2025年09月

このほどメイン自作PCのパーツ構成をいじった。PCの構成を変えるたびに記録を残することにしているので以下備忘録的メモ。大規模改変は2019年1月以来のようだ。現時点のOSはWINDOWS11(こないだ10から無償アップグレードした)。

無職の身なので(泣)CPUは新しい14世代ではあるけれども安めのCorei5-14400で手を打った。

作業後のOS認証の際に「あんた部品変えすぎ。OS買うてんか」的な表示が出たがMicrosoft アカウント経由でなんかOKみたいな話になったので事なきを得た。ちなみに末尾の数字は値段。

【CPU】Corei5-14400(2.5G) 26,690
【MB】ASUS TUF GAMING H770-PRO WIFI(LGA1700) 17,980
【memory】Crucial CT2K16G56C46U5 DDR5-5600 11,880(+交換保証1100)
【cooler】DeepCool AK400   3,280 

*追記
なお新しいボードは、M.2 SSDをサポートしたせいだと思われるがSATA端子が4つしかなかった。これまでSATAにはSSD×1、HDD×3、光学ドライブ×1をつなげていたので一つ足りない。しょうがないのでRicher-Rというブランド(?)のSATA増設カードを取り付けて光学ドライブをつないだ。最初は何故かちゃんと動作しなかったのだがカードをいったん付け直し、加えてSATAケーブルを代えるなどしたら正常動作。

mixiチェック

IMG_4405

銀座にいく用事があったので何年かぶりで支那麺はしご本店 。排骨担々麺は1200円でちょっと値上げしたようであったが諸物価高騰の折これは仕方のないところだろう。懐かしい味であった。

もっとも勝手をすっかり忘れていて大辛で注文するのを失念。失敗失敗w
mixiチェック

 前回のエントリーで触れたように、今回は現代のUFO問題を論じたアメリカのドキュメンタリー「UFOs: Investigating the Unknown」というテレビシリーズについて感想を書いてみたい。
 制作はナショナル・ジオグラフィックで、これは日本でも「UFO:人類最大の謎を解明せよ!」というタイトルでCSのナショジオが放送しているようだ。メインテーマは「UFO問題に対して米政府はどんな対応を取ってきたか」といったところなのだが、同時にストーリー中で過去の名高いUFO事件の顛末を紹介するなどして視聴者を退屈させない工夫もしている。ググったところ2023年にシーズン15話)、2025年にシーズン26話)が放送されているが、今回オレが見たのはシーズン1。コレはYouTubeで観ることができる。監督はリッキー・スターン(Ricki Stern)という人物である。

videoframe_2731830

 で、あらかじめ言っておくと、この番組はどうやらUFOジャーナリストのレスリー・キーンが監修というか制作協力で一枚かんでいるらしく、彼女は番組中にも狂言回しのようにして再三登場してくる。前回もチラッと触れたように彼女は「米政府は隠れてUFO調査をしていた!」という2017年のニューヨーク・タイムズのスクープを執筆した人物なのだが、そのキャリアは付け焼き刃ではない。「UFOをほっといたら国家安全保障とか考えてもヤヴァイやろ。アメリカ政府はキッチリ情報公開してオープンに調査せんとアカンよ」というのが年来の主張のようで、たとえば2010年に出した「UFOs: Generals, Pilots, and Government Officials Go on the Record」という本では、世界各国のパイロットやら軍関係者やらのUFOについての証言を集めて米政府の尻を叩いている。ちなみにコレは『UFOs 世界の軍・政府関係者たちの証言録』(2022、二見書房)というタイトルで邦訳も出ているので、関心のある方はお読みになるとよかろう。

 さて、そういうアタマでこのドキュメンタリーを観てみるとじっさいコレはキーンの主張をなぞるようなかたちで展開していることが分かる。信憑性のある事件が幾つも幾つも起きている。しかし米政府はちゃんと調査しない。なんでもウヤムヤにしようとする。考えてみるとUFO問題はずっとそんなふうにして放置されてきた。これからはもうそういうのやめようや――全体としてこういうストーリーになっている。

