昨晩、東京の地下鉄・東西線の東葉勝田台行き下り終電の社内でのこと。

大手町駅で乗り込んでつり革にぶらさがってたら、うしろの座席のほうで揉め事発生、らしい。
若い男二人が「何すんだよ」「脚が邪魔なんだよ」みたいなやりとりを始めた。おそらくは座ってる男が前に投げ出していた脚を、前に立った男が蹴ったか何かしたのであろう。座ってた男が立ち上がって相手をどついたらしく、どつかれた男が立ってるワシの背中にぶつかってきた。周囲で「まあまあ」みたいになだめる声があがるが、このケンカ、何かおさまりそうもない、と思う。この二人、なおも何か怒鳴りあっている。どうすべきか。一瞬躊躇するワシがいた。

その時である。すぐわきに立っていて、ケンカの一部始終を見ていたとおぼしき中年女性が一喝した。「周りに迷惑じゃないの! ここ、電車の中なのよ! ケンカするなら外に出てやりなさい! (一人に)あなたはその気があるのッ! (もう一人に)あなたはッ!」。ケンカしていた両人、なんか小声で「すいません」か何か言って、すっかり大人しくなってしまった。

ソーカイであった。「カッコイイぜ、おばさん」と内心快哉を叫んだ。と同時に、男としては若干忸怩たる思いがあった。

確かに背中のうしろのほうで始まったケンカであり、いきなり仲裁に入るのも何だかな~と確かに躊躇してしまう状況ではあったのだが、こーゆー場面に遭遇して正論ズバリと叩き込んで、酔漢(?)二人を黙らせる、やっぱりこいつは男がなすべき役目じゃねーか。その辺の空気を瞬間的に呼んでテキカクに行動できなかった俺というのは、うーん、やっぱりちょっと情けなかったゼ。人間として、まだまだ駄目だ…。

…電車の中の小さな勇気。改めて「電車男ってけっこー格好良かったんだな」って思った。