2012年10月

兵庫県尼崎市の連続変死事件で、「角田美代子被告」としてメディア各社が使ってきた顔写真が実は別の人のもので、「あれは私の写真。間違ってる」といって名乗り出た人が現れたらしい。なんか和服姿の女性の写真に見覚えがあるので、それのことだろう。

まぁ各社も角田の顔見知りの人に当てて、「これで間違いないか?」と確認をしている筈なので不思議なのだが、おそらくこの女の顔写真は稀少で、たまたまこの写真を入手した会社が重大なる勘違いをしてしまって「これデス」と堂々と使い始めたもんだから、後続の他社も「あぁこの写真を探し出せばいいんや」みたいに刷り込まれてしまい、その辺のチェックが甘くなったんではないか。

それはともかく。

以上のハナシとは直接関係ないのだが、この取りちがえにかんしてひとつ連想したことがあって、つまりここで言いたいのは「これは凶悪犯の写真でアル」といったキャプション付きの写真をずっと見せられていると、その顔がホントに悪人ヅラであろうがあるまいが、だんだんと「あぁこいつ悪そうだなー」と心底思うようになってしまう、という人間の不思議な心理である。

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指名手配犯のポスターがその典型で、こないだ死亡していたことが判明した「おい小池」の小池俊一容疑者とか、あるいはこれもまた捕まったオウムの連中でもいいんだが、何の先入観もナシにみると、けっこう良さそうなヒトにみえなくもないんだが、しかしやっぱりああいうポスターをずっと見ていると、「けっこう腹黒いんじゃネ」→「悪相が出てるよネ」→「やっぱワルの顔だ」という風になっていくのだった。

そういえば南伸坊の本で、なんというか書名は忘れたが、日本人の顔写真の下に「朴東冠」みたいな韓国風の名前をつけて、そういうのを何人分もずらっと並べて見せているページがあって、で、そういうのを見ていると実際には日本人の顔なのに、「あぁ韓国人ってこういう顔してるよねー」という気持ちに何となくなってしまうのであった。

じっさいオレたちも「角田美代子被告」として見せられてきた写真にたいして、だんだんと「あぁ流石にふてぶてしいツラだよねー」という気持ちになってきてはいなかったか。考えてみると、こういう偏見によるトラップというのはいたるところにあるのではないか。怖いハナシではある。


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石原慎太郎の突然の国政復帰宣言で来月東京都知事選が行われることになり、で、この間隙をついてマック赤坂がまた出馬するというのであった。

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いうまでもなく、マック赤坂という人は「スマイル党総裁」として過去都知事選に出馬したり、このあいだの新潟県知事選にも出ていたり、まぁいってみれば生ける泡沫候補伝説というか、そういう人物である。

気になるのである。なんでこの人はこんなことをしているのか。

検索をしてみると、ウィキペディアにはこんなことがかいてある。

財団法人スマイルセラピー協会会長として全国で講演活動を実施、老人介護施設等でボランティア活動を行っている。このスマイルセラピーとはスマイルをメイクすることでメンタルをマイナスからプラスへネガティブからポジティブへ変えるトレーニング療法である。モテない人をモテモテに変える「恋愛モテモテコース」などもある。


京都大学農学部を出て、伊藤忠に勤めていた、ともかいてある。で、今はこの「財団法人スマイルセラピー協会会長」としての講演活動とかで生活しているらしい。謝礼は2時間で20万円以上、とある。選挙で名前はそこそこ売れているらしいので、そこそこ商売になるのかもしれない。なお、上のブログをみると愛知県教委で講演をしたようなこともかいてある。大丈夫か愛知県教委、と思わんこともない。

にしても、なんでこういうことをしているのか。わからない。本名は戸並誠というらしいのだが、何で日系二世みたいな名前を名乗っているのか。なんで「赤坂」なのか。わからん。およそ泡沫候補のヒトというのは謎であるわけだが、一度じっくり話を聞いてみたい。なにがアンタをこういう活動に駆り立てるのか。楽しいのか。ま、楽しそうではあるが。



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今はこの文庫版は絶版になっているようで、増補新装版というのが出ている。しかし、いま振り返ると、どーしよーもない(と自分が思う)ヤツを思いっきり粛正してやりてーという思いは、ある意味、00年代に登場した「デスノート」を先取りしていたのかもしれぬなあ。まぁギャグなので、そっから先、「でもマジそういうのアリ?」みたいな問いかけは全くない(笑)。なおこの作者が高名なエロ小説家だというのもよく知られた話。

ケンペーくん (幻冬舎アウトロー文庫)

ケンペーくん (幻冬舎アウトロー文庫)

  • 作者: ならや たかし
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: 文庫

 現代に甦った憲兵が、軟弱な若者、暴走族などを殺戮してまわるというギャグ漫画です。最初は自費出版された作品だそうで、話には聞いていたんですが、このほど文庫本になってようやく入手することができました。

 オジサンとしても、電車の中でしゃがみこんでいるような性根が腐った?ワカモノには「なんだかなー」と思うこと、しばしばあります。だから、ギャグと思えば、けっこうカタルシスがあって痛快…なんですが、なにか作者の方はマジで「大日本帝国万歳」系の人のようなんですね。ちょっとシャレになんないよ、という気もするんですが。

 まあ、でもオススメ。(99/12/25記)

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いつも書いていることだが、当ブログで一番読まれているのは『小林朝夫氏の「予知」」を検証する』というエントリーである。こんなショボいブログであるのに、このエントリーに限っては約1年半の間に3マンほどのページビューを頂いておる。

まぁオレは必ずしも同意しないのだが、「どれだけの人に読まれたか」というのはブログにとってアルファでありオメガである、という考え方もないではない。その意味では、なんか偏屈なことばっかり書いて世の中から全く相手にされていない当ブログにとって小林朝夫という人物はいろいろとネタを提供してくれる有り難い人物、といえないこともないのでアル。

となると、立場的には「朝夫さん有り難う」と言いだしても不思議ではないオレなのだが、むろん腹の底ではそんなことなど寸分も思っておらず、しかしネタとしてはなかなか使い勝手のイイ人物であることは確かなので、またぞろ性懲りもなく朝夫ネタを書いてしまうのであった(以下、内容的には10/3の「学習という習慣のない人々」というエントリーで書いたことと同工異曲なのだが、若干切り口を変えているのでお許し願いたい)。