 かといって、キーンは「ロズウェルに宇宙人のエンバンが墜落した!」「米軍は生きた宇宙人を捕獲している!」みたいな怪しげな話を肯定しているわけではない。そこは抑制が効いていて「UFOは宇宙人の乗り物だろ」みたいな軽はずみなことも口走ったりはしない。要するに穏当かつ中庸。オレのようなUFO問題評論家(笑)の目からみてもまぁまぁ真っ当な人物である。結果、このドキュメンタリーはまずまず出来のよい作品となりおおせているのだった。

 ただこれはちょっと下世話なはなしになってしまうのだけれども、彼女はUFO研究家として知られた故バド・ホプキンスと彼の最晩年に付き合っていたらしい。ご存じの方も多かろうが、ホプキンスというのは「多くのアメリカ人はエイリアンによって誘拐され生体実験を受けている」という主張を展開していた業界の大立者。要するに科学的・合理的なUFO研究を唱える彼女と、かなり怪しいことを言っている彼とでUFO観は水と油だと思うのだが、さてお二人さんはそれでうまくやっていたのか? ヒトサマの恋路に口をはさむのはヤボではあるが、なんだかUFOをめぐる人間模様のナゾということでこの辺のことは前々から気になっている。

 いや、まぁそんなことはどうでも良いのだった。ということで以下、各話の内容を簡単に紹介してみたい(日本語タイトルはナショナル・ジオグラフィック日本語版による)。

 

1Secret Pentagon Program 「国防総省 UFO極秘調査」
 この回は、おおむねキーンが問題のスクープを放つまでの顛末をたどるようなストーリーになっている。どういうことかというと、そもそも1969年のプロジェクト・ブルーブック閉鎖以降、米当局は公にはUFOの調査研究はやっていませんよと言ってきた。ところが2007年、政府は「先端航空宇宙脅威特定計画」(Advanced Aerospace Threat Identification Program AATIP)なるプロジェクトを密かに開始する。ここにスタッフとして召集されたのが諜報畑の軍人ルー・エリゾンド。彼は番組中、自分は様々なUFO事件についての驚くべき情報に触れてきたというようなことを語る。

その代表例として紹介されるのは2004年のチクタク事件である。これも知ってる人は知ってると思うがカリフォルニア沖で複数の米海軍パイロットが航空機にはあり得ない直角ターンなどをみせる円筒形の白い物体(らしきもの)が飛んでいるのを目撃・撮影したという事案なのだが、番組内では当事者のパイロットであるところのデヴィッド・フレーバー、アレックス・ディートリック、チャド・アンダーウッドがその体験を語っている。当然その正体は不明のままであったんだけどね。

で、番組中エリゾンドの語るところによれば「こんな事件があるとは国防上の一大事。マティス国防長官にブリーフィングせねば!」とやっきになったのだけれども何か上のほうから「国防長官がUFO情報の報告を受けたとなるとイロイロまずいやろ」とか言われて止められてしまう。エリゾンドは「なんだなんだ、国のために思うてやってんの妨害しやがって。こんなんやってられんわ。軍人やめて民間の立場で政府突き上げたろ」と決意。2017年に退役して、ちょうどそのころキーンと出会って「かくかくしかじか」という説明をしたところ、彼女としては「あらまあ大変!こっそり調査して重大事件とかも掴んでたのに公開してなかったのね!わたし書くわ」という話になる。キーンはプログラムの仕掛け人だった上院議員のハリー・リードに当たって裏を取り、201712月、「米軍ったらウソついてこっそりUFO調査してましたわ」というスクープを放ったのであった。

