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いぜんコロナ禍が続いている。

オレの住んでいる東京ではこのところ一日の新規感染者数が連日過去最高を更新中だ。昨日(2022年1月20日)時点で8638人に達した。数日中には1万人を突破することだろう。

ただ、こういうコロナ患者の増減というのはいったいどうして起こるのか、オレには今もってわからない。

「いや、対策を怠れば感染者が増える。対策を強化すれば減る。そういうことでしょ?」と言う人がいるかもわからんが、昨年夏にあったいわゆる「第5波」のことを思い出して頂きたい。アレは東京の場合だと8月半ばに新規感染者が5000人を超えたのだが、あんまり打つ手もない感じだったのが何故かしらんがそれからドンドン減っていった。年末まで総じて平穏な日々が続いたことは皆さんも記憶に新しいところだろう。

もちろん「ワクチン接種が地味に進んだ」みたいなバックグラウンドはあったんだが、あの急減を因果的に説明できるロジックは専門家も構築できていないようである。

要するに、あの第5波のピークは時が過ぎることによって自然に減っていった。いったん増えてもやがて減る。理屈はわからない。しかしなぜかそういうサイクルが生まれていた。

そして、これはおそらくいま進行中の第6波もそうだ。やはり理屈はよくわからないが、今回のオミクロン株の洗礼を一足早く受けた英国などの先例をみれば、一日当たりの感染者はおそらくこの2、3週間のうちにピークを迎える。そして、それから急速に下がっていくのではないかということが言われている。

ここで思うのは、こういったサイクルの因果論的な解明というのはなかなか難しいということである。そこで我々を納得させてくれるのは、むしろごく一般的な世間知というものなのかもしれない。つまり「異常な状態なんてものは長くは続かない。いつかは元に戻る。バランスは戻るんだよ」といった、薄ボンヤリとした常識だったりする。

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実はオレは最近、易占の自習をはじめたのだが、ここで説かれているのも実はこの「ボンヤリとした常識」に似ているのではないかと思う。きのう黄小娥『易入門』(サンマーク出版)をパラパラめくっていたのだが、たとえば「天雷无妄」(読み方はいろいろあるらしいが、ここでは「てんらいぶもう」とルビにある)という卦について彼女はこう書いていた。

欲望も作為もない自然のままのはたらきを「无妄」というのです。天のなすまま、人為的な技巧をもてあそぶことなく、自分のありのままの姿でいることが自然の理法にかなうということです。(中略) 自然のなりゆきにまかせるほか手のほどこしようがない。「メイファーズ」という言葉そのものがこの卦にピッタリです。


原理的に人知では知り得ない世界というものがある。その状況を呑み込むためのロジックを求める人は、アトランダムに選び出した章句に我が身を投じ、周囲を見直すための別の視点をそこに求めてみる。実は「当たる/当たらない」などというレベルを超えて、こういう世界の再構築という意味で易占には大いなる意味があるのではないかなぁと思ったりする。

というわけで易の勉強、しばらく続けていきたいと思っている。