2024年02月

アメリカの科学ジャーナリスト、Sarah Scolesの『They Are Already Here: UFO Culture and Why We See Saucers』(2021)が届く。

ジャーナリストのUFO本というと例のロス・コーサートなんかもそうだが「ミイラ取りがミイラになる」問題がしばしば起きるので、ここらでイッパツ解毒剤の服用でもせんといかんのではないか――といった感じで買うてみた。

取りあえず最初の方をちょっとめくってみたが、彼女、例の2017年12月の「アメリカ政府はUFO調査やっとるやん」というニューヨーク・タイムズのスクープが一つの契機になって「コリャちょいとマジメにUFO問題考えないとダメやろ」ということでこの仕事を始めたらしい。

こないだ読んだコーサート『UFO vs. 調査報道ジャーナリスト: 彼らは何を隠しているのか』が「墜落UFOだとか必ずしもガセとは言えんぞぉぃ」のベクトルが濃厚なポジとすればコレはネガサイドからの探究ということになるのでないか。まぁ、例によって途中で放り出してしまってなかなか読めないという展開は容易に予想されるのではあるが(笑)。

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在野のUFO民俗研究家として知られる小山田浩史先生がこのほどX(旧Twitter)のスペースにて『マゴニアへのパスポート』を読むと題した連続講義を始められた。

昨日26日夜にはその一回目の講義が行われ、第一章の途中までの話が紹介されたのであるが、「UFOといえば宇宙人」という幼稚っぽい通念を否定し続けてきたが故に日本のユーフォロジーでは異端者扱いされてきたヴァレの初期の仕事を振り返ろうという点において実に意義ある試みである。いちおう小生の出した私家版翻訳をベースに議論を進めていただいているようでもあり、これまた実に喜ばしい。

ちなみに昨晩は、「同書冒頭にヴァレが紹介しているパレンケの石棺だとか遮光器土偶の話はよくよく考えると『UFOに類する現象を人間は太古から目撃し続けてきた』というヴァレの主張とはいまひとつ噛み合っていないのではないか。このくだりは要らんかったもしらんネ。面白い議論が始まるのはむしろ第二章以降なんよ」と的確な指摘をされておられた。

まぁヴァレというのは小説も書いているぐらいなので「ツカミで何か読者の興味引きそうな話をかまさんとアカンやろ」的な発想でパレンケや土偶の話を仕込んだのだろう。じっさい原著にはパレンケの石棺の写真なんかも図版として載せており、まぁコレはオレの私家版翻訳本では著作権的にマズいかもしらんので割愛をしたのだが(ちなみにこの私家版では著作権的に問題があるかもしれない図版は全て掲載を見送った。残念だが仕方がない)ともかくヘンなところはヘン、オカシイものはオカシイという小山田先生の姿勢には見習うべきものがある。

初回の講義は約30分程度でレコーディングもされているので聴くことができる。さらに今後も不定期ながら講義は続けていかれるようであるから、ヴァレに関心のある諸兄は小山田先生のアカウントに要注目である。

【追記 2024/05/18】
なお小山田浩史先生が昨晩スペースで話しておられたが、ここんとこ別のお仕事がたんと入ったとかいうことで、当面この企画はお休みだそうである。些か残念であるがボランタリーにやっておられるモノであるから無理難題は言えん。再開の日を待つのみ。

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下町の行列店。店名は「きっそう」と読む。前々から評判は聞いていたが昼営業のみ(かつ「食べログ」によれば水金日は休みらしい)なのでなかなか行く機会がなく、今回が初の訪問である。雨の平日ということもあって「ひょっとして一番乗り?」などと考えつつ開店50分前に着いたのであるが、そこには入店待ち用のイスが並んでおり、傘をさした男性がすでに3人座っていた。さすが超有名店。侮れん。

最初に券売機でチケットを買い、しばらくしてから表に出てきた店の人に渡す。さらに待っていると、雨の中の客をおもんぱかってか、店の人が本来の開店時間を若干早めて店内に案内してくれた。コレは嬉しい心配りだ。

さて、肝心のラーメンである。麺を口に運んだ瞬間どことなく甘みを感じさせるようなウマ味が一気に広がって「ん? これは未体験ゾーンや!」と感歎。フツーのラーメンに加えてつけ麺も供していることからも分かるように、この店のスープは魚粉のインパクトを前面に押し出したトロッとした感じのそれなのだが、その種のスープがともすれば陥りがちな野卑な感じが全くない。品がよくて深みがある。ツルツルシコシコの麺との相性はベストマッチ。チャーシューも口中でホロホロと崩れる絶妙の仕上がり。煮玉子もフワッと柔らかく仕上げており文句ナシ。

うまいうまいと舌鼓をうちながらスープ完飲。「ごちそうさま」といって立ち上がると、ご夫婦なのか何なのか知らんが店を取り仕切っているお二人が気持ちよく声がけをして送り出してくれるあたりも素晴らしい。行列必至の店なのでこれからもあんまり出向く機会はないとは思うけれども、死ぬ前にもう一度は行って食っておきたいと思わせる一杯であった。


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