ちなみにこのスクープに際しては、電子版で米海軍の撮影したUAP映像も併せて公開されたので(のちに海軍もホンモノと認めることになる)メディアも食いついた。「なんだイロイロあるやんか、情報公開しろや」とか議会も騒ぎ出し、結果2022年に調査機関「全領域異常解決局」(All-domain Anomaly Resolution Office : AARO)が立ち上げられるなどして、UAP問題はいぜんザワザワしたかたちで今日に至っている。

・・・とまぁこんな話なのだが、番組にはUFO情報公開に熱心な元米国防次官補のクリストファー・メロン、上院議員のカーステン・ジリブランドなんかも登場する。要するにいま何でUAP問題が騒がれているのかの全体像を示すのがこの回の狙いということなのだろう。導入部としてはまずまず妥当な内容といえるだろう。

ただ、ちょっと気になるのはここで登場するルー・エリゾンドの存在である。番組を観る限りではマトモな元軍人さんのように描かれるのだが、実際はUFOにかんしてスゲー怪しいことを公言している人物でもある。確かUAP問題をめぐって行われた昨年の議会公聴会だったと思うが、彼は「米軍は人間が作ったものではないナゾのUAPを捕獲してリバースエンジニアリングやってるそうです」「その乗り物と一緒に何やら人間じゃない生命体もつかまえたそうです」等々、かなりぶっ飛んだ発言もしている。もちろん物証とかはない。まぁレスリー・キーンにしてみりゃネタ元だし、スクープのきっかけを作ってくれた人ではあるので「カゲキなことは言わないでネ」かなんか言い含めて登場してもらったんだろうけど、オレのように懐疑的な視点をもつ人間からすりゃ「あ~エリゾンド出てるじゃん。エエのんか?」ということになってしまうのである。かように若干の危うさを感じさせつつシリーズはスタートする。

 

2Giant UFO in Texas 「テキサス州の超巨大UFO」

 各話を簡単に紹介するとか言っておいていきなり冗長になってしまって申し訳ありませんが(笑)ここからは簡潔にいきます。

 さて番組はここから、これまでのUFOの歴史をたどりつつその都度米当局はどんな対応を取ってきたか――みたいなモードに入っていく。この回で一つのフックとして取り上げられるのは2008年にテキサス州で起きたスティーブンビル事件である。これは一説に全長1.6キロ(!)とも言われる超巨大UFOが多数の人間に目撃されたといういかにもアメリカンな事件なのだが、ここではまずは自らもパイロットだという或る目撃者の証言を紹介。ここではUFOの後をF16戦闘機が追尾していったみたいな興味深い話も出てくるのだが、つまりこれは「米当局はイロイロ事件について知ってるハズなのに何か隠している」ということを暗に言いたいのであろう。ちなみにここでは事件のナゾを追った地元紙「エンパイア・トリビューン」のアンジェラ・ジョイナー記者という人も出てくるのだが、そんなネタに一生懸命になったために編集長に睨まれてしまったという話になっていて、加えて彼女は新型コロナで早世してしまったのだという。何だかかわいそうな人だなあという印象を抱くのだが、この辺には番組を陰で仕切ったレスリー・キーンの「同志」への思いがにじんでいるようでもある。

 さて番組は、ここから「じっさいアメリカ政府の調査って穴だらけだったよね」という話になっていく。とりわけ槍玉に挙げられるのは1953年のロバートソンパネルである。これはUFO問題への大衆の意識の高まりを反映して「じゃあ政府としてはどうしたらええのん?」ということでCIAが科学者を集めて開いた会議であったワケだが、実際には「UFOの飛来とかで大衆がパニックになったらソ連の思うツボや」といった問題意識から「UFOなんて脅威やないし研究したからって科学に貢献するわけでもない。ほっときや」という結論となり、要するに大衆から情報を隠蔽する方向に向かう。さらに、空軍の調査機関ブルーブックにコンサルタントとして参加しており、のちに「ユーフォロジーのガリレオ」とまで言われた天文学者アレン・ハイネックも当時は「やっつけ仕事」をしていたという文脈なのだろう、1966年のいわゆる「ヒルズデイル事件」でハイネックが「光ってたのは沼地ガスが燃えたンじゃね?」といってヒンシュクを買った話も出てくる(余談ながら当時ミシガン州の上院議員でのちに大統領になったジェラルド・フォードがこの時「おいイイカゲンな説明すんじゃねーぞゴルァ」といって凄んだのは有名な話である)。もっとも、続く第3話はそんなハイネックが「いやいやいや、よくよく考えるとUFOってそんな軽く扱っていいものじゃないよね」と「回心」するというストーリーになっているのだけれど。

