2025年12月

■1986529日 アルゼンチン ラ・パンパ州サンタローサ 目撃者:オスカル・アルベルト・フロレス

家の外から犬の鳴き声とブンブンいう大きな音が聞こえてきたので目を覚ましたフロレス(28歳)は、寝室の窓を開けて外を見た。すると木々の梢の上方に浮かんでいる物体があった。そこでふと振り向いた彼は、寝室のドアのところに何者かが2体立っているのを見た。

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その存在は身長8フィートほど。手は長細く、指は3本だったが真ん中の指が一番長かった。鼻、口、耳がないこともあってか、その顔は無表情だった。目は小さくて黒っぽかった。足はベッドに遮られてよく見えなかった。

その存在はピッタリした銀色の上着を着ており、アクセサリーを下げたベルト、大きいメダルのついたネックレスを身につけていた。彼らはずっと身振り手振りで何かを伝えようとしていたが、フロレスには全く意味がわからなかった。

それから彼らは、出現した時と同様に突然消え去った。フロレスはすぐ外に出たが、ボール状の物体が南を指して飛んでいくのが見えた。それから彼はこの出来事を通報するため警察署に行った。フロレスはこの遭遇体験のあと顔の皮がむけたと主張している。彼の両親、友人はいずれもこののち彼の性格が変わってしまったことに気づいた。外向的だった彼は、心配性の内向的な性格になってしまったのである。

SOURCE: Fabio Picasso, "Infrequent Types of South American Humanoids: Part 1,"Strange Magazine, no. 8 (fall 1991): pp. 21-23, 44.

 

 【コメント】Patrik Huyghe『The Field Guide To Extraterrestrials』が取り上げているエイリアンのうち中村省三『宇宙人大図鑑』がパクらなかった面々(笑)を紹介しようという企画はいちおう該当するヤツ全部載せてしまったので今回で終了です。いやはや昔はエイリアンもいろいろバリエーションがあって面白かったですね~。

ということで閑古鳥の鳴く当ブログも本年はこれで店じまいです。それでは皆様も良いお年をお迎えください。

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■1979119日 スコットランド・ロージアン地方のリビングストン 目撃者:ボブ・テイラー

目撃者は61歳の森林作業監督官。ピックアップトラックで林地に乗り入れた彼は、木々の状態をチェックすべく新しいハイウェイの近くにある空き地に向け犬を連れて歩き出した。空き地に着いたのは午前10時半ごろだったが、そこで彼は灰色をした球体が地上に浮かんでいるのを目撃した。周囲にはへり状のものがついていて、その上には小さな窓が幾つかあった。テイラーは細部をよく見ようとしたが、その物体になかなかピントが合わない感じがした。目撃者が言うには物体は自らカモフラージュをしているかのようだった。

すると突然、その乗り物からビーチボール大の物体が2つ、すごい勢いで転がり出て、ザーッというような音を立てながらテイラーの方に向かってきた。テイラーの証言によると、その「ブツ」は「機雷」のように見え、「足」が6本出ていた。「機雷」はあっという間に彼の足下まで来た。とてもキツい刺激臭がし、そこで彼は意識を失ってしまった。

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20分ほどして意識が戻ると、飼い犬が吠えているのが聞こえた。目撃者は濡れた地面に横たわった状態で、アゴはヒリヒリし、左の太ももには痒みがあった。二つの「ブツ」と物体は見当たらなかった。テイラーは脱力感と吐き気を感じ、ノドには焼けるような痛みを感じた。彼はどうにかこうにかトラックのところに戻り、無線で助けを呼ぼうとしたがつながらなかった。そこでクルマに乗っていこうとしたが、体が思うように動かなかったせいか、トラックはすぐさま泥にはまってしまった。最終的に彼はよろめきながら歩いて家に帰り着いた。出迎えた妻によれば、彼は疲れ果て汚れきった状態だった。そのズボンは引き裂かれていた。

テイラーは医師の診察を受けたが、一方で警察はこれを暴行事件とみて徹底的な犯罪捜査を開始した。現場では地面に走る線のほか、重量物が残したと考えられるギザギザ、トゲのついたボールがテイラーを「襲った」時にできた穴が見つかった。

懐疑論者の中には、テイラーは球電に遭遇したのではないかという者もいた。しかし目撃者を知る人々は、彼は誠実な人間だと証言し、これを自然現象だという説明を否定している。

SOURCE: Peter Jordan, "UFO Assault in Scotland," Fate (June 1983): pp.68-74.

【コメント】たまたま先週テレ東で放送されたモキュメンタリー『UFO山』の作中でUFO研究家がこの事件に論及するシーンがあったばかりだが、この通称「ロバート・テイラー事件」ないし「リビングストン事件」は警察が調査に入った希有な事例として有名であるらしい(ただし傷害事件の疑いなのであるが)。ついでに想像図と現地に設置されているという記念碑の銘板の写真(redditの記事より)も貼っておこう。
しかしETのイラスト集という触れ込みで刊行されたこの本にコレを掲載するのは些かムリがあるだろう。どうみても機械だろコレはwtyhtyhtr

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何年かぶりに桂花ラーメン。

ここは大学進学で上京した頃に知った店であるから、考えてみるともう半世紀近いおつき合いになる。丁度その頃とてもお世話になった人がいて、今回はその墓参りの帰りに立ち寄った。何となくセンチメンタルな気分。

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■1977127日 ケンタッキー州プロスペクト 目撃者:リー・パリッシュ

ジープを運転して帰宅する途中の午前15分、19歳の目撃者は樹木の上に火のような色をした四角いUFOがいるのを見た。それは高さ約10フィートで、幅は40フィートほどもあった。すると突然、ジープは何者かにコントロールを奪われたかのように動き出し、ラジオも音がしなくなった。パリッシュが記憶しているのは、どの時点のことかはハッキリしないが自分が無音で浮かぶUFOの下にいたこと、そしてその乗り物が飛び去っていくのを見ていたことだけだった。ふだんなら自宅には7分で着くはずだったが、実際に着いたのはそれより35分も遅い時刻だった。

やがて催眠術をうけたパリッシュは、自分がわずらっていた目の痛みがどこから来ていたのかを悟った。それはUFOを目にしたせいだった。UFOの下にあったジープは空中に吊り上げられ、クルマのドアを開けてもいないのに、パリッシュは円形で大きな部屋の中へと強制移動されていた。

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その部屋には機械のようなものが3体いた。一番大きいのは高さ20フィートほどで色は黒かった。その姿は墓石のようで、小さくてのっぺりした「頭」がついていた。「肌」はところどころザラついていたが、その他の部分は滑らかだった。関節が一つある「腕」が一本ついていたが、手はついていなかった。

一番ちいさいモノは身長6フィート弱で色は赤く、コークの自販機のように四角かった。これも手のついていない「腕」を一本持っていたが、こちらには関節はなかった。パリッシュはその存在がなんだか怯えているような気がしたが、ともかくそれはゆっくりと近寄ってきて彼の頭と肩に触れた。その際にはチクッと刺されるような冷たい感じがした。彼は後になってあれは身体検査だったのだろうと解釈するにいたった。

第三の機械体は色が白く、高さは6フィート。他のものより塊感が強かった。三角形の「頭」がついていて、「腕」は2本あったが、その腕を使ったりはしなかった。これは白くてまばゆい感じだったが、他と違って唯一音をたてた。それは歯磨きをするときの音のようだった。パリッシュは「これがこいつらのリーダーだ」という印象をもった。

それから3体は一つのものに合体した。最初に一番小さいのが白いモノの背後に回り(あるいは融合したのかもしれないが)、それから白いモノは背の高い黒い存在の背後に回り(あるいは融合して)見えなくなった。黒い存在は後ずさりしていったが、そのときパリッシュは温度が高くなっているような気がした。そのとき突然黒い存在が消失し、気づけばパリッシュはジープの中に戻っていたが、この存在たちはいつかまた接触してくるだろうという気がした。事件の調査者たちは目撃者の誠実さは折り紙付きだとしている。

なおこれと同様な「四角い搭乗者」は以前にも報告されたことがあり、一例としては19689月にブラジルで早朝に起きたUFO遭遇事件がある。

SOURCE: Carla L. Rueckert, "Kentucky Close Encounter," Flying Saucer Review 23, no. 3 (October 1977): pp. 15-16, 19.

【コメント】これは「ケンタッキー版ぬりかべ」とでも言いたい案件である(イヤこういうのはぬりかべではないという「ぬりかべ警察」の抗議はこのさい黙殺したい)。ソースは例によってFSR。短いので全3ページを以下に添付。

 

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■1975年夏 コロラド州ラ・フンタ  目撃者:ジェイミー・W 

時刻は朝の8時頃。空は鮮やかなまでに青く、雲一つなかった。ジェイミー・Wと妻はフォルクスワーゲンに乗り、ボールダーから住まいのあるコロラド州ラマーへと向かっていた。ハイウェイに他のクルマは一台も走っていなかった。するとその時、彼らは道路の左側に何かがいることに気づいた。高度350フィートのあたりに、ドーナツを引き延ばしたような形の物体があった。実際のところ彼らはその穴を通して向こう側の空を見ることができた。大きさはフットボール場の半分ほどもあって、ピカピカに磨き上げられた金属製のように見えた。

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人はクルマを路肩に停めたが、そこには有刺鉄線のフェンスがあったためそれより近くにはいけなかった。彼らはそこで物体を30分から45分ほどにわたって観察した。ジェイミーは、自分たちの見ているものが何であるかはともかく、向こう側からも自分たちは見られているという気がした。そこで彼女は心の中で「私の名前はジェイミー。この星にようこそ」と歓迎の言葉を贈った。すると突然、東のほうに白くて小さな雲が34個湧き上がって西の方に向かっていった。さらにこれとは別に巨大な雲が一つ出現し、前の方にやってきたかと思うと金属製の物体を覆ってしまった。この雲がいってしまうと、例の穴の空いた物体の姿は見えなくなっていた。それから2人は再びラマーに向けてクルマを発進させたが、奇妙なことにふだんは異常なほど騒がしいタイプのジェイミーが、この時はおそろしく落ち着いて穏やかな気持ちになっていた。

それから何年かたって、催眠術の施術を受けていたジェイミーは、当時のことを思い出した。その物体を見た途端、自分はそこまで走っていこうとしたのだったが、夫はクルマを離れるなと言った。その後のことも彼女は突然思い出した。自分はその物体の中にいて、そこで2体の存在に暖かく迎えられていた。1人は男性、もう1人は女性。見たところ彼らは「北欧系」のようだった。彼らは長身で背丈は6.5フィートほど。やせていて美しかった。髪の毛は長くブロンドで、まつげも金色だった。ジェイミーによれば、その肌は真っ白でほとんど透明に見えるほどだった。2人は青いジャンプスーツを着ていたが、男性のほうは銀色のベルトをしていた。

ジェイミーはその船を立ち去りたくはなかったが、あなたはもう行かねばなりませんと言われた。すると突然、彼女は自分がクルマの中に戻っているのに気づいたが、「彼らの平和のメッセージを伝えねば」という思いを固めていたという。

SOURCE: Interview by tht author, July 10, 1987. Laramie, Wyoming.

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■19741027日  イングランド・エセックス州アヴェリー 目撃者:ジョン・デイ、スー・デイ夫妻とその子供たち(ケヴィン、カレン、スチュアート)

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デイ家の人々は親戚の家からクルマで帰宅する途中だった。子供二人は後部座席で寝ており、もう一人の子供で最年長のケヴィンはラジオを聴いていた。そのとき、青くて楕円形をした光が現れたことに彼らは気づいた。それは最初クルマと一緒に動いてきたが、それから前方へと回り込んだ。時間は午後1010分。場所は家の近くだった。その光体は道路右側の丈の高い茂みの向こうへと消えた。

しかし一家は突如ただならぬ事態が起きていることに気づいた。クルマが立てていたエンジン音は止まり、ラジオはパチパチいう音をたてながら煙を上げ始めた。さらに彼らは前方の路上に緑色をした霧が塊状になっているのを目にしたが、その直後にヘッドライトは消えた。クルマはガタゴトと動き出して霧の中へと入っていくように見えたが、一瞬音が絶えて寒くなったかと思うと、クルマは霧の外へと出ていた。数分後、彼らは自宅に着いた。しかし時間は午前1時で、到着しているべき時刻からはほとんど3時間ほども遅れていた。

3年後に催眠術の施術を受けた際、ジョン・デイは、緑色の霧に包まれてからのことを思い出した。一家とそのクルマは、円柱状の光で乗り物の中へと運び上げられた。そこで彼らは、身長4フィートほどでゆったりとしたガウンを着た生物2体に身体検査をされた。その生物たちは首がなく少し前屈みで、目は三角形。大きな耳は先が尖っていて、顔は動物のようだった。体のみえる部分は短い毛で覆われており、手にはかぎ爪状の指が4本あった。その生物たちは時折チューチューいう音を立てた。

この生物たちは同乗していた別の種族に隷従しているようだったが、その種族というのは身長6.5フィートほどで、頭をフードですっぽりと覆い、両手も全部隠れる衣服を着ていた。その口と耳は見えなかったが、唯一目がピンク色をしていることを除けば見た目はほとんど人間と変わらなかった。この背の高い方が全体を支配しているということらしく、ジョンとスーに三層になっている乗り物の内部を案内した。そうやって中を回っている最中、彼らはこの船の推進システムについても説明をした。彼らはさらにホログラフィの映像も見せてくれたが、そこには汚染によってこのエイリアンたちの母星が破壊された様子も描かれていた。

 一家とそのクルマは、彼らが掠われた場所から半マイルほど離れたところに戻された。この一家の人たちは、遭遇体験から数ヶ月のうちに性格が大きく変わってしまったとも言われている。

SOURCE: Andrew Collins, "The Aveley Abduction," Flying Saucer Review 23, no. 6 (April 1 978): pp. 13-25; 24, no.1 (June 1978): pp. 5-15.

 

【コメント】これはイングランドでも有数のアブダクション事件で「アヴェリー事件」と称されているらしい。ソースに挙げられている「Flying Saucer Review」の記事は2号連続でなかなか読み応えがある。ここには両号の記事冒頭のページと、添付されていたエイリアンのイラストを貼りつけておこう。
 なお、FSRの記事だとこの夫妻は「John & Elaine Avis」となっているのだが、これはプライバシー保護のため使われた仮名で、この本に記載された「John & Sue Day」が正しいということのようだ(ちなみに子供の名前はKevin、Karen、Stuartでともに一致している)
 しかしこの毛だらけモンスター、ナリはゴツいけれども体ちっこいし三下扱いされとるしちょっと侘しい。

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■1973年もしくは74年の或る金曜日 メリーランド州クックスビル 目撃者:マイク・シア
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或る金曜日、ボルチモア大学で法学の講義に出たあと、午後7時に友人と会う約束のあった目撃者はオルニーへと向かっていた。ボルチモアを出発して15マイルほど行った辺りで左側を見やったシアは、自分のクルマから150フィートほど離れたところにある納屋にビーム状の光が当たるのを見た。空中には巨大な物体が浮かんでおり、その周囲には赤と黄色に交互に色を変えるリングがついていた。それはベトナムから復員してきた彼にとっても未だかつて目にしたことがないものだった。クルマの窓は開いていたが、音は全く聞こえなかった。

やがて光線は消えたが、シアは怖くなってきた。何かが背後から近づいてくるように思われたからである。すると突然、その物体が頭上にやってきたのを目にした彼は、背骨に電気が走るのを感じた。それからふと気がつくとクルマはオルニーに向けて走行しており、気分はすっかり落ち着いていた。約束していたバーに行ってみると、友人はいなかった。バーテンダーの話では、彼の友人はたしかに午後7時には来ていたということだった。シアは時計を見上げた。時刻は午後9時だった。

10年後、ワシントン州で法律家になっていた彼は、この失われた時間に関してずっと抱いてきた不安や恐怖を何とかしようと催眠術を受けることにした。アブダクションの研究家、バド・ホプキンス立ち会いのもと行われた退行催眠の最中、彼は恐怖のあまりその物体をよく見られなかったことを思い出した。彼はクルマを走らせ続けたが、そこで道路の脇に4体の人間がいるのを目にした。しかし、実際には彼らは人間ではなかった。

その生物はプラスチック製の鎧のような黒い服を着ていた。顔は黒かった。ヘルメットをかぶっているように見えたが、その真ん中にはラインが入っていた。見た目はバッタのようで、腕は長く、脚はサルのそれのように曲がっていた。4体のうち3体はかなり背丈が高かった。残る1体は小さく、前面にジッパーのついた黒いシルク製のような服を着ていた。この1体は他よりかなり年かさであるように見えた。

目撃者は、クルマを降りた時に上方から奇妙な光を浴びたことも思い出した。その乗り物は近いところにいたが、ヒューンというような小さい音を立てていた。いや、実際には乗り物は二つあった。地上に降りていた小さいものと、空中に浮かんでいた大きいものである。
それからシアはその乗り物の一方に入り、テーブルに載せられて検査を受けた。様々な試料が彼の身体から採取された。

SOURCE: Gary Smith, Unspeakable Secret, " Washington Post Magazine (3 January 1988) : pp. 12-19.

【コメント】イラストはアリみたいになっているが、ヘルメットをかぶっているし見かけはバッタのようだったというからむしろ「仮面ライダー」風だったのではなかろうか。もっとも「脚はサルのそれのように曲がっていた」というから要するにガニ股だったのである。ダサい仮面ライダーである。
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1967112日 アイダホ州リリー 目撃者:ガイ・トッシー、ウィル・ビゲイ

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午後9時半ごろ、リリー郊外のハイウェイをクルマで走行中だったナバホインディアンの若者2人は、前方に突然目もくらむような閃光が走ったのをみて驚愕した。これに続いて、幅8フィートほどのドーム型の円盤が突然出現した。そのへりの部分には緑とオレンジ色の光が点滅していた。クルマを停めると、その物体は路上5フィートのあたりに浮き上がっており、一帯を緑色の光で照らした。

透明になったドーム部分からは、背の低い搭乗員2人の姿が見えた。ドーム部分が開くと、うち1人は漂うようにして地面に降りてきた。背丈は3.5フィートほどで、何かを背負っていたが、それは毛のない頭の後ろ側に突き出ていた。楕円形をした顔はシワシワで、耳は大きく高い位置にあった。目は丸くて小さく、口は裂け目のようだった。深い傷が刻まれたような顔に鼻は見当たらなかった。

そのエンティティはクルマに近づき、運転手側のドアを開けて中に入り込んできたので、若者2人はクルマの右側へと体をよけた。それからクルマは、前方数フィートのところに止まっていた物体との距離を保ったまま動き出し(ないしは引っ張られて)、小麦畑の中まで入っていった。クルマが停止してから、トッシーはドアを開けて四分の一マイルほど先の農家に駆け込んだ。その後を、おそらくはもう一体のオキュパントが発していると思われる強い光が追いかけてきた。その間、ビゲイのほうは座席で身を縮めていたのだが、そのエンティティは意味はわからないものの鳥の声のような音をたてて彼に話しかけてきた。二体目のエンティティがクルマのところに戻ってくると、車内にいたエンティティも外に出た。二体はそれからフワリと浮かび上がって物体の中へと入っていった。物体はジグザグの航跡を残して飛び上がり、姿を消した。

 トッシーはあまりの恐怖に農家の人々に話をするのすら困難な状態だった。一家の人々はトッシーをともなって畑に行ってみたが、そこで目を閉じた状態のビゲイがショックのあまり言葉も発することができずにクルマの座席に座っているのを発見した。車のライトは点灯しており、エンジンはかかったままだった。若者2人はこの出来事を保安官代理に通報し、州警察が調査を行った。周辺では他にも光を見たという人がおり、またその晩、理由は不明ながら家畜の牛が突然逃げ出したと報告する農家もいた。

 SOURCE: Richard Hall, Ted Bloecher, and Isabel Davis, UFOs: A New Look (Washington, D.C.: NICAP, 1969).

【コメント】キバこそはえてないがシワッシワの顔は甲府事件をホーフツさせて興味深い😃

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19516月 米国 目撃者:フレッド・リーガン

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目撃者の証言によれば、彼は軽飛行機のパイパーカブで飛行中、ブルブルと脈動しているひし形のUFOに衝突された。パラシュートの装備がなかったリーガンは破壊された機体ともども空中を落下していったのだが、そこでリーガンは、彼自身の言葉でいえば「ネバネバまとわりつく力」によって上方に引っ張り上げられているような感覚をおぼえ始めた。そして、気がついた時には、彼はそのUFOの中に引き込まれていた。

その中にはリーガンのほかに小さくてキラキラ光るものが複数いた。彼によれば、それらは丈が3フィートほどで、「巨大な金属製アスパラガスの茎」のようだった。その存在はどういうわけか英語で彼に話しかけてきて、事故を起こしたことについて謝ったという。それから彼らはリーガンに医学検査を行い、その結果彼がガンを患っていることがわかったので、迷惑をかけた代償ということでガンを除去してくれた。それから彼らは、飛行機の残骸がある場所からほど近い農地へとリーガンを置いていった。意識はなかったが、リーガンにケガなどは全くなかった。ここで付言しておくべきことがある。数千フィート落下したエンジンは地表下6フィートのところにまでめりこんでいたのである。

それから1年もたたない19525月、リーガンはジョージア州立精神病院で死亡した。新聞報道によれば、死因は「極度の放射線に起因する脳組織の変性」であった。

リーガンのこの奇妙な物語は、イギリスの雑誌「フライング・ソーサー・レビュー」の編集者のファイルの中に10年以上も眠っていた。しかし、1950年代にはあまりにも荒唐無稽で空想的に思われていたこの証言も、1960年代後半にはこの種の報告にしばしばみられるようになった数多くの要素を備えているが故に、むしろ予言的な響きを帯びるようになった。

SOURCE: Gordon Creighton, "Healing from UFOs," Flying Saucer Review 15, no.5. (September-October 1969) : pp. 20-21.


文書名 _FSR 1969 V 15 N 5_R
 

【おまけ】ソースとして挙げられている「フライング・ソーサー・レビュー」の記事の最初のページ。宇宙人による「治癒事例」をまとめているが、中には「X博士事件」「バック・ネルソン事件」「ワニに噛まれた警官のケガが治った事件(キール『UFO超地球人説』参照)」などかなりの著名事例が含まれている。以前「UFO手帖」に「X博士事件」について記事を書いたことがあるが、その時に気づいてれば良かったw


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■1951515日 オーストリア・ザルツブルク 目撃者:匿名

オーストリアに駐留していた或る米軍兵士が仕事を終えて午後11時に帰宅する中、奇妙なものが茂みの後ろから出てきて、カチカチいう音を立てる鉛筆型の装置で彼を麻痺させた。

 そのエンティティは彼より背が低く、肌は白色をしていて、透明なヘルメットと鈍く光る銀色の服を身につけていた。胴体はブリキ缶のような形で、両足は体に釣り合った長さであったが、両腕は人間のそれより短く、長い指は三本しかなかった。大きな頭は円柱状で髪の毛はなく、おでこはとても広かった。その目は大きくハエの複眼のようで、耳と鼻は単なる穴だけ。口のところには細い切れ目があった。 

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そのエンティティは兵士の胸の部分に黒くて四角いプレートを取り付けた。すると彼の体は軽くなってしまったようで、そのヒューマノイドは苦も無く彼を引っ張り、近くに着陸していた大きな乗り物へと連れていった。それは円形をしていて直径は150フィートほどだった。宙に浮かび上がった兵士は乗り物のてっぺん部分へと運ばれ、そこに開いたドアから薄暗い内部に入った。

乗り物の壁は透明だったので、離陸した後、壁越しに星々を見ることができた。それは月の横を通ってさらに飛び続け、ある惑星へと向かった。兵士はそれを火星だと思ったという。乗り物は地表に据えられた発着台に降りた。そこには同じような円盤型の乗り物がたくさんあった。ヒューマノイドは宙を漂いながら地面に降り立ったが、兵士はその時、辺りに同じようなエンティティが何体かいいること、そして二つの乗り物には人間が乗っているのにも気づいたが、その人たちは兵士の存在には気づいていないようだった。

 そのエンティティから外から戻ってくると乗り物は離陸し、地球へと戻ってきた。兵士は連れ込まれた時と同じように、鉛筆型の装置と黒くて四角いプレートを用いて外に連れ出された。そのエンティティは鉛筆型の装置を兵士に向けてカチカチと音をさせてから胸のプレートを外し、乗り物に乗って去って行った。家に戻った兵士は、都合1時間が経過していたことに気づいた。

195712月、自らの不気味な体験を誰かに話してスッキリしたいと考えた兵士は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州プリンス・ジョージの新聞社「ザ・シチズン」を訪れて、詳細を記者に話した。ウソを言うような人間には見えないと思いながらも記者は幾つかひっかけの質問をしてみたのだが、兵士の話に矛盾は見つけられなかった。兵士が遭遇した存在や、こうした異世界への旅についてのストーリーは、こののち10年以上を経て人々に知れ渡ることになるUFO体験談と驚くほどよく似ていた。

SOURCE: Charles Bowen, "Fantasy or Truth? A New Look at an Old Contact Claim, - Flying Saucer Review 13, no. 4 (July·August 1967): pp. 11-14.


【おまけ】ソースとなったFSR記事の最初のページも貼りつけておこう。
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 中村省三『宇宙人大図鑑』のネタ本になったと思われるPatrik Huyghe『The Field Guide To Extraterrestrials』(1996)については当ブログでも何度か触れているが、同書はこれまでに目撃されてきた様々なエイリアンをイラスト入りで紹介している本で、各事案が見開き2頁にまとめられているから読むのもそんなに苦にならない。加えて言えば、年を追うごとに「リトルグレイ」のような画一的で陳腐なエイリアンイメージが幅をきかせてきた現代にあって、バラエティ豊かなそのラインアップには一服の清涼剤の趣もある。たまにパラパラッとめくると新鮮でなかなかよろしい。

 ということで、この本で紹介されているエイリアンのうち、『宇宙人大図鑑』では何故か割愛されていたヤツらを紹介してみるのも面白いかと思い立った。実は同様の狙いで「モアイ男事件」(オレが勝手にそう命名したのである)について書いたことがあったのだが、今回はいわばその姉妹編ということになる。当ブログは恒常的にネタ切れなので、ひょっとしたら連載みたいにしばらく続けるかもしらん。わからんけど。



■1986年1125日 カリフォルニア州ローダイ 目撃者:H.G.ショー大佐ならびにカミール・スプーナー

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エイリアンによる誘拐といった話が一般に広く知られるようになるほぼ1世紀も前に、シャー大佐とその友人は、乗り物に乗ってやってきたエイリアンとおぼしきものたちに誘拐されかかった。ショーはフレズノで開かれる博覧会で展示をするため準備作業に取りかかっていたのだが(注:ココは今ひとつ意味がわかんない)、彼とスプーナーはその日、馬車でストックトンへと向かっていた。それは午後も遅い時間のことであったが、馬は突然怯えて動けなくなった。2人が顔を上げると、そこには小さくて華奢な手をした、背の高い3人組がいた。髪の毛はなかったが、皮膚にはフワフワした柔らかそうな産毛が生えていた。目は大きく、逆にその口と耳は小さかった。目撃者たちの証言によれば、彼らは「奇妙なほどに美しかった」。

 この存在はそれぞれに吸い口のついた袋を持っており、呼吸をするかのようにこれを自らの口に運んでいた。彼らは明るく光る卵型のランプも手にしていた。互いのコミュニケーションは、「単調な旋律」を口ずさむようにして取っているようだった。目撃者たちの話によれば、その連中は自分たちを掠おうとしたのだが、その生物はあまりに軽量だったため2人を運ぶことができなかったのだという。

 その存在が手にしたライトを近くの橋の方に向けると、そこには水上に浮かんでいる葉巻型の乗り物の姿があった。その存在は体をユラユラ揺らしつつ地面から浮き上がり、その乗り物のほうへと戻っていった。空中に飛び上がった彼らは乗り物の側面のドアから中へと滑り込んだ。物体は飛び去った。ショーはこの存在は火星から来たのだと確信していた。

ソース:Jenny Randles, Alien Contacts and Abductions (New York: Sterling, 1994)
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 UFOとは何だ――そんな思いを胸に日々エンバンの研究調査に励んでいる斯界の猛者たちが一堂に集い、その成果を披瀝する「UFOコンベンション(仮)」が去る12月6日、横浜市内で開催された。都合3時間半にわたって行われたこのイベントとは如何なるものであったか。今回のコンベンションに参加する機会を得たのを奇貨とし、日本のユーフォロジー史における2025年冬の一エピソードを後世に伝えるべく、その概略を以下にレポートしたい。(文責・花田英次郎。長文注意)
 
 
 土曜日の午後3時過ぎ。会場は横浜・関内駅からほど近いビルの4階。エレベーターで上がってドアを開けば、そこは「不良メイド喫茶・Bar黒月」。いわゆるコンカフェだ。黒を基調としたダークな内装にパープル系の照明。ゴシックテイスト満載である。「世界の終末期に不良たちが集うたまり場」というのが店のコンセプトらしく、おどろおどろしさが漂うのも道理。細長い店内には奥まで伸びた長いカウンター。辺りを見回せば右手には音響機材も置かれていて、ちょっとしたライブも可能な店と見える。察するところ「怪しさ漂う空間こそUFOイベントにふさわしい」ということで選ばれたスペースなのだろう。最終的に集まったのはザッと20人。店内はかなりの過密状態で満員札止めといったところだ。

 しかしそもそもこの怪しい催しは何なのか。本稿ではまずはその辺りを説明したいと思うのだが、今回の企画の主はUFO・超常ライターとしてwebムーなどで健筆を振るっているオオタケン氏。小生はオオタ氏とはUFO同人誌「UFO手帖」の執筆者仲間ということでかねて面識を得ていたのだが、このオオタ氏、何の拍子であったか、或る日UFOコンベンション(仮)というイベントの構想をぶち上げた。

 ちなみにUFOコンベンションというのは、アメリカあたりではでっかいホテルを借り切ったりしてしばしば開催されている催しらしいのだが、要するに各地のUFOファンが集まって研究発表をしたり(たぶん酒とか飲んでw)交流したりするおまつりみたいなものである。対して日本はどうかといえば、この種の催し、UFO冬の時代が長きにわたって続いたこともあるのだろうが、UFO事件をネタに地元JCあたりが一枚噛んで地域おこし的なノリで開かれるようなモノを除けばそうそうあるものではない。

 そもそも世間的にみてUFOファンというのは超少数派だ。こういうマイナー趣味をもつ人種には共通の悩みだと思うのだが、ネットでのやりとりとかはできるにしても、同好の士が顔を合わせることのできる場というのはあまりない。これはなかなか寂しいものがある。でもさぁ、やっぱり日本でもコンベンションみたいなのやって、ちょっと盛り上がってみたいよネ。そういうことでこういうことになった………のだと思う。たぶん。

 かくて、今回と同じ「不良メイド喫茶・Bar黒月」で記念すべき第一回「UFOコンベンション(仮)」が開催されたのは、今を遡ること半年あまり前の本年5月3日。第一回のイベントは「オレにもUFOを語らせろ!」と名乗りを上げた人たちが研究発表やら話芸を披露したりして大変盛り上がったと聞く。なんで「聞く」なのかというと小生は都合が悪くて参加ができなかったのである。何とも残念だったが、それがこの12月にも第二回が開かれるという話になった。行こうかな。イヤこれは行かねばならないだろ。ということで参加申込みをして興味津々、というか欣喜雀躍で出かけていったのがこの日だったのである。
    【注】ここで「いやしかしその(仮)ってついてるのは何なんだよ?」というツッコミは当然想定されるのであらかじめ言っておくと、最初はカッコいい正式名称をつける予定だったのだがグッドアイデアもなかったのでそのまんま「UFOコンベンション(仮)」が呼称になっているという経緯があるようだ。今後どうなるかは知りません

 さていよいよ予定の3時半になって開幕である。この「UFOコンベンション(仮)」は、発表者が20分ぐらいの時間を与えられて順番に演壇に立つスタイルで進められる。店内には発表者の用意した映像・画像を映し出すことのできるプロジェクターがあってその辺も抜かりはない(実際は時々接続が切れるトラブルが発生したけどもw)。お店が会場なので注文すれば飲食もできる。ビールなんか飲みながら楽しみましょうやという趣向である。

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 発表者は計7人。それぞれにキャラが立っていてスゲー面白かった。ということで、以下では順にその内容を要約紹介していこうと思うのだが、これから研究の成果をまとまったカタチで世に出す予定の方もいるようなのであんまり細かく説明するとネタバレになりかねない。そういうこともあるのでここでは敢えて評者なりの意訳を施すなどしつつスゲー雑な要約をしていきたい。あまりにも雑すぎる表現があったり発表者の意図を越えた過剰解釈や曲解をしている可能性もあるが、そのへんはカンベンしていただきたい。ちょっとビールも入ってたしな(笑)。
 *なお発表タイトルはちゃんとメモしてなかったのでテキトーである。発表者の敬称は省略した



■秋月朗芳 UAPはLLM(生成AI)なのか

・宇宙人は「高度なテクノロジーを持っているから頭が良い」と考えられがちだ。しかし、宇宙人は「私は犬が欲しいだけなんだ」などと目撃者にトンチンカンなことを話すケースがあまりに多い。宇宙人は本当は頭が良くないのではないか。実際のところ宇宙人は頭が良くなくても大丈夫なのだ。何故か。
・生命というのは不安定な環境にあっては環境を何とかコントロールしようとする。その局面では頭は良くないといけない。しかしいったんどんな環境にも適応できるようになってしまえばどうか。「頭の良さ」は必要なくなる可能性がある。
・一方で、最近はUFOの世界でも「宇宙人」の代わりにNHI(Non Human Intelligence。非人間知性体ぐらいの意)という表現が用いられることが多くなってきたが、この言葉には近年のLLM(生成AI)とダブって見えるところがある。というのも、LLMは多数の「薄い知性」が一斉に動くことで「濃い知性」のように振る舞えるけれども「意味」を理解しているわけではなく、それらしい応答ができるだけに過ぎない。さて、ここで話は前段の「宇宙人がトンチンカンなことを言う問題」とつながってくる。このLLMとNHIが同じ構造をもっているのだとしたら宇宙人改めNHIがトンチンカンなことを言うのも当然ではないか。こうした考え方は、おそらくこれからUFO問題の新たな切り口になっていくことだろう。

【寸評】いかにも同人誌「UFO手帖」の編集長らしいチャレンジングな提言である。我々は宇宙人というとついつい「人間のようなもの」を頭に浮かべてしまうけれども、アイツらはむしろ一種生成AIのお仲間みたいなものとして理解したほうが良くないかというのである。
 余談ながらUFO研究のレジェンド、ジャック・ヴァレもエイリアンの不条理なふるまいにはその著書で再三触れており、彼の思想においてabsurdity(不条理、バカバカしさ)は一つのキーワードになっているほどだ。その意味を解く一つのカギがここには示されている。



■おかゆう  介良事件レポート2025

・高知市介良で1972年、地域の中学生たちによって「円盤」が捕獲されたというのが介良事件である。この事件については最近、「円盤の正体は灰皿」という説が出てきている。しかし、それが本当なら何故田んぼに灰皿が落ちていたのか? 実はその2年前の1970年8月、台風10号の被害で一帯の田んぼに鍋・釜など産廃処理場のゴミが流出するという出来事があり、これは新聞にも報じられている。ゴミは翌年片づけられたというが、田んぼにはこのとき回収されなかった灰皿が残されていたのではないか?
・2022年には現地取材に行ったが、この時も面白い話を聞くことができた。円盤出現現場近くに住んでいた人からは、その当時「光の柱」が辺りに降りてきたのを目撃したという証言を得られた。また別の人から聞いた話では、事件後に発見者たちの中学校の修学旅行があったのだが、その際に撮った集合写真には、或る人物の顔の辺りに白いものが映っていたため「UFOが修学旅行についてきた!」という話が広まったのだそうだ。

【寸評】小生はおかゆう氏と面識はなく今回も残念ながらお話はできなかったのだが、検索すると月刊ムー、webムー、アトラスニュース、トカナなどに寄稿しているオカルトライターとのことで、NHK「 幻解!超常ファイル」にも出演されたというから大物である。このたびの発表では介良事件「灰皿」説に思わぬ方向から光を当てていたから「そう来ますか~!」とすっかり感心してしまった。「灰皿があったんなら代掻きした時とかに見つかるンじゃね?」といった気もしないではないが、とにかくいくら昔の事件であっても現地取材を辞さず、スキあらば新事実を掘り出そうという姿勢は実に頼もしい。皆さんもこういう方を見習ってください。



■島村ゆに 天河神社のはなし

・平成2年頃の話。ニューエイジ系にハマっている友人がいて、そのころ話題になっていた奈良県の天河神社にクルマで一緒に行くことになった。着いたのは朝の5時半ごろ。駐車場で仮眠することにした。星空がキレイだったが、目をつぶっても何故か星が見えた。神社裏には3本の木が立っていたのだが、そこに上から何か降ってきて、木の周りをまわりながら降りてくるのが見えた。それからカーンという鐘の音がし、頭に仏像のイメージが浮かんだ。目を開けてみたらもう何も見えなかった。
・その後にも、同じように天河神社に行ったことがある。やはり朝5時半に着いて仮眠を取ろうとしたのだが、その時も目をつぶっているのに星空が見えた。「前にもあったな」と思っていると突然地響きの音がし、さらに丸、三角、四角等々の大きなUFOが何十機も飛んできた。そのときクルマの下に小石がコンコンと当たる音がした。次いで「ニャー」というネコの声がした。そこで怪異は終わった。
・さらにその後の話。岐阜県の実家にバスで帰ってきた時、バス停を降りて歩いていると「上から頭部を見られている」という視線を感じた。見上げると白い点が空を移動していた。各務原や小牧離発着の航空機とは明らかにルートが違う。「UFOなら分かるように飛んでください!」と願うと、カクカクっと動いたので「やったー!」と思った。以来、UFOは見ていない。

【寸評】島村氏はいわゆる霊的な能力者で、宇宙人との交信――つまり世に言うところのチャネリングを試みようとしたところ何故か頼んでもいない天使が現れてしまい、志を果たせなかった(笑)という愉快なエピソードをお持ちの方である。いずれ「見えない」人間としては羨ましい限りであるが、このたびの体験談でも一見何でもない「ネコの声」といった細部が逆にリアリティを感じさせる。UFOと超常現象との連関はヴァレも盛んに言っていたところであり重要な証言である。



■ザクレスホビー UFO事件現場を調査していてYouTubeに出していない話

・国内の主要UFO事件の現場を訪れてYouTubeで報告する活動をしているが、今回は未報告の3件を紹介。
①1977年1月3日 琵琶湖のアブダクション
 琵琶湖大橋を渡っていたクルマが白い光に包まれ、気がついたと思ったらクルマは止まりガソリンは空になっていた。後日退行催眠でアブダクション記憶が蘇った。
②1974年 大阪のコンタクティ光線治療
 宇宙人とコンタクトするようになった女性が生駒山の麓まで病人を連れていき、光線を浴びせて治癒してもらった。
③1976年3月13日 奈良三郷町の宇宙人目撃
 9歳の少年が土曜日に帰宅した後、何故か山にいってみたくなり、そこで宇宙人と出会う。現場は信貴山と思われる。なお同町には2024年に不審火で焼けた「大宇宙教」なる宗教の施設があった。

【寸評】ザクレス氏は宇宙人フィギュアの製作から始まって甲府事件など国内重大事件の調査にまで精力的に取り組み、YouTubeでその成果を発信している方なのでご承知の方も多かろう。今回のコンベンションでは現地調査はしたけれどもまだ配信に至っていないという事例を紹介いただいた。そんな事情もあるので細部は略すが、ともかく現場に行って現場の特定やら痕跡の発見に相務めるというのはなかなかできることではなく、先のおかゆう氏ともども尊敬せざるを得ない。調査の詳細については今後の配信を待ちましょう。



■比嘉光太郎 天宮清さんのドキュメンタリー

・元CBA(宇宙友好協会)のメンバーで、UFO研究家でもある天宮清さんのドキュメンタリーを現在鋭意制作中。6月24日にご自宅を訪ねた時の映像を見てもらいながら説明する(以下映像の内容)。

▼天宮氏自宅を訪問。玄関先には巨大な書棚が据え付けられており、上から下までUFO本と資料類がビッシリと並ぶ(聴衆からは圧倒的なUFO本のボリュームに「おぉ!」と感歎の声)
▼クルマで野外へ。UFOにまつわる「CBA流の儀式」を執り行う(聴衆からは思わぬ展開に再び驚嘆の声)
▼天宮氏がよく見る夢を描いたというイラストを紹介

【寸評】UFOファンといえばジジイとババアばっかりという現代にあって、比嘉氏は「この方面に関心がある」という今どき珍しい奇特な若者である。UFO含めた超常方面の映画制作だとか事例の収集、奇譚の語り部みたいなこともしておられるようだが、そうした活動の一環として撮っているのがこの「天宮清さんのドキュメンタリー」だという。
 天宮氏についてはご存じの方も多かろうが、かつて国内に存在した伝説の団体CBA(宇宙友好協会)で若い頃から活動し、同会が雲散霧消した今も齢八十歳を越えてなお奈良県でUFO研究家として活動しているレジェンドである。特にナゾ多き団体であるCBAの生き証人ということもあり、そういう意味では比嘉氏のドキュメンタリーからは何が飛び出すか、ちょっとコレは楽しみでならない。じっさい今回流された映像は実にマニア心をくすぐるものであった。やがて公開される作品のネタバレになってはイカンのでそこは説明するのを自粛するが期待は高まるばかりである。



■有江富夫 CBAについて

・CBA(宇宙友好協会)の中心人物だった松村雄亮の生涯についての解説。
・戦前満州にいた松村は戦後十代で帰国。1956年にFSRG-J(空飛ぶ円盤研究グループ)を設立。57年には自宅上空で「日本初」とされるUFO写真を撮影。同年CBA創設。
・1960年に「リンゴ送れ、C」事件。61年には松村にとって代わるカタチで久保田八郎、次いで小川定時がそれぞれ短期間CBAのリーダとなるも松村は62年に復権。ここからCBAの活動は活性化。北海道・平取町でいわゆるハヨピラのピラミッド建設など進める。
・没年は2000年とされるが詳細不明。

【寸評】有江氏は、実は1970年代から息長く活動してきた古参研究家である(ただし有江富夫というのはユーエフオーをもじったハンドルネームなので、この名前でググっても当時のことはわからない。ご興味のある方はどうにかして実名を突きとめて自分で調べてくださいw)。そうしたキャリアもあって古今の膨大なUFO資料を収集されているらしく日本UFO史の生き字引のような方である。
 今回はCBAのリーダーであった松村雄亮の事績をたどる講義で奇しくも先の比嘉氏の発表と部分的にダブるものとなったが、如何せん時間が20分では全然足りず、途中全部すっ飛ばしながらも時間切れのようなカタチになった。ちゃんと語っていただくには3時間ぐらい必要なのではないか。
 発表の要旨といっても文字にすると上記のような無味乾燥な感じになってしまうのだが、現場で聞いていると話の随所に様々な伏線が張り巡らされている感があり、とりわけ松村をめぐるミステリーがチラチラと出てくる辺りは十分に刺激的だった。帝大出など高学歴揃いのCBA創立メンバーの中で、誇れるような学歴などない松村がトップに立てたのは何故か。CBAと新宗教『生長の家』との関係は如何なるものだったのか。松村とCBAのスポンサーになった資生堂の森浩樹を結んだものは何だったのか等々。いっそ松村雄亮の評伝でも書いていただければ嬉しいのだが・・・



■オオタケン UFOと酒

・外国ではエイリアンやUFOをモチーフにしたクラフトビールが多くあったりして、実はビールとUFOは相性がたいへんよろしい。
・例えば、1965年には米フロリダでジョン・リーブスという人物がロボット風の宇宙人と遭遇し、のち金星などに連れていってもらうという事件があったが、彼の住んでいた場所には今ではクラフトビールのブリュワリーができていて、その縁で毎年UFOの記念イベントを開催したりしている。
・アメリカのクラフトビールというのはヒッピー・ムーブメントの自然志向の流れを受けて作られ始めた面があるのだが、そもそもヒッピー・ムーブメントというのは非日常の重視という点でUFOにも親和性がある。こうしてビールとUFOの関係ができてきたということもあるのだろう。
・ワインにも、ラベルに葉巻型円盤が描かれたカリフォルニア産の「ル・シガール・ボラン」というのがある。フランスには1954年のUFOウェーブを機に「UFOの飛来まかりならん」という冗談条例を作ったシャトーヌフ・デュ・パプなる自治体があるのだが、ここはワインの産地だった。そこでこの故事にちなんで、アメリカのボニー・ドゥーン・ヴィンヤードが作ったのがこの「ル・シガール・ボラン」である(と言いつつこのワインの現物を取り出す)。言ってみれば、このワインを作ったのフランスでのUFOウェーブであったのだ。

【寸評】最後を締めるかたちで登壇したのはイベントの主催者でもあるオオタ氏である。むかし「酒とバラの日々」という映画があったが、これはいわば「酒とUFOの日々」とでも言うべき蘊蓄ストーリー。酒を供するコンカフェで披露するには格好のネタであり、オオタ氏のセンスが光る。



 といった感じで今回のイベントは無事終了した。これがUFO者にとっては実に愉快な催しであったことは言うまでもない。粉骨砕身、イベントを企画していただいたオオタ氏には本当に感謝の言葉しかない。ホンマにありがとうございました。

 氏によればこのUFOコンは今後も毎年5月、12月の年2回といった感じで続けていきたいそうだ。こういう機会があれば「入魂のUFO研究をゼヒ世に知らしめたい」という志ある人たちの登場も期待できるだろうし、もはや期待しかない。我々UFOファンとしては次回開催のアナウンスを首を長くして待つことにしよう! (おわり)





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前回のエントリーで『昭和オカルト前史研究読本』を紹介したのに続き、今回はこれと同時期に買った秋月朗芳著『さみしいUFO』(UFO手帖出版)の感想文を書いてみよう。


さみしいUFO: Cry for Flying Saucer (UFO手帖BLUEBOOKS)
秋月朗芳
Independently published
2025-11-07



今年の花田英次郎賞UFO本部門(笑)は該当作ナシというのは先に述べた通りであるが、今年11月に出た『さみしいUFO』というのは、実は或る意味その有力候補になってもおかしくない一冊であった。

本書はアマゾンのKindle ダイレクト・パブリッシングで販売されていてフツーの商業出版ではないンだけれども、改めて読んでみると実にユニークで面白い。ただし本作に賞をあげてしまいますとちょっと内輪ボメみたいな感じになってしまってあんまりよくない事情がある。

どういうことかと言いますと、著者の秋月氏はUFO愛が昂じたあまり20年ほど前からほぼ毎年のように編集長としてUFO同人誌を刊行してきたという在野の熱血UFO研究家であり、国内のUFOシーンにあって知る人ぞ知る人物なのだが、たまさかオレは縁あってその同人誌「UFO手帖」に何度か寄稿をしたことがある。そんな立場でありながら賞をアゲてしまいますとインディー系UFO問題評論家(笑)としてのコケンにかかわる。それで贈賞は見送ったのであるが(オオゲサダナ)それはそれとして多くの人の手に渡ってほしい本ではある。過疎ブロガーの分際でスマンけれども、そんなワケで今回はこの本を取り上げさせていただくことにした。

さて、バカ話は切り上げてそろそろ本題に入ろう。この『さみしいUFO』という本の成り立ちであるが、上述のようなキャリアをもつ秋月氏はどうやら従来の雑誌スタイルとは違うUFO本シリーズを定期的に刊行していきたいというアイデアをお持ちだったようで、これまで毎年出してきた同人誌「UFO手帖」はお休みし、書籍シリーズ第一弾として今秋刊行したのがこの本ということになる(表紙には「UFO手帖BLUEBOOKS 1⃣」 とあるからたぶん今後も続くのだろう)。「まえがき」にあるように実は2018年に氏が薄い冊子として出版した「さみしいUFO。」がベースになっているのだがだいぶ加筆・改訂がなされているようだし「UFO手帖」などに発表した文章も加えられた構成なので、既に冊子版を読んだ方でも楽しめるだろう。先日開かれた「文学フリマ東京」でも頒布されていたが上述の如く現在はアマゾンで販売されているから買う側としても大変お求めやすい。イロイロな意味で要注目の一冊なのだ。

で、この本がどういうものかをひと言でいってしまえば「UFOエッセイ」ということになる。系統としては大槻ケンヂがたまに書いてるようなヤツである。全部で22編。文中には「モーリー島事件」「ジョー・シモントン事件」といった事件も出てくれば、美麗UFO写真で知られたポール・ヴィラや宇宙人との間に子を成してしまった(と言い張った)エリザベス・クラーラーとか玄人受けしそうな面々も登場してくる。2、3頁の短いものから十数頁のものまで長短あるけれども、著者は各編でこうした事件・人物をめぐるストーリーを紹介しつつ、おのが胸に去来する思いを重ねていく。さらに言えば、全編を貫く執拗低音として文中に終始鳴り響いているのが「UFOはさみしい」というテーゼなのだった。

この「UFOのさみしさ」というのはそれぞれの事件・事例に即して語られる。UFOは人里離れた場所に出現することが多い。体験者もたったひとりというケースがほとんどである。自らの体験を語れば周囲からは怪しまれる。騒動になって家族が崩壊してしまうこともあった。UFO体験というのはリア充みたいなものとはあまり縁がなく、孤独や孤立、淋しさのほうと結びついている。これは一体なんなのだろうね――著者は繰り返しそう問いかけている。

これを考える上でのヒントも与えられている。1966年、フランスで歯車のついた車輪様のUFO(?)が地表を走行していた奇妙な事例を引いて著者は言う。「これが特殊な例なのかと言えば、UFOのカタチは実は他もそれほど統一されていません」「UFOにしても宇宙人にしても、それぞれ個々の事例の間に共通項は少なく、なんら一つに集約することはできません。つまりそれは、共感しうる最大公約数的な世界を越えた視界であり、その視界はほぼ誰とも共有できないという意味において、孤独なのです」。

ここで示唆されているのは、UFOというのは「客観的な存在」などではなく目撃者ひとりひとりの主観的な体験として立ち現れるものだ、ということなのだろう。であるからこそ一口に「UFOの体験者」とかいって括ってみても彼らは同床異夢。互いにわかり合うことはできないし誰にも分かってもらえない。だからこその孤独。何ともさみしい。

しかし勘違いされると困るのだが、コレは「そうかそうかしょせん妄想なんだからUFOの目撃者が孤立するのはしょうがないよネ」といった話ではない。それでもなお著者は奇っ怪なUFO譚について愛を込めて語り、UFOに憑かれた人々へのシンパシーを隠さない。で、ここから先は推測をまじえての話になってしまうのだが、筆者のUFO愛の根源にあるのは「UFO体験をどうしても必要としてしまう人間への共感」というものなのだろう。

おそらくこれは宗教心の喪失といった問題とも絡んでいるのだが、現代に生きる多くの人々は内面に何らかの違和感ないしは欠落感を抱えている。日々の生活、暮らし、社会といったものは一見滑らかに進行している。しかし本当にこれがすべてなのか。現実の皮一枚がめくれたらそこには驚嘆すべき何ものかが潜んでいるのではないか。そして、そんな異界との遭遇は畏怖と魅了感動とが渾然一体となった感情――神学者ルドルフ・オットー言うところの「ヌミノーゼ」をもたらしてくれるだろう。そのようなモノとしてUFOは我々の前に立ち現れる(ことがある)。これを魅力と言わずして何と言おう。だからこそ人々は幾千万のUFO譚を心の中に生起させてしまう。それが単一のストーリーに帰着しないのは淋しさの源ではあるけれど、だからこそ千変万化の物語は人の心を打つともいえる。「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」(トルストイ)

ということで勝手な批評をしてきたがこれはこの本にはイロイロと読者の想像を喚起する部分があるなぁというだけの話で、実際の本は平易な文章で書かれていて妙な理屈が出てくるわけではないのでご安心を。自費出版系にありがちな行間ギチギチみたいな本ではないし生成AIを使ったイラストなんかも配していてレイアウト的にも読みやすい。興味をおもちの方はゼヒ注文してみると良いと思います。Xのアカはこちら。全140頁。(おわり)


【追記】ちなみにUFOは基本「さみしい」のだが、UFO体験をした人の中には家庭はぶっ壊れたけれどもその後コンタクティー仲間の若い美女と再婚したという人物もいるようだし「フリーセックス教団じゃネ?」と騒がれたUFOカルトを立ち上げた人もいる。人生イロイロではあるw
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毎年この時期になると一年を回顧するモードに入ってこんな本あんな本を読んだなあなどと回顧することになるのだがオレはいちおうUFO問題評論家(笑)なのでとりわけUFO本をめぐる動向には関心があり、海外本にまではなかなか目が届かぬけれども国内で商業出版された本については花田英次郎賞UFO本部門受賞作を毎年勝手に選定しているぐらいだ。で、そうしたところにもってきて、この11月、ASIOS編『昭和オカルト前史研究読本』(サイゾー)という本が出た。

この本には所謂オカルトにまつわる論考が幅広く収録されているのだがUFOネタも取り上げられている。それにオレももともと超常現象等全般についてそれなりの興味はある。加えて編者となっているASIOS――すなわち「超常現象の懐疑的調査のための会」が出している本はあんまりハズレがないというのは体験的に知っているから今回コレを買って読んでみた。最近ブログを放置気味でもあったので丁度よかろうということで以下簡単に読書感想文を書いてみたい。

*なお本年の花田英次郎賞UFO本部門についていうと、今回の『昭和オカルト前史研究読本』もそうだがそもそも「UFO本」という範疇に入る書籍はなかった。いや、無かったというと言い過ぎだろうがオレの目に入る範囲で読むべきUFO本というのはなかった(あるいはどっかのビリーバーさんが書いた妄想本みたいなのはあったかもしらんがそういうのはハナから無視している)。強いて言うと中島岳志『縄文 革命とナショナリズム』(太田出版)は太田竜やUFO研究団体CBAに触れていて学ぶところが多かったけれども、これをUFO本として括ることはできぬだろう。そういう意味では残念ながら本年の花田英次郎賞UFO本部門は受賞作ナシである。全国のUFO研究家の猛省を促したい(笑)。

昭和オカルト前史研究読本
ASIOS
サイゾー
2025-11-26




さて今回のこの本であるが、従来のASIOS本とは些か毛色が変わっている。民間有志が作っているこの団体の旗印は団体名からも明らかなように「超常現象を懐疑的に調査する」ことである。従っていつも出している本では予言だとか超能力だとかいった何だかとってもアヤシイ主張について「ココがヘンやろ」「それはムリな主張やで」等々ツッコミを入れまくっているのだが、この本では基本的にそういうことはしていない。

実はASIOSでは2019年に『昭和・平成オカルト研究読本』という本を同じ出版社から出しており、今回のはその続編というテイになっている。1970年代、つまり昭和40年代後半以降に国内で大きなオカルトブームが起きたのは衆知の事実であるけれども先の『昭和・平成オカルト研究読本』ではそのあたりから後のオカルト史を総括したので、じゃあ今度は時代をさかのぼり、70年代のブレークに至る以前のオカルト界隈の歴史をひもといてやろうじゃないかという狙いで本を作ったようなのである。過去になされた主張の内容を吟味するとかいうんじゃなくて知られざるオカルト史を紹介する。そういうノリである。

まぁそういうスタンスなので、流れとしてはどうしてもあんまり知られていないオカルト奇人怪人の事績を紹介するという話になりがちである。もっとも中には中岡俊哉だとか斎藤守弘、南山宏といったオカルト業界の超有名人の歩みを紹介する原稿もあるけれども、ひょっとしたら「あまりにもマイナーな奇人ばっかり登場させても一般の人は買ってくれんのじゃないか」ということでこういう人物を登場させているのかもしれない。まぁそれでもこのオカルト奇人怪人列伝、決して悪くないと思った。

たとえばオレの好きなUFO関連のネタでいうと「プレ・コンタクティーたちの肖像」(小山田浩史氏)という論考がある。この世界ではUFOに乗ってきた宇宙人と友好的に会見した人々のことは「コンタクティー」と総称されていて、その元祖は1952年から接触を始めたと主張するジョージ・アダムスキーだということになっているが、ここでは「いやいやいや彼以前にも似たようなこと言うとった人はおりましたで」という議論が展開される。とりわけここに出てくるユージン・ハリー・ドレイクなる人物は1950年の時点で「オレは宇宙人とコンタクトしとるで」という薄い本を出しており、「出会ったのは高邁な宇宙哲学を説く美形金星人だった」などというのはアダムスキーのそれとクリソツである。ついでにいうと宗教団体を率いていたこと、あるいは「教授」を自称していたことなどもやっぱりアダムスキーと重なってくる。

じっさいUFO問題評論家を僭称しとるくせに歴史に埋もれたこんなオヤジがいたことは全然知らなんだので勉強になった。じゃあなんでこのドレイクさんが埋もれてアダムスキーが大成功したのかみたいなことも思わず考えてしまったのだがたぶんそれはアダムスキーの自己顕示能力がずば抜けていたということなのだろう。天文台のあるパロマー山の麓だかに居を構えていたというのも計算づくでそこで「教授」を僭称すれば「なるほどアダムスキ先生は天文台に勤めている偉い先生なのかっ!」とアホは勘違いするだろう。あるいはランタンの部品を利用してなかなかに魅力的なエンバンモデルを作り出しさらには写真を通じてそのビジュアルイメージを広めるあたりも実に素晴らしいセンスだ。

ちなみにこの論考にはドレイクさんの本を写した写真が添えられているのだが、そこには何だかよくわからんショボいエンバン写真(?)みたいなのとイラストが載っているばかりでこれじゃあ鮮明なアダムスキー円盤に蹴散らされるヤロと思った。売れる/売れないを決めるのは中味というより見た目でありパッケージングである。コレ、人生の真理である

このほかにもUFO関連の論考はいくつかある。「聖書や仏典とオカルトを結びつけた山本佳人」(原田実氏)は、世界宗教の聖典は宇宙人とのかかわりの中で生まれたものであるというようなバチ当たりなことを『聖書とUFO』『仏典とUFO』などで説いた山本佳人を紹介していて面白かったが、読みながらどうせなら『コーランとUFO』も書いて欲しかったがそこはやはりビビったのだろうかなどと想像を逞しくした。

また「関口野薔薇と十菱麟――昭和三〇年代の精神世界の探究者たち」(中根ユウサク氏)は怪奇超常方面の古書蒐集家の手になるもので、戦後オカルト言論人としてUFO言説にもチラチラ名前が出てくるけれども強烈な字面に比して事績がイマイチよくわからんかった関口、十菱両氏とその周囲の人物群像を描いていてオレ的には学ぶところ大であった(それとこれはどうでもいいことだが十菱麟は「AZ」シリーズと称した書籍を出していたそうだがそうすると1980年代から90年代にかけてであったか新人物往来社が出していたオカルト雑誌「AZ」というのは十菱リスペクトとかそういう意味があったのだろうか? ちょっと気になった)。

このほか「『逃げろツチノコ』前史」「雪男探検史」といった記事はなかなか読ませる文章で、そのいずれも執筆している黄之瀬寛朗氏なる書き手を知ったのもひとつの収穫ではあった。

ということで総じていえば今回の本はとても好感を持てたのだが、逆にいうとマイナーなオカルト奇人変人列伝というコンセプトが前面に出ているだけにあんまり予備知識のない人にはなかなか取っつきにくい面があるのではないか。じっさいこの本にはオレが全然知識のないネタも取り上げられておりそこでは調べたことを全部ぶち込まんと納得がイカンということなのか文中にやたら丸カッコを入れまくったり細かい脚注を付しているが故に読みづらく一体何を言いたいのか全然わからぬまま途中で読むのを断念したのもあった(もちろんそういう論考もいわゆるオタク的偏愛をもつ読者には歓呼の声をもって受け入れられるのであろうが)。いわば読者を選ぶ本ということか。そして少なくともオレについていえばこれは一部ついてけない部分があるのは事実にせよ「2200円を投じて読むに値する本」であった。(おわり)

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