2024年08月

岸田文雄が政権を投げ出すようだ。記者会見でイロイロ言ってたけれども、詰まるところ9月の自民党総裁選に出ても惨敗必至なのでカッコつけて自らやめるテイを装ったというだけのことだろう。とんだサル芝居である。

今思えば岸田の政治というのは一から十までクソだった。なによりもまず国民の暮らしがガンガン劣化しているのに対して有効な手を打てなかった。ここにきて「給料がアップしはじめた」みたいな話がないこともないが、そういう景気の良い話は国民の大多数を占める貧乏人にはまったく関係がないし、そもそも民間企業の給料が上がったからといって岸田の功績にするのは全くの筋違いであって、岸田は「給料上げてネ」とか口先で言ってただけである。

一部メディアからは「外交に成果があった」みたいな評価もされている。「軍事費倍増で中国に対抗姿勢を示したのは偉かった」みたいな話であるが、百歩譲ってそうした軍備拡張路線が正しかったとしても実際には「どうやってそんな軍事費を捻出するのか」のメドはいまだたっていない。要するにカネもないのにそんな大見得を切った岸田はバカ中のバカである。いくら栄養失調でもカネがないのに「今半」のすき焼きを食いにいくワケにはいかんのだ。これからミサイルを買うための大増税が始まるのは目にみえており、「外交に成果があった」もクソもあるまい。

もちろん自民党の統一教会ズブズブ問題だとか裏金脱税フリーパス問題なんかも真相解明する気はゼロで、真っ当な対策もとらなかった。「反省してま~す(チッうっせーな」ぐらいな感じで、アホな国民が全部忘れるのを待っているのがミエミエだった。例の少子高齢化にたいしても何等有効な対策はとっていないし、要するに岸田の政治はすべてがその場しのぎのゴマカシに過ぎなかったのである。

、まぁここでそんな床屋政談をしていても仕方ないのであるが(笑)それはそれとしてオレがいま注目しているのは自民党が次期総裁に誰を選ぶのか、である。

自民党のクソジジイたちが談合してリーダーを決めるいつものパターンでいけば、最有力好捕は茂木敏充(68)である。政財官のトライアングルで悪巧みを進めるという旧来の自民党政治の世界ではとても評価が高いようなのだが人間性には問題があり、とにかく威張る男・傲慢な男であるらしい。いわゆる小人物なのだろう。だから自民党支持層でもあんまり人気がない。人相も悪くて冷酷そうな相が丸見えであるからもちろん一般国民の人気もない。まぁしかし、アホな国民をだまくらかして従来の腐敗政治を温存していこうと考えたのであれば第一候補で危なげがない(笑)。
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 茂木俊充


しかし、さすがにこういう悪相の人間を自民党のトップに据えたら、ただでさえ愛想を尽かされつつある自民党なので、今後の選挙に響くのではないかという懸念もある。そうすると、まだ汚いアカがついていない感じの若手中堅をかつぎだそうという動きも当然出てくる(実際はたいして若くない人もいるがw)。そういう文脈で名前が挙がっているのが河野太郎(61)、小泉進次郎(43)、上川陽子(71)、小林鷹之(49)あたりということになる。

だがオレのみるところ、ホントにこういう連中が清廉でクリーンなのかといえば疑問である。たとえば河野太郎というのは、奇矯な人格&それと表裏一体の「突破力」で知られる変人であって、なんか政治をムチャクチャにするパワーだけはあるんではないかと思われていたンだが、出世するにつれてこれまでずっと言ってきた「反原発」を引っ込め、最近では「原発アリ」といった発言もしているらしい。要するにクソジジイが支配する自民党内で出世するために、節を曲げて転んだ男なのだろう。そんなのが首相になってもクソジジイのリモコンで動くだけの操り人形を脱することはできまい。
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 河野太郎