 

3Close Encounters at Nuclear Bases 「核ミサイル基地を狙うUFO

 ということで、第3話の隠れテーマは「ハイネックという男」とである。ここで当時の状況を説明しておくと、政府は1960年代後半、「国民も五月蠅いしここは一つUFO問題を徹底的に考察してみようじゃないか」という意図で「コンドン委員会」なるものを立ち上げたのだが、リーダーの物理学者、エドワード・コンドンというのがもともとヤル気も関心もない男だったようで、結論は「UFOの調査・研究したって意味ないじゃん」ということになる。これを受けて1969年に空軍の調査機関ブルーブックは閉鎖。科学コンサルタントだったアレン・ハイネックもその地位を失うことになるのだが、この番組は、宮仕えのためなかなかモノを言いづらかったけれども「UFO問題は重要だ」と考えるに至ったハイネックにとってこれはむしろ良いタイミングだったというような見方をしているようだ。

 で、そんなストーリーと平行してこの回で紹介される事件は米国のICBM基地にUFOが飛来したできごとである。具体的には1966年のノースダコタ州マイノット空軍基地、67年のモンタナ州マルムストローム空軍基地での事件だが、たとえばマルムストロームではその飛来に伴って核ミサイル10基のシステムがダウンしたとされ、番組では当時中尉として基地にいたロバート・サラスといった人々の証言も紹介している。ちなみに、このロバート・サラスが重い口を開いて自らの体験を語り出したのは事件から半世紀を経た1994年だったという。UFOについて発言することは政府のせいで嘲笑を浴びたり非難される危険をはらんでいる。だからこそ、とりわけ相応の地位にあった者は知っていても語れないことが多いのだ――ここに込められたのはそんなメッセージなのかもしれない。

 番組では次いでハイネックを視野に入れつつ70年代以降のUFOシーンを追う。74年、彼は民間UFO研究団体CUFOSを設立する。彼の提唱したUFOとの「接近遭遇」という概念をキーワードとしたスピルバーグの映画「未知との遭遇」も公開される。83年にはニューヨーク州ハドソンバレーにブーメラン型のUFOが出没。数年後にはベルギーでこれとよく似た巨大三角形UFOが目撃される。ハイネックは86年に没する。一時代は終わった。しかし、尋常ではない目撃事件が絶えることはなかった。

 

4Citizens Take Charge 「目撃者たちの声」

注目すべきUFO事件は引き続き起こっていた。この回ではそんな事例の幾つかが紹介される。

 まずは日本でも有名な1986年のアラスカ日航機事件である。これはパリから東京に向かうボーイング747機が巨大UFOに遭遇した事件だが、番組には米連邦航空局で調査部長として調査に当たったジョン・キャラハンも登場。CIAから「事件について口外するな」と命じられたという証言をしている。次いで紹介されるのは1997年に起きたフェニックスライト事件(アリゾナ州)。この事件にかんしてはファイフ・サイミントン州知事が記者会見を開催したものの、会場にエイリアンのかぶり物をかぶった人物を呼び込んで記者団の笑いをとるというエピソードもあった。要するに州政府も真面目に考えてはいなかったということだろう。

