当ブログでも何度か触れてきたスペイン語圏の超常現象研究家、サルバドール・フレイクセド(フレイチャド。Salvador Freixedo)が10月25日にお亡くなりになったようだ(スペイン語は読めないのでその死去を伝える英語のサイトをひとつ挙げておく)。
改めて簡単に触れておくと、彼は1923年生まれ。日本でいえば大正時代の生まれということになる。故郷はスペイン・ガリシアで、もともとイエズス会の司祭であったが、超常現象についての興味も已むことなく、最終的にカトリックのドグマと彼の考えが相容れなくなったということなのだろう、教会を離れて超常現象やUFOなどの研究者として活動してきたという人物である。
オレは高名なユーフォロジスト、ジャック・ヴァレの本でこの人の存在を知ったのだが、それによれば、フレイクセドは「UFO=エイリアンの宇宙船」と考えるような単純極まりない俗説を退け、それはもうちょっと曖昧模糊とした超常現象の一つとして理解すべきではないのかという、いわばジャック・ヴァレ - ジョン・キール系列に属する主張を重ねてきた人物であったらしい。
ただ、残念ながらわが国ではこの人の存在・事績はほとんど知られてこなかった(雑誌か何かに出たことはあったのかもしれないが、少なくともネット上では検索しても日本語で書かれたテキストに遭遇したことがない)。基本的にスペイン語の本しか出してこなかった人なので、なんでもかんでもアメリカさまの後追いの日本のユーフォロジスト界隈では無視されてきた、ということだったのだろう。
ただ、おそらくは唯一英訳されている『Visionaries, Mystics and Contactees』という薄い本がある。
「これならスペイン語が全然わからんオレにもなんとか読めるのではないか」というワケで、以前この本を買い求め、そのうちこのブログで内容を紹介しようなどと考えていたのであるが、生来の怠惰ゆえずっと放置しているうちに彼が亡くなってしまったのはいささか残念である。
それでもいつかは、という思いもある。さようならサルバドール、泉下でいましばし待たれよ(待ってねえかw)。