往年の名打者、榎本喜八が死んだ。リアルタイムで彼の活躍をみた記憶はないんだが、荒川博といっしょに合気道やって、それを独自の打撃理論に結実させたという、まぁ伝説の打撃職人である。
もちろん、野球でも何でも「道」にしてしまうというのは大袈裟でいかん、という向きもあるとは思うけれども、なんか大リーガーとかいってカミ煙草クチャクチャペッ、みたいな野球みせられてると、あー、でもこういう「野球道」路線ってのもアリだったのかもな、と思ったり。大山倍達が眉毛剃って山ごもりして修業した、みたいな、もう何かすべてを賭けて道を究める、みたいな話はどうも流行らなくなってしまったけれども、それだけに何か懐かしいような気がしたり(もっとも漫画で流布した大山のエピソードはほとんど創作らしいけどね)。
で、こういう人間はどうしても「神懸かりだ」とか「変人だ」とかいわれて世の人々から忘れ去られてしまうのだな。その実績からすればもう日本プロ野球史上5本の指に入る名打者だと思うんだけど。悲しい話ではあるなあ。合掌。
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