朝日新聞朝刊3面の「プロメテウスの罠」という原発企画、なかなか面白い切り口だと思って読んでいる。たまに朝日批判を書いているけれども、そこらへんはもちろん是々非々であって、面白いものは面白いと評価せねばなるまい。
で、現在は「無主物の責任」というシリーズが始まっている。広島原爆に遭遇して以来、内部被曝の危険性を説き続けている医師・肥田舜太朗氏を中心とした話を展開しているわけだが、しかし! 今朝の記事ばかりはなんともいただけない。
前田基行記者によるこの署名記事、原発事故後にとつぜん子供が鼻血を出したので、これって放射線の影響じゃネ?と不安になってしまった親御さんに「心配だ」みたいなことを語らせたりしている。一方で「心理的な要因が大きいのでは」みたいな専門家のコメントもいちおう載せているから、放射線の影響と断定してるワケじゃないんだが、オイオイ、こういう書き方こそが「正しく放射線を怖がる」のを妨げるんじゃねーのか?
じっさい今回の事故後、日テレのディレクターだった(あるいは現在も在籍中?)木下黄太氏などがネットで「首都圏でも子供が原因不明の鼻血を出したり下痢になったりするケースが増えている。放射能の影響では?」みたいなウワサを広めたのは有名な話。オレもちょっと気になって、その辺の情報は一時期フォローしていたのだが、どうも首都圏あたりの放射線量でそのテの急性症状が現れる、というのは現在の医学のジョーシキからいうとイクストラオーディナリー怪しいらしい。つまりは「主観的」な思いこみではないかという話だ。
その辺はいぜん拙ブログに書いたこともあるんだが、たとえば「涼風庵徒然」なるサイトをみると「鼻血が増えたというデータはない。下痢は増えていない」ということのようだ。
で、朝日の記事に戻る。確かに「首都圏あたりの低線量被曝でもひょっとして?」というのは気持ちのいい話ではない。厳密なことをいえば、そういう現象が起きる可能性は皆無とは言い切れないのだから。だがなー、こういうときこそマスメディアというのは「より信頼に足る情報」を提示して、「より正しいと思われる判断」を下すお手伝いをしなきゃいけないんじゃねーの? だからさ、「こういうことを言ってる人がいる。反対意見もあるけど」って言いっぱなしにするんじゃなくて、じゃあ本当にそんな現象が起きているのか、「データを集めてみる」っつーのがまず最初にすべきことなんじゃねーの?
おそらく鼻血を出した人の数なんてデータ、あんまりねえだろうから(笑)作業は難航するだろうが、たぶん今のところ言えるのは「少なくとも鼻血が急増していることを示唆するデータはない」ってことじゃねーの? たぶん。
木下氏の主張でかなりビビった人も多いらしいンで、だからこそマスメディアにはこういうネタを扱うについては冷静な態度をとってもらいたいものだ。その点でけさの記事は失格。それともあすあたりの紙面で「いや、データ探してみたら鼻血仮説はデマでした」って言い出すのかしら?
【追伸】
なおけさの「天声人語」も(いつもながらw)変調気味であった。
この人は何を言いたいのだろうか? 春の新学期って日本人にとって実にしっくりきていいよね~というのには異存がないが、だからといって「何か新しいことを始めるのはつねに春であるべきだ」という話にはならない。「今年の大学3年は少し可哀想だ」ってオイ、そもそも「就活始める時期があんまり早すぎてちゃんと勉強もできねーじゃねーか、少しぐらい遅くしろよ」っていう流れの中で開始時期が先送りされたんであって、なにを見当違いの同情してんだよ? だいたい昨シーズンだって大学生は「木枯らしの中でオフィス街歩き」してたんじゃねーのか? とゆーか「オフィス街歩き」って何だよ?
ちなみに朝日新聞の採用情報ページをネットでみたら、「2013年度入社 春の採用試験」について
などと書いてあった。
「就活は春から始めるべきだ」っつーんなら、まずお前ントコの採用試験情報も来年の春まで一切だすなよ。
で、現在は「無主物の責任」というシリーズが始まっている。広島原爆に遭遇して以来、内部被曝の危険性を説き続けている医師・肥田舜太朗氏を中心とした話を展開しているわけだが、しかし! 今朝の記事ばかりはなんともいただけない。
前田基行記者によるこの署名記事、原発事故後にとつぜん子供が鼻血を出したので、これって放射線の影響じゃネ?と不安になってしまった親御さんに「心配だ」みたいなことを語らせたりしている。一方で「心理的な要因が大きいのでは」みたいな専門家のコメントもいちおう載せているから、放射線の影響と断定してるワケじゃないんだが、オイオイ、こういう書き方こそが「正しく放射線を怖がる」のを妨げるんじゃねーのか?
じっさい今回の事故後、日テレのディレクターだった(あるいは現在も在籍中?)木下黄太氏などがネットで「首都圏でも子供が原因不明の鼻血を出したり下痢になったりするケースが増えている。放射能の影響では?」みたいなウワサを広めたのは有名な話。オレもちょっと気になって、その辺の情報は一時期フォローしていたのだが、どうも首都圏あたりの放射線量でそのテの急性症状が現れる、というのは現在の医学のジョーシキからいうとイクストラオーディナリー怪しいらしい。つまりは「主観的」な思いこみではないかという話だ。
その辺はいぜん拙ブログに書いたこともあるんだが、たとえば「涼風庵徒然」なるサイトをみると「鼻血が増えたというデータはない。下痢は増えていない」ということのようだ。
で、朝日の記事に戻る。確かに「首都圏あたりの低線量被曝でもひょっとして?」というのは気持ちのいい話ではない。厳密なことをいえば、そういう現象が起きる可能性は皆無とは言い切れないのだから。だがなー、こういうときこそマスメディアというのは「より信頼に足る情報」を提示して、「より正しいと思われる判断」を下すお手伝いをしなきゃいけないんじゃねーの? だからさ、「こういうことを言ってる人がいる。反対意見もあるけど」って言いっぱなしにするんじゃなくて、じゃあ本当にそんな現象が起きているのか、「データを集めてみる」っつーのがまず最初にすべきことなんじゃねーの?
おそらく鼻血を出した人の数なんてデータ、あんまりねえだろうから(笑)作業は難航するだろうが、たぶん今のところ言えるのは「少なくとも鼻血が急増していることを示唆するデータはない」ってことじゃねーの? たぶん。
木下氏の主張でかなりビビった人も多いらしいンで、だからこそマスメディアにはこういうネタを扱うについては冷静な態度をとってもらいたいものだ。その点でけさの記事は失格。それともあすあたりの紙面で「いや、データ探してみたら鼻血仮説はデマでした」って言い出すのかしら?
【追伸】
なおけさの「天声人語」も(いつもながらw)変調気味であった。
春に新学期が始まる日本の学校はいいと、日本語で創作する米国人作家のリービ英雄さんが他紙に寄せていた。秋に始まる米国では、自然の色彩が薄れていく中での授業になる。それより日本のように、自然が一日一日カラフルに開いてくる季節の授業は気持ちが良い、と▼それを思うと、今年の大学3年は少し可哀想だ。3年生に向けた企業の広報活動が、去年までより2カ月遅れてきのう解禁され、就職活動が本格スタートした。寒さに向かう年の瀬、木枯らしに吹かれる中で、オフィス街歩きが始まった
この人は何を言いたいのだろうか? 春の新学期って日本人にとって実にしっくりきていいよね~というのには異存がないが、だからといって「何か新しいことを始めるのはつねに春であるべきだ」という話にはならない。「今年の大学3年は少し可哀想だ」ってオイ、そもそも「就活始める時期があんまり早すぎてちゃんと勉強もできねーじゃねーか、少しぐらい遅くしろよ」っていう流れの中で開始時期が先送りされたんであって、なにを見当違いの同情してんだよ? だいたい昨シーズンだって大学生は「木枯らしの中でオフィス街歩き」してたんじゃねーのか? とゆーか「オフィス街歩き」って何だよ?
ちなみに朝日新聞の採用情報ページをネットでみたら、「2013年度入社 春の採用試験」について
《応募方法》朝日新聞採用情報ページからプレエントリーをください。応募の詳細は、My Pageでご案内します。
などと書いてあった。
「就活は春から始めるべきだ」っつーんなら、まずお前ントコの採用試験情報も来年の春まで一切だすなよ。
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