けさの朝日をみたら、またぞろ特集ページをつくって天声人語の宣伝をしておった。

以前、「天声人語を1分間眺めて覚える→文章を思い出してマス目に書き入れる→正確に書けた文字数を数える」とゆー訓練をすると「脳の働きを著しく高める効果が期待できる」というトンデモまがいの宣伝をしていたので批判してさしあげたのだが、今回も「××文字も覚えられたよー」とかいって喜んでいるノーテンキな学生さんなんか登場させていて本日も反省の色ナシ。 若人がこんなバカげたプロパガンダに易々と引っかかっているのをみると、日本の将来は実に心配である(笑)。

これも先に書いたことだが、仮に脳科学的に(笑)効用があるとしたって、別に暗記するものは天声人語でなければならんリクツはないのでコンテンツは何でもよい。とゆーか、どうせなら何か心に残るものがよいであろう。論語でも毛沢東語録でも教育勅語でも。

閑話休題。今回の紙面では、またまたどっかの学生さんを巻き込んで、天声人語の「1文目」を作ってみよう、とかヘンなプロジェクトを展開しておる。何か思わせぶりなマクラを作ってみてください、天声人語子がそっから続きを書いて仕上げてみせますから、みたいな企画を実地にやってみせている。つまり何だ、天声人語子の職人芸をご覧アレ、と言いたいのであろう。くだらん。「コラムなんてものはさー、気のきいた表現でチャチャッと文飾すりゃあすぐ仕上がるものヨ」みたいな軽薄さに虫酸がはしる。

じゃ、いいや、オレも「1文目」を作ってみるから。こういうのはどう続けてくださるのかナ?

被災地はボランティアを求めている。若者よ北へ向かえ――天下の大新聞のコラムニストがそう書いていた。はて、と思った。ご自身はどうなのか。まさか自分は大本営参謀なのでボランティアどころではない、とお考えか。ならば言っておこう。見当違いもはなはだしい


あ、いかんいかん、全然「1文目」じゃねーや。いやしかし、本当の文書というのは自らのうちから溢れ出す主張ありきなので、ついついこういう風に展開していってしまうのがスジ。「1文目」を考えよう、とかいってる時点で、すでに人間のものを考える力というものをバカにしているのだった。