さて、YOUTUBEでみかけた郡純氏出演のテレビ番組「PRE★STAGE」というのはコレである(消えてたらゴメンなさい)。



「UFO特集第7弾 UFOサミット2」と銘打っており、調べてみると1991年9月30日(月)の深夜0:55~4:30――厳密にいうと実際には10月1日未明ということになるが――にテレビ朝日で放送されたものらしい。

今見ると、のちに「スーパー公務員」としてテレビドラマのモデルにもなり、UFOネタ抜きでメジャー化してしまった高野誠鮮氏、今は亡きコンノケンイチ氏や池田貴族氏、おなじみの秋山眞人氏等々、いろんな人が出ていて懐かしい。

小学館ワンダーライフ編集長の志波秀宇という人も登場していて、オレは全然知らん人であったが、たまたまこないだ買ってきた洋泉社の「怪奇秘宝 山の怪談編 」というムックに当時を回顧して語るインタビュー記事が載っており、なんだかシンクロニシティを感じた。あと、司会はNHKから独立した千田正穂氏。アシスタントは滝本尚美嬢とTARAKOという面々である。

閑話休題。この時期はちょうど例の『最新異星人遭遇事件百科』が出版された直後ということだったせいか、ワンコーナーを任された郡氏は、この本のネタを使いながらUFOについて一席ブっている。以下、そのくだりを採録してみよう。

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     写真は熱っぽくエイリアンについて語る郡氏


いまお話があったように、特に1989年の春以後、日本では、いわゆるアブダクションケース、異星人による日本人の誘拐事件が頻発している、急増の傾向にあるということが言えるわけです。これは一つの、プロジェクトIIAという団体が調べた情報でまとめたものなんですけど。

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各地に頻発している事件、それ自体が地区ごとによって来ている異星人、アブダクトする異星人の種類が異なるという、そこまで限定されてきている。

例えば北海道ですと「琴座」、本州ですと「てんびん座」「レティクル座」。この「レティクル座」というのは二つありますけども、これはいま現在、地球に来ている宇宙人の種族の中でも、最もマジョリティというか、支配種族だと一般には説明されている種族です。「レティクル座」というのは南半球でしか見れない、日本では一部でしか見えない星座なんですけど、ゼータⅠ、ゼータⅡという出身母星から来ているという、極めて具体的な情報がもたらされています。

九州がその(レティクル座の)地区に入ってますが、例えば宮崎ではですね、24歳のOLと29歳の会社員のカップルが、日南海岸という海岸があるんですが、青島という熱帯植物の生えている島がありますが、その手前で、ドライブ中、夜に4時間のミッシングタイム、いわゆる「空白の時間」を体験した。そういう事件が起きています。

これは逆行催眠という、催眠のテクニックによって、UFOへの拉致体験が明らかになったのですが、いろいろな説が科学者・医学者から出てるわけですね。

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一つは「出生外傷説」というのがあります。これは催眠によって思い出された体験、それは実は自分が誕生した時の苦痛を追体験しているにすぎないという、そういう説です。それによればUFOは母体の子宮、それから胎児型の宇宙人は――彼女は「会った」と主張してるわけですね――胎児型の異星人は自らの胎児時代の反映だ、と。それからUFO内部での生体検査、彼女が受けたそれは分娩室での医学的な処置だ、と。すべて結びつけて考える見解です。

これは非常に説得力が一見あるんですけど、産道を抜け出てきた体験というのは、実は彼女の場合はありえないんですね。これは半ば冗談みたいな話ですけど、彼女は帝王切開で生まれた。したがって「暗いトンネルを通ってUFOに吸い込まれた」という説は、全くこの事実を説明できない。

それから、時間がないので少し省略しますが、「特異心理反映説」。これは彼女が事件当時、一緒にアブダクトされたカップル、恋人との間で、非常に感情にもつれがあった、と。そういう心理が、ある種の幻影を生み出したという説ですね。しかしこの説もですね、同時に男性もアブダクト、拉致されている。男性は全く正常である。じゃあ男性の見たものは何だったのか。説明ができない。

それから「作話」。これも同じですね。つまり逆行催眠という催眠下に於いて、医者に気に入られるような話をでっち上げた。こういう心理はしばしばあり得るのですが、その妄想体験を語ったに過ぎないという説です。しかし、一緒にアブダクトされた男性は、催眠をかけらずに独自にその事実を思い出している。したがって、作話説も否定されることになると思います。

このようなアブダクションケースというのが頻発しているワケですけど、アブダクティーというのは、ここに掲げましたように「3つの心得」とあります。

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(アブダクティーというのは)実際にUFOの中に拉致された人間を指すわけですね。これは或るアメリカのUFO研究団体が、すでに向こうではもう「3つの心得」という具体的なマニュアルまで出てるんですね。日本ではまだおとぎ話の世界ですが。