閑話休題。このグラフを見てほしい。

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これは当ブログの記事『小林朝夫氏の「予知」」を検証する』のページビュー、すなわちその記事を「どれだけの人が見てくれたか」を、この8月以降、一日単位で集計したものである。

で、一見してわかるように、ふだんは一日数件が当たり前だというのに、時折大きなピークが出現する。具体的にいうと9月10日の69件、10月2日の102件、10月17日の95件の辺りだ(注:なお、もうちょっと時間をさかのぼると4/14に306件というデータもあるんだが、そこまで記録をチェックするのは面倒なのでグラフは8月以降にしぼって作ってある)。

さて、これは以前も書いたことなので繰り返しになるのだが、なぜこんな地味なブログのエントリーにかくも多くの人がやってくるのかというと、これは明らかに、朝夫氏の「予知」を読んで「本当に地震が来るのだろうか?」と不安になった人々が「小林朝夫」と検索をかけ、その結果、けっこう上の方に表示される当ブログを人々が訪ねてくるからに違いない。

となると、この折れ線グラフの数値というのはすなわち、朝夫の「地震が来るよ~」という煽りに対してどれだけの人が動揺しているかを示す指標ともいえるワケだ。

じゃあ、朝夫がどういう煽りをすると皆さん恐怖におののいてしまう(笑)のか?

改めて朝夫のツイッターを見直してケンキューしてみた。その結果、ひとつ分かったことがある。

知ってる人はよく知ってるように、朝夫氏はツイッター上でのべつ幕なしに「平成関東大震災発生に対する警戒警報を発令中」などと口走っている。が、それだけではオレのところのページビューはほとんど伸びない。しかし、朝夫が具体的に「地震が起きる日時」を示すと、その時点で俺ンとこのページビューが急伸するのだった。彼のツイッターを引用しつつ具体的に指摘してみよう。

【【【【【【大地震警報 発生予測日9月11日 平成関東大震災発生に対する警戒警報を発令中 】】】】】】 2012年8月25日 - 12:04

どうも嫌な感じです 関東~北海道24時間以内にM8レベルの大地震が一撃来そうな気配です 2012年8月30日 - 9:47

11日に大地震が起きても「なんでもっと大声で、みんなに知らせなかったんだ」って言わないでね。ちゃんとツイートしてたから・・。 2012年9月9日 - 20:55

とうとう11日になってしまいました 大地震発生に備えて、今日は草原の真ん中で寝てます 2012年9月11日 - 0:33

→9月11日に大きなピーク

【解説】ここで示したように、朝夫さん、ツイッターでは8月25日から「9月11日に大地震!」と言い始めた。当ブログの反応を見る限り、その時点ではあんまりマジに反応する人はいなかったようだ。それでも予知された9月11日になると「やっぱ気になる」ということなのか、数字がグンと伸びたのだった(なお言うまでもなく、そんな大地震は起きなかった)。



【【【【 大地震予知 9月26日早朝 関東を大地震が襲う 】】】】 避難準備をされてください!! 2012年9月25日 - 0:23

→9月25日に小さなピーク

【解説】続いて具体的な日にちを示した予知がコレ。しかし、このときはピークはあんまり盛り上がらなかった。予知が前日ということで皆さんの目に触れるチャンスが少なかったのか、あるいは煽りの文句がおざなりで迫力に欠けたためか。そのへんの理由はよくわからん。



10月2日~3日に関東~東北で大地震発生の可能性があります!【【【【【【大地震警報 平成関東大震災発生に対する最高レベルの警戒警報を発令中 】】】】】】2012年10月2日 - 6:12

【拡散希望!!】10月2日~3日に関東~東北で大地震発生の可能性があります!  禁固刑覚悟の大地震警報を発令します!拡散してください! 2012年10月2日 - 6:44

私は、総理大臣でも、大統領でもありませんが、大地震発生に備え、ここに非常事態宣言を発令します! 2012年10月3日 - 3:28

→10月2-3日に大きなピーク

【解説】このときはシツコク吠えまくり、挙げ句の果てに「非常事態宣言」(笑)とか珍妙なことまで言って盛り上げた効果があったのか、多くの人の注目を集めることに成功したモヨウ。そして当然そんな地震は無かった。



地震予知 電磁波バースト発生!発生予測日10月20日±3日【【大地震警報 大震災発生に対する警戒警報報を発令 】】 2012年10月16日 - 18:35

→10月17日にピーク

【解説】これは現在進行形のネタ。「20日±3日」といっているので、その期限に突入した17日から気にする人が増えたのであろう。今後を予測すると、20日には若干盛り返すかもしれないが、当然大地震は起きないのでグラフは再び急降下。




★まとめ

というワケで、「具体的な日時をハッキリ言えば言うほどギャラリーの注目度は高まる」ということが言えそうだ。朝夫クンよ、わかったかね? 今後も極力時間は絞り込んで書き込むように(笑)。

ただし、そのつど彼の予言は外れてしまうので、せっかく注目をひきつけることに成功してもどれだけの人が有料ブログに入ってくれるかといえば、そこがいささか疑問なンである。

あるいは、冷静な判断力を失ってしまい、予言の正否がハッキリしない時点で慌てて有料ブログの契約をしてしまうウッカリさんが一定数いて、朝夫は「そういう頭の弱い一部の人がひっかかれば十分だよネ」と見切っているのかもしれない。慌てないで過去の彼の予知がどれほど当たってるか調べれば良いのに、とオレなどは思うのだが、何やかやいって日本人もまだまだ豊かなのだろう、「月980円ぐらい仮にドブに捨てるとしたってどーってことねーや」という人種も多いのかもしれぬし。




★2012/11/2の追記

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その後の経過も記しておこう。このエントリーを書いた時点では「10月20日±3日」で大地震が来る、という「警報」(笑)が出ていたのであった。しかし、オレのグラフでは危険日突入(笑)の17日にピークが来たあとは、ズルズルと急降下。

