ジャック・ヴァレー『人はなぜエイリアン神話を求めるのか』(1996・徳間書店)を改めて読んでみたんだが、ちょっと訳が雑すぎるなあ。武士の情けで、ここには訳者の名前書かないけど。

まぁオレもさいきん趣味的に翻訳のまねごとをしていて実際難しい仕事だろうなぁとは思うのだが、「オレは素人だかんネ」と予防線を張った上で言わせてもらえば、やはり日本語として意味がよくわからない、とか、あまりにギクシャクした文章になってたりというのはプロとして如何なものかと思う。

オレのささやかな経験からいえば、日本語がわかりにくい場合は、まず訳者自身が何をいってるか理解できていないと理解していいと思う。あるいは欧文特有のロジックをストレートに訳しているために日本語としては珍妙なものになってしまっていて、原文にあたったら「あ、そういうことなのね」と納得できるケースも時にあるかもしれんが。

この本についていえば「結論」部を勝手にはしょって出版した罪もある。ヴァレの本で邦訳が出てるのは対談本とSF(笑)を除けば、唯一の単著がコレなんだから、ほんと日本とはつくづく縁のないお方である。まぁUFOファンといっても、いささかひねくれたというか裏街道を行くのが好きな人にしか受けないだろうから出版社も二の足を踏んだ、ということだったんだろうけどね。