昨年末に靖国神社に参拝した安倍首相であるが、国内的にはともかく、国際政治的には親分のアメリカ様に「こらこら韓国や中国にケンカ売るのはヤメロや」と怒られてしまったようで、なかなか辛い立場である。

安倍首相は「ちゃんと説明すればわかってもらえる」という立場のようであるが、それはなかなか難しい。なんたらクリスティーンとかいうハーフのタレントが「ヒトラーのお墓参りをするに等しい」みたいなことを言って批判したらしいが、おおかた世界のジョーシキというのはヒトラー≒東条英機(≒昭和天皇)みたいな感じになっているので、そういう理解をされても致し方ない。

もちろん、全権を握った独裁者ヒトラーに対して、当時の日本の指導者たちは「どーしよどーしよ」と右往左往しているうちに何となく対米戦争をおっぱじめちまったわけだし、天皇にしても開戦前は「負けるんじゃねコレは。やめといた方がよくネ?」みたいな感じでかなりビビっていたワケで、別に世界制覇の陰謀を練っていたわけではない。

ついでに言っておくと、ドイツの場合、大多数の国民は「ヒトラーいいじゃん!」って喝采の声を上げて、クリスタル・ナハトでユダヤ人泣いてるのを見て見ぬフリしてたにもかかわらず、戦争が終わった途端に「ヒトラーガー」とかいって罪を全部アイツになすりつけてしまうという見事な自己保身戦略を展開しているのであって、ある意味「コスイ」気もする。

むしろ「東条英機はゴーマンな奴だったが、この日本の無責任体制のなかで敢えて責任を問うとすればアイツが槍玉にあがるのは仕方ない、っつーことで死んでいった哀れな奴でもあるし、哀悼の念を捧げるのもヤブサカではない」という見方をする日本の右翼の人たちは純真無垢で愛すべき人たちであるといえなくもない。

とゆーわけで、ここで安倍さんが靖国参拝をアメリカさんはじめ世界の人々に納得していただくには、もうこれは「日本は世界のスタンダードが通用しない、実にナイーブで特殊な国なのだからしょうがないのです」と言い募るしかないのではなかろうか。

たとえば、「針供養」とかを引き合いに出して説得を試みる、とかどうか。

折れた針とかを豆腐やコンニャクにさして、「お世話になりました」とかいって供養するアレである。モノである針でさえ長年使っているうちに単なるモノではなく、ある種の祀るべき人格的なものに転じてしまうというのが日本である。そういえば「付喪神」といってモノが単なるモノ以上のものになるというモノの考え方もこの国にはあるぞ。

いわんや人間をや、である。たとえ侵略戦争おっぱじめようが何しようが、のちのちカミサマになったって全然不思議ではない。なんたって折れた針が供養されちまう国なんだから。

・・・とゆーリクツはなかなかグローバル基準では通らないかもしれんが、ともかくそれぐらいのところから説き起こさないと、国内ではけっこう聞こえてくる「安倍さん頑張って参拝してヨカッタネ」という声は世界には通じないであろう。

いやナニ、こないだの五輪誘致のときだって、「お・も・て・な・し」とかいってから合掌するとゆー、およそインチキ臭いパフォーマンスで「オォ日本人ハスバラシイデスネ」という麗しき誤解を誘ったという前例もある。安倍さんには、こんご外遊される際は、そのたびに「ハ・リ・ク・ヨ・ウ」とかいってコンニャクに針を突き刺すパフォーマンスをしていただきたい。そうすれば事態は少しは改善される。ような気がする。しねーか(笑)。