2019年09月

さて、今回は第10話を鑑賞したのでその感想。

このドラマ、今回も引き続きモトネタの大幅改変をしている。1952年7月、ウイークエンドに二週続けてワシントンDC上空をUFOが乱舞したという有名な事件をヒントにしたようであるが、これは実際には夜間に起きた出来事である。レーダーに何かワケわからんものがいっぱい映ったので大騒ぎになり、空を見上げたら実際に光るものも目視されました、おおむねそういう話だったと記憶している。

ところがドラマの中では白昼光体がワシントン記念塔の周りをブンブンいって飛び回るのが多数の人に目撃されている。ホントにこんなことが起きたら大変だったろう。ちなみにドラマの中では「こりゃソ連の兵器じゃねーか? 開戦する?」みたいな議論を大統領とかがしているけれども、リアルな事件のほうはさすがにそれほどシリアスな話ではなかった(ハズである)。

まあそれはそれとしてSEASON1はこれで終わりなのだが、最後どうなったかかいつまんでいうと、ハイネックの相方の空軍大尉は「エイリアンクラフトとしてのUFO」の存在を半ば確信するようになるンだが、ハイネックはといえば「だがそんな事を大っぴらに言うと空軍から圧力がかかってプロジェクト廃止に追い込まれるから、ここは表向き自然現象だっていうストーリーを掲げて調査続行しましょうや」と言いだし、二人の探究はさらに続くことになった。いわゆる「俺達の冒険はこれからだ」――という結末である。

これも史実とは全然違うと思うンだが、まぁよろしい。結局ドラマの中で配置された伏線も全然回収されないままだし、その辺は来るSEASON2でお楽しみに――という話なのであろう、オレなども「まぁおどろおどろしいサスペンスと思えばけっこうイケルじゃん。次どうすんだよ」とすっかり説得されかかっているのだった。





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こんにちは。自称UFO問題評論家(笑)の花田英次郞です。

さて、今回も米国のドラマシリーズ「プロジェクト・ブルーブック」(SEASON1)ネタ、第9話をどうにかして観ることができたので、その感想を書いてみよう。

ご承知のようにこのシリーズでは、毎回実際に起きたUFO事件にインスパイアされたような「おはなし」をきっかけにストーリーを転がしているのであるが、今回の第9話のモトネタはどうやらヒル夫妻事件であるようだ。

「あるようだ」というのもヘンな話である。だが、「ニューハンプシャー州で起きた事件である」「走行中のクルマでUFOに遭遇してから空白の時間が発生」みたいなところは確かにソレなんだが、リアルなヒル夫妻事件のほうは「夫妻そろってエイリアンにアブダクションされた」というところが或るイミ証言の信憑性を高めている(ようにみえる)ところがあって注目されたりしたのに、ドラマの中では誘拐されたのはダンナのほうだけである。

かつ、本物のヒル夫妻はダンナ黒人・嫁白人という取り合わせであったところが当時の文化社会状況的に重要な意味を有していた――つまり人種差別のなお色濃くあった当時の米国の状況では二人はかなりの心的プレッシャーの中で生活していたのでないか、そのヘンはトラウマチックな事件と関係ないのか、みたいな論点もないではないのだが、ドラマでは両方黒人になってしまった。こういう歴史の改変というか事件の改竄(笑)はこのシリーズでは毎回おなじみではあるのだが、第9回もそういうイミではなかなかに大胆であった。


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ちなみに、この「プロジェクト・ブルーブック」シリーズについてどう思っているか、オレがたまに寄稿などしている某UFO同人誌の関係者の皆さんの意見をチラッと聞く機会があったのだが、総じていうと「なんとなくツマラン」という意見が多いようであった。思うに、それはやはり「史実無視して勝手に創作してんじゃねーよ」という気持ちの故ではないか。なんというか、毎回毎回こうも露骨な換骨奪胎が続くと「そうじゃないんだよなー」的に辛い評価を下したくなる、というか。

もっとも、前も書いたように、それでもオレは「このドラマは実在の人物のキャラをそこそこ尊重しながらの二次創作。少しぐらい暴走しちゃってもイインじゃネ?」と思っているクチなので、そこは鷹揚に考えている。オレは許す(笑)。

ちなみに今回の第9話、ハイネック家につきまとって情報を取ろうとしているソ連のスパイのオッサンが(もちろんそんな人物はたぶん実在しないのだが)「ハイネックの嫁のエッチな写真を撮ってこい。それで脅してハイネックにいろいろしゃべらせよう」みたいな中二病的なことを言いす場面があり、フツーなら爆笑してしまうところであるが、オレはこの時も「うむ、許す!」と一人笑いをかみ殺しながらうなずいたのだった。










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さて、ジョン・キールの『プロフェシーズ』で彼とほぼ二人三脚で活躍する新聞記者メアリー・ハイアーであるが、今もなお何となく気にかかっているのは、一連の騒動とリンクするかたちで起こったシルバーブリッジ崩落について、彼女がそれを予知するかのような夢を見ていた――というエピソードである。

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メアリー・ハイアー。検索するといろいろと写真がみつかる。これなどはわりかし若い時のらしい。「ベストショット」的な一枚であるやうだ


「ある種の怪異は特定の人物が招き寄せるものである」といった概念は、とりわけ「ポルターガイスト現象の陰に少女アリ」といった定説とともに流布しているワケであるが、なんというか、そういう「能力者」として彼女を考えることはできないのだろうか?

そもそも事の始まりから終わりまでを地元でずっと見続けてきたのは彼女である。キールの語るストーリーをたどっていくと、奇妙な物体の目撃、メン・イン・ブラックとの度重なる対面等々、様々な怪奇現象は、或る意味では彼女を中心に展開していったような気がしてくる。

むろん1970年に亡くなった時に彼女は54歳だったというから、モスマン事件の頃は50歳ぐらいのオバハンで、「ポルターガイスト×少女」類型とは全然違うンだけれど。彼女になんかそういう霊媒体質的なエピソードが残っていれば面白い。調べてはいないが、きっとあるんじゃないか、とすら思う(妄想全開)。

*なお、キールと生前交友があったらしいDoug Skinnerという人が運営している「JOHN KEEL」というサイトがあるので、ついでにリンクを貼っておこう


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ジャック・ヴァレは著書『欺瞞の使者』で、各地のアヤシイ円盤カルトを訪ねた時の話をたくさん書いている。そんな団体の中でもけっこう紙幅を費やして取り上げられているのが「メルキゼデク騎士団」と名乗る組織で、どうやら世界各地に「信者」がいたようだ。中では国際組織を率いる「グレース・フーパー・ペティファー博士」(女性)とかいう人物とかも出てくる。だが、この円盤カルトのことは他で読んだ記憶もない。なんだかナゾ多き団体である。

以下、『欺瞞の使者』からの引用になるが、フランスの組織で配っていたリーフレットにはこんなことが書かれていたらしい。



我が使命は、この地球上に神がいることを公に知らしめることである。その者は、すべての地球外生命体、すべてのUFO 、そしてあらゆる惑星の首領であらせられる。彼は地球を救うために来臨された。この世界のありとあらゆる貨幣はすべて時代遅れである。ただ「土地」だけに意味はある。あらゆる宗教は時代遅れである。兵役というのは神がひどく嫌っているものであり、それゆえにUFOが装備する反物質砲の威力を以て禁止される。


メルキゼデク騎士団は地球外生命体との間に連携関係を結んでいる。そこでは何の妨げもなく、あらゆる知識が教示され、与えられている。最初の信奉者は、最初に救われる者ともなるであろう。それだけではない。そうした信奉者たちは、聖トマスがそうだったように「証拠」を与えられるだろう。そして彼らは空飛ぶ円盤で旅をすることだろう。いや、こうしたことは既に多くの人の身に起こっていることなのだ。



 ・・・スイマセンなんだかよくわかりません(笑)。
以下はオマケで、関連する図版とそのキャプション。

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フランスのメルキゼデク騎士団から著者に与えられた五芒星 [注:六芒星の誤りか] 。これは貨幣や宗教、戦争を廃絶する願いを込めたものである。このパリを拠点とする団体は、地球外生命体と常時接触を保っていると主張している。




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レース・ペティファー博士が用いたメルキゼデクの印章


【追記】
その後、ネットでググってみると、こういうようなサイトがヒットしたりする。オレが知らないだけで、マイナー系カルト的な組織は細々と活動を続けているのかもしれない。


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