ことほど左様にアメリカの当局はUFOを隠蔽・嘲笑の対象にしているのだけれど、国外に目を転じればその対応ははるかに真摯である――そのような文脈で、番組は他国のUFO事情を紹介している。フランスでは国立宇宙研究センター内で科学的な調査が行われている。チリ政府は異常航空現象研究委員会を設立した。コスタリカでは国立地理研究所が空中撮影中にナゾのUFOを撮影している。要するにアメリカももっと真面目にやれというのである。

番組は次いで200611月のシカゴ・オヘア国際空港事件にチラッと触れるのだが(ちなみにこれは空港上空に出現した円盤が雲を穴を開けるようにして上空に飛び去った事件である)、最終的に一連のストーリーは番組の陰の主役、レスリー・キーンの動きと連動してくる。彼女はUFO関係の映像作家であるジェームズ・フォックスと手を組み、世界各地のパイロット、軍関係者などを集めてUFOについての証言をしてもらう記者会見の開催をもくろむ。それをテコにアメリカ政府に再びUFO調査を開始させようというのである。これがワシントンDCで実現したのが2007年(実は先に触れたキーンの著書『UFOs』というのはこの記者会見に呼ばれた人たちの証言が元になっている)。奇しくもこの2007年というのは、キーンの知らぬところで先に触れた秘密のUFO調査プログラム「先端航空宇宙脅威特定計画」が始まった年でもあった。いわばこうした前史を経て2017年にキーンのスクープは炸裂することになる。

 

5Government Breaks Silence 「沈黙を破るアメリカ政府」

かくて時代は現在へといたる。第1シーズンの掉尾を飾るこの回は、いま・このときUFOシーンはどんな状況にあるかを追っていくのだが、そこで「ジンバル事件」が紹介されるのは故なきことではあるまい。ご知の方も多かろうが、このジンバル事件というのは2015年、バージニアビーチ沖で訓練中の米艦船の前にUFOが出現した事例で、先に紹介したチクタク事件同様、米軍戦闘機によってその映像が撮影されたことでも有名だ。その映像は「ジンバル」と称されており、チクタク事件におけるUFOの映像(こちらは一般には「FLIR」と呼ばれている)とともにニューヨーク・タイムズのスクープの際に広く公開されたものである。おおいに世間を騒がせつつ今にいたるもその正体が必ずしも明らかになっていないジンバルはある意味、現代におけるUAP問題を象徴するアイコンなのである。ここで登場する関係者は海軍パイロットで目撃者のライアン・グレイブス。「物体」は「立方体に収まった球体」などと表現されている。まさにナゾである。

ともあれ、新たな展開をみせたUAP問題は米議会を舞台に議論を巻き起こす。情報公開や調査の徹底を求める議会の突き上げもあり、2022年にはこの問題を一元的に扱う「全領域異常解決局」(AARO)が設置されたが、時間的な制約もあってか、番組ではこの点についてはほとんど触れていない。ただ番組の――というか「キーンの」というべきなのかもしれないが――スタンスは総じて政府の姿勢に懐疑的である。2013年、プエルトリコ・アグアディアでは米国土安全保障省が正体不明の飛行体を撮影する出来事があったが、番組は「同省はその解析を空軍におしつけ、空軍はこれをさらに民間の「UAP研究科学連合scientific coalition for UAP studies」に押しつけた」などといって批判している。まだまだヤル気がないといって怒っている。