ちなみに朝夫、10月26日になって


発生予測日10月29日±3日【【【大地震警報 大震災発生に対する警戒警報報を発令・発令日10/26 】】

などとツイッターで騒ぎ始めた。で、大地震がないままこの危険ウイーク(笑)は11月1日に終わってしまったのだが、この間、オレのグラフにはまったく反応がなかった。おそらく朝夫の金づるの有料ブログも閑古鳥が鳴いていたのではないか(笑)。

つまり、あまりにも「警報」を乱発してきたのでギャラリーも刺激に慣れてしまい、全然怖がってくれなくなってしまったのでアル。頭の弱い人だと記銘力があんまりないので、2回3回外したくらいだと騙されているという自覚が生まれてこないのだが、これも9回10回ともなると、「ん?ひょっとしてデタラメ?」とか気づきはじめてしまうのでアル。

オレのグラフからはそういうトレンドが読み取れる。朝夫も今が正念場である。ここまで有料ブログで荒稼ぎをしてきたが、このままではジリ貧である。何か新しい作戦を考えないとダメではないか。さぁどうする。




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まさにここに書いた通りで、オレの平田篤胤イメージを根本的に変えてくれた本。篤胤のことなどほとんど知らんオレだが、勝手なことを言わせていただけるなら、この本でみるかぎりでは現代のUFO研究家とかフォーティアンと、まぁそんなに違わねーんじゃねーか、みたいな。

仙境異聞・勝五郎再生記聞 (岩波文庫)

仙境異聞・勝五郎再生記聞 (岩波文庫)

  • 作者: 平田 篤胤
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/01/14
  • メディア: 文庫

 国学者・平田篤胤といえば江戸末期の国学者。復古神道の大立者で、「偉大なる神国日本」のイデオローグですね。単なる頑固ジジイ、みたいなイメージあったんですが、この本で見方変わりました。

 彼がある日、妙な子供の噂を聞くわけです。この小僧、「天狗」に導かれて「仙界」に赴き、修行を重ねてきた、という。そこでは仏教イコール邪教。敬神の念篤き「山人」(仙人みたいなもんですか)が日々修行を積む世界がある--。

 本書はその子供、寅吉への、いわばインタビューの記録。根掘り葉掘り仙界の話を聞く篤胤たちの、その嬉しそうな事ったらない。冷静に考えると、篤胤さん、妄想癖のある子供のホラ話に(よろこんで?)引っ掛けられているような気もするけど、でもいいんですよ、何かほほえましくて、ホノボノして。こうやって共同幻想っつーものが生まれるんだなあとつくづく思います。(2000/2/7記)
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これも良い本だったなー。これも不確かなんだが、山村にも商品経済が入り込んでいった時代、そのトレンドをつかんで裕福になっていった家にたいして「ほら、あそこの家はオサキ使ってるから」的解釈が施された、みたいな記述があったやに記憶している(例によって現物行方不明のため確認不能w)。なるほど負け惜しみっつーか、なんか釈然としない事態をどーにかして合理化したいとゆー我々愚者のおもいが、こういう民俗の根っこにあったりするのかもなーと思ったことであった

日本の憑きもの―社会人類学的考察 (中公新書)

日本の憑きもの―社会人類学的考察 (中公新書)

  • 作者: 吉田 禎吾
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1999/10
  • メディア: 新書

 初版は1972年。昨年、中公新書創刊1500点記念で復刻されたものです。十数年前に手にして「名著だなあ」と感じ入った本ですが、いつのまにかなくしてしまって残念に思っていましたから、再び入手して感無量でした。

 どんな本かというと、かつて日本にはオサキやイズナ(見た目はイタチみたいなもののようです)といった霊的動物(?)を操って、人を病気に陥れたりする家筋があったっていうんですね。これは人類学者による、そのフィールドワーク。学術色の濃い本ながら、つい最近まで(というと大げさですが)、この種の奇譚が事実として語られていたんだなーと思うと日本民俗の奥深さみたいなものを感じてしまうのです。(2000/2/10記)


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オレが買ったのはアース出版局版で、ここに上げた写真は別バージョンの借り物である。なお、ここに書いてあるように未完の作品なのだが、確かラストは編集者から「少年マガジンにゼヒ連載してくださいッ」みたいに頭を下げられるシーンで終わったような気がする。で、そんとき、「おぉ早稲田出のエリートがオレに頭を下げているッ! オレもここまで来たかッ!」みたいな梶原の感慨が描かれていたような記憶がある(現物はどっかに紛れ込んでいるので確認不能)。おぉ天下の梶原一騎にも学歴コンプレックスがあったのかー、けっこうセコイことで喜ぶのだなーと微笑ましい気分になったことを覚えている。
ちなみに、やっぱり今は絶版になっているようで、検索をかけてみると「お笑い 男の星座」ばっかり出てくるのが悲しい。

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男の星座―一騎人生劇場 (1) (漫画名作館スペシャル―男のバイブルシリーズ)

  • 作者: 梶原 一騎
  • 出版社/メーカー: アース出版局
  • 発売日: 1998/03
  • メディア: コミック

 「漫画ゴラク」に掲載されていた、漫画原作者・梶原一騎の未完の遺作です。梶原の自伝的作品、というわけで、彼を思わせる梶一太なる青年のビルドゥングスロマンですね。空手の大山倍達、プロレスの力道山なんかとの交友のエピソードも(全部ホントでもないだろうけど)出てきます。

 で、何がいいのかというと、男の子というのは「誰が世界で一番強いのか」みたいなことに興味シンシンなわけです。「腕っぷしの強さ」信仰みたいなものがあるんですね。その点、梶原って人は「ずっと子供のままで大きくなってしまった」みたいなところがあるんじゃないか。それで、まず格闘技がひとつのテーマになる。さらに彼は「男は強くあるべし」というところから派生して「男気」「義侠心」「不言実行」「信義」みたいなものを高らかにうたいあげる。

 まあ、フツーの人は「そんなもんじゃ世の中生きてゆけないよ」っていつのまにか気づいて、オトナになっていく。同時に時代も変わってきましたよね。梶原流の一途さが「重苦しい」と敬遠される時代になってきて、例えば彼が原作を書いた「巨人の星」は今やパロディーのネタ。

