打撃の神髄-榎本喜八伝

打撃の神髄-榎本喜八伝

  • 作者: 松井 浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/04/27
  • メディア: 単行本



敗れざる者たち (文春文庫)

敗れざる者たち (文春文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1979/09
  • メディア: 文庫



往年の名打者、榎本喜八が死んだ。リアルタイムで彼の活躍をみた記憶はないんだが、荒川博といっしょに合気道やって、それを独自の打撃理論に結実させたという、まぁ伝説の打撃職人である。

もちろん、野球でも何でも「道」にしてしまうというのは大袈裟でいかん、という向きもあるとは思うけれども、なんか大リーガーとかいってカミ煙草クチャクチャペッ、みたいな野球みせられてると、あー、でもこういう「野球道」路線ってのもアリだったのかもな、と思ったり。大山倍達が眉毛剃って山ごもりして修業した、みたいな、もう何かすべてを賭けて道を究める、みたいな話はどうも流行らなくなってしまったけれども、それだけに何か懐かしいような気がしたり(もっとも漫画で流布した大山のエピソードはほとんど創作らしいけどね)。

で、こういう人間はどうしても「神懸かりだ」とか「変人だ」とかいわれて世の人々から忘れ去られてしまうのだな。その実績からすればもう日本プロ野球史上5本の指に入る名打者だと思うんだけど。悲しい話ではあるなあ。合掌。