2010年12月

ここのところ気になっていた電子書籍端末であるが、ついにポチってしまった。販売されたばかりのSony Readerではなくて、アマゾンのKindle3のほうである。

なぜそっちかというと話は長くなるのだが、俺的に「どうもソニーは信用できない」という思いがある。俺はかつてソニー製のPalm機、クリエPEG-TJ25というのを使っていたのだが、結局ソニーはPalm機製造から撤退した。いってみれば俺たちは「見捨てられた」。古くはビデオ規格でもVHS陣営に敗れて露と消えたベータマックスというのもあって、まぁこの世界は負けたら撤退するしかないのはわかるが、俺はPalmにはやりようで未来はあったと信じているので、ソニーの印象は良くない(ついでにいうと、以前買ったノートPC、VGN-SZ90S付属のリチウムバッテリーVGP-BPS2Cが1年半ほどでおシャカになってしまった件があり、確かにACつなぎっぱなし状態だった非はあるのだが、当方の問い合わせに「不具合ではない」というのがソニーの公式見解であり、これもいたく心証を害した)。

Sony Readerも確かにハードとしては小器用にまとめてきたようではある。しかし、電子書籍市場で「勝者」になれませんでした、ハイやめました、では困ってしまうのだ。Palmみたいに。

一方のアマゾン。日本語の電子書籍市場にどこまでくい込んでくるか、サイト開設もされていない現状では未知数なところはあるけれども、洋書の供給に限っていえばこっちのシステムはまず安泰(たぶん)。英語はろくに読めず、たまに買う洋書は拾い読みで満足している俺ではあるが、最低限安心して持っていられるデジタルガジェットであることは間違いない。あと、これはSony Readerにもいえることなので比較考量の材料にはならないが、少なくともチマタで話題の「自炊」関連ツールとしては確実に使えるだろう。

で、Kindle3 Wi-Fi版139ドルを買ってしまった。送料など含めると167.98ドル=14,689円。クリスマス商戦の時期であるせいか、届くのは1月中旬以降になるらしいが。

届いたらとりあえずは「自炊」にチャレンジする予定である。ググってみると、定番のスキャナーScanSnap S1500と裁断機PK-513Lで初期投資は約7万円。が、ウサギ小屋の本棚にギュウギュウ詰めにされて手にとってもらえる機会はほとんどナシという、哀しい状況にある我が蔵書たちにとっては仮に裁断されても以て瞑すべし、というところではないか。さてこの選択、暗と出るか、明と出るか。

追記  もっとも、いわゆる電子書籍のファイル形式ということでいえば、ソニーのサポートするEPUBファイルは将来的に日本語縦書きが可能になるみたいなんだが、KindleのAZWファイルはそのへんムリみたいではある。英語圏では現状圧倒的優位のAZWがガラパゴス日本を置き去りにして栄華を誇るのか、あるいはグローバルなレベルでEPUB陣営の巻き返しがあるのか、どのみち外れクジを引くはめになるのかなという懸念がないこともない(笑)
mixiチェック

今日からNHKのドラマ「坂の上の雲」第二部の放送が始まるとのこと。アタマは中道左派寄りなのだが、その実ハートは民族主義寄りの俺としては、結構楽しみにしているドラマである。ただ、ちょっと気になっているのが主人公・秋山真之の描き方なのだ。

確か司馬遼太郎の原作を読んだときにも感じたことなのだが、司馬は結局、合理主義的精神に満ちた明治人こそがあの難局を乗り切ったのだという「史観」に立っている。その代表格が真之、ということになるわけだが、よく知られているように真之は晩年、宗教にハマッって、大本にもかなり入れ込んだという。これはどういうことか。原作の最後でもチラッと触れていた記憶はあるが、納得した覚えがない。

明治の知的エリートの宗教世界への転身ということでいえば、まずは真之とも海軍&大本絡みでつながりのあった浅野和三郎ということになるわけだが、そういえば俺が心の師とあおぐマタンゴ先生こと岩本道人師と以前お話をした際、浅野の生涯を描いた松本健一「神の罠」について、「あ~ぁ、あの人おかしくなっちゃったんだよね、みたいな視点から書いているけれど、そういう理解でいいのか!」といった指摘をうけて、なるほどと思った記憶がある。

真之についてあれこれ調べたこともない俺なので、あまり偉そうなことはいえないのではあるが、「坂の上の雲」の真之って、どうも違うんじゃないか? ドラマではそのあたり、どう処理するのか? これはドラマも最終版、たぶん来年の放送分にかかわるところだろう。NHKはどんな「答え」を出すのか(あるいは答えは出さずに逃げるのか?)。…今から楽しみなところではある。

mixiチェック

というわけで、このあいだ亡くなった山本小鉄のあとを追うように、「ヤマハブラザース」の片割れの星野勘太郎も亡くなったようだ。

小学校中学年までプロレスファンだった俺にとっては、なんともしみじみ時の流れを感じてしまうニュースだ。そーいやぁ、あの頃やってた人もどんどんいなくなってるなぁ。馬場・鶴田・大木金太郎・ラッシャー木村…プロレスラーというのは実に短命である。因果な商売だなぁと改めて思う。なんとなく昭和プロレスをとりあつかっているHPなどを久々に開いてみて、溜息をつく。
mixiチェック

↑このページのトップヘ