大宅文庫の目録にみる円盤・宇宙人記事についての感想文3回目。今回は「むかしは新聞もそこそこ書いていた」という話である。

目録をザッとみると、もちろん「週刊朝日」「週刊読売」あたりは結構この手のネタを取り上げていて、まぁ新聞社系でも週刊誌なら当たり前という感じがあるわけだが、むかしは新聞本体のほうでもたま~に円盤ネタが登場していたことがわかる。

『空飛ぶ円盤の正体 米海軍苦心の秘密兵器』
(読売新聞1950年4月6日)

『世界の表情 空飛ぶ円盤 結局は自然現象か、スパイ説米空軍では否定』(朝日新聞1952年8月7日)

『北日本にも現れた、空飛ぶ円盤』(朝日新聞1953年2月9日)

『空とぶ円盤、空軍は資料公開せよ 民間団体、秘密主義に挑戦』(朝日新聞1964年8月16日夕刊)

「円盤?そんなものインチキだろ」というのが最近の新聞の最大公約数的スタンスだと思うのだが、このあたりの記事をみると、当時の新聞はけっこうマジメに円盤問題を考えていたフシがある。中には、こんな連載記事まであったようだ。

『連載 ユーフォロジーのあけぼの(上~下)"空飛ぶ円盤"世界の研究』(朝日新聞1959年6月10日~12日)

なんたって「ユーフォロジー」である。しかも連載! 何が書いてあるかは知らんが、少なくとも揶揄するような調子は全然感じられない。巷間聞くところによれば朝日新聞には円盤問題にとても詳しい方がいるというから、今だって円盤についての連載なんか書こうと思えばいくらでも書けると思うし、オレなんかもぜひ読みたいと思うのだが、ま、円盤じたいに元気がなくなってしまったとはいえ、なかなかそういう風にはならない。今は昔とゆーか、昔日の感を禁じ得ない。

再び一般紙がこういうネタを盛んに書くような時代が来るかといえば、ほとんど見込みはないのだろう。やはり円盤黄金時代というのは遠く去ってしまい、再び帰り来ることはないのだろう。そう思うと、オレなどはちょっと悲しくなってくるのだった。