オレはレガシィツーリングワゴンの2002年式に乗っているわけだが、まぁサンデードライバーのため、まだ5万キロも走っていないわけで、しかしそれでも何となく相応のヤレも見えてきたこともある。突然死もイヤなので車の買い換えを考えているのだった。で、また備忘録代わりのチラ裏。

とりあえずの候補は現行レガシィツーリングワゴン2.5iアイサイトと、ゴルフVIコンフォートラインマイスターエディション。ひょっとしたらマークXでもいいかなぁ、といったところ。基本的に望むこととしては、「長距離走っても疲れない」「静粛性」「取り回しの良さ」「そこそこの質感」「そこそこの居住性」「そこそこの安全性」「でもトヨタ的80点主義はイヤ」といったあたりで、イメージ的には「小さな高級車」的なモノ。端的にいえば今乗ってるレガシィ程度の性能で十分なのである。

が、前にもちょっとブログに書いたのだが、最近の車はドンドン肥大化しておって、横幅1.7メートルにおさまる「5ナンバー」車では、「質感」を感じさせるような車は絶滅してしまった。このショボい日本の道路事情では、やはり5ナンバーぐらいの車がベストだと思うのだが。

ということで、そこそこ質感があって、そこそこ静かで、みたいな基準でいくと、やはり横幅1.7メートル超は覚悟しなければいけないのだ、と悟る。この条件は泣く泣く呑むことにした。そうしてとりあえず候補として考えたのがレガシィとゴルフなのだった。
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さて、今のレガシィである。ずいぶん大きくなってしまって、回転半径も確か5.5メートルと取り回しはかなり悪い。安全設備のアイサイトは実に魅力的だし、スバルのAWDはやっぱり信頼性が高いのである。が、内装はコストダウンのせいかひところよりずいぶん安っぽくなってしまったというのがもっぱらの評。エクステリアも最近のは実に野暮ったい。「そこそこ静かで、かなり広い」というのは評価すべきところだが。

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そこでゴルフ。横幅はレガシィと同じぐらいだが、前後長はたしかレガシィワゴンより50センチぐらい短い。回転半径も5.0メートルぐらいなので、狭い道路のすれ違いというシーンでは大差ないにしても、一般的な取り回しでは明らかにレガシィを凌駕する。内装は地味ながら質感はそこそこ高いようだ。シートの評判もまずまず。外観も、けれん味はないがオレの感性からいうと上品である。荷室容量はレガシィ比で3分の2ぐらいだし、シート周りの絶対的な広さでも劣る。が、外寸を考えればそこそこ頑張ってスペースを確保しているという声が多い。国産車にくらべると故障が多くて、ときに多大な出費を強いられるとも聞くが、10万ぐらいで5年間の修理保証サービスもあるので、これに加入すればレガシィ2.5iアイサイトの車両本体価格とトントン。けっこういいライバルではないかと思ったりする。実際、こないだ寄ったゴルフのディーラーでも「レガシィから乗り換える人もけっこういるんですよ」とか言っていたな。

故障は多いが独特のキャラがある、というのが外車の持ち味(?)であるらしい。死ぬ前に一回外車に乗ってみてもいいのかな、というわけで、ここんとこゴルフにやや気持ちが傾きつつある。

ただなぁ、ネットでいろいろ検索していると「ゴルフ? 日本じゃ高いけど、外国じゃあ価格帯的にいってもカローラやアクセラがライバルだよ? 貧弱貧弱~(笑)。質感だってしょせんそのあたりと同等なんだよ」とかいって批判している人がけっこう多いのである。

でも、レガシィとゴルフを乗り比べてみて、「やっぱりゴルフのほうが感じいいよねー」みたいなことを書いている人も多い。いったいどっちなんだ? オレはレガシィの前にインプレッサに乗ってたので、明らかに静粛性とか快適性ではインプレッサ<レガシィだと確信していて、カローラ=アクセラ=インプレッサ<<<(超えられない壁)<<<レガシィ、という図式を描いている。するとゴルフはどの辺に位置しているんだ?

こないだ短時間だけど試乗したときの印象だけだが、内装のシッカリ感、走りの重厚さ、静粛性といったあたり、いくらなんでもカローラ、インプレッサレベルじゃねえだろう、と今のオレは思っている。その意味では「ゴルフ≒カローラ」説にはどうしても首をひねってしまう。あるいは、オレも含めて非常に多くの日本人はいまだに「舶来信仰」にとらわれていて、内装やら何やら、全然良くないのに「ドイツ車だから」といって集団幻想にとらわれているとでもいうのだろうか?

ま、その辺は措くとして、少なくとも「外国ではゴルフとカローラは価格帯的にいってもある意味ライバル」ということであるのなら、そこんとこはどう理解すればいいのか。

オレの暫定的な仮説によると、ゴルフは車の基本的な「つくり」みたいなベース部分は実に優秀なんだが、日本車なんかと比べるとあまりにも故障が多いので、質的には安っぽいカローラ、アクセラと総合的にはイイ勝負、ということにされてしまってるんではないか? 「実際に乗ったら質感でもカローラと五十歩百歩のショボさ」という説は、なんか必要以上にゴルフを否定しようという(たとえば故障で泣かされたのでネガティブな感情がわき出てしまった末の?)誇張が入っているような気もする。

ひょっとすると、一流選手の素質を秘めてるんだが、しょっちゅう故障しているんでどうしてもエース級とは認められない投手、みたいな感じなのかなあ?(最近の松坂みたいなw) しかし、これも以前ブログに書いた記憶があるんだが、かつてトヨタが出してた「プログレ」みたいな、「5ナンバーなんだが高級車」「小さな高級車」みたいなコンセプトの車は、今の日本からは消えている。コンパクトだけど質感アリ、みたいなゾーンになんかないかなぁとあたりを見回すと、おっと外国車だったらゴルフがあるじゃん、そういうノリでゴルフは日本人に受け入れられているのではないか?

日本にあってはそういうゾーンで競合する車は無い。だからこそ希少価値も出てくる。ちょっとぐらい割高でもいいヨということになって、つまり国内にあっては「カローラ? そんなのと一緒にするなYO」という話になっているんではないか。たしかに「小さな高級車」を日本のメーカーが出してくれていたら、オレもゴルフになんかに目がいかなかったのかもしれないのである。

閑話休題。ともあれ近いうちにどうするか決めねばなるまいが、それにしても、である。震災もあったし日本企業を応援すべく国産車を買ってやろうという気持ちはアリアリなんだが、最有力のレガシィにしてもオレ的基準からいうとだんだん劣化していってるワケで、このあたりは何とも悲しい。日本のマーケットがシュリンクする→外国人受けする方向にシフト→日本人シラケる→マーケットシュリンク、みたいな悪循環が発生しているような気がしてならないのである。

【追記】

あるいは、そういう「小さな高級車」志向というか、まぁダウンサイジングしてもガッカリ感は味わいたくないよなーという人たちのためにプリウスとかがある、という主張もないではない。安いんだけど、アメリカのハイソな人たちが「やっぱ時代はエコだから。プリウスいいじゃん」とか言って買っているという話もよく聞くし。ただまぁ、確かに静粛性とか燃費とかは見るべきものがあるとしても、内装とかが、あまりにもプラスチッキーで貧乏臭いのがどうしても許せんのである。金はかけてなくても貧乏くさくみせない工夫っつーか、そういうのはトヨタは苦手であるらしい。