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以下はこの夏、ネットでもちょっと話題になった話なのだが、備忘録的に書いておこう。

最近「スポーツ選手を鍛えるのに暴力はダメだろう」という風潮が広まってきているんだが、「そんなことないだろう」というのがオレの持論である。スポーツの世界の最先端をいく連中は多くの場合、もう半分人間を超えた猛獣みたいな連中であって、力づくでムチをいれて鍛えないとトップを疾走できないのではないか、「スポーツ選手に手を挙げるな」みたいな甘ったるいヒューマニズムを超えたところで連中は死ぬか生きるかの切磋琢磨をしてんではないかと思うのである。

言い換えてみれば、基本的に一流のスポーツ選手というのはリクツの通らない「反理性」の世界に生きている。もちろんプロ野球選手のなかにも「体罰反対!」とかいっている桑田真澄みたいな知性派がいるわけだが、彼の場合はプロ選手としては恵まれない体格をカバーするために頭脳方面が異常に発達してしまった特異な選手だとオレは思っている。あるいは400メートルハードラーの為末氏なんかもその系統か。

と思ってはいるんだが、しかし、ここでたまたまツイッターか何かで知った人物のブログを読んで驚いたことを白状せねばなるまい。千葉ロッテマリーンズの神吉拓光なる選手がブログに書いている「茜雲」なるエントリーである。内容はといえば、例の1985年の日航機墜落事故について書いたものなのだが、彼はたまたま大学時代に興味をもってこの事故を調べ始めたらしく、そうしたプロセスの中で感じたことどもをこのエントリーでつづっているのである。

詳細はここでは触れぬ。が、ともかくそれは全然「野獣派のアスリートの咆吼」などではなく、人間に対するやさしさ、愛情に満ちた、きわめて高度の知性を感じさせる表現であったのだ。神戸選手は身長191センチ・体重98キロという大男らしく。オレの説によると、こういうスポーツ選手は天賦の才にめぐまれた「筋肉バカ」であるはずなのだが、全然違うではないか。

いま思うことは、こういう心優しき人間に超一流選手になってもらい、オレの仮説を完膚無きまでに否定していただけたらオレはむしろ嬉しいぞ、ということである。