おそらくはそんな流れで、番組ではUAPの「残骸」を分析している研究家の活動に触れる。要するに「政府はそこまで手を広げてほしい」ということなのだと思うが、ここでオレは若干の違和感を覚えた。ここに出てくるUAPの残骸を調べている研究者というのは具体的にいえばスタンフォード大のゲイリー・ノーランとUFO研究界のレジェンド、ジャック・ヴァレであるが、よくよく考えると「UAPの残骸である」と断定できる試料などというものは果たして実在するのか。残骸がある以上は本体がなければならない。物質としてのUAPが確認されていないところで何故残骸だけが存在し得るのか。番組中で両氏は、UFOが空中爆発したとされる1957年のブラジル・ウバトゥバ事件で降り注いできた(とされる)破片の分析結果を示し、地球上では考えにくい結晶構造が見つかったとしている。仮にこれが本当だとして、しかしそれでもその破片がUFO由来と断ずることは今となってはほぼ不可能だろう(これとは直接関係ないが、1897年にテキサス州オーロラで「宇宙船」が風車に激突して墜落したというされるいわゆるオーロラ事件というのがあるのだが、これまでほぼでっち上げというのが定説だったこの事件についても、最近のヴァレは信憑性を認めているようで破片の検索・分析みたいなことをマヂで始めているようだ。人生晩年に至り「せめてあと一歩前に進みたい!」ということでさすがのレジェンドも判断が甘くなっているのではというのがオレの見立てだが、ここではそれ以上は言わない)。

番組ではこのほか、ハーバード大のアヴィ・ローブが外宇宙から飛来する物体を観測するため始めた「ガリレオプロジェクト」を紹介したり、物理学者のカク・ミチオに「UAPは水中に潜る。海底にナゾがある」みたいなことを言わせたりしている。最後に出てきたキーンは「他の惑星から来たということはないんじゃない?」みたいなことも言っていたが、もうこの辺は言いっぱなしで終わる。

ということで、最後に少し腰砕けになってしまったし、例のルー・エリゾンドがたびたび出てきてコメントするのが気に入らなかったりしたのだが、とりあえず「ロズウェルで宇宙人捕獲」みたいなウルトラデマは排して「米政府ちゃんとせいや!」と言ってる限りにおいてはまずまずよくできた啓蒙番組であった。ちなみにこのあとに作ったシーズン2というのもあるようだが、そっちはかなり怪しい証言者を引っ張り出してきて如何なものかという評もあるようだ。機会があればみてみたい。

 

 まぁしかし、お手軽に視聴率とか上げたいのであればそれこそ「アメリカの矢追純一」ことジョージ・ナップみたいなノリで「生きた宇宙人が捕まった!ジャラーン♫ ←ジングル」とかやれば良いのだが、敢えてそういうことはしないでこういう番組を作るというのは流石腐ってもタイのアメリカである。いつも言っていることで恐縮だが、対して日本のUFO番組ではこういう問題の基礎を固めてからおはなしをしましょうネというようなモノはまずない。UFOだからバカ番組でイイとはいわず、もうちょっと知的な番組を作ってもらえればうれしいのだが何とかなりませんかね。

 

 

mixiチェック

いわゆるUFOを取り上げた番組は日本でもしばしば放送されているけれども、オレのようなスレたUFOファンからすると何だか物足りない思いをすることが多い。だいたいどっかから拾ってきたUFO映像を流し、ひな壇タレントが「ありゃ不思議!」みたいなことを言ってオシマイというパターンが多い。中には詐欺師が出てきて「UFO呼び」の呪術をしてみせる低脳番組もあるようだ(まぁそういうのはハナから見ないけれども)。

どうせやるならそういうんじゃなくて、「いま・この時代においてUFO問題というのはどういう風に考えるべきなのか」みたいな骨太な問題提起をしてもらいたいのだが、まぁしょせん場つなぎのヒマネタ・面白ネタとしてUFOが消費されているわが国のメディア状況では所詮ムリな注文なのだろう。

と、そんなことを思っていたところで、このあいだオレの期待にこたえてくれるようなちょっと骨太なUFO番組が放送された。8月2日にNHKが「地球ドラマチック」枠で放送していた「UFOの正体 〜科学者たちが迫る最前線〜」である。ただこれは(当然というべきかもしらんが)別にNHKが作ったワケではなくてもともとアメリカの番組である。

