CSのヒストリーチャンネルでいま、「プロジェクト・ブルーブック」(seazon1)という連続ドラマを放送している。

いうまでもなく「ブルーブック」というのはかつて実在した米空軍のUFO調査機関で、今回はその科学コンサルタントとして調査に関与した科学者アレン・ハイネックを実名で登場させるという奇策を用いて「UFOにまつわるミステリー」というテイのドラマにしたものである。

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アメリカではそこそこ評判になったらしく、UFOファンとしては是非観ておきたい。もっともオレの家ではヒストリーチャンネルは映らないので、U-NEXTのお試し無料視聴期間を利用して第6話まで観たところである。なので、とりあえずここまでの感想を書いてみることにした。

で、このドラマの売りは、実在したブルーブックとかハイネックを登場させるのもそうであるが、本当にあった事件――たとえば「ゴーマン・ドッグファイト事件」だとか「フラッドウッズ・モンスター事件」とかいったものをドラマ中に潜り込ませて、なんとなくノンフィクション感を醸し出しているところでアル。

ただ、ここは注意が必要で、ドラマでは「いつ・どこでどんな出来事が起こったか」という事件のあらましは事実(とされること)に寄せて作ってあるのだが、それ以外はほとんどフィクション盛り放題である。だからUFOファンであれば「この辺から事実離れて暴走し始めてますなー」みたいなコトは分かるンだが、そういうUFOリテラシーのない人はあたかも全部ホントにあったことのように勘違いする恐れがないではない。

ただそういう早合点する人のことを無視すれば、これは基本的にミステリードラマなので話はいくら面白くしたってイイのである。実際、「ハイネックにつきまとうナゾの男」であるとか「奥さんに接近してくるソ連の女スパイ」だとか、およそウソ八百丸出しの伏線がいろいろあって、そういうところがワクワク感につながるのである。1950年代が舞台ということなので登場人物タバコぷかぷか吸ってるし、ストーリーとあいまったダークな映像も実にあじわいがあってよろしい。聞けば製作はロバート・ゼメキスだそうで、なるほどと納得する。

俳優陣もなかなか良い。ハイネック役のエイダン・ギレンゆーのはこれまでワル役を得意としてきた人のようだが、今回は渋いインテリ中年っつー感じでなかなか格好よい。コンビ役の大尉を演じるマイケル・マラーキーも単細胞の軍人を好演。あと、空軍の大将役でニール・マクドノーっつー役者が端役で出てくるのだが(ググって調べたw)このオッサンがいかにも腹黒そうな陰謀野郎風で気に入った。

ただまぁ、ひと言いわせてもらうと、ドラマの世界なりにリアリティは欲しいよネという感じもないではない。

たとえば、主人公のハイネックは空軍のクイン大尉なる人物とコンビを組んであっちこっち行くンだが、しかしこれだと「ブルーブック」いうのはたった二人でやってる超零細プロジェクトみたいな感じにならんか。実際の「ブルーブック」は何人ぐらいで動かしてたのかは知らんが、たとえば出張旅費の精算をする係員だって要るンではないのか。

あと、出てくる事件が相当に換骨奪胎されているという話は上にも書いたが、これが時系列的には全然違う順番で出てきたりするので、そこそこ囓った人間の側からからみるとフィラデルフィア実験的な「時空間のねじれ」が発生しているようで何となく落ち着きが悪いという感じもアル。

だがドラマとしてはこの先どうなっていくのかとゆーアトラクティブな要素満載ということもあるし、UFOファンとしてはよくぞこういうの作ってくれましたなーという思いは強い。

U-NEXTの1ヶ月の無料視聴期間が切れたあとどうするかを考えねばならンのだが、ひとつには継続契約をする手がある。もうひとつは、米国で出ているシーズン1のブルーレイ・ディスクを買う手もある(日本版は売っていないようなので)。

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Voices Of Wonder
2019-01-14

ご承知のようにアメリカと日本ではブルーレイのリージョンコードが同じであり、国コードの設定さえされてなければアメリカ版でも日本で観られるハズである(よく知らんのだが日本で発売されてないBlu-rayであれば、国コードなんて設定してないのではないか?)。

もっともその場合も問題はある。オレは英語のリスニングはテッテ的にダメなのである。米国のBlu-rayに日本語字幕がついてるワケはない。英語字幕がついてたら、それを読みながら観るという手はあるかもしらんが、これもオレの英語力では厳しい。今後の課題である。