さて、本日9月16日に安倍内閣は総辞職し、菅政権がスタートする。

そんなタイミングにあわせてということなのだろう、本日の天声人語は安倍政治の総括のようなことを書いている。

オレなりにまとめると、「経済政策はまずまず良かった。だが、モリカケなどの疑惑については全部誤魔化して国民が忘れるのを待つ、という姑息な手段をとってきた。なんとも酷い政権であった」といった内容である。

まぁ基本的には正しい認識だと思うのだが、一番最後のところまで読んで「ん?」と思った。


▼それでも支持は離れないだろうとおごり、世論とはそんなものだと高をくくる。安倍政権の姿を、菅政権は継承するのだろうか。


いや、「世論とはそんなものだと高をくくる」とか言われても、実際、世論はこの間ずっと安倍政権を容認してきたではないか。どんな悪辣なことをしようが選挙をすれば自民党は連戦連勝だったわけで「それでも支持は離れなかった」し、「世論とはそんなもの」だったのである。

いちおう民主主義のタテマエからいえば、選挙で勝てば「あぁ、モリカケなんてものは選挙民は大して気にしてないんだ」と考えても別に間違いではない。それを「おごり」だとか「高をくくる」とか批判されても自民党としては困ってしまう。「だって自民党勝ったでしょ?」てなもんだ。だとすれば、天声人語がここで批判するべきは「そんな自民党に平気で票を入れてしまうアホな国民」だったのである。

だが、およそ朝日新聞というのは「庶民大衆というのは権力者によって抑圧されているかわいそうな人びと」というステレオタイプをもっているので、「大衆はバカだ」ということをよう言わん。安倍がどんなヘタを打ってもここまで政権を続けてこられたのは、要するに大衆がアホだったからである。それを言わずして、安倍が「おごっている」とか言ってもムダである。結果、今回も残念ながらまったく説得力のないコラムになってしまった。言うまでもなく、菅政権はそんな「安倍政権の姿勢」を継承するのである。

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【追記】
と言っていたら、発足したばかりの菅内閣の支持率は74%だったそうだ(日経新聞の世論調査)。愚昧な国民はこうやって自公永久独裁政権をずっと支持し続けていくのであろう(笑