朝日新聞の「巨人契約金問題」報道をめぐって、朝日―読売のバトルが始まっておる。

まぁそれこそ高橋由伸とかは、「意中の球団はヤクルトだったが、オヤジがこさえた借金返済のため多額の裏金を積んでくれた巨人に乗り換えた」とかいうウワサがこれまでも公然と語られていて、しかし当人が「ハイそうでした」などと言うわけないので、「ま、巨人ならやりそうだよなー」といった印象を皆さん感じていたとは思うのだが、その辺の確証を朝日が得たということなのであろう。

個人的には「あ、やっぱりそーなのね」でいいような気がする。古くは別所毅彦引き抜きから始まってこのたびの杉内・村田にいたるまで、「カネで引き抜く」は巨人のお家芸なのであって、ま、今回もそうなのだが、巨人=読売の「カネで補強するのも企業努力だ、カネのないヤツがひがむんじゃねーオラオラオラ」という論法はつねに一貫している。

要するに「そーゆーヤツ」なんである。メディアも抱えてるから声も大きい。相対的に人気球団であるという事情もある。今回の契約金騒動もそうだが、よその球団も「まあウラに回りゃあオレたちだって真っ白ってワケじゃねーし、巨人のやることならしょうがねーよな」と思っているのである。

だからいまさら道義上どうこう言ってもしょうがないのである。とにかく「そーゆーヤツ」なんだから。ま、オレ的にはそういうカネにあかせた補強というのは好かんが、みてなさい、巨人=読売はぜったい頭下げないから。で、世論も「ま、いーんじゃネ」で終わるのだ多分。大衆も別所以来(我ながらしつこいなw)何度も何度もおんなじようなことやってきた巨人を赦し続けてきたのだから。くやしいけど。

そういう意味でいうと、読売サイドも紙面を使ってさかんに「反論」をしているようだが、これはかえって大人げないのではないか。「世の中こーなってんのよヘヘヘヘ」といって、陰で笑ってりゃいいんじゃねーのか。

読売サイドはどうやら「情報流出」の根源は例の清武元代表と断定したらしく、けさなども「球界の契約情報暴露…清武氏の著書に怒り噴出」などという記事をデカデカと掲載してる。が、オレなんかにしてみると、この記事で「お、そうかそうか、今月16日に清武英利が球団批判の本を出してるのか!」とわざわざ教えてもらったに等しく、その本「巨魁」(ワック出版)という本をついつい買ってしまいたくなるのだった。これは逆効果ではないのか?


ついでにひとつ言っておくと、読売は「情報流出」は企業秘密の盗難に等しい云々という批判をさかんにしているのだが、じゃあ新聞お得意の「企業合併スクープ!」とかいうのは良いのだろうかというツッコミが当然出てくるワケだし、一方で「朝日は情報の入手先を明かせ」みたいなことまで言い出してるが、これって報道機関としては自らの首をしめる発言ではないのか。

泰然として黙ってりゃいいのに、ペチャクチャ余計なことをしゃべってしまう。これは逆にいえば、「新聞の覇権」に自信をもてなくなってきたことの裏返しなのかもしれないが。


巨魁

巨魁

  • 作者: 清武 英利
  • 出版社/メーカー: ワック
  • 発売日: 2012/03/16
  • メディア: 単行本