怪奇現象蒐集家であるチャールズ・フォートの伝説の名著『呪われた者の書 The Book Of The Damned』――オレ的には『呪われしものの書』と言ってみたいのであるが――の邦訳が国書刊行会から近々出る、というウワサを数年前に聞いた。が、そんな話を聞いてからもうずいぶん経つのに全然出る気配がない。

この本、原著でなんとか読もうと試みたこともあるのだが、オレの英語力では全く刃が立たなかった。だから翻訳で出してもらわないとどうしようもないのである。何とも困ったものだ。

というワケで、今回は搦め手で「フォートの伝記」を探してみた。フォートの本は一冊も読んでいないけれども、あわよくば適当な本を読んで「フォート通」のフリしてみてえな、という横着な作戦である。以下、フォートの主な評伝(と思しき作品)についての備忘録と考えていただきたい。

*もっとも以下の備忘録、実際にはAmazonで検索してAmazonレビューなどを30分ぐらいザッと斜め読みして書いたものなので、けっこうテキトーである(たぶん)。ご注意されたい。


■デイモン・ナイト Damon Knight 著
Charles Fort: Prophet of the Unexplained(1970) 

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Charles Fort: Prophet of the Unexplained
Knight, Damon
Littlehampton Book Services Ltd
1971-03-04

コメント:ググってみると、どうやらこの本はフォートの評伝本の「古典」みたいな位置づけになっているらしい。たまたまAmazonに唯一アップされとるレビューを読むと、「著者はヴェリコフスキーを評価しとるようなこと書いてるし、そういうスタンスじゃダメじゃん。でもまぁ面白いから許す」みたいな感じである。ちょっと「フォートに甘い」本なのだろうが、けっこうイイ本なのかもしれない。あと、これは余談だが、同じタイトルの「Fort: Prophet of the Unexplained」という本もあるようだ。こちらはフォートが登場するフィクションのコミック本で、このナイトの本とは全く関係ないらしい。紛らわしい。


■コリン・ベネット Colin Bennett 著
Politics of the Imagination: The Life, Work and Ideas of Charles Fort  (2002)

コメント:どこが主催してるのかは知らんが、「Anomalist Award for Best Biography in 2002」という賞を取った本だそうだ。ジョン・キールが序文を書いている。著者のベネットさんは「Looking for Orthon: The Story of George Adamski」というジョージ・アダムスキの評伝も書いてる人で、そっち方面ではなかなかの書き手なのだろう。Amazonのレビューでも総じて評価が高い。だが、一部に「この本はベネットが自分語りばっかしていて、フォートのことをちゃんと論じてないではないか。デイモン・ナイトの本(前出)に劣るナ」みたいな書き込みもあって、オーソドクスな評伝ではないのかもしれない。


■ジム・スタインマイア- Jim Steinmeyer 著
Charles Fort: The Man Who Invented the Supernatural Paperback(2007)

コメント:これもAmazonのページでチェックしただけだが、著者は手品の歴史の研究者であるらしい。先のデイモン・ナイトのとは違って、別に「フォート素晴らしい、フォートバンザイ!」みたいな意図はないようだ。かなり冷静・客観的な筆致ということなのだろう。評点も高いし、これもなかなか良さげである。

ということで、何とかこういう本を読んでみたいなぁとは思うのであるが、実はオレは英語の本を読むのに凄い労力を必要とするので、たぶん読まないで終わってしまう可能性が高い。英語の達者な方は実際に読んでみて、どんなことが書いてあるのがこっそりオレに教えてほしい。