
金正恩をおちょくった映画「ザ・インタビュー」を公開しようとしたソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが、テロ予告にひるんで上映中止に追い込まれた件であるが、一転、米国で上映館を絞っての公開が決まったらしい。まずは「テロには屈しないッ!」というアメリカの矜持が示されたようで、まぁアメリカは別に好きではないけれども、こういうところは連中さすがにスジが通っている、と思わんでもない。
閑話休題。今回は別にこの映画の公開の是非を論じたいわけではない。
たまたま新聞各紙でこの一件についていろいろ報じているのを読んでいて気づいたことがあった。フツーの新聞はフツーに「ザ・インタビュー」と書いているンだが、朝日新聞を見ると「The Interview(ジ・インタビュー)」という表記である。
問題は、この「ジ・インタビュー」である。もちろん母音の前の「THE」は「ジ」と発音する、とゆーのは40年ほど前に田舎の中学校で教わったので知っているが、こういう書き言葉で「ジ」とか言われると、何となく違和感がある。現地人がリエゾンでこう読む仕掛けになってるからといって、もはや英語は国際語だとかいう話になってンだから、そんなローカル・ルールにおつきあいする必要があるんだろーか、と思う。
まぁここからは勝手なことを言わせてもらうのだが、朝日新聞のみこういう表記を使っている、というのは実に象徴的である。英語を使うにしても、ジャパングリッシュみたいなのは下品で、「現地人の口吻を一から真似るのが正しいのでアル」みたいな説教臭が漂う。あるいは「オレたちはインテリなので、インテリらしい英語を使わせて頂く。母音の前のジは譲れませんナ」みたいな嫌みなものを感じる。
それに「ジ・インタビュー」の前に、わざわざ原語の「The Interview」と入れているのも気に入らん。たぶん、「ジ・インタビュー」だけだと「なんだ、このジというのは?」と思う読者はいかほどか出てくるに違いなく、そこでこの「The Interview」という英語を併記しておけば、「いや、ここに英語が書いてあるでしょ? だったら、何でジなのか、わかるでしょ? わからない? あんたバカァ~?」ということになるワケである。何か姑息である。
例の「誤報問題」で至らず済みませんでしたとアタマを下げた朝日新聞であるが、オレが前々から指摘している「貴族主義」「大衆善導主義」みたいな性格は急に変わるワケもなく、それは図らずもこういうところに顔を出してしまうのではないだろうか。
いや、こういうリエゾンは尊重イタシマスという方針を貫くことにしたンならまだ良い。そのかわり、「アナ雪」の「Let it Go」は「レリゴー」だし、ビートルズの「Let It Be」は正しくは「レリビー」である。ま、これからこのビートルズの名曲は「レット・イット・ビー」ではなくて「Let It Be(レ・リ・ビー)」と書くことにシマシタ、というンなら許さんでもない(笑)。
コメント
コメント一覧 (6)
アメリカ訛りを是とするならその通り。要するにwaterをワラーというやつですよ。何故アメリカ人の真似をするのか理解できない。
貴殿はアメリカ訛が好きなようですが理由がわかりません。私はイギリスに3年以上仕事で滞在し、ドイツなど欧州本土やアメリカへも頻繁に仕事で行きました。そこでわかったことはアメリカ訛りはアメリカ本土以外ではマイナーなことです。しかし不思議なことにPOPSなどの歌は例外でアメリカ訛が多く聞かれます。
日本人がアメリカ訛りをアメリカ以外で使うと変な目で見られますよ。イギリスの会社でアメリカ訛りを使う日本人がいて、現地人はあれはEnglishではないと言っていました。日本人がヨーロッパでアメリカ訛りを使うのは好まれないと思います。きっとオーストラリアでも同様でしょう。英語国でないドイツでも同じです。
もし好きで使うなら同じパターンで同じように使うこと。matter, water, better, Hootersなどいくらでもある。もちろん連語のLet it goもです。特定の単語だけ使うのは不自然です。そしてtwenty, internationalなど-nt-ではtが抜けます。これは普遍的です。私はパニャックと言われて聞き返してもどうしても分からなかった。これはPontiacです。
これをどう読んだら「貴殿はアメリカ訛が好きなようです」という話になるのか、もう頭ン中「????」状態。
別にオレは「米国なまりを見習え」なんていうことは言ってないのであって、むしろ或る特定の英語のありようを絶対視するなんてぇことはチャンチャラおかしいという意味で、「じゃあ朝日新聞はレリビーで通せよ」と皮肉を言っているのである。
自分で書いた皮肉を自分で解説するほど野暮なことはないんだが仕方がない。
まぁその辺は普通の日本語の読解力がある人にはスグわかってもらえると思ったのですが、むしろオレが案じるべきは外国語の問題などではなくて、フツーの日本語が通じない日本の方がけっこういるという問題であったのかもしれぬ、とハンセーすることしきり(笑)
『むしろ或る特定の英語のありようを絶対視するなんてぇことはチャンチャラおかしいという意味で、.....』と言っていますね。
しかし、「Let it Go」は「レリゴー」だし、ビートルズの「Let It Be」は正しくは「レリビー」である。
と言ってますね。『正しくは』に引っかかるのですよ。これは貴殿が言っていることと矛盾しますよ。
馬鹿馬鹿しいので、これ以上今後書き込みはしません。
よく読んで欲しいのだが、オレは朝日新聞が「こういうリエゾンは尊重イタシマスという方針を貫くことにしたンなら」って仮定の話をしてんだよね。で、その場合は「レリゴー」「レリビー」で正しいからドンドンおやんなさい、と言ってるのデス。
この後段だけ取り出して、「あんたはレリビーは正しい、って言ってるじゃん」って顔真っ赤にしていわれてもなー。
まぁ、もう来ないそうなので、いろいろ説明して差し上げても詮無いことか。
ヨーロッパに行ったら、現地人に気に入られるように、ヨーロッパ風(笑)の英語をしゃべろうね、っていうことかしらん?
そりゃ、アメリカって世界中で結構嫌われてるかもしれないけどさー、ヨーロッパに行った日本人が現地人に迎合せにゃならん義理なんてないわけで、別に「好まれなく」たっていーじゃん。
オレの語彙でゆーと、そういうのは植民地根性という。