一つ一つ説明しますと、まず「作戦を練らない」。これは言ってみれば、地球人をゴリラにたとえて、「ゴリラの生態調査に来てるのが宇宙人である」というのがだいたいアメリカの常識的な通説としてあるわけですね。「ゴリラが作戦を立てたところで何になるのか、ナンセンスだ」という考え方からこういうことになっています。

二番目の「恐れない」。これも同じ考え方によるものです。ゴリラが動物学者によって捕獲される。パニックに陥る。傷つくのはどちらか。という問題ですね。

それから「抵抗しない」。これも二番目と似ていますが、こういう項目が出てきたのは、外国では非常に抵抗するケースが多いんですね。例えば1975年でしたか、起きたチャールズ・ムーディーという事件では、砂漠の中で宇宙人に囲まれた、と。一発パンチを食らわせて、相手が倒れてしまったという滑稽な事件さえ起きているんですね。結局彼がどうなったかと言えば、UFOの中に拉致されて実験されて、記憶を抹消されている。結果的には何もわからなかった。それなら初めから抵抗しない、という考え方です。

ただ、私が調べた限りでは、日本人のアブダクティーというの割と抵抗しない。皆無と言ってもよい。割とニヤニヤしちゃうというのが多くて、状況追随型というか。それが結果的にはいいほうに出てると思います。

それはこれは一番最後になりますが、いわゆる宇宙人の死体写真と言われるものですね。これは1990年の8月15日に千葉の片貝という、銚子から南に40キロあまりでしょうか、下がったところにある海岸で発見されたとされているものですね(引用者注:著書では16日とある。言い間違いか)。人形説が強いということは一応お断りしておきたいと思います。

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*引用者注:これは番組の画像から切り出したものだが、著書のほうにもおんなじのが載っている。ただ、ページまたがりで画質もやっぱり酷いので大した違いはないと言い添えておく


その上でこの特色をみると、身長は頭からつま先まで約1.2メートル。ご覧になればわかるように頭が異常に大きいですね。肥大した頭部。丸い目。穴だけの鼻、穴だけの口。ここはちょっと焼けただれていてわからないんですが、指は4本あったという情報もあります。これはまだ確認されていません。そういう特徴を備えている。これはいわゆる「グレイッシュ」という宇宙種族の特色そのものであるわけですね。

グレイッシュというのは大きく二つに分けられるんですが、一つはレテュキュラン。これは先ほど申し上げたレティクル座から来ているとされる宇宙種族です。身長は約1.3メートル。非常に頭が大きい。いわゆる胎児の体型をしている。目が大きくて丸い。穴だけの鼻、口。そして耳は耳たぶがない。穴だけ。指は4本。水かきがついている。先は鉤爪と。そこまで特定されてるわけですね。

もう一つはリゲリアンというのがいまして。オリオン座のβ星から来ている。これは目がアーモンド型で、耳まで少し切れ込んでいる。それを除けば、このリゲリアン、レティキュランは同じ特徴を有しているとされています。気になるのは、これが何故千葉の片貝海岸で発見されたかということなんですね。ともうしますのは、この前日の8月15日に沖合数キロ先で発行物体が墜落している、と。それは貨物船によって目撃されているという事実があるわけです。それと関係があるのかないのか。いずれにせよ非常に興味のある事例かと思われます。


いかがでしょう。口からデマカセでここまで語ってしまうというのはスゲエ才能ではなかろうか。本のほうにも、こういうことが縷々書いてあるんだが、書くんじゃなくて口でこういうデタラメを平気で語るというのはたぶん難しいことだと思う。ナマの郡氏がしゃべってる画像をみて「おぉ!」と思ってしまった所以である(尤も、質疑タイムにはいって池田貴族氏あたりからスルドイ質問を浴びせられたときには、なんかちょっと言いよどむ的な感じもないではなく、なかなか人を欺くというのは難しいものでアル)。

それはそれとして、彼はこの中で、本当にあった(とされている)チャールズ・ムーディー事件なんかにも触れている(彼の創作じゃないという証拠に英語のサイトなどにも書いてある。一例はこのあたり)。「レティクル座の方から異星人が来ている」みたいな話も(オレに言わせればナンセンスだが)言い募っている人達はホントにいるし、話の中に出てくる「出生外傷説」というのも業界的には確かに存在する。

つまり、これは前回も書いたけれども、それが示唆しているのは、明らかに彼はUFO問題についての「素人」ではないということである。よくわかってる人が怪しい話を創作している。そういう匂いがプンプンする。

いったいこれはどういうことなんだろう。その辺に関するオレの「推理」(笑)は次回書いてみたいと思う。(つづく