今回のパリ五輪に関しては「フランスの連中っていまだにアジア人差別してるんじゃネ?」疑惑が改めて持ち上がった。この問題、例の誤審問題もあったし(審判自身がフランス人でなくても観衆の圧力で差別に加担することは十分ありうる)、数日前には現地にいってた柔道家の高藤直寿が「レストランでずっと腕上げて店員呼んでも全然来てくれんかった」みたいなことをXに書き込んだことでも注目された。

おフランスなんか行ったことはないのだが、こういうニュースに触れると、日本にいても陰が薄いせいかメシ屋で店員にずっと無視されることが再々あるオレのような人間であれば、おそらくフランスあたりではアジア人差別要素が加算された結果客席の片隅に追いやられて放置プレイ3時間みたいな処刑を受けるのはほぼ確実なような気がしてきて、フランス人への疑念がフツフツと沸きあがってくるのだった。

というのも、むかし読んだ会田雄次の名著『アーロン収容所』には、捕虜になった会田雄次がイギリス軍の女性兵士の部屋に掃除かなんかで入っていったら彼女は全裸だったけれども「あぁ日本人か」みたいな感じで全く平然としていたという有名なエピソードがあったのだが、そのときオレの胸中には「あぁやっぱヨーロッパの連中は心の奥底まで差別意識まみれなんだろうなあ」という認識が深く刻まれたのである。会田が屈辱的な体験をしてから80年ぐらいたったけれども流石にそこまで強固なアジア人差別が刷り込まれていたのであれば雀百まで踊り忘れずというヤツで、やっぱり連中は全然反省しとらんのではないか(コレは余談ではあるがだいたい日本人だって中国朝鮮の人たちにたいして何かスキあらば見下すようなことを言い出すではないか)。

さらに言っておくと、イギリス人というのは植民地経営では分断統治などを活用し、けっこう地元民をうまいこと懐柔する狡猾なところがあったが、そんな連中ですら会田雄次にいわせればこんなテイタラクだったワケで、しかるにフランス人というのはイギリス人よりも相当に高慢・傲慢である(という印象がある)。してみるとフランス人というのは相当に露骨な差別意識を有している可能性が高い(気がする)。

まぁ昔から日本人は「花の都パリ」とかいって高慢なフランスにあえて膝を屈するような卑屈なところがあった。たまたま最近読んだ読売新聞ではパリ五輪開催に合わせたのだろう、文化面で「パリに行きたい」とかいう連載をやってて、パリにあこがれてきた代々の文化・芸術関係者を紹介していたけれども、そういうのは何かちょっと違うのではないかという気もしていた。こういう機会に「ヤツらは本当のところは相当に下品野蛮下劣な生物なのではないか?」という問いを立ててみるのも悪いことではあるまい。こういう考察を誘うのも数少ない五輪の効用のひとつと言えよう。

【追記】

なお、フランス人にかんしては「柔道やらマンガやらで日本文化をリスペクトしている親日派はけっこう多い」みたいな俗説もあるが、ソレはホントなのかという疑問もある(大多数は差別主義者だが一部にオリエンタリズム的逆張りで日本を贔屓する層もいるということかもしらんが)。

あるいは今回のパリ五輪でフランスの柔道チームは黒人ばっかりだったが会場を埋めたフランス人たちは熱狂的な応援を送っていたことを考えると、アジア人差別はあるにしても移民で入ってきた黒人は差別の対象にしないといった「お約束」があるのか? それとも柔道のような特殊技能をもった黒人は「名誉白人」扱いされているということなのか? なんかナゾは深まるばかりである。