制作はWGBH Educational Foundation / Terri Randall Production。原題は「What Are UFOs?」で今年1月に公共放送サービスPBSが放送したものらしい(日本版に編集が入ってるかもしらんがソコはよくわからない)。

Capture_20250902-090121


で、これはまさにUFO問題についての啓蒙番組であった。基本的には世界を騒がせたUFO問題がこれまでどういう経緯をたどってきたかを探るもので、45分弱という尺の中で1947年のケネス・アーノルド事件から今にいたるまでの動きが要領よくまとめられているワケだが、ここで長い尺を使ってスポットを当てているのは近年のアメリカUFO事情である。

ここのところを簡単に説明しておくと、現在アメリカではUFO――というか手垢のついたこのコトバはやめてUAPというコトバを使おうという流れになっているのだが――への関心が再び盛り上がってきているのだが、一つのきっかけとなったのは2017年末にニューヨーク・タイムズが飛ばしたスクープだった。それまで米当局は「現在UFOの調査はしておりません」と言っていたのであるが、実は2007年以降、彼らはこっそりと予算をつけて調査を行っていたことがココですっぱ抜かれてしまった。と同時に、このスクープにあわせてNYタイムズは米軍が撮影したというUFO映像をも公開した(のちにこれらの映像は米当局もホンモノだと認めることになる。「チクタク」とか「ジンバル」とか「ゴーファスト」とか愛称で呼ばれることになる一連の赤外線撮影映像である)。

要するに米軍はUFO映像とかも撮っているし、調査も始めている。二枚舌使うんじゃねえゾ、いったいどうなってるんだという話で、議会筋も騒ぎ出す。そこからいろいろ曲折もあるのだが、全部すっとばしていうと米政府は2022年に「全領域異常解決局 AARO」とゆー組織を作ってUAP現象の調査・分析に乗り出している。というか乗り出さざるを得なくなった。

番組はその辺の流れを追いつつ、「UAPって何なのよ」という疑問にこたえるべく前述のチクタク事件にかかわったアレックス・ディートリック、ジンバル事件のライアン・グレイブスといった元海軍パイロットに証言させたり、あるいは合理的な説明ができないか試みている懐疑論者ミック・ウェストを登場させて例のチクタク&ジンバル映像にかんして様々な仮説を紹介したりもしている(初代AARO局長のショーン・カークパトリックを起用してプエルトリコのアグアディアで2013年に撮影されたUAP映像のナゾ解きをさせているのも面白い)。で、最終的には「でもまだよくわからない。だからちゃんとデータを集めてこのナゾに挑んでいきましょう」みたいな地点に落ち着いているのも、まぁ妥当であろう。

要するにUAP問題を面白ネタとして消費するようなノリではない。知的である。もちろん日本人にとっては「いま・ココ」で生起しつつある現象とはいえないから切実感が持てないのも確かなのだろうが、国内でもこれぐらい啓蒙的な番組を作れないか。最初に「日本のメディアにはムリな注文」とか思わずホントのことを書いてしまったが、よくよく考えるとNHKには毎月バカ高い受信料を払っている。ムリを承知で言うのだがなんかうまいこと上層部をだまして「NHK特集」でやっていただきたい。

【追記】
なお、最近たまたま「UFOs: Investigating the Unknown」というTVシリーズがあるのを発見して1stシーズン5話を見終わった。上述のNYタイムズの歴史的スクープを飛ばしたジャーナリスト、レスリー・キーンを狂言回しに据え、やはりUFO問題の歴史的経緯を振り返りつつ近年の動きをまとめた番組だったが、こちらも「捕獲された宇宙人」みたいなバカ話はしない比較的抑制の効いた内容でなかなか良かったので、そのうち感想など書いてみたい(というか実際はこの「UFOs」の感想文を書こうと思い立ったところで「あ、そういやこないだNHKでやってた番組も良かったなー」と思ってまずは備忘録代わりのエントリーを書いたという次第)。
mixiチェック

↑このページのトップヘ