 でも、じゃあ梶原一騎はアナクロか、というと、「いやそうじゃない」と思いたいわけです。やっぱり「正義はある」と思いたいし、卑怯は許せない、「男の美学」というものはあると思いたい。彼の全盛期を知るおやじ世代は、ひそかにそんな思いを胸に彼の漫画を手にとるのです。本作は未完でもあり、完成度は決して高くない。でも、そんな梶原ワールドの熱っぽさはジンジン伝わってきます。 (2000/3/26記)
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今回の読書感想文も、むかし開設していたサイトからの転載である。とゆーか、順序立てて話してみると、この本が絶版になっていることを知ったオレが、思いあまって「復刊ドットコム」に復刊リクエストをしたのが2001年2月16日のこと(らしい。「復刊ドットコム」の記録を信じる限りw)。

そのとき「リクエスト内容」として書き込んだ文章を、たぶんネタ不足だったのだろう、当時のオレは同年10月11日に自分のサイトに転載した(らしい)。で、その文章をまたまたネタ不足に陥ったオレが再びこのブログに転載することにした、そーゆー話である。

聞くところによればこの本、今年中に国書刊行会から復刊されるのでは、というウワサがある。どうせ遅れるだろうヨという気がしないでもないが、まさに十年越しのラブコールであったのだなと感無量(なお、アマゾンを見てみると「どーせ復刊なんてもっと先よ、先。企画自体ポシャるかもしれないから、今のうちに買っとけよ」と言わんばかりに古本を出品しているヤカラが結構いて、本日10月15日の時点で最安でも8,789円! 国書刊行会、完全に舐められているナw)


何かが空を飛んでいる

何かが空を飛んでいる

  • 作者: 稲生 平太郎
  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 1992/10
  • メディア: 単行本


 オカルト雑誌の定番のひとつが「宇宙人」ネタ。でも、「彼ら」は本当に「UFO」に乗って宇宙からやってきているのだろうか。そんなわけねえだろ、と普通の人は思う。でも、「わたしは見た」と言い張る人は後を絶たない。これって、なんなんだ!…というわけで、著者は一つの仮説を提示します。

 これこそ「現代版の妖精目撃体験じゃないか」と。いつも世も、人は何かの拍子に「奇っ怪なもの」を見てしまう。いま、心ならずも見慣れない存在に出会った人は、それを「宇宙人」と言い表すしかないのじゃないか…そんな議論が実証的な「UFO研究」を踏まえて展開されます。

 実は以前パソ通のフォーラムで教えてもらって興味をもち、国会図書館で一度閲覧した本なのです。というわけで以上はうろ覚えの要約。けっこうイイカゲンかもしれません。ま、とにかく再版をアツク希望している本なのです。(2001/10/11記)

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そういえば、いわゆるブログが広まる以前の時代であったが、しょぼいサイトを自前で作っていたのだった。その当時に書いたコンテンツを再録してみようかと思い立った。とりあえず本の感想文などアップ。


阪神タイガースの正体

阪神タイガースの正体

  • 作者: 井上 章一
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2001/03
  • メディア: 単行本


 さいきんの阪神関係の本の中では、これ、出色でしょう。

 なんでかというと、建築史が専門のこの先生、やっぱり毎日毎日現実の壁にぶちあたりながらも「明日こそは!」ってけなげに頑張る阪神が大好きなんだけど、よくよくプロ野球史を調べていったら、実は阪神ってけっこうズルイ球団で、そんなにカッコいい存在じゃないんだなー、とわかってしまった。いわば「阪神幻想」を自らぶちこわす本になってる。でもでも、そんなウラがわかってしまっても、やっぱり阪神を見捨てることはできないよ、みたいな切ない心情がにじんでて、そこがいいんだよなー。

 で、具体的にどんな話がでてくるかというと、例えば「阪神は基本的に巨人の腰巾着である」。戦後のプロ野球の2リーグ分裂のときなんか、阪神球団はさいしょ新リーグ(現・パリーグですね)に移る構えをみせながら、最後は「人気球団の巨人についてけば間違いない」と仲間を裏切った。巨人という体制に反逆する「反体制のヒーロー」なんてイメージ、作り物なんですわ。

 「作り物」といえば、「東京なんかに負けへん。わいらは大阪代表や」みたいなイメージもあるんだけど、実はこのあいだまで大阪を代表するチームといえば「南海ホークス」だった(今のダイエー)。歴史こそ古いけど、たいした人気球団じゃなかった。いろんな幻想をふりまいて、今の阪神がある…。

 ますます人間くさい球団・阪神の実像がみえてくる本です。(2001/10/06記)  

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検証 予言はどこまで当たるのか

検証 予言はどこまで当たるのか

  • 作者: ASIOS 菊池 聡 他
  • 出版社/メーカー: 文芸社
  • 発売日: 2012/10/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



今回の感想文はASIOSの新刊『検証 予言はどこまで当たるのか』(文芸社)である。

ここのところ超常現象本というジャンルが何となく元気がなくて、まぁ都市伝説方面なんかだと山口敏太郎のコンビニ本とかけっこうよく見かけるんだが、単行本だとなかなか触手の伸びるようなのがない。

そんな中でASIOSという団体はけっこう頑張って、きちんとした本を出している。ASIOSとは何かというと、正式名称は「Association for Skeptical Investigation of Supernatural」というらしく、正式名称もあるのかもしれんがつまりは「超常現象について懐疑的に研究する協会」である。この方面の研究者たちが集結し、様々なネタについて謎解きをしていくというのが基本スタンスらしく真面目に調べているので、今回の本などもついつい買ってしまったのである。

で、「なんと。吃驚!」みたいな話はあんまりないンだが、知らなかったことも相当書いてあるし、年々耄碌して「アレのことよ、アレ。何て言ったっけ、アレよ」みたいな言葉を発しはじめたオレにとってはよくできた資料本みたいなところもあって、たとえばノストラダムスの言う「ヒスター」はドナウ川の別名である、みたいなくだりを読んで「ああ、そうだったそうだった、ライン川じゃなくてドナウ川なんだよネ」とか相づちをうったりするのである。細かい話はすぐ忘れちまうんだろうがw(ちなみに今回登場してノストラダムス論を書いている山津寿丸氏はちゃんとテキストクリティークとかした上で史料を読み込んでいるとおぼしき本格派で、かなり凄い)

ただここで若干苦言を呈させてもらうと、巷間伝えられている「伝説」と、その謎解きにあたる「真相」のパーツとを並べて項目を作っていくという構成は、たぶん「と学会」の本あたりに倣っていると思うのだが、そろそろ食傷気味である。限られたスペースで明快な議論を展開していくためには便利な手法なのだろうが、何かQ&A的というか学習参考書的というか、やはり「文章を味わう」みたいな喜びはあんまり得られない。

なんというかなぁ、UFOでも臨死体験でも「まぁ脳内現象と考えて大外れはないよ」みたいな議論は当然有力なのだが、しかし「でもそれだとどっか辻褄があわないところがあるんだよネ」的な過剰な部分があって、そういう二重底が奇現象の魅力だったりする。こういう明快な構成だとどうしてもそのあたりのニュアンスがそぎ落とされてしまうのである。ま、しかしそれは読み手の勝手な言い分であって、そもそも本書はコンセプトが違うような気もする。ホントはそんな文句をいわずに、国書刊行会が再刊を予定しているという『何かが空を飛んでいる』をひたすら待つべきなのであろう。と反省。

ま、ただ、構成の単調さみたいなトコを何とかカバーしようという工夫はもう少しあっても良かった。もちろん担当編集者もその辺はうすうす考えてはいたらしく、今回の本には菊池聡氏の認知的不協和理論をめぐるコラムとか、秋月ペンパル氏のUFOエッセイとか執筆者座談会とかも挟み込んでいて、そういうパーツは実際なかなか良いのである。もう一押し、であった。

なお、ついでだから編集者に対して、もひとつ苦言を呈しておくと、中に『「伯家神道の予言」は本当に存在するのか?』という項目があるんだが、これは長すぎた。要するに神祇伯を代々襲ってきた白川家には天皇が必修すべき祭事が伝えられているんだが、明治天皇以降これをやってこなかったので日本は滅亡するであろう、みたいな話である。しかし、そもそも皇室の祭祀じたい明治時代に適当に作った(古代に倣って復原したという理屈もないではないが)ものが多いというし、「伯家神道の秘儀」みたいな話は初手から眉唾でアル。ところがこの項目、何か途中からあんまり予言と関係のない「そもそも伯家神道とは何か」みたいな話が延々とはじまってしまい、とても違和感がある。本のコンセプトというものはもっと大事にしなければならない。

最後にもうひとつ、巻末の執筆者座談会に編集者らしき人物が出てくるんだが、例のワールド杯サッカーで有名になった予言ダコのことを「パウロ」と言っている。聖書の予言とかでアタマがそっち方面にいってしまったのだろうが、ここはパウルでしょう(笑)。編集者が足を引っ張ってはいけません。

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もうやめた、といいながら、ついついウケ狙いで書いてしまう小林朝夫ネタです m(_ _)m
なにしろ、こういうの書くと結構見に来てくれる人がいるので、過疎ブロガーとしてはついつい調子にのってしまうのです・・・

で、今回は、小林朝夫さんのツイッターを昨年までさかのぼって眺めてみました。

改めて読んでみますと、チェルノブイリの事故は地震が原因だった(2011年5月24日)とか、アクリル箱には放射線の遮蔽効果があるとか(同5月28日)、もう実に数行ごとに思わず失笑してしまうようなことが書いてあって、これはむしろエンターテインメントと考えたほうが良いのでは、と思ったりもします。

でも、これは何度も書いていますが、この方はそもそも蛍光灯にも反応してしまうような1万円ちょっとの簡易電磁波測定器で世界各地の地震を予知できるようなことをいっており、つまりは中学生レベルにも至らぬ科学リテラシー皆無のオッサンなのですが、そういう人をあがめてしまう人たちもいるんですよねぇ。朝夫さん、昨年4月11日には、地震を心配するフォロワの皆さんのお問い合わせに答えてこんなことを矢継ぎ早につぶやいておりましたぞ。

青森は大丈夫です。

新潟は大丈夫です。

三重には来ないです。

いまから計測と計算にはいりますのでツイートできません。きのう、あまり観測ができていませんでしたので、いまから観測・計算を強化したいと思います。

大阪、平気です。

秋田は平気です。


んー、まるでお告げを下す教祖さま気取り。まぁ麻原彰晃なんかもそうだったんだろうが、ウソ八百ならべてコレだもの、気分よかったろうね(笑)。


で、こっから本題に入ります。今回は彼のツイッターに出てくる有名人を拾ってみました。「オレは××とツーカーだ」みたいなことをいう方は、まぁ一般的にいうと虚栄心の強い、しかし自分に自信がもてないからコケオドシに走ってしまう、いささか精神的に不安定な方のような気がします。で、改めて読んでみると、小林さんはこの手のネーム・ドロッピングが大好きな方である。


弁護士・衆議院議員の丸山先生のおかげでツイートアカウントは削除されずにすみました。この場を借りて厚く感謝申し上げます。丸山先生、ありがとうございます。(2011年5月24日)

この肩書に該当するのは自民党の丸山和也氏でしょう。何だか文脈がよくわかりませんが、「行列のできる法律相談所」で有名になった丸山氏と知り合いだゾといって威張っていることはわかる

政治家の先生や色々な方々が応援してくれていますので心強いです。(2011年5月27日)

話の流れからして「丸山和也とツーカーだ」といいたいのでしょう

もんじゅの件、現在、原子力検査委員の責任者と電話でやり取りしていますので、後ほど詳細をお知らせします。(2011年5月28日)

しかし「原子力検査委員」って何? そんな名前、一度も聞いたことがないのですが? これは創作でしょうね

もんじゅの責任者から電話がありました。(2011年5月28日)

「もんじゅの責任者」って? 高速増殖炉研究開発センターの所長のことだろうか? これも創作でしょう。

「あさおちゃん、オレの歌でよかったら、いくらでも聞かせてやる」そういって、ヒロミツさんは車の中で5曲続けて歌ってくれた。(中略)by hiromitsu suzuki(2011年5月29日)

歌手、タレントの故鈴木ヒロミツ氏のことを言っているのでしょう。もはや裏はとれません

「キミが立派な大人になったらセニョリータって呼んであげるよ」by ケーシー高峰 ボクが19歳のときのことでした。(2011年5月29日)

漫談のケーシー高峰氏が知り合いで、面白いギャグをかましてもらった仲だゼ、といいたいらしい。しかし肝心のケーシー高峰のギャグがおもいっきし外してるので、「それで?」感が募る

山口君、大丈夫か? 食べて応援CM、TOKIO山口達也がセシウム20.47Bq/kgの内部被曝(2012年5月17日)

なれなれしく「山口君」とか呼んで「いかにも知り合い」という雰囲気を演出していますが、流石に両者に交流はないでしょう。一方的に先輩風を吹かせたものと思われます


小出先生と話しました(2012年5月21日)

京都大学原子炉実験所助教で、反原発の論客・小出裕章氏のことでしょう。どういうシチュエーションで話したのか全く書いてありませんし、これは非常に怪しい。そもそも朝夫は高校レベルの科学知識もないので会話が成り立つかどうか

そうそう、森山直太朗の10才の誕生日に3バルカンの衣装を着て家まで出かけて行ったっけ。森山良子さんの手料理を食べて・・。(2012年7月24日)

直太朗氏は1976年生まれ。朝夫の出演していた「太陽戦隊サンバルカン」は1981~82年の放送でした。直太朗10歳というと、放送終了後4年もたっている。直太朗少年が覚えているかもアヤシイそんな衣装を着ていくものでしょうか? そう考えるとこれもちょっとウソっぽいなぁ

萩本欽一さん、あのときは、たいへん申し訳ありませんでした。すみません。あなたが生きているうちに謝っておきます。(2012年8月5日)

これも意味がよくわからない。おそらく芸能界にいたときに何か失礼なことをして怒らせた、という話なのだろうが、ともかくネガティブなものであれ「欽ちゃんと接点があった」ということを言えば自慢になると思っているらしい。まぁ萩本氏のほうは何も覚えてないだろうけどね(笑)

本日、シェルパ斉藤さんからおいしそうなメロンをもらったのですが(後略) (2012年8月9日)

斉藤氏というのはフリーライターで、ウィキペディアによると八ヶ岳山麓に住んでいるというから、朝夫の近所で実際にお付き合いしている可能性は高いのでしょう

及川ヒロオさんに世話になりました。クイズハウマッチで外人が話すのにかぶせて日本語のおもしろい訳をアフレコしていた方です。小倉さんと一緒にやってました。家に泊めてもらったとき「おい、朝夫、この毛布でいいよな」って言って、ドピンクの毛布をかけてくれました。独身だったのに、なぜピンク?(2012年8月27日)

この方も故人。まぁ地味な方でしたので、こういうことを書いてもあまりネームドロッピング効果はないのは残念。ただ、芸能界ではついぞメジャーになれなかった人間同士の話だけに、こういう付き合いは本当にあったのかもな、という感じはします。

「人間という生き物は心の中が目に出るんだよ、それはテレビを通してもわかってしまう。だから怖いんだ、しっかり生きないと」 by 岸田森(2012年8月15日)

サンバルカン時代に朝夫が世話になったという俳優・岸田森氏の言葉は、こんな感じで随所に出てきます。まぁどれだけ深い付き合いだったか、みたいなところはわかりませんが、ま、しかし良い言葉のような気がします。たとえばこういう「目」をみると、「あぁこれは腹に一物ある人間の目だな」と多くの人が思うのではないでしょうか。実に皮肉です↓
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しかし次に引く岸田森の言葉などは、朝夫が自分勝手に解釈して今の商売に生かしているように読めなくもない。

「俳優や役者というのはな、テレビに出ていようがなかろうが、そんなことはどうでもいいんだよ 生きていること自体が芝居なんだから」 by shin kishida(2011年5月29日)


つまりこの言葉、「演技する才能ってのは、別にテレビに出て芝居するときに役立つばっかりじゃない。芝居の才能は、小芝居して、人を騙してカネをむしり取るときにだって使えるんだからサ。人生生き抜いていくにゃあそれぐらいの事は必要よ」という風に読むワルイ奴もいるだろう、ということです。岸田森、今頃泉下で不肖の弟子のことを嘆いているような気がしてなりませぬナァ。

ということでまとめに入りますが、よく考えると朝夫の父君・小林亜星氏というのは芸能界ではビックな存在だったので、自らは何の実績もない朝夫も、芸能人仲間からはそうそう邪険な扱いを受けることもなく、いやむしろチヤホヤされたのではないか。たとえば森山良子だって「亜星の子どもが遊びにくる」っていったら、手料理のひとつも作ったかもしれないのデス。

そうなりますと、ここで引用したつぶやきの中にはかなりアヤシイ記述も多いのですが、父親の七光効果でじっさいにちょっとしたお付き合いがあったケースもあるにはあるんでしょう。それがしょせん「七光」のおかげであることに気づいていないのなら、こいつはイタイ。

ツイッターに名前を出された側もいささか迷惑なのではないかと思うのですが、しかし亜星氏はなお存命であるし、いろいろ言いたくてもいえない、ということもあるんではないか。ともあれ、子育てというのは一歩間違うと、子どもに大きな勘違いをさせてしまうのでしょう。怖いものです。


【追記】

朝夫さんの旧ブログ「サンバルカンの夜」でも、疑わしいネームドロッピングが再三あったのは有名な話です。

たとえば朝夫氏、このたび惜しまれながら亡くなった名優・大滝秀治さんについて「大滝秀治は私の叔父さんです」と書いていました。叔父というのは父または母の弟、という意味です。朝夫の父・小林亜星氏は1932年生まれ。大滝秀治氏は1925年生まれで、亜星氏より7年年上。となると大滝秀治氏が亜星氏の弟というのは物理的にありえない。大滝秀治氏=母親の弟、ということになります。

となりますと、朝夫の母親は秀治氏のお姉さんなわけですから、亜星氏より最低7歳上、おそらくは8歳以上年上です。ふーむ、ペタジーニみたいな例もありますから何ともいえませんが、亜星氏の世代で8歳上の嫁さんを貰うようなことはあんまり無かったような気がします。いや、そもそも亜星氏と秀治氏が義理の兄弟だったら、もうみんなに知れ渡ってて当たり前なんだが、そんな話は全然広まってない。


このほかにも、朝夫氏はNASAに知人がいて、放射線障害に効果のある「塗り薬」(笑)を送ってもらった、みたいな痛快なデマも発していましたし、いやもうホント、大物を気取るのはタイヘンですな。

【2012/10/17追記】

そのご誤りに気づいたので正直に(笑)申告しておくが、オレは「叔父→父母の実の弟」という風に理解していたのだが、叔父というのは「父母の妹の夫」、つまり父母にとっての義理の弟も指すらしい。となると、「大滝氏=朝夫母の弟」とオレが断定したのは誤りである。偉そうなことを言って、じつはオレが日本語を間違えていたようだ(笑)。人の間違いを指摘して喜んでいる立場上、オレも頬被りはできんと思うから、ここは謹んで訂正いたします。と同時に、該当部には抹消線を引いておくので宜しく。

なお、その後、ネットサーフィン(笑)をしていて、次のようなサイトを見つけた→「おシャマなTomの日記」。ここを読みますと、「(大滝氏の)夫人が小林亜星の妹さん」で、この件、「徹子の部屋で小林亜星が語っ」た、みたいなことも書いてある。これが正しければ、朝夫はこの件については本当のことを語っていたことになる。この点に論及したソースが他に見つけられないので、オレとしてはまだ今んとこ半信半疑ではあるが、これこそ仮に本当のことをいっても信じてもらえないオオカミ少年の悲劇であるので、朝夫氏も身から出たサビということでオレを恨まないように(笑)。

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1960年代初めに生まれたオレなんかの世代にしてみると、勝新太郎というのは「どこがいいのか今ひとつわからんよなー」という役者であった。まぁそのへんはオレらの世代にとっての最大公約数的理解といってもいいような気がする。

もちろん座頭市俳優としての名声とか例のコカイン事件とか、あるいはごく一部にカルト的ファンがいるという例の「警視K」とかの記憶は朧気ながらあるので、なんかちょっと社会常識を欠いた役者バカ系?みたいな印象はあって、まぁ評価するヒトもいるけれども少なくともオレ的にはちょっと苦手、カンベンして、みたいな感じのヒトだった。そもそもその見た目からして、ま、見ようによっては非常に濃いめの魅力的容貌をしているといえないことはないが、客観的にみればちょい小太りの、ちょいとクセのあるオッサンで、全然美男子でもないわけだし。

で、このまえ田崎健太『勝新太郎伝』という本を読んで、あぁいう破天荒な外見のヒトではあったけれども、それなりにイロイロ考えて時代を疾走した天才肌のヒトだったのかもしれんなー、という感慨を抱いた記憶はあるんだが、それにしても好きな役者であるとか、そういう感情移入をすべき対象としては考えられン役者であったわけだ。

が、いまBSで映画「兵隊やくざ」シリーズの放映をしてて、これをみていると、なんと、勝新、けっこー格好いいじゃねーか!

むろんそこには彼をひきたてる相方としての田村高廣の魅力的なたたずまいなどもあるわけだが、ある意味、日本社会の理不尽さの極北ともいうべき帝国陸軍にあって、実にしぶとく体制に抗して生き抜いていった無頼漢の生き様というのを、このバイオレンス映画シリーズのなかで勝新は実に見事に演じきっているッ!

ああいうクセのある俳優を生かし切る。そういう世界がかつては日本にもあったわけだ。フツーの感覚からいえば、必ずしもカッコイーわけではないオヤジを実に魅力的にみせる世界があり、一方ではそういう機会を得て輝きをはなつ役者もいた、という話だな。

もちろん長唄三味線の師匠の息子という、ある意味芸能界的にオイシイポジションから出てきたから上手くいったというような面はあるんだろうが、何か小栗旬とか向井理みたいな、一見さやわかな青年みたいなのばっかり幅をきかせてる昨今の芸能界であればああいう人材はなかなか日の目をみなかったのではあるまいか。となると、じつは今の芸能界などというのは非常に痩せ衰えた世界ではないのかな。そんなことを思わせる「兵隊やくざ」シリーズであり、勝新なのであった。

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同じようなことは前にも再々書いているのであるが、こういう捻くれた精神を旨とするブログには常日頃そうそう訪問者があるわけではない。

が、ときおり一日でページビューが1000近くまで伸びるという椿事が発生する。それはどういうことかというと、あの街場の予言者(笑)、小林朝夫さんの地震予知を検証した小生のエントリーにたくさんの方々が突如やってきてページビューを押し上げる、というのがいつものパターンなのであった。

きのうあたりもそうだった。で、さらに一歩進んでいうと、こういう椿事が起きるのは、決まって小林さんがツイッターとかで「大地震間近!」みたいなことを絶叫された直後なのだった。実際、きのうあたり、こんなことを仰っておられたようだ。

小林朝夫 ‏@kobayashiasao

【拡散希望!!】10月2日~3日に関東~東北で大地震発生の可能性があります!  禁固刑覚悟の大地震警報を発令します!拡散してください! http://kobayashiasao.blog65.fc2.com/blog-entry-4704.html


なお、念のため言い添えておくと、これを読んで不安に思った人は末尾のリンクをおもわず押してしまうのだが、その行き先は月額980円ナリで彼が開設している有料ブログ、というシステムになっている。

もちろん彼の地震予知なるものが過去まったく当たっていないことは小生も確認済み(笑)である。この小林氏、最近もほとんど毎月「大地震発生の可能性!」とか叫んではいるんだが、その都度ハズレてしまい、にもかかわらず定期的にまったく同様の営業活動を繰り返しているのである。その結果、心配になった人が検索かけて、この辺境ブログにたどりつく――こういう構図なのであった。

にしても、である。

彼の地震予知が気になってしまう、という人がいつまでたっても絶えないというのは、じっさいのところユユシキことではないだろうか。

彼はどんな方法で予知をしているのか? 「バースト発生」とか何かそれらしい言葉をまじえて、さも科学的な観測をしている風なことをいうのだが、そもそも「バースト」とは何か? いつ・どこで・何をはかっているのか? この辺について、驚くなかれ、彼はこれまで何にも語っていない。唯一、1万円ちょっとの電磁波測定器を所持しているらしきことは過去のブログでわかるのだが、具体的にどういう使い方をしているかは言わない(念のためにいっておくが、この種の測定器、仮に民家の中で使用したらテレビにさえ反応してしまうシロモノである。何百キロ先の異変を察知しようというまえに、自宅の家電製品をまず何とかしなければなるまい)

あるいはチンパンジーを飼っていて、そいつがバック転をしだすと危険、みたいなことも書いているが、チンパンジーというのは実は猛獣であって、ふつうの家庭で飼えるものではない。そして、そのチンパンジーの写真をアップしたこともない。

つまり何の証拠もナシに、口先だけで「アブナイ!危険!破滅は近い!」と一年中騒いでいるオジサンなのである(再び余談ではあるが、キリスト教では偽予言者がでてくると最後の審判は近い、という話になってるらしい。その意味では確かに世界のハメツは近い、のかもしらんw)

で、詳細は有料ブログでご覧ください、というビジネスモデル。余談ながら、この有料ブログを大震災後に開設した際には、震災孤児の養育に役立てるために有料にした、みたいなことも書いていた(今は抹消されている)。だいたいどういう人なのか、これだけでもわかるよね。

フツーに日常生活を送っている人であれば、こういう人は相手にしない。何かしら合理的な判断基準にてらして信用できると思った時に、はじめて相手にする。

「この化粧品つかうと、お肌が全然ちがいますよ」
「ホント? 証拠みせてよ」
「はい、このチラシみてくださいよ。女優の××さんが推薦の言葉のせてるでしょ?」

インチキくさい化粧品だって、最低これぐらいの問答がないと商談には入らんだろ、という話である。

が、この小林さんの「ドーカツ」に対しては、何の証拠もないのにツイッターで「拡散希望!」とかバカ丸出しの愚行に走ってしまうひとがけっこう多い。

もちろん地震みたいな現象は自分ではどうにもできないから、ついついインチキくさい予知にも「どっか根拠があるンじゃネ?」といってなびいてしまう心理もわからんではない。しかしなぁ、情けないぞ、脊髄反射して「拡散希望!」とか言ってしまう人間というのは。そういうことを書いてる人がここを読んでるとは思わんが、少なくとも小中学校で勉強してきたのは、そういう人間を作るためではなかったゾ! 故郷ノ父母ハ泣イテヲルゾ。それにこの種の「流言」で根拠なき社会不安を煽るというのは、かなりまずいことでもある。いつかはわからん。来る時には来る。平常心をもって粛々と備える。それでいいではないか。


まぁそれはそれとして、小生も小林朝夫ウオッチャーのはしくれである(笑)、今後の展開を予想しておこう。

本日3日中に大地震が起きることは、まずない。小林さん、「前後3日間ぐらいの誤差はあるので」とかいってその場を繕う。しかし、今月6日になっても大地震は起きない。こういうときにどうするかというと、「何もなかったかのように別の話を始める」というのがこれまでの小林さんのパターンである。で、しばらくしてまた「大地震迫る!」と叫ぶ。検索かけて当ブログにたくさんの人がやってくる。以下、繰り返し。ま、いつも通り、ということやね。

そりゃブログに人が来てくれるのは嬉しいけどさ、いつまでおんなじこと繰り返すんだよ、と思うよね。もっと「学習」しようよ、というのが結論である。


【10月7日の追記】

なお、いうまでもないが、本日7日になってもそんな大地震は起きていない。で、ツイッターをみるかぎり、この小林さんという方はこの件について何も触れていない。そんな予知をしたことさえ覚えていないかのように。オレの予知は100%当たったな(笑)

にしても、こういうデタラメを5回10回、いや数十回と繰り返してるってーのに、いまだに「拡散!」とか言ってる人間というのは何なのかと思う。まぁ振り込め詐欺に一度やられた年寄りとかは二度と引っかからないかといえばその真逆で、同じ失敗を何度も繰り返すらしいから、まぁカモやダボハゼが瞬時に人間サマに進化できないのと同じことなのだろう




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年をとるにつれてどうでもいいことが気になってくるわけだが、今回は空手と柔術(柔道でもいいが)のイメージ、ということを考えたい。

もう大昔の話になってしまうが、荘司としお作・原作梶原一騎の「夕やけ番長」というマンガがあった。まぁ梶原一騎原作という時点であらかたストーリーが見えてきてしまうのだが、つまり腕っ節はめっぽう強いが、そのじつ内心はちょっとセンチメンタルな少年が、学園にはびこるワルたちと対決しては相手を感化していく、とゆー、正に梶原ワールドの正道をゆく作品である。

このマンガ、オレの小さいとき家にあったのでけっこう喜んで読んでいた経緯があり、オレの内的倫理観をかたちづくった有力なパーツとなっているわけなのだが、そんなことはともかく主人公の赤城忠治は爺さんと二人暮らしをしていて、今は整骨をしている爺さん直伝の柔術の天才という設定である。で、そのライバルの一番手として出てくるのが空手遣いなんである。

つまり、そこから透けてみえてくるのは、「柔術=王道」「空手=裏街道」的なステレオタイプであって、なるほどオレの少年時代には確かにそういう空気があったような気がするのだった。とゆーか、今だって、柔道・柔術とゆーと「まっとうな格闘技」であり、空手とゆーとどっか陰を感じさせる格闘技、というイメージがあるんではないか。

で、何を言いたいかというと、結局このあたりで差がついちまったのは「講道館柔道」の存在が大きいンだろうなあという話である。

いぜん読んで感銘を受けた『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』なんかにも書いてあったことだが、実は総合格闘技的要素を濃厚にもっていたかつての「柔術」であるが、その後、立ち技中心のお行儀の良い講道館柔道の支配が広く行き渡るにつれ、そうしたカゲキな一面は忘れられていってしまったのである。

逆にいうと、嘉納治五郎センセイの政治的力量などもコレあり、講道館柔道は体制のお墨付きを得て「清く正しい格闘技」としての認知を得たということなのだろう。だからこそ、子ども相手のマンガの世界であっても、柔道=正統みたいな刷り込みが当たり前に行われていったのではないか。

いや、梶原ワールドをいまさら否定しようとも思わンが、それこそ『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読んだ今となっては、ガキの頃のオレは何か大切なものを見過ごしてきたのかもしれんなー、などと今さらながら思ったりもするのだった。どうでもいいが。


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