの「別れた」だの、そんな女性誌の興味本位の記事はドーデモいいと思ってくるクチであるが、こういう円盤話に限っては興味本位おおいに結構、よくやってくれました、という思いを禁じ得ない(もっとも実際に探して読んだら期待外れでガックリ、ということになるかもしれないから安心はできないw)。