「放射能汚染地域に住む人の血ってほしいですか?」というツイートをしたことで有名になった桐生市議だそうだ。

つまり、この人は「桐生は放射能汚染されている。よってここで得られた献血も汚染されている」と考えているのだろう。

本当にこういう人が市議をやっているかと思うと溜息がでるな。嗚呼桐生市。

確かに桐生あたりにも福島第1原発由来の放射能はとんできてるのだろう。それが市民の身体にいかほどの影響を与えているかといえば、もちろん意見に幅はあるだろうから「憂慮すべきだ」という主張があってもよい。

で、百歩譲って「身体的影響はかなりある」と仮定してもいいんだが、内部被曝であれ外部被曝であれ、そうやって影響を受けた人の体内を循環している血液が「汚染」されたりするんだろうか? 医化学的に説明できるのか? 単に放射能コワイコワイの思いつき、ではないのか? 仮にナンボか血液中に放射性のセシウムが入りこんでても(そんなことあるんか、とは思うが)輸血先でさらなる影響を及ぼすなんてことは、ありうるんか?


もちろん「よくわかんないから最大限怖がっておこう」というのは、まぁ市井のオレたちであれば、知恵が及ばない分を補う処世訓みたいなもので、あってもいい。だが、この人は市議である。少なくともその発言には公的な重みがあるわけで、ファクトを全然踏まえない「コワイコワイ」を連発するというのは如何なものか。もう3.11から1年以上がたっているわけで、オレたちだって、以前にくらべれば、それなりに冷静に判断できる知識は蓄えてきているのだぞ。

この人は、そのへんの分別がないまま桐生市民にぬぐい去ることのできないスティグマを恣意的に押しつけているわけであって、だからこそ「差別主義者」とかいって批判されてしまうのである。


がしかし、改めてtogetterなどみてみると、もちろん反省などされている風はない。で、言葉が汚い。罵詈雑言のオンパレード。


私の辞書は不良品なので節度とか品格という文字はない

くずにつべこべいわれたくないわ

こんなバカばかり議会に送った市民の責任です


いやー、オレなんかも過去、ブログでいろんな人を罵倒してきてるので(笑)偉そうなことはいえないんだが、しかし何の権力もない一個人と市議では話は違うでしょうよ。

前にもいったように、主義主張があるのはいいが、それがファクトに基づくものか、あるいは憶測に拠る部分が多いのではないか、そのあたりは公人なんだからちゃんと考えた上で発言しないとダメである。まぁしかし、ツイッターを読む限りではこの人、オレサマ思考を一歩も出ることができていないようだ。当選したんだからオレサマの発言に一切疑義はみとめん、みたいな。

どうやらこの人の政治的立ち位置って「市民運動」サイドみたいなんだけど、けっきょく、そのたたずまいっつーのは田舎の保守政治のボスと相似形なんだよね。何やってんだか、って感じ。


けっきょくは桐生の民度、ということになってしまうのかなあ(笑)