UFO研究家のジャック・ヴァレのファンを自認するオレにとって、彼が書いた小説『異星人情報局』の訳者であるSF評論家、礒部剛喜氏はとても気になる存在である。

何でかというと、こないだツイッターで畏友magonia00氏が触れていたので改めて思い出したことがあって、つまり礒部氏は『異星人情報局』の巻末解説でヴァレの事績を的確にまとめているンだが、それを読むと、彼はどうやら翻訳のプロセスでヴァレ本人とも接触されておられるようなのだった。

ネット上にお書きになったものを拝見しても、ヴァレに「UFO現象学」(これは UFO phenomenologyではなくて study of UFO phenomenon という意味のようだ)を学んだ、みたいなくだりがある。となると、彼は日本でもっとも良くヴァレを知る一人ではないだろーか。

皆さんご承知のように、ヴァレの邦訳書というと、単著としては先の小説のほかには『人はなぜエイリアン神話を求めるのか』(ただしこの本での表記は「ヴァレー」)があるばかりで、しかもこっちは全訳ではない。この辺が隔靴掻痒で、オレなんかも及ばずながら地味に啓蒙活動(?)をしているンだが、そういう意味では、もっともっとヴァレを宣伝していただきたいッ!という思いがあるのだった。あるいはオレの知らんところでイロイロお書きなのかもしれないけど(あと、できれば翻訳本も出してほしい)。

ヴァレの仕事について論じている本としては、もちろん名著のほまれ高き稲生平太郎氏の『何かが空を飛んでいる』があるわけだが、「じゃあ実際にどんな人なんだろ?」みたいなところを語れる人は、日本にはあんまりいないハズなのだ。ヴァレの本を読むと、かつてはCBAの松村雄亮氏とも接触があったらしいが、そっちのラインが今も生きているとは考えにくいしネ。英語ならJeffrey Kripalの『Authors of the Impossible』という本がヴァレを論じている(らしい)が、英語不如意なオレはいまだに読めずにKindleに入れっぱなし、という個人的事情もある(笑)。

ま、もちろん商業ベースで「ヴァレ論」みたいな仕事が成り立つかどうかはなかなか微妙なのだろうが、いつかはそういうのをやっていただけないか。ま、こんな辺境ブログで書いた話がご当人に伝わるとも思えんが、とりあえずは一方的なラブコール。