そういう意味では「初の女性首相!」みたいな期待も一部にあるらしい上川陽子なんてのもダメだろう。三菱総研を経てコンサルか何かやってたところを自民党にスカウトされて政治家になった人物で、相当にデキるという話はある。しかしこないだ麻生太郎が講演で上川について「あの人はルックスは悪いが仕事はできる」(意訳)みたいな話をしてネタにされた際、なんだか薄笑いを浮かべてスルーするような、いかにも「男社会に迎合して生き残る女」的なレスポンスをしていた。アレをみていてオレは「ココは抗議するところだろう。こりゃダメだ」と思った。経歴は立派かもしらんがエライ人間に迎合して出世するようなタイプに国政は任せられんし、仮に首相になっても河野太郎同様にリモコン操作されるだけのことだろう。
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 上川陽子

もうだいぶん長くなってしまったので、あとは簡単に済ますが小泉進次郎というのはみなさんも「小泉構文」で知る通り単なるアホである。みかけがちょっといいのでそこら辺のババアを引きつけるのには良いが首相にしたら日本は滅びるだろう。

小林鷹之というのは国民的な知名度はほぼゼロだが、東大から高級官僚になったような典型的エリートでアタマがよく政策通だという評判である。加えて49歳と若くて見映えもなかなかヨロシイ。岸田内閣では大臣の格としては相当ショボいけれどもいちおう内閣府特命担当大臣というのもやった。「じゃあ自民党の強欲イメージごまかすのにコイツ担ぎ出してみる?」みたいな機運が一部で盛り上がっているらしい。ただし国家存亡の危機にあって一番大事なのは志だとか熱意である。自民党の裏金問題について「これはさすがにアカンだろ」ぐらいのことは言うべき自民党の若手たちがダンマリしていたのは記憶に新しいが、そんな情けない連中のひとりであった小林がノコノコ出てきて「じゃあ自民党改革しま~す」などと言い出したら悪い冗談だろう。しょせんこれも予備の操り人形といったところか(注:なおその後Wikipediaみてて知ったのだがこの小林というのは壺議員であった。つまりは国賊。論外であったw)。
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 小泉進次郎と小林鷹之


このほか石破茂だとか高市早苗だとかいうのもいるが、いずれも自民党内での人望がないのでなかなか浮かぶ瀬はなかろう(個人的には石破茂に一度やらせてみたいと思っているが絶望的に党内人気がないらしい。まぁ狂人のサークルで比較的マトモな人間が浮いてしまうのは仕方がないことではある)。

ということで、結果的に誰が出てきても次期自民党総裁にはほとんど期待ができないのは確かである。そもそも安倍晋三という男が自分の地位を脅かす人間をテッテ的に締め上げてきたからこそこういう人材不足に陥ったしまったワケで(たとえば石破茂はそうやってツブされた)それはそれで自業自得ではあるのだが、自民党の皆さんが「カレー味のウンコ」と「ウンコ味のカレー」のどちらを選ぶのか――みたいな観点からみればコレはなかなか面白い見ものではある。来月にはそうやって自民党の新しい顔が決まる。



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今回のパリ五輪に関しては「フランスの連中っていまだにアジア人差別してるんじゃネ?」疑惑が改めて持ち上がった。この問題、例の誤審問題もあったし(審判自身がフランス人でなくても観衆の圧力で差別に加担することは十分ありうる)、数日前には現地にいってた柔道家の高藤直寿が「レストランでずっと腕上げて店員呼んでも全然来てくれんかった」みたいなことをXに書き込んだことでも注目された。

おフランスなんか行ったことはないのだが、こういうニュースに触れると、日本にいても陰が薄いせいかメシ屋で店員にずっと無視されることが再々あるオレのような人間であれば、おそらくフランスあたりではアジア人差別要素が加算された結果客席の片隅に追いやられて放置プレイ3時間みたいな処刑を受けるのはほぼ確実なような気がしてきて、フランス人への疑念がフツフツと沸きあがってくるのだった。

というのも、むかし読んだ会田雄次の名著『アーロン収容所』には、捕虜になった会田雄次がイギリス軍の女性兵士の部屋に掃除かなんかで入っていったら彼女は全裸だったけれども「あぁ日本人か」みたいな感じで全く平然としていたという有名なエピソードがあったのだが、そのときオレの胸中には「あぁやっぱヨーロッパの連中は心の奥底まで差別意識まみれなんだろうなあ」という認識が深く刻まれたのである。会田が屈辱的な体験をしてから80年ぐらいたったけれども流石にそこまで強固なアジア人差別が刷り込まれていたのであれば雀百まで踊り忘れずというヤツで、やっぱり連中は全然反省しとらんのではないか(コレは余談ではあるがだいたい日本人だって中国朝鮮の人たちにたいして何かスキあらば見下すようなことを言い出すではないか)。

さらに言っておくと、イギリス人というのは植民地経営では分断統治などを活用し、けっこう地元民をうまいこと懐柔する狡猾なところがあったが、そんな連中ですら会田雄次にいわせればこんなテイタラクだったワケで、しかるにフランス人というのはイギリス人よりも相当に高慢・傲慢である(という印象がある)。してみるとフランス人というのは相当に露骨な差別意識を有している可能性が高い(気がする)。

まぁ昔から日本人は「花の都パリ」とかいって高慢なフランスにあえて膝を屈するような卑屈なところがあった。たまたま最近読んだ読売新聞ではパリ五輪開催に合わせたのだろう、文化面で「パリに行きたい」とかいう連載をやってて、パリにあこがれてきた代々の文化・芸術関係者を紹介していたけれども、そういうのは何かちょっと違うのではないかという気もしていた。こういう機会に「ヤツらは本当のところは相当に下品野蛮下劣な生物なのではないか?」という問いを立ててみるのも悪いことではあるまい。こういう考察を誘うのも数少ない五輪の効用のひとつと言えよう。

【追記】

なお、フランス人にかんしては「柔道やらマンガやらで日本文化をリスペクトしている親日派はけっこう多い」みたいな俗説もあるが、ソレはホントなのかという疑問もある(大多数は差別主義者だが一部にオリエンタリズム的逆張りで日本を贔屓する層もいるということかもしらんが)。

あるいは今回のパリ五輪でフランスの柔道チームは黒人ばっかりだったが会場を埋めたフランス人たちは熱狂的な応援を送っていたことを考えると、アジア人差別はあるにしても移民で入ってきた黒人は差別の対象にしないといった「お約束」があるのか? それとも柔道のような特殊技能をもった黒人は「名誉白人」扱いされているということなのか? なんかナゾは深まるばかりである。



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パリ五輪も終わったが、今大会で特筆すべきは陸上女子やり投げでの北口榛花の優勝である。

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オレも再々言っているように、およそスポーツというのは細かいレギュレーションとか採点要素とかが入ってくればくるほど納得感が薄れる。もっというとプリミティブな訴求力が削がれる。

なんとなれば、あるいみ細かいルールが定められているほど特定の人たちに有利な状況が生まれたりするワケだし、審判の主観で勝ち負けが決まる要素が強いと(たとえば今回パリ大会の柔道である)ハッキリいって「シラケる」。

これは余談になるが、オレの好きな野球というスポーツはまさにこういう「シバリ」が多い競技であって、野球がなかなか世界に普及していかないのもそういう理由があるからだと思われる。たとえば「野球では三回空振りするとアウトになるけれども何で三回なのか?」みたいな素朴な疑問を出されても答えられないのである。(ここで慌てて付け加えておくが、そういう細かいルールでがんじがらめになった競技には、逆に「ルールの抜け道を探ってウラをかくのが面白い」みたいな倒錯した楽しみ方が生まれる。いったんそういう「沼」にはまるとそれなりの中毒性が生まれるのだが、まぁその辺は一見さんにはなかなか難しい)。

閑話休題。そういう風に考えていくと、その手のよくわからんルールがほとんどないのが陸上競技である。100メートルを一番早く駆け抜けるのは誰か。そういう単純明快な原理ですべてが運営されていく。プリミティブであるが故にこれは門外漢にも凄さがよく分かる。ごまかしが効かない。そういう意味でヤッパ陸上競技はスポーツの華であり王者であると言わざるを得ないのだ。

そうしてみると、今回の北口の金メダルというのは如何にスゴイことであったかが分かる。体格や筋力といった面でいえばモンゴロイドはどうしたってコーカソイドやネグロイドに対して不利である(大雑把にいって。たぶん)。陸上競技では過去にマラソンで金メダルを取った女子選手はいたワケだけれども、これは或る種の持久力みたいなものである程度挽回することができる種目だったからこその快挙であって、フィールド競技となるともうこれは絶望的である。そこは超絶トレーニングであったり卓越したテクニックやらでどうにかこうにか対抗していかざるを得ないのだが、それを今回彼女はやりきったのである。

言ってみればこれは100年に一度の快挙。今大会は柔道の誤審問題とかいろいろあったけれども、日本勢にとって大会掉尾を飾るにふさわしいグッドニュースがここにきて飛び込んできたのは慶事であった。


◆追記

なお今回の北口金に関連して、往年のやり投げ選手・溝口和洋(1962-)が各種メディアでコメントなどしていたのも嬉しかった。

その半生については上原善広『一投に賭ける 溝口和洋、最後の無頼派アスリート』という名著があるのでゼヒ読んで頂きたいのだが、彼は師弟関係の重視みたいな陸上競技の決まり事を片っ端から無視する「一匹狼」みたいな存在として1980年代に活躍した選手である。しかも溝口は単なる無頼派だったワケではなく、実力もハンパなかった。彼は常軌を逸した特訓だとか独自に編み出した独特の練習法などによってほぼ独力で世界レベルにまで到達した人物で、その怪物ぶりは1989年に出した87m60というレコードがいまだに日本記録として破られていないことでも明らかだろう。

それだけの実績があるにも関わらず引退後は陸上界と縁を切り、パチプロ(!)やったりした末に現在は農業をやっているのだという。なんという潔さであろう(ちなみに、表向き陸上から足を洗ったといいながらやはり五輪でメダルを取った室伏広治が教えを乞いにきた時にはこれに応じて私的にコーチしてやったみたいな話もあったりする。この辺りもまた素晴らしい)。

彼はほぼオレと同年代だし、そもそもこういう偏屈な人間が大好物のオレとしてはひそかにシンパシーを抱いてきたのであるが、そういう不世出の人物が北口の金というタイミングで再度スポットを浴びたようなかたちとなったのはしみじみと嬉しかった。これはちょっと前の記事であるようだが、この孤高の先駆者、溝口和洋さん「やり投げを好きと感じたことはない」 パリ五輪へ北口榛花は世界記録も目指せる「才能」なんてのはとてもよく書けているので、どうせそのうちネットからは消えてしまうのだろうが時間のある方は読んでやっていただきたい。


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いわゆる「新そば」というのはフツー秋に収穫されたそばを供するものであるが、たまたま立ち寄ったこの信州のそば屋では今夏に収穫されたばかりのものを「新夏そば」と称して出しておった。淡白な味わいではあるが美味。

ここでオレは考えてしまったのであるが、たとえば東京あたりでそこそこ名の知れたそば屋というのは例外なくペダンティックで気取っており、かつバカ高いのが常である。しかし、この店は市井の人々の生活に徹底して寄り添った感じで、たとえば信州B級グルメの「山賊揚げ」なんてものも平気で出しているし、平日ランチタイムには珈琲サービスなどもしている。にもかかわらずこのそばのクオリティというのは一体どういうことか。

かくてオレは「食文化の本当の豊かさとはいったい何だろう?」といったことをシミジミと考えてしまうのであった。


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