めったに更新しないのが悪いということもあるのだが、当サイトは基本的に全然人の寄ってこない人外魔境ブログである。ではあるんだが、たまさか数十人もの人々(笑)が訪ねてくる日というものがあって、たとえばここ数日がそんな感じである。

これはどういうことかというと、どうも朝日新聞の不定期人気連載コラム「アロハで田植えしてみました」シリーズがまた再開されたことと関係があるようだ。というのも、以前このコラムについて何度か感想文を書いちゃったりしたものだから、検索をかけた結果、何となくここまで迷い込んでくる人がいるらしいのである。

ただなぁ、オレ的には今回始まったシリーズはどうなのかと思うぞ。

この企画、最初は「会社に忠誠心なんてねーからオレ。仮に辞めなきゃならんハメになっても、田んぼ一枚ありゃ筆一本、ライターとして好きなこと書いて、どうにかこうにか食っていけるんじゃネ? つーことでオレ、田んぼ作ってみるわ」というノリで、長崎の田舎で朝日新聞の一流記者が田んぼ作りに挑戦するという初期設定であった。

ま、天下の朝日の名物記者が仮に退職したとしても長崎の田舎の田んぼを守りながらライター稼業を続けるかといえばそんな可能性は毫もなく、しょせん冗談企画だといってしまえばそれまでなのだが、何というか、「会社なんてオレ、もうどうでもいいから」的な、この朝日の名物記者の一種吹っ切れた、アナーキーな(ふりをしたw)たたずまいがオレとしてはとても気に入ったのだった。

が、今回のシリーズの入り方をみますと(詳しいことは新聞を読んでもらいたいけれども)一言でいえば、この名物記者が「水田作りは教育にもいいですよネ」的なノリで近くの小学校を巻き込み、自分の田んぼで子供たちに田植えの実習をさせる、というような話になっていた。

まぁ当人は「うまいこと働かせてやったワイ。ラクできてよかったのう」的な偽悪的なスタンスを装って書いてはいるんだが、結局これって、客観的にみれば「都会からやってきたおじさんと地域の子供たちとの心のふれあい」的な「良い話」ではないか。全然アナーキーじゃないじゃん。

気に入らん!

というわけで、今後はぜひ初心に立ち戻り、地域の人々との心あたたまる交流路線は捨て、もうちょっとこう、なんというか、世の中に毒を撒き散らすような悪どい方向に歩んでいってもらいたいと